夏の終わりのサッポロ 【えぞ(西所沢)】
2017.08.31
台風15号の影響で一気に涼しくなった。台風は、熱帯低気圧というくらいだから南の暖かい空気を運んでくるものだが、相対的位置関係によっては北の冷たい空気を呼び込むケースもあるということ。
年をとると夏の暑さがこたえるので涼しいのはありがたいが、それにしても今年の夏は、よいこのみんなには気の毒をしたと言わざるをえない。
気温は低くないので冷夏とはいわないそうだが、天候不順には違いない。東京では21日連続降雨。もしオレが小学生だったら絶対グレてる。

こう涼しくなると俄然、ラーメンが食べたくなる。僕は暑ければ暑いほどラーメンが食べたくなるという異常体質を自認しているが、やっぱり欲する度合いが違うなぁ、と。食欲の秋というやつです。
ということで、秋らしくみそラーメンを。みそラーメンといえば、サッポロ。

ここでいう“サッポロ”とは、そう名乗って1970~80年代に全国を席巻した某ラーメンチェーンの傍流の生き残りのことで、北海道札幌市のラーメンシーンといったまともな方向性ではなく、いたってアナクロでB級な話。今年行った店を列挙すると、蝦夷・えぞふじ・ピリカ・ピリカ。僕らの世代は字ヅラを見ただけでピンとくるという、ああいうラーメンのことである。
本日訪れたのは西武線西所沢駅前の「えぞ」。やっぱりそのテの字ヅラ(笑)。
この店はくせ者ぞろいのサッポロの中でも特にディープである。以前、僕のあとに入ってきた初老男性のもとに注文もなしにビールとアテが提供されていたが、それがまだ午前中… というくらいにディープ。
今日もそういう常連が奥のほうにいて、あとは半チャーハン+ラーメン類という健全なお客さんが1人。
僕は味噌らーめん650円を注文。

こちらは巨漢のおっちゃんと小柄なおばちゃんで運営されていて、調理はおばちゃんが行う。おっちゃんは声がでかく敬語による丁寧な接客だが、愛想がいいかどうかは微妙。おばちゃんは愛想はよくない。この方、清瀬の「蝦夷」の台湾のおばちゃんと雰囲気がよく似てるんだが、気のせいだろうな。

味噌らーめんは炒め野菜がのる王道のサッポロスタイル。
野菜はキャベツ、モヤシ、ニンジン、ニラで、肉類は入らない。麺はツルっとした食感のやや平打ちタイプ。みそが白っぽく、スープはサッポロラーメンとしてもかなりマイルド。このテのラーメンは途中ラー油を投入するのが自分流。
こういうラーメンさえあれば、ほかはなくてもいいのかも…、と考えちゃったりもする懐かしくもホッとする味わい。

僕のあとに真っ黒に日焼けした男子中学生2人組が入ってきた。夏休み最後の日に友だちとラーメン屋。遠い昔を思い出させるような、強い共感を覚えるシチュエーションだ。
夏休みの始まる直前と終わりのころ、不思議な衝動に駆られて説明のつかない行動をとることがある。そういえば小学生のころ、村人総出の大事件を引き起こしたことも…。
ラーメン屋行きは小さな出来事でもいつまでも心に残る、ということが思い出されるようなラーメンの味である。

[DATA]
えぞ
埼玉県所沢市西所沢1-13-6
[Today's recommendation]

https://youtu.be/rugmXGeBCDI


台風15号の影響で一気に涼しくなった。台風は、熱帯低気圧というくらいだから南の暖かい空気を運んでくるものだが、相対的位置関係によっては北の冷たい空気を呼び込むケースもあるということ。
年をとると夏の暑さがこたえるので涼しいのはありがたいが、それにしても今年の夏は、よいこのみんなには気の毒をしたと言わざるをえない。
気温は低くないので冷夏とはいわないそうだが、天候不順には違いない。東京では21日連続降雨。もしオレが小学生だったら絶対グレてる。

こう涼しくなると俄然、ラーメンが食べたくなる。僕は暑ければ暑いほどラーメンが食べたくなるという異常体質を自認しているが、やっぱり欲する度合いが違うなぁ、と。食欲の秋というやつです。
ということで、秋らしくみそラーメンを。みそラーメンといえば、サッポロ。

ここでいう“サッポロ”とは、そう名乗って1970~80年代に全国を席巻した某ラーメンチェーンの傍流の生き残りのことで、北海道札幌市のラーメンシーンといったまともな方向性ではなく、いたってアナクロでB級な話。今年行った店を列挙すると、蝦夷・えぞふじ・ピリカ・ピリカ。僕らの世代は字ヅラを見ただけでピンとくるという、ああいうラーメンのことである。
本日訪れたのは西武線西所沢駅前の「えぞ」。やっぱりそのテの字ヅラ(笑)。
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この店はくせ者ぞろいのサッポロの中でも特にディープである。以前、僕のあとに入ってきた初老男性のもとに注文もなしにビールとアテが提供されていたが、それがまだ午前中… というくらいにディープ。
今日もそういう常連が奥のほうにいて、あとは半チャーハン+ラーメン類という健全なお客さんが1人。
僕は味噌らーめん650円を注文。

こちらは巨漢のおっちゃんと小柄なおばちゃんで運営されていて、調理はおばちゃんが行う。おっちゃんは声がでかく敬語による丁寧な接客だが、愛想がいいかどうかは微妙。おばちゃんは愛想はよくない。この方、清瀬の「蝦夷」の台湾のおばちゃんと雰囲気がよく似てるんだが、気のせいだろうな。

味噌らーめんは炒め野菜がのる王道のサッポロスタイル。
野菜はキャベツ、モヤシ、ニンジン、ニラで、肉類は入らない。麺はツルっとした食感のやや平打ちタイプ。みそが白っぽく、スープはサッポロラーメンとしてもかなりマイルド。このテのラーメンは途中ラー油を投入するのが自分流。
こういうラーメンさえあれば、ほかはなくてもいいのかも…、と考えちゃったりもする懐かしくもホッとする味わい。

僕のあとに真っ黒に日焼けした男子中学生2人組が入ってきた。夏休み最後の日に友だちとラーメン屋。遠い昔を思い出させるような、強い共感を覚えるシチュエーションだ。
夏休みの始まる直前と終わりのころ、不思議な衝動に駆られて説明のつかない行動をとることがある。そういえば小学生のころ、村人総出の大事件を引き起こしたことも…。
ラーメン屋行きは小さな出来事でもいつまでも心に残る、ということが思い出されるようなラーメンの味である。

[DATA]
えぞ
埼玉県所沢市西所沢1-13-6
[Today's recommendation]

https://youtu.be/rugmXGeBCDI

