夏の新蕎麦の香り 【佳蕎庵】

2017.07.27

 小平市役所に近い青梅街道沿いのこぢんまりした外観のそば屋「佳蕎庵」。うどんどころ小平にあってその名を知られたそばの名店である。
こういう普段あまり縁のない本格的そば店に入ろうと思ったのは、少し気持ちに余裕がなかったことが原因といえなくもない。最近ちょっと忙しくて、昼に外出してもあまり食事に時間をかける気になれない。そばなら早いだろう、という単純発想だ。


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名店を立ち食いそばと同列に扱いやがって、とあちこちからお叱りを受けそうだが、これが「増田屋」とか「豊年屋」ではそうはならないから不思議だ。
江戸の屋台文化の代表格、すし、天ぷら、そば、うなぎはファストフードの原型といわれるが、そういう文脈においては中庸より高級・立ち食いの両極の業態がしっくりくるのかもしれない。


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お店のホームページに「日本各地の厳選した蕎麦の実を自家製粉し、打つたびに違う蕎麦の風味を楽しんでください」とあるように、その日使用しているそばの産地・銘柄が店内に張り出されている。
本日の産地は、生粉(きこ)打ち(十割)が千葉/北早生種、粗挽きが群馬高山村/夏新蕎麦、二八以下が北海道/北早生種と栃木/日光在来種。


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注文は実はずっと前から決まっていて、味くらべ1030円。これは生粉打ち、粗挽き、並そばから2種類選ぶというもの。
前に一度入ったことがあって、そのときも同じ注文だったのだが、ほかより量が多いということに引かれ並そばを選び、頼んですぐ後悔した。わざわざ普段来ないような店に来てまで質より量を求めるというのはあまりにあさましいのではないか、と。多いといったってたかが知れてるだろうに、と。
ということで、再訪の機会があれば生粉打ち・粗挽きでリベンジ、というかリセットと決めていた。


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当方の単純な思考回路を察知してくれたわけでもないだろうが、提供が早い。5分とかかっていない。
まず千葉産の生粉打ち。そばは細打ち、緑がかった灰色。
つゆにつけずに食べてみると、若草の干し草の香りとでもいうのか、よく香る。
汁は鰹節の風味がよくだしが効いているが、かえしはみりんが強くやや甘め。あとでホームページをみると、もり汁は「生粉打ちに合わせた江戸汁(辛口)」と、「普通の汁(どっぷりつけても辛くない程度?)」の2種類とある。指定がなければ普通の汁とのこと。また課題が残った。


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続いて粗挽き。
こちらはいわゆる挽きぐるみに近いイメージで太め。黄色味がかっていて、生粉打ちよりも甘みが強い気がする。新そばの味わいということか。
こちらも香りがよいが、違いは…、違うとは思うがそれを言葉で表すことは僕にはとてもできない(笑)。


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所要時間約15分。ファストフードとまではいかないが、こういう店ではかなり短いほうだろう。
自分はただのせっかちであり、江戸の粋を解すべくもないが、これが自分のペースではある。
もったいない、とは言われる。たしかに気持ちに余裕があるときに来たほうがいいとは思う。


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[DATA]
佳蕎庵
東京都小平市小川町2-1362
http://bishu-kakyou.com/



[Today's recommendation]

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Bill Evans & Jim Hall
『UNDERCURRENT』




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