FC2ブログ

路地裏に歴史と文化の薫り 【でんえん】

2017.07.22

 1957年創業、60年続く国分寺の名曲喫茶「でんえん」。元は1924年に建てられた米蔵だという。
以前より気になる店だったが、先週放送されたテレビ東京『出没! アド街ック天国』に登場し、店主が90歳の女性であることを知り、これはぜひ行っておかなければと思った。


denen22.jpg


見ようによっては趣があり、見ようによっては朽ち果てている。――名曲喫茶というものはすでに40年ぐらい前からそういう存在だった。


denen26.jpg


昔入った名曲喫茶は、お茶の水の「ウィーン」、高田馬場「らんぶる」、中野「クラシック」、吉祥寺「こんつぇると」「バロック」など。これらの中でも「らんぶる」と「クラシック」の廃墟感はすごかった。
それらは「バロック」を除きすべて閉店し、ほかに新宿「らんぶる」など、現存するが名曲喫茶とは名ばかりというところも多い。
そんななか、われわれが若かったころすでに古びていたと想像され、そのまま現在に至っている貴重な存在が「でんえん」である。


denen15.jpgdenen13.jpg


扉を開けるとマダムのお出迎え。きちんとした服装にベレー帽の上品でかわいらしい女性である。
店のつくりは突き当りを左折するL字形で、意外に奥行きがある。いちばん奥の席に着く。
名曲喫茶に共通のにおいがする。かび臭いような、ヤニ臭いような。しかし壁紙などはメンテナンスされており、店内はきれいで落ち着く。
コーヒーは480円。角砂糖が懐かしい。


denen31.jpg


看板に〝クラシックと絵“とあるように、壁にはセザンヌ、マリー・ローランサン、ジョルジュ・ルソー… の絵。
フルート協奏曲的なバロックの音楽が流れており、先客1人がスピーカーに向かって座っているので、昔を思い出して会話がはばかられる。
その後2組お客さんが入り、(マナーの範囲内で)普通に会話が交わされ、僕らもやっとリラックスする。


denen24.jpgdenen25.jpg


曲はシューベルト『野ばら』に変わる。チェロ編曲の小品集のようで、続いて同じくシューベルト『セレナード』、シューマン『トロイメライ』、サン-サーンス『白鳥』、ボッケリーニ『メヌエット』…

店を出ると3時前にして日が陰っている。工事中の駅前ツインタワーの影響のようだ。
明るい日の光にさらされるよりも、路地裏の暗がりが、むしろ古き情緒を際立たせる。
大きな環境の変化にも、60年も街の文化を支え続けたその存在感は揺るがない。


denen27.jpg


[DATA]
でんえん
東京都国分寺市本町2-8-7





[Today's recommendation]


https://youtu.be/7_t9m2YZa0s


Latest Articles
時をかけるスパゲッティ&ドライカレー 【カフェグリーン】 Sep 22, 2021
素晴らしく昭和な 【キッチンサン】 Sep 20, 2021
こんなラーメン屋さん、懐かしい 【ラーメンショップまるよし】 Sep 18, 2021
日帰り旅 【大もりや】 Sep 17, 2021
元気をもらえる朝ラー 【村山ホープ軒 本店】 Sep 16, 2021
しっぽり飲みたい 【本むら庵】 Sep 14, 2021
コロナ禍でも根強い人気 【じゃがいも】 Sep 13, 2021
東村山が誇る銘菓 【宝来屋】 Sep 12, 2021
さんぽ 【サントアン】 Sep 11, 2021
カツカレー、こういう感じもいいな… 【八海食堂】 Sep 09, 2021
ポストワクチン時代は… 【木曽路】 Sep 07, 2021
夢から醒めて 【ぼん天 瑞穂店】 Sep 06, 2021
Ranking
          
          
Category
Category-2