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祝60周年🎊 イベント開催も! 【ふじみ食堂】

2023.06.10

 地方出身者としては都心の人気店よりむしろ郊外の地域密着型のお店にハードルの高さを感じる。
“地域の皆さまに愛されてウン十年”などとうたわれていると、皆さん顔見知り、親の代からのお客ばっかりに思えて、招かれざる客的シチュエーションを意識せざるを得ない。

いわばネイティブコンプレックスだが、それを和らげてくれるのもネイティブな人々にほかならない。
ローカルな情報をその土地の人にお寄せいただくと、「オヨビデナイ… こともない?」と安堵するし、後ろ盾を得たようで心強くもある。


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立川富士見町の「ふじみ食堂」が創業60周年を迎え、記念イベントが行われるという。
ふじみ食堂は新奥多摩街道沿いの人気店で、4月に記事にしている流れで当ブログに情報が寄せられた。
お寄せくださったのは、立川の地域密着型ウェブマガジン「立川新聞」に掲載されている短編エッセイ『Tachikawa Photo Essay』の執筆者・おおつきみつあきさん。


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非常に気になるが、イベントとなるとさすがに気が引ける。
イベント前日に伺って、せめて情報発信のお役にでも立てればというのがこの記事だ。
(イベントの概要はこちらを参照ください)


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11時15分の入店で、すでにだいぶにぎわっている(10時開店)
通されたのは、たぶん前回と同じ席。


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前回チャーハンセットを食べたので、今回はポークライスセットに。
って、ほぼ一緒や! ゞ( ̄∇ ̄;)


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フロアのおばさま方はしゃきしゃき小気味よく動き回っているが、接客も親身で、常連・非常連の分け隔てなくフレンドリーに接してくれる。
それも地元密着型でありながらためらうことなくリピートできる理由に違いない。


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ポークライスは前回記事でも引用させてもらっているこちらのブログで見て気になっていたメニュー。


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シンプルかつオーソドックスなラーメン


具材はチャーハンのチャーシュー・ナルトを豚肉に替えただけの感じだが、当たり前だがまったく別の食べ物である。
たとえばチャーハンがパラパラなのに対しポークライスはご飯が糊化してネットリな仕上がりで、タレも違うとは思うが調理法一つでこうも変わるものかと驚かされる。


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共通するのが鉄鍋で炒めた香ばしさ。
食が進む進む。


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60周年イベントが行われる明日(6/11)はあいにくの雨予報だが、一応、雨天決行とのこと。

「こないだの台風みたいにジャンジャン降ったらできないと思いますが、パラパラ程度だったらやりますよ!」


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[DATA]
ふじみ食堂
東京都立川市富士見町7-37-22





[Today's recommendation]


1963年といえば… https://youtu.be/x7prHYwxWPY



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ウマノスズクサ / 東京都薬用植物園


懐かし感いっぱい❣ 【ふじみ食堂】

2023.04.06

 立川市歴史民俗資料館をそそくさと立ち去ろうとするワタシに、「もう済んだの?」と声をかける駐車場のお掃除のおばちゃん。
入るとき自転車どこに止めればいいか聞いた流れで、この木(トキワマンサク)には花がつくんだ… とか、昭和記念公園のチューリップがきれいだ… とかとりとめのない会話を交わし、ちょっと印象に残っていたらしい。この施設の利用者にしてはずいぶん滞在時間が短いと思ったのだろう。
実はその時点で想定外に時間に追われる展開になってしまっており、六面石幢の写真を撮っただけでほかの展示を見ていない。


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左前方の緑が、たぶん普済寺


時刻は13時20分。
メシは食べなきゃいけないが迷ってるヒマはなく、知ってる店でちゃちゃっと済ませることに。


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資料館から真っすぐ南下して新奥多摩街道を左折、2つ目の信号の際に位置する「ふじみ食堂」。
初めて入る店だが“知ってる”というのは、最近立て続けにインスタ投稿やブログ記事を目にして知った気になっている。
前記事冒頭に書いている“気になる案件”の一つがこちら。

初めてのお店に入るのに長考を要する優柔不断なワタシだが、そんなヒマはないので、時間に追われる状況というのも悪いことばかりではない。


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広い駐車場を備えたロードサイド店だが、袖看板がなく電飾も使われていないのでまったく目立たない。
広い窓とガラスドアとタバコ売り場の小窓越しに店内の様子がうかがえ、入りやすい雰囲気ではある。
暖簾の“創業55年”の文字は数年前から変わっていないらしく、食べログ情報によれば1962年オープン。


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店内は意外に広く、4人掛けテーブル席が8つほど。
先客は3組5名うち1組2名は店員(まかないタイム)
窓際の席に着くと、外には金魚の池。
うわさどおり、ほのぼのしてる (ミ ̄エ ̄ミ) ボー


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メニューは中華系主体で、チキンライスやオムライスといった洋食系も充実。
事前に調べたところではポークソテーとポークチャップがとてもうまそうだ。しかしラーメンも食べたい。
ポークライスセットと迷った末、チャーハンセット(ミニラーメン付き)に。
迷ったというわりには、いつもおんなじおんなじ ( ̄- ̄;)ンー


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まかないの2人を含め、ホールはおばちゃん3人体制かな。
どういうわけか僕のあとにどんどんお客が入ってきて、ほのぼのムード一転、臨戦態勢に。
それでもおばちゃんたちの接客は余裕しゃくしゃくで、客は大いに安心感を得られるのである。


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チャーハンセットは、半チャンならぬチャーハン半ラーメン。


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チャーハンもラーメンも昔懐かしい味。
懐かしいだけでなくレベルが高い。
ほけーっ… とするくらいおいしい。
このチャーハンとこのラーメンが食べられるお店が1店あれば、ほかに店はなくていいかな(←暴言)。


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ところで、外の看板の出前持ち風キャラクターは若いころの店主がモデルらしく、作者である常連だった漫画家さんによる7コマ漫画『ふじみ食堂物語』が、あちこちの壁に掛かっている。
こちらの名物らしいのでお勘定のときにでも写真を撮らせてもらおうと思っていたら、前述のように後客が多く、漫画の額の掛かる席はすべて埋まってしまった。
なので漫画やほかのもろもろについても、こちらのブログを参照していただければ…。


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帰路は直線距離にして10kmを珍しく全力でこいで、いい運動になった。
やっぱり、あとで思えば、それは悪いことばかりでもない。


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[DATA]
ふじみ食堂
東京都立川市富士見町7-37-22





[Today's recommendation]


https://youtu.be/w0Svc6XH7K8



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ホスピタリティを感じる仕出し屋ランチ 【弁慶】

2019.04.25

 この「弁慶」というお店は、どう見てもここで長くやっているというたたずまいだが、僕が発見したのはつい最近のこと。
立川通りは自転車では走りづらいのであまり通らないことと、視覚情報的にお昼のお食事処に見えないことが、インプットされていなかった理由だと思う。


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立川通り沿い、栄町銀座という古い商店街の入り口角地。以前取り上げた中華料理店「翠燕」(アーチの向こうの赤いランチの幟)と背中合わせのような位置関係になる


まずパッと見、スナック系の飲み屋にしか見えない。店舗の外装デザインが。
一方、文字情報としては会席・慶事・仏事・仕出し…。


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で、最近発見したのがランチメニュー。
カレーライス、かつ丼、しょうが焼き定食… と、スナックでも仕出し屋でもない、ごく普通の食堂のようなラインアップなのだ。


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そのごく普通のラインアップ、普通すぎて特徴を見いだせず決めかねて店先でグズグズしていると、駐車場に取り外された袖看板が置いてあって、そこには“とんかつ”と書いてある。ここはもともととんかつ屋だったのか… と。


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店内はスナック的要素は皆無で、割烹や居酒屋のように純和風。


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入り口右手にカウンター4席、左の仕切りの向こうにテーブル4卓8席、奥が座敷で3卓12席。
2階の活用状況はわからないが、目に入る店内キャパはそんな感じ。


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注文は、さっき決めたとんかつ定食850円。


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スタッフはご夫婦かな、年配のおとうさんとおかあさん。
“野菜たっぷりメニュー店”のステッカー、“健康に配慮したサービス(マヨネーズはつけないで、ごはんの量を少なめにして)お気軽にお申し付けください”の張り紙。
BGMはTBSラジオ。


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とんかつはロースかつで、付け合わせにほぼ具なし(タマネギのみ)のナポリタン。赤だしのナメコ汁がおいしい。野菜たっぷりというか、グレープフルーツを添えることで非常にバランスがよくなっている。


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ただし、僕は何も申告していないのでご飯の量がすごく多い。キャベツにはマヨネーズならぬフレンチドレッシングがかけてある。ナメコ汁も濃い目の味付けなので、食事制限をしている人には壁の張り紙は適切なサービスだと思う。


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食べ終わって席を立ったら、ご主人が慌てて厨房から出てきた。
「コーヒーが付きます。遅くなって申し訳ありません」と、こちらのご主人は物腰が柔らかくとても感じがよい。
せっかちな僕も、いつもより時間をかけてコーヒーをいただいた。


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[DATA]
弁慶
東京都立川市栄町5-10-2





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/DMunT7sIdBE


○○450gの破壊力… 【B級食堂 相模屋】

2018.10.10

 自転車の旅は続く。
しかし、こうやってあちこちに足を延ばしてみると、いかに行動範囲が狭くなっているか思い知らされる。
立川駅の南口方面に来てみて、実に久しぶりということに気づいた。ウインズの周りには古本屋があったり中古CDショップ「珍屋」が2店舗あったりで、以前は頻繁に訪れていた。


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奥の赤い看板が「相模屋」


「いなげや」(現ESBI ?)の並びに「ラーメン二郎」ができた、と思ったら閉めちゃった… という案件があって、その方面に向かっていると、閉店からずいぶんたったはずだがまだ看板などはきれいな状態で残っている。不思議に思ってのぞいてみると、なんと「ラーメン二郎 立川店」、営業してる。
あとでネットで調べてみたら、今春、4年ぶりに営業再開したと。そういうケースもあるんだ。その間、家賃払い続けてたのかなぁ…?


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とまあ、それは自分には(たぶん)無縁の世界で、しかも現時点で自転車乗り回してる目的の一つはカロリー消費。二郎などという近寄るだけで体重増えそうな物件は急いで通り過ぎる。
目的地はすぐ裏手。


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「B級食堂 相模屋」。
B級を自称しているあたり、ただ者とは思えない。しかもサービスランチがワンコイン。


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店内は、カウンター10席、小テーブル2卓。
スタッフは、ご夫婦かな、60代くらいの感じのよいおじさんとおばさん。


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定食メニューのいちばん上、味付けが3種類あるバラ定食。
どんな料理か一応ご主人に伺うと、薄切り豚肉を炒めたものとのことで、②のしょうが醤油味を注文。


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何げなくメニュー表を見直していて、どことなく不安な感覚に襲われる。
「定食」の横に(ごはん450グラム)の文字。
ご飯や肉などを目方で考える習慣がないのでいまひとつピンとこないが、ものすごーく不穏な空気が立ち込めてきた感にとらわれる。


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こちらは仕事が素早く、ご主人がフライパンに取りかかったと思ったらもう目の前でおかみさんがご飯をよそってる。

「ごはん多めですけど、大丈夫ですか?」

と言いながら、カウンターの配膳台に、てんこ盛りのどんぶり飯をドンと Σ( ̄ε ̄;| | |・・・


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動転してご飯を斜めのアングルで撮るのを失念。いまひとつ450g感が伝わりませんが…


大丈夫ですかって、もう盛られちゃってるし… ( ̄  ̄;) ウーン…

「大丈夫。が、がんばります…(笑)」

盛られたものを減らしてもらうわけにもいかないし、がんばるしかないわけで。
しかし食べ始めてみると、450gは予想以上に手ごわかった。


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バラは、豚バラにネギ少々とシンプルな構成で、濃いめの味付けでご飯が進む。
進むことは進むが、食べても食べてもご飯が減らない。
いやー、まいった(笑)。


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幸か不幸か肉の量はものすごく多いわけではないので、ご飯とのバランスを考慮しつつ、貴重な戦力のたくあん3切れを後半まで温存し、ひたすらメシを食べ続ける。


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こういうのは、あれですね。半分過ぎると、比較的ラク(笑)。
気持ちの問題だと思う。
たいへんおいしくいただけました ヾ(ー ー ) ォィ…!


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カロリー制限は…?

水泡に帰す:
努力したものが無駄になること。水の泡。
(実用日本語表現辞典)


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[DATA]
B級食堂 相模屋
東京都立川市柴崎町2-10-3





[Today's recommendation]


https://www.youtube.com/watch?v=4Fiba80YVyM



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Red Listな飲食業態 【けやき台ドライブイン】

2018.02.20

 40代以上の人は、“ドライブイン”と聞いてどういうものを思い浮かべるだろう。
というか、それより下の人は、そういう言葉を聞いたこともなかったりするんだろうか。

かつて郊外の幹線道路沿いにドライブインと呼ばれる飲食施設があった。
主にトラック運転手や旅行客が食事や休憩のために利用した。


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――街道筋(特に有名観光地に通じるような道路)の食堂、みやげ物店などが店舗ごとに駐車場を用意し、ドライブインを名乗っていた。(Wikipedia)
――都市部からはずれた地域で幹線道路に面して立地している休憩所。 ~ 昭和40年代から道路網の整備と自家用車の普及が進んだことを背景に、全国各地で開業が進んだ。(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)

この引用にもあるように、長距離輸送路や観光道路に多くあった印象がある。
平成に入り、トラック輸送の高速道路への移行、道の駅の設置やファミレスの進出などに伴い激減。いまでは廃墟を見る機会のほうが多くなった。


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懐かしのドライブインそのままの姿で営業している店がある。
その名もずばり「けやき台ドライブイン」。

立川通り沿い、すずかけ通りとの交差点の南。
敷地が広く、店舗両脇のかなりのスペースを駐車場に割いている。駐車台数よりも大型車対応とみられる。


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初めて見たのは20年以上前のことだが、そのときすでに「このものは廃墟ではなく現役であるのか?」というような建物だった。
物理的老朽化というよりデザインや業態そのものの時代的ギャップがそう思わせた。オープンは1969年。


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1時すぎで単独客が2人、僕のあとに2人組が来店。いずれも仕事で移動中といった様子の工務職風。
入り口正面にレジがあって、“食券をお求めください”というプレートが下がっている。前金制。


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食事は和洋定食、そば・うどん、丼もの、中華… と何でもそろう。
レジ右のサンプルケースとお品書きを見つつ、「ミックスフライ」と申告。
850円お支払い。ちなみに食券が発行されることはない。


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レコードプレーヤーコンポ、雪印牛乳ドリンク冷蔵庫といった懐かしアイテムが目を楽しませる。
この店のすごさは、つくり込みがいっさいなく、ただ流れのままにこの状態に至っているという点。


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意外なことに全面禁煙のステッカーが張ってある。口コミから判断すればそう古い話ではないと思われるが、客層を考えると大改革だったに違いない。
予想より客入りが少ないのはそのせいじゃないかとよけいな心配をしてしまう。それで家族連れや女性客が増えればいいが…。


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ミックスフライは、エビ、イカ、アジのフライと、ピーマンはなぜか天ぷら。
切り干し大根とキャベツの浅漬けの小鉢が付く。みそ汁は油揚げとワカメ。


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フライはクリスピーというかガリボリという食感で、下手すると口の中を切るレベル。しかしネタに火が通りすぎているわけではなく、エビもイカもプリプリ。アジフライは鮮度がいいのか、まったく臭みがない。
ピーマン天をしょうゆで食べると口がさっぱりして、この組み合わせ、なんか正解(笑)。


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この店にはレトロな雰囲気を楽しむというイベント性を求める、悪く言えばネタづくり的な動機で訪れる客が(自分を含め)一定数いると思うが、たとえばミックスフライ定食は普通においしい。付け合わせや副菜が充実していてボリュームも十分。
昭和レトロを満喫しつつ食事もおいしい、実は高付加価値な食堂なのである。


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[DATA]
けやき台ドライブイン
東京都立川市若葉町1-1-1





[Today's recommendation]


https://youtu.be/iHO0prgzVZo



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衰退商店街の隠れ家食堂 【麦】

2017.06.20

 いわゆる団地商店街にもいろいろなタイプがあると思うが、たとえば商業棟の1階部分に商店が入居する団地内蔵型、それから隣接する路地に個人商店が集中する外付け銀座型、このあたりに特に魅力を感じる。もっとも、どちらのタイプもいまや絶滅危惧種で、代表的な衰退商店街でもある。
細い路地のさびついたシャッターの軒並みが途切れ、ふと横を向くと暖簾を掲げた小さな食堂。そんなシチュエーションを求めて衰退商店街を巡り歩いている。


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「光商店街」は東京街道団地の南東に隣接する路地裏商店街だ。往時を知らなくとも、すっかりさびれてしまったという状況は明らか。昼に営業している飲食店は2軒しか残っていない。
ただ、飲食店が全滅しているところも珍しくないので、ここはまだいいほうかもしれない。現に団地跡地を挟んで北東の一画、洋品店「ふじや」の向かいの路地裏は、ほぼ壊滅の様相を呈している。


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こちら「麦」は中華系が充実した定食屋・居酒屋。
この商店街自体相当ディープなこともあって、この店を見つけたときはゾクゾクしたが、よく見るとこぎれいな外観である。軒先テントはけっこう新しそうだし、食品サンプルの値札も日焼けしていない。植物の手入れも行き届いている感じ。
年季は入っているがメンテナンスを欠いていないという印象だ。


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店に入ると意外に混んでいる。っていうか、小さな店なので先客5人でも少々圧迫感がある。
入って右手のテーブルに初老男性3人組、正面奥の小上がりに初老男女。ほかに1卓テーブルが空いているが、カウンター席があるのでそちらに座る。先客はどう見ても地元常連なので、こういうときにカウンターがあると助かる。


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店内もメンテが行き届き、天板はピカピカ、掲示物がきれいに整列している。
お冷やを持ってきてくれた店主とおぼしきおじいさんに、焼肉定食750円を注文。


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3人組は真後ろなので見えないが、工務店、電気屋、ご隠居と勝手に推定。ずっとキュウリの芽かき法について意見を戦わせている。
奥の2人のちゃぶ台には澤乃井生酒300ml。女の人はすぐに真っ赤なナントカサワー的なものを追加。


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厨房には、年齢的に娘さんかな? というおばちゃんと、もう1人、そのダンナ? 息子? という年齢不詳な男性。さっきのおじいさんはフロア担当のようだ。



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焼肉定食は、大きめの豚肉3枚、お新香、味付け海苔、アサリのみそ汁という構成。
焼肉の味付けは、みそベースと思われる濃厚甘辛タレで、油っこさが食欲をそそる。横に添えられたポテトサラダはリンゴ入り。こういうのあったなと、味付け海苔ともども懐かしさがこみ上げる。みそ汁もアサリのうま味を生かした素朴な味わい。
全体に大味なところがなく丁寧に調理されている感じ。こういうお店は何を食べてもおいしいんじゃないかと思う。これで750円は非常にお得だ。ラーメン類も食べてみたい。


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1時を過ぎて、3人組が席を立つ。意外に打ち止めが早い。
支払いは、みそラーメン、冷し中華、冷し中華。「ん?」と思って振り向くと、テーブルにはお冷やグラス3個のみ。ビール瓶もジョッキもない。グダグダな会話だからてっきり飲んでいるものと思っていた。失礼。
小上がりでは生酒を追加しているが。


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支払いを済ませて外に出ると、おじいさんが一服していた。
「ありがとうございました」と丁寧にお辞儀してくるから、「ごちそうさまでした」とお辞儀を返す。自分で言うのもなんだが、ほのぼのしてるな… と。


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[DATA]

東京都東大和市新堀1-1432-33





[Today's recommendation]


https://youtu.be/QJqH1uZIZMw

再開発特需の定食屋 【だるまや】

2017.03.18

 妻が国分寺のリサイクルショップに行くというので自転車で同行。
昼ご飯に妻は「フジランチ」をまず候補に挙げたが、二日酔いの僕は揚げ物はきつい、量も多いという理由で却下。それでいろいろあって「だるまや」になった。

揚げ物きつい、量問題… はどこいった?
しかも頼んだのがトンカツ定食と若鳥の唐揚げ定食って、この人たちは何をやっておるのだろう。


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この店は女性だけで運用されているようだ。厨房におばちゃん2人、ホールにアルバイト風おねえさん。
8人テーブルに男子学生風8人、なぜか全員コカ・コーラ レギュラー瓶を飲んでいる。150円とサービス価格だ。いまどきの若者がレトロ感を演出してる。内装も相当年季が入っている。


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出てきたお盆を見てわれに返った。
トンカツが分厚い、ご飯が多い、唐揚げが数えきれない。ついでにみそ汁が具だくさん。大根、にんじん、油揚げ、ワカメ。僕は確認できなかったが、サツマイモも入ってる、と妻。
いつものように、まずわしの茶わんに自分のご飯を移すかーちゃん。半分ぐらいはくれたから、僕の茶わんはものすごいことになった。家で食べる1食分の3倍はある。唐揚げも3~4個くれる。


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これは休んだらアウトだ、と気合を入れて急ピッチで食べ進めた。ご飯がやわい。トンカツの衣が異様に厚い。カリカリの下のしっとり部分が分厚い。腹にずっしりくる。
もうすぐフィニッシュというところで箸が止まる。キャベツがのどを通らない。いつもはそんなにかけないソースをダバダバにしてなんとか口に押し込む。


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妻の様子を見て愕然とする。ご飯が減ってない。っていうか、わしの茶わんに半分よこしたところから事態が進展しているようには見えない。
「全然食べてないじゃん」
「食べてるよ!」
焦りからいらだつ2人。
12時近くになって店は混んできていた。はじめ学生だけだった店内は、気がつけば肉体系に占領されていた。

そうなのだ。ここは北口再開発の大事業の現場と目と鼻の先。「土方さんは鼻が利く」とかーちゃんはよく言う。うまい・安い・多いのこういう店を肉体系は見逃さない。以前、日本橋の中華屋で同じような状況に遭遇した。あれは高島屋裏の再開発工事だった。


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この先、バイトちゃんには荷が重く、おばちゃん1人ホールに出動してきて交通整理を始めた。どんどん詰めさせて相席させていく。これが徹底している。1席たりとも空きを許さない勢いだ。
われわれの狭い4人掛けテーブルにも当局の手が及ぼうとしていた。

かーちゃんの状況は一向に好転しない。唐揚げ5~6個残っている。わしはもういっぱいいっぱいだ。
隣の4人テーブルの2人組に強制執行がかけられた。

僕は観念しておばちゃんを呼び止めた。
「ラップもらえますか?」


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唐揚げ5個お持ち帰り。食べ残しを持ち帰るのは初めてだが、せっかく作ってもらったものを残すわけにはいかない。
僕らと入れ違いに、後から後からお客さんが入っていく。いままさに特需が起きている現場なのであった。

唐揚げは晩ご飯に食べた。冷めてもおいしかった。


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[DATA]
だるまや
東京都国分寺市本町2-9-8




[Today's recommendation]


https://youtu.be/ZbkypX1OhZ0


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