FC2ブログ

蔦の下の扉をくぐる 【ほんやら洞】

2017.07.22

 「ほんやら洞」は個性派の多い国分寺にあってなお異彩を放つ。
殿ヶ谷戸庭園の北の坂道の途中。坂の途中にあるから1階と地階を判別しにくい、カフェやアンティークショップが入るマンションの隣。隣のように見えて実はマンションとつながっており、地下の一部が歩道際まではみ出している不思議な構造。
そのはみ出したでっぱりが、ほんやら洞。
お店は蔓植物にすっぽり覆われ、完璧に気配を消している。普通の人間には廃屋にしか見えず、魔法使いだけが扉を開けることができる。


honyarado11.jpg


店内は木とレンガ主体の重厚なつくり。
あちこちに同じギタリストの写真が貼ってある。あの構図はジミー・ペイジだっけ、それともブライアン・メイ? とよく見たら中山ラビと書いてある。なるほど。


honyarado15.jpg


われわれの隣では50前後の男性2人が映画論を戦わせている。映画だと思っていたら、演劇、絵画、歴史、宗教…、と議論は果てしなく広がり、お互いに一歩も引かない構え。
カウンター席には女子高校生の姿。隣に座る母親が青春時代を過ごしたお店なのだろうか。
ほかに読書をする男性が2人。


honyarado14.jpg


僕らがいちばん普通。
どうやって入り口を見つけたのか、と怪訝そうな表情で、カウンターの端で洋書を読んでいる男性がちらちら僕に視線を向ける。
カレーの匂いに誘われて、と僕は答える。


honyarado17.jpg


スパイシィチキンカレー(ラッシー付)850円。
スパイスの効いたインドカレータイプ。ただし、甘みはない。タマネギの分量などの工夫で、素材の自然なうま味やコクを引き出そうというもの。大きなチキンの塊がのる。


honyarado18.jpg


ボロネーゼ(サラダ付)900円。
かなり細めのパスタを使用。バゲット2枚付き。
ソースはよく煮込まれているが野菜の形状を残している。セロリとピーマンの香りが前面に出る。


honyarado16.jpghonyarado12.jpg


店の前で立ち止まって様子をうかがう人がちらほら。以前は内と外は別世界で、窓から外を見ると、通行人は何事もなかったように通り過ぎ、店は魔法にかかったままだった。
途中、僕ら以上に普通っぽい若いカップルが立て続けに来店。
こうした動向は、調理場の冷蔵庫にも張り紙がしてあるように、ちょうど1週間前に放送されたアド街の効果にほかならない。
僕らも間違いなくそういう客だと思われている。いや、だいたいそういうことで遠からず、だけど。


honyarado13.jpg


[DATA]
ほんやら洞
東京都国分寺市南町2-18-3



[Today's recommendation]
📘
odmagic.jpg
パトリシア・A. マキリップ(原島文世 訳)
『オドの魔法学校』、創元推理文庫



chat170722.jpg


Latest Articles
ソースメーカー直営の甘味・惣菜処 【さくら茶屋】 Dec 07, 2019
価格も素晴らしく昭和な街の中華屋さん 【双葉食堂】 Dec 06, 2019
ドカ盛り1CLに、感謝… 【来々軒】 Dec 05, 2019
駅ビルに残る“新宿な”異空間 【ビア&カフェ BERG】 Dec 04, 2019
四季のヘルシーメニューを穴場カフェで 【季節のテーブル 野の花】 Dec 02, 2019
年内限定特別価格! と○ふ◯コースを堪能 【葉月】 Dec 01, 2019
忘れえぬ夕べの味玉 【阿佐谷ホープ軒】 Nov 30, 2019
高級感ある焼き肉ランチ 【和牛亭あらかわ】 Nov 29, 2019
ハレの日のごちそう感 【うどん弥 根古坂】 Nov 28, 2019
高度成長期を知る団地の中華屋さん 【桃園 若葉町店】 Nov 26, 2019
肉料理&焼き鳥、期待の新店 【肉料理 KOU】 Nov 24, 2019
ひそかに続く三鷹ディープゾーン探訪 【かどや】 Nov 23, 2019
Category
Ranking
          
          
Category-2