コミュニティの中心に 【たけうち食堂】
2017.07.11
「たけうち食堂」は、はじめ焼き鳥屋だと思っていて、飲み屋とすればこういうたたずまいは珍しくないので特に気にもかけなかったが、昼の食堂機能を備えているらしいということでがぜん興味を引かれた。
かつてこういう食堂に入る勇気がなく遠巻きに眺めていたころの印象度でいうと、有名な「ひの食堂」と並んでインパクトが強い。掘っ立て小屋然としていて、やっているかやっていないか判然としないところが共通する。

府中街道久米川辻から徳蔵寺方面に下り、途中西武新宿線の踏切を越えてすぐ左手に位置する。
付近は徳蔵寺の“元弘の板碑”や“久米川古戦場”など元弘の乱に関連した史跡・文化財が残り、正面の八国山の尾根には新田義貞が鎌倉攻めのときに陣を敷いたところとされる“将軍塚”がある。
大河ドラマ『太平記』では諏訪町商工振興会が大いに盛り上がったであろう痕跡が、放送5年後にこの地に引っ越してきたわれわれにも見て取れた。

1時ちょっと前に入店。
店内は4人掛けテーブル2脚と、小上がりに座卓2つ。外観のわりに中はこざっぱりしていて、案外最近、内装工事を施したようにも見える。
メニューは、各種定食、丼物、カレー、そば、うどんと種類が多い。もちろん焼き鳥をはじめ、つまみも各種取りそろえる。

僕の前に女性客が1人。30代くらいと意外に若い常連さんで、ほかに客はなく、けっこう広い厨房にお店のお母さん。
この店の場合、単なる常連客というより地域のつながりの一環という印象を受ける。
この女性は途中出てきたお店の息子さんと夕涼み会の準備が忙しいという話をしている。幼稚園か何かの関係だろう。こちらのオーダーはもつ煮込みと玉子焼をメインにした定食だ。
天丼750円を注文。
厨房ではいろんものを揚げているような音が延々と続いているからどんなものが出てくるかと期待して待っていたら、種は海老2尾のみ(笑)。まあ、大ぶりだからいいけど。

天ぷらの揚げ具合は硬め。つゆはしょうゆがきつくなく家庭的な優しい味で、量は少なめ。ご飯が多いので、つゆだくとかいう食べ方をする人にはつゆはかなり少ないと思う。おじさんにはちょうどいいかな。
白菜漬けがおいしいのと、みそ汁の豆腐が変わっている。スーパーではお目にかからないようなしっかりした食感で、島豆腐くらい硬い。

人のよさそうなご近所のおじいさんが入ってきて刺身定食を頼む。
「お店の人、変わったの? ほら、こないだ」と、じいさん。
「ああ、息子?」とお店のおかあさん。「土日お祭りで忙しくて店やれなかったから、長男が手伝いに来てくれたの」
その後、いつの間にか僕との会話になってしまってるんだが、聞くところによると長男さんは上野で、やっぱり焼き鳥屋をやっているそうだ。昼も営業する「ちょっとした食事もできる一杯飲み屋」とのこと。いまこちらを継いでいる次男さん? が忙しいときとかにヘルプに来てくれるということらしい。
「もう上野の店は孫がやってくれるようになったからね」とおかあさん。
3代続く焼き鳥屋さんということだ。
コミュニティの一員でもない僕のような者でもなじんでしまう不思議な求心力。夜に来たらさぞかし居心地よさそうだ。

[DATA]
たけうち食堂
東京都東村山市諏訪町1-20-11
[Today's recommendation]



https://youtu.be/Lt3IOdDE5iA
「たけうち食堂」は、はじめ焼き鳥屋だと思っていて、飲み屋とすればこういうたたずまいは珍しくないので特に気にもかけなかったが、昼の食堂機能を備えているらしいということでがぜん興味を引かれた。
かつてこういう食堂に入る勇気がなく遠巻きに眺めていたころの印象度でいうと、有名な「ひの食堂」と並んでインパクトが強い。掘っ立て小屋然としていて、やっているかやっていないか判然としないところが共通する。

府中街道久米川辻から徳蔵寺方面に下り、途中西武新宿線の踏切を越えてすぐ左手に位置する。
付近は徳蔵寺の“元弘の板碑”や“久米川古戦場”など元弘の乱に関連した史跡・文化財が残り、正面の八国山の尾根には新田義貞が鎌倉攻めのときに陣を敷いたところとされる“将軍塚”がある。
大河ドラマ『太平記』では諏訪町商工振興会が大いに盛り上がったであろう痕跡が、放送5年後にこの地に引っ越してきたわれわれにも見て取れた。

1時ちょっと前に入店。
店内は4人掛けテーブル2脚と、小上がりに座卓2つ。外観のわりに中はこざっぱりしていて、案外最近、内装工事を施したようにも見える。
メニューは、各種定食、丼物、カレー、そば、うどんと種類が多い。もちろん焼き鳥をはじめ、つまみも各種取りそろえる。

僕の前に女性客が1人。30代くらいと意外に若い常連さんで、ほかに客はなく、けっこう広い厨房にお店のお母さん。
この店の場合、単なる常連客というより地域のつながりの一環という印象を受ける。
この女性は途中出てきたお店の息子さんと夕涼み会の準備が忙しいという話をしている。幼稚園か何かの関係だろう。こちらのオーダーはもつ煮込みと玉子焼をメインにした定食だ。
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天丼750円を注文。
厨房ではいろんものを揚げているような音が延々と続いているからどんなものが出てくるかと期待して待っていたら、種は海老2尾のみ(笑)。まあ、大ぶりだからいいけど。

天ぷらの揚げ具合は硬め。つゆはしょうゆがきつくなく家庭的な優しい味で、量は少なめ。ご飯が多いので、つゆだくとかいう食べ方をする人にはつゆはかなり少ないと思う。おじさんにはちょうどいいかな。
白菜漬けがおいしいのと、みそ汁の豆腐が変わっている。スーパーではお目にかからないようなしっかりした食感で、島豆腐くらい硬い。

人のよさそうなご近所のおじいさんが入ってきて刺身定食を頼む。
「お店の人、変わったの? ほら、こないだ」と、じいさん。
「ああ、息子?」とお店のおかあさん。「土日お祭りで忙しくて店やれなかったから、長男が手伝いに来てくれたの」
その後、いつの間にか僕との会話になってしまってるんだが、聞くところによると長男さんは上野で、やっぱり焼き鳥屋をやっているそうだ。昼も営業する「ちょっとした食事もできる一杯飲み屋」とのこと。いまこちらを継いでいる次男さん? が忙しいときとかにヘルプに来てくれるということらしい。
「もう上野の店は孫がやってくれるようになったからね」とおかあさん。
3代続く焼き鳥屋さんということだ。
コミュニティの一員でもない僕のような者でもなじんでしまう不思議な求心力。夜に来たらさぞかし居心地よさそうだ。

[DATA]
たけうち食堂
東京都東村山市諏訪町1-20-11
[Today's recommendation]



https://youtu.be/Lt3IOdDE5iA