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すし屋の絶品ランチ丼 【玉乃鮨】

2017.06.23

 店の前にすごい数のママチャリが止まっている。おそるおそるのぞいてみると、片付けが済めば席が用意されそうな様子。順番待ちのいすに座ってすぐにカウンターの左端の2席に通される。ここからしばらく待つ。
待つこと3分くらいかな、ようやく2代目が、「たいへんお待たせしました」と注文を聞いてくれる。おまかせ丼900円を2つ。「じゃ、前のと一緒に作っちゃいますね」と断って作り始めるあたりにこちらのこだわりがうかがえる。


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去年、初めて入ったとき、この店のシステムに少し戸惑った。
開店と同時に入ったのだが、急に出前が入ったということで少し待たされることになった。僕たち家族4人を含めて5組10人ほど、店内に案内されてからしばらくは2代目がひたすら出前のすしを握る姿を拝見することに。この間、注文をする者はいない。皆さん常連っぽいので、僕らもそれに倣い、事態に進展が見られるまでは黙って座っていることにする。あとから入ってきた客がいきなり注文しようとすると、「順番に伺いますから」と2代目。やはり黙っていて正解なのであった。
で、見通しが立ったころあいで2代目が自ら客の注文を聞く。正確に順番どおり、少しずつ注文を聞いては作り、を繰り返す。

来店してから30分くらい注文を聞いてもらえない人もいるということに少し驚いた。でも2代目の真剣な仕事ぶりを見ているうちに納得させられた。
これはサービスなのである。そして本来、すし屋とはこういうものなのだと思った。
自分の順番まではあまりかまってもらえないが、作る直前に注文を聞かれるから、いまこの人は自分のために仕事をしてくれている、という気持ちになる。作り手側もそれは同じだと思う。
農業分野で最近よく聞く“作り手の顔が見える”食品というのは飲食店でも大事な要素だと思うが、その逆もまた大切ということだ。“食べる人を認識したうえで”調理をすれば、心のこもり方も違うだろう。
少しでも心がこもるように、2代目はこういうやり方を選んでいると思えるのだ。


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さて本日、おまかせ丼を注文すると、「旦那さんはご飯多めにしときますか?」と聞かれる。喜んでそのようにお願いする。
「男の人じゃ、ちょっと物足りないかもしれないですよね」と2代目。「うちは女性のお客さんが多いもので、どうしてもね」
いまカウンター席に11人座っているが、男性は僕を含めて4人。店員さんも握り手の2代目以外は女性が4~5人。なるほど、女性率が高い。


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われわれの位置から仕事ぶりがよく見える。
ケースからでっかいマグロのさくを取り出して、ネタを切り出す。
続いてでっかい灰白色の塊を取り出す。表面を軽くあぶったアカイカのさくようで、厚み5cmはある。これを薄く削ぎ切り。
イワシをおろし、小骨の処理をして隠し包丁を入れる。ホタテは丸のままの扱いとなる。
本日のおまかせ丼のネタは、ほかにヒラメ、玉子、カツオフレーク、切り干し大根。
ユズ風味のワカメのみそ汁、大根の浅漬けが付く。

ネタはどれも新鮮そのもの。
「マグロは天然の生本マグロ、ヒラメは朝まで泳いでました」と向こうのお客さんに説明している。
どれもおいしいが、特にイワシは脂が乗ってとろけるよう。玉子も滋味深い味わい。

1時半を過ぎても次々とお客さんが入ってくる。ほとんどが常連客のようだ。商店街を抜けてほぼ住宅街という隠れ家的な立地がいいのかもしれない。
常連客も、僕らのようなほとんど一見のような客も、まったく分け隔てなく扱ってくれるところがこちらのシステムの副次的な利点であり、おのずから2代目のパーソナリティを反映しているように思えるのだ。


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[DATA]
玉乃鮨
東京都東村山市萩山町4-1-8
http://www.tamanozushi.com/


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