江戸の粋を味わう 【松寿庵】
2022.12.18
相方の着物関係であったりうちの保護猫関係であったりする催しが行われている谷中へ。
お目当てのプログラムが14時にあり、まず近辺で昼ごはん。
最寄り駅は日暮里で、なじみのない土地だが、6年前に谷中七福神めぐりをしたときに入ったお店を覚えている。
甘味&軽食という好きな形態のお店で、ちょうどいいのでもう一度入ってみようか… と行ってみると、行列。しかも建て替えてすっかりきれいになっちゃってる。

きれいなのはいいんだが、並んでいたら14時に間に合わなくなるので、それは無理。
イベント会場のほうにぶらぶら歩きながらほかのお店を探す。

風情ある古い街並みのいわゆる谷根千。
魅力的なお店はいくらでもあるが、おそらく多くはリノベーションであり、コンセプトが決まっていたりして、フラッと入れるものではない。

フレンチ、薬膳カレー、うなぎ、とパスして、どうにも困ったね… となりかけたころ、前方に“おそば”の袖看板。
ごく普通のそば屋の看板が、この場合とてもありがたく映った。

店先には“谷中七福神”の幟が立ち、これも以前お参りしたご縁・ご利益かも。

そば処「松寿庵」は、谷中七福神でいえば寿老人の長安寺門前に位置する。
入り口の格子戸がイイ感じ。

店内はテーブル席4つとこじんまりしている。

卓上の品書きの感じでは品ぞろえもそう多くないかな… と、ふと壁に目をやると“谷中七福神そば・うどん”とある(あとで写真を見返すと、表の幟はそれだった)。
七福神それぞれの神様にあやかった具材がのっているらしい。

ということは少なくとも7種類は具がのるわけで、けっこう豪華なものを想像するわけだが、お値段970円と全然高くない。
まあ、豪華というより縁起物ということで、これはやっぱり外せない。そばで頼む。


もう1品は、あさり丼900円。

まずあさり丼。
あさりをふんだんに使い、細かく切った干し椎茸・油揚げ・春雨と一緒に卵でまとめてある。

江戸の粋、下町文化圏を感じさせ、普段の行動圏ではまずお目にかかれないメニューである。

七福神そば、来る。

「大黒様のフクロタケです」とおねえさん。
壁の短冊には“福袋をしょってる袋茸”とある。
たしかにフクロタケはそば屋で使われる食材ではないし、それだけに会心の見立てとみえ、これだけ口頭での説明つき。

いやいや、全然豪華でした❕
かまぼこは紅白だし、鶏肉は2切れと食いでがある。
えびなんか、これほどデカいゆでえびにはなかなかお目にかかれないというくらい立派。
そばは細切りで上品。
おかめそばのアレンジバージョンという感じで、これまた江戸の粋。

お店を出て長安寺をのぞいてみたが、七福神の気配はない。
正月限定なのかな?
いずれにしろ、この街並みの魅力!
谷中七福神はもう一度めぐってみたいと思った。
(つづく)

長安寺
[DATA]
松寿庵(しょうじゅあん)
東京都台東区谷中5-8-29
[Today's recommendation]

https://youtu.be/c2IPuB2UlDI




次号予告
相方の着物関係であったりうちの保護猫関係であったりする催しが行われている谷中へ。
お目当てのプログラムが14時にあり、まず近辺で昼ごはん。
最寄り駅は日暮里で、なじみのない土地だが、6年前に谷中七福神めぐりをしたときに入ったお店を覚えている。
甘味&軽食という好きな形態のお店で、ちょうどいいのでもう一度入ってみようか… と行ってみると、行列。しかも建て替えてすっかりきれいになっちゃってる。

きれいなのはいいんだが、並んでいたら14時に間に合わなくなるので、それは無理。
イベント会場のほうにぶらぶら歩きながらほかのお店を探す。

風情ある古い街並みのいわゆる谷根千。
魅力的なお店はいくらでもあるが、おそらく多くはリノベーションであり、コンセプトが決まっていたりして、フラッと入れるものではない。

フレンチ、薬膳カレー、うなぎ、とパスして、どうにも困ったね… となりかけたころ、前方に“おそば”の袖看板。
ごく普通のそば屋の看板が、この場合とてもありがたく映った。

店先には“谷中七福神”の幟が立ち、これも以前お参りしたご縁・ご利益かも。

そば処「松寿庵」は、谷中七福神でいえば寿老人の長安寺門前に位置する。
入り口の格子戸がイイ感じ。

店内はテーブル席4つとこじんまりしている。

卓上の品書きの感じでは品ぞろえもそう多くないかな… と、ふと壁に目をやると“谷中七福神そば・うどん”とある(あとで写真を見返すと、表の幟はそれだった)。
七福神それぞれの神様にあやかった具材がのっているらしい。

ということは少なくとも7種類は具がのるわけで、けっこう豪華なものを想像するわけだが、お値段970円と全然高くない。
まあ、豪華というより縁起物ということで、これはやっぱり外せない。そばで頼む。


もう1品は、あさり丼900円。

まずあさり丼。
あさりをふんだんに使い、細かく切った干し椎茸・油揚げ・春雨と一緒に卵でまとめてある。

江戸の粋、下町文化圏を感じさせ、普段の行動圏ではまずお目にかかれないメニューである。

七福神そば、来る。

「大黒様のフクロタケです」とおねえさん。
壁の短冊には“福袋をしょってる袋茸”とある。
たしかにフクロタケはそば屋で使われる食材ではないし、それだけに会心の見立てとみえ、これだけ口頭での説明つき。

いやいや、全然豪華でした❕
かまぼこは紅白だし、鶏肉は2切れと食いでがある。
えびなんか、これほどデカいゆでえびにはなかなかお目にかかれないというくらい立派。
そばは細切りで上品。
おかめそばのアレンジバージョンという感じで、これまた江戸の粋。

お店を出て長安寺をのぞいてみたが、七福神の気配はない。
正月限定なのかな?
いずれにしろ、この街並みの魅力!
谷中七福神はもう一度めぐってみたいと思った。
(つづく)

長安寺
[DATA]
松寿庵(しょうじゅあん)
東京都台東区谷中5-8-29
[Today's recommendation]

https://youtu.be/c2IPuB2UlDI




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