県内唯一の 【妻沼聖天山 歓喜院】
2022.12.11
日曜日に用事続きで、久々のプチ観光。
そういう予定で前日から考えているが、なかなか行き先が決まらず、朝起きても決まらず、9時になってもまだ決まらず。
Googleマップ上をさまよう視線。
いくら見直しても、知らないお出かけスポットは近場にはないと思うが…。
ふと、ある文字が目に留まった。
“聖天山 歓喜院(妻沼聖天)”とある。
9月に行った坂戸市の道教の宮「五千頭の龍が昇る聖天宮」と字ヅラが似ているから引っかかったわけだが、こちらは純粋にJaponesqueのよう。
地図上で寄ってみると、周りに多くの飲食店も現れる。
そこのところが大事で、名の通った寺社でも門前にそば屋の1軒もないところには魅力を感じない。お寺さんなら日々香が焚き込まれ祈祷の声が聞こえ、かつ絶えず参拝者があってなんぼ。
いちおうググってみる。
“埼玉県唯一の国宝”
40秒で支度しな!

2時間で到着。
駐車場から入ると左手の山門の立派なことに驚かされるが、右を向くとさらにいくつか門があり、参道入り口はずっと向こうのほうらしい。
参道の側道には食べ物屋さんなどが連なり門前町の様相を呈しており、まるで違う時空に入り込んだかのよう。
上等の観光地の要件を備えており、観光好きの自分がいままでこの場所を見つけられなかったのが不思議だ。
参道入り口まで逆行して、あらためて外門から境内に入り直すという参拝の段取りを踏む。

外門と貴惣門

貴惣門(国指定重要文化財)

中門

仁王門

仁王門越しに本殿

本殿

本殿(=国宝 御本殿 [歓喜院聖天堂])

本堂正面の彫刻
「歓喜院」は平安時代末期の1179(治承3)年、長井庄(熊谷市妻沼)を本拠とした武将・斎藤実盛が聖天宮を建立し長井庄の総鎮守としたのが始まりとされる。
中世には源頼朝が参拝したほか忍城主の庇護を受け、江戸期徳川家康により再興されたが、1670(寛文10)年の妻沼の大火で焼失。現存する聖天堂(本殿)は1760(宝暦10)年に再建されたものという。

2003~11年に修復工事が行われ、2012年に本殿が国宝に指定された(登録名称:歓喜院聖天堂)。

左甚五郎作とも伝えられる本殿南面羽目板の「鷲と猿」(時代的に無理があるようだが…)
国宝「歓喜院聖天堂」は日光東照宮を彷彿させる本格的装飾建築で、この地はかつて“埼玉の小日光”と称されていたが、国宝指定を機に“埼玉日光”に格上げ? されているとか。

国宝御本殿観覧は有料(大人700円)。
本殿のぐるり(南面・西面・北面)を見るだけだが、この部分が国宝の神髄であろう。
700円払う価値はある。

南面

南面大羽目彫刻「福禄寿と鶴と亀」

西面

西面大羽目彫刻「布袋・恵比寿・大黒天による碁打ち」

北面

北面大羽目彫刻「毘沙門天・吉祥天・弁財天双六遊び」
2時間前まで存在も知らなかった美のかたちに、ただ息をのむ。
(つづく)
[DATA]
妻沼聖天山 歓喜院(めぬましょうでんざん かんぎいん)
埼玉県熊谷市妻沼1511
http://www.ksky.ne.jp/~shouden/
[Today's recommendation]

https://youtu.be/bKIybW1YLNc




次号予告
日曜日に用事続きで、久々のプチ観光。
そういう予定で前日から考えているが、なかなか行き先が決まらず、朝起きても決まらず、9時になってもまだ決まらず。
Googleマップ上をさまよう視線。
いくら見直しても、知らないお出かけスポットは近場にはないと思うが…。
ふと、ある文字が目に留まった。
“聖天山 歓喜院(妻沼聖天)”とある。
9月に行った坂戸市の道教の宮「五千頭の龍が昇る聖天宮」と字ヅラが似ているから引っかかったわけだが、こちらは純粋にJaponesqueのよう。
地図上で寄ってみると、周りに多くの飲食店も現れる。
そこのところが大事で、名の通った寺社でも門前にそば屋の1軒もないところには魅力を感じない。お寺さんなら日々香が焚き込まれ祈祷の声が聞こえ、かつ絶えず参拝者があってなんぼ。
いちおうググってみる。
“埼玉県唯一の国宝”
40秒で支度しな!

2時間で到着。
駐車場から入ると左手の山門の立派なことに驚かされるが、右を向くとさらにいくつか門があり、参道入り口はずっと向こうのほうらしい。
参道の側道には食べ物屋さんなどが連なり門前町の様相を呈しており、まるで違う時空に入り込んだかのよう。
上等の観光地の要件を備えており、観光好きの自分がいままでこの場所を見つけられなかったのが不思議だ。
参道入り口まで逆行して、あらためて外門から境内に入り直すという参拝の段取りを踏む。

外門と貴惣門

貴惣門(国指定重要文化財)

中門

仁王門

仁王門越しに本殿

本殿

本殿(=国宝 御本殿 [歓喜院聖天堂])

本堂正面の彫刻
「歓喜院」は平安時代末期の1179(治承3)年、長井庄(熊谷市妻沼)を本拠とした武将・斎藤実盛が聖天宮を建立し長井庄の総鎮守としたのが始まりとされる。
中世には源頼朝が参拝したほか忍城主の庇護を受け、江戸期徳川家康により再興されたが、1670(寛文10)年の妻沼の大火で焼失。現存する聖天堂(本殿)は1760(宝暦10)年に再建されたものという。

2003~11年に修復工事が行われ、2012年に本殿が国宝に指定された(登録名称:歓喜院聖天堂)。

左甚五郎作とも伝えられる本殿南面羽目板の「鷲と猿」(時代的に無理があるようだが…)
国宝「歓喜院聖天堂」は日光東照宮を彷彿させる本格的装飾建築で、この地はかつて“埼玉の小日光”と称されていたが、国宝指定を機に“埼玉日光”に格上げ? されているとか。

国宝御本殿観覧は有料(大人700円)。
本殿のぐるり(南面・西面・北面)を見るだけだが、この部分が国宝の神髄であろう。
700円払う価値はある。

南面

南面大羽目彫刻「福禄寿と鶴と亀」

西面

西面大羽目彫刻「布袋・恵比寿・大黒天による碁打ち」

北面

北面大羽目彫刻「毘沙門天・吉祥天・弁財天双六遊び」
2時間前まで存在も知らなかった美のかたちに、ただ息をのむ。
(つづく)
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[DATA]
妻沼聖天山 歓喜院(めぬましょうでんざん かんぎいん)
埼玉県熊谷市妻沼1511

[Today's recommendation]

https://youtu.be/bKIybW1YLNc




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