小京都の酒蔵と衰退商店街と 【晴雲酒造】
2022.09.19
小京都というと、“古い町並みや風情が京都に似ている、日本各地にある街の愛称・別称”(Wikipedia)というイメージで、“似ている”というあいまいな理由に基づく自称・他称が各地に自然発生しているものと思っていた。
実は小京都、認定制度によるブランディングだったらしい。
1985年、小京都と呼ばれる自治体の連携組織「全国京都会議」が結成され、以降、会議に加盟する自治体のみ“公式に”小京都を名乗ることができるようになっているらしい。
――ということを知ったのは“小京都・栃木”観光でもらってきた『小京都と京都ゆかりのまち』(発行:全国京都会議)というパンフレットを見て。
もちろん知財ではないので非加盟の“自称・小京都”も排除されるものではないが、パチもん扱いを免れないかもしれない。

全国京都会議には現在(2022年4月現在)、全国40市町、関東では古河(茨城県)、足利・栃木・佐野(栃木県)、嵐山・小川(埼玉県)の6市町が加盟している。
意外だったのが埼玉県小川町。秩父圏の比較的近場エリアである。
――1300年の歴史を誇る小川和紙をはじめ、酒造、建具、裏絹などの伝統産業で古くから栄え「武蔵の小京都」と呼ばれています。(『小京都と京都ゆかりのまち』より)
驚くことに酒蔵が3つも残っているという。
酒蔵めぐり好きでもあるし、白昼の死角的小京都・小川町、行ってみるしかないでしょう。

3つの酒蔵のうち今回選んだのは「晴雲酒造」。
併設の食事処「自然処 玉井屋」が偶然にも“行ってみたいお店リスト”に入っていたという。

「晴雲酒造」はメインストリート風の古い商店街(熊谷小川秩父線)沿いの街の中心部に位置する。

広い駐車場に車を止め、まず売店をのぞいてみる。

仕込み水の湧水井戸や試飲機のある凝ったつくりの店内。


うれしいことに試飲は無料で、相方は3種類試飲させてもらっていた。
もちろんお車の人は試飲できないが… (T_T) シクシク

買い物は決まったが要冷蔵の酒なので買うのは帰り際ということにして、先に「自然処 玉井屋」で食事をすることに(次回掲載)。
「おがわの自然酒 生酒」と9月9日発売の「晴雲ひやおろし」を買う
蔵の前の通りのひなびた様子が気になって、食事のあと少し歩いてみた。

ずっと立派な構えの店舗(遺構)が続き、繁栄の跡が見て取れ、正直言ってこれまでほとんど意識に上らなかった田舎町にいかなる歴史的背景があるのか、いやがうえにも気になった。
こういったところが“小京都”ゆえんか…。

熊谷小川秩父線

駅前通り(花水木通り)

3蔵の一つ「武蔵鶴酒造」

インテリアに名産品・細川紙(小川和紙)が使われているという小川町立図書館

小京都・小川の主要産業であった紙商の店舗
途中、道沿いの家の方と思われるメリヤス姿のおじいさんが「どちらから?」と。
観光客風とみて声をかけてきたようで、この街について語りたいことがあるようだ。
「いまはこんななっちゃったけど、昔はこの通り全部がお店だったんですよ。残ったのは『しまむら』と『ヤオコー』だけ(笑)」
そんな切ない記憶を追体験できる街並みが続くのである。
(つづく)

[DATA]
晴雲酒造
埼玉県比企郡小川町大字大塚178-2
http://www.kumagaya.or.jp/~seiun/index.htm
https://www.facebook.com/seiun1902/
[Today's recommendation]



https://youtu.be/GP408ILt8cs


次号予告
小京都というと、“古い町並みや風情が京都に似ている、日本各地にある街の愛称・別称”(Wikipedia)というイメージで、“似ている”というあいまいな理由に基づく自称・他称が各地に自然発生しているものと思っていた。
実は小京都、認定制度によるブランディングだったらしい。
1985年、小京都と呼ばれる自治体の連携組織「全国京都会議」が結成され、以降、会議に加盟する自治体のみ“公式に”小京都を名乗ることができるようになっているらしい。
――ということを知ったのは“小京都・栃木”観光でもらってきた『小京都と京都ゆかりのまち』(発行:全国京都会議)というパンフレットを見て。
もちろん知財ではないので非加盟の“自称・小京都”も排除されるものではないが、パチもん扱いを免れないかもしれない。

全国京都会議には現在(2022年4月現在)、全国40市町、関東では古河(茨城県)、足利・栃木・佐野(栃木県)、嵐山・小川(埼玉県)の6市町が加盟している。
意外だったのが埼玉県小川町。秩父圏の比較的近場エリアである。
――1300年の歴史を誇る小川和紙をはじめ、酒造、建具、裏絹などの伝統産業で古くから栄え「武蔵の小京都」と呼ばれています。(『小京都と京都ゆかりのまち』より)
驚くことに酒蔵が3つも残っているという。
酒蔵めぐり好きでもあるし、白昼の死角的小京都・小川町、行ってみるしかないでしょう。

3つの酒蔵のうち今回選んだのは「晴雲酒造」。
併設の食事処「自然処 玉井屋」が偶然にも“行ってみたいお店リスト”に入っていたという。

「晴雲酒造」はメインストリート風の古い商店街(熊谷小川秩父線)沿いの街の中心部に位置する。

広い駐車場に車を止め、まず売店をのぞいてみる。

仕込み水の湧水井戸や試飲機のある凝ったつくりの店内。


うれしいことに試飲は無料で、相方は3種類試飲させてもらっていた。
もちろんお車の人は試飲できないが… (T_T) シクシク

買い物は決まったが要冷蔵の酒なので買うのは帰り際ということにして、先に「自然処 玉井屋」で食事をすることに(次回掲載)。
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蔵の前の通りのひなびた様子が気になって、食事のあと少し歩いてみた。

ずっと立派な構えの店舗(遺構)が続き、繁栄の跡が見て取れ、正直言ってこれまでほとんど意識に上らなかった田舎町にいかなる歴史的背景があるのか、いやがうえにも気になった。
こういったところが“小京都”ゆえんか…。

熊谷小川秩父線

駅前通り(花水木通り)

3蔵の一つ「武蔵鶴酒造」

インテリアに名産品・細川紙(小川和紙)が使われているという小川町立図書館

小京都・小川の主要産業であった紙商の店舗
途中、道沿いの家の方と思われるメリヤス姿のおじいさんが「どちらから?」と。
観光客風とみて声をかけてきたようで、この街について語りたいことがあるようだ。
「いまはこんななっちゃったけど、昔はこの通り全部がお店だったんですよ。残ったのは『しまむら』と『ヤオコー』だけ(笑)」
そんな切ない記憶を追体験できる街並みが続くのである。
(つづく)

[DATA]
晴雲酒造
埼玉県比企郡小川町大字大塚178-2


[Today's recommendation]



https://youtu.be/GP408ILt8cs


次号予告