天空の古民家 【小林家住宅】
2022.08.11
先週からいろんな仕事が波状的にやって来てアタマ使いすぎというかワーキングメモリーが飽和状態というか、意識がフワフワして現実感がない。
おそらく来週前半がピークであり、このままの状態ではまずいので英気を養いに山に行くことにした。
山といってももちろん日帰り圏だし、この暑さでは歩いて登る気にもなれず、できれば公共交通機関の使えるところがいい。密や混雑も避けたい。
そんなところがあるだろうか…?
ありました。

小林家住宅見学者用駐車場(5台収容)およびトイレ。水根本宿線の右が橘橋方面で左は行き止まり
先日、Instagramで檜原村の古民家情報を見つけた。
そのあたりに古民家がいくつか残されていることは知っているが、その投稿で目に留まったのは古民家そのものの情報ではなく“#小林家住宅総角沢モノレール駅”というハッシュタグ。
…モノレール駅?

モノレールというと東京では多摩都市モノレールと羽田の東京モノレールくらいしか思い浮かばないが、檜原村にもモノレールがあったのか?

駐車場の下側にモノレール駅
“小林家住宅”は有名な古民家で、その公式HPに“モノレールについて”のページがある。
――小林家住宅は車の近づけない山間部に位置しているため、保存修理工事にあたっては、解体した資材や修理に必要となる資材、作業員を運搬するための設備が必要となりました。そこで設置したのがモノレールです。工事終了後、本モノレールは国からの払い下げを経て村の所有となり、現在は訪れた観光客を小林家住宅まで運搬するための輸送手段としても活躍しています。
立派な公共(村営)交通機関なのである。

小林家住宅総角沢モノレール駅へのアプローチは、檜原街道橘橋交差点から水根本宿線を約12km。



下り便が下ってくる様子
モノレールには時刻表もあるが予約が必要で(原則1時間前まで)、11:50の便に予約してあった。
実はその2便前の10:30くらいに合わせて出てきたんだが、五日市街道(睦橋通り)の睦橋手前が大渋滞。そのあたりからいろいろ行動に狂いが生じていたわけだが、それは次回のお話。


“車窓”からの眺め
モノレール線は全長およそ450mで、上り13分・下り10分。車体は運転手を除いて8人乗り。
コースは終始急斜面(最大傾斜は43°)で、はっきりGが感じられるほど。

小林家住宅駅というのかな? 到着駅の目の前に立派な茅葺き屋根の住宅が姿を現す。

――重要文化財小林家住宅とは、東京都内陸部で唯一の村「檜原村」の標高約750mの尾根上に建つ山岳民家です。建物は、その構造形式や部材の調査結果等から推測するに18世紀前半頃に建てられたものと見られています。山間にありながら、比較的質が良く、改変も少ないこともあり、東京都から山梨県へかけての民家の関連を知ることのできる貴重な遺例であるとして、昭和53年に重要文化財に指定されました。そして平成23年からおよそ3年にもわたる保存修理工事を経て、創建当時の姿へと復原されました。(小林家住宅HPより)

しばし悠久の時の流れを堪能。






もとは馬小屋・穀物置であったところに飲み物の無人販売所がつくられている。
じゃがいもとみょうが、すず竹で編んだ籠も並び、小さな小さなマーケットの様相を呈している。


ペットボトルのお茶がなんだかぜいたく品のように感じられる。

いまでこそモノレールなど使わないと上ってこれない“秘境”だが、昔は3本の尾根道の交わる交通の要衝だったらしい。
道端には古い石碑が。

下りのモノレールの時刻まで少し間があって、縁側でぼーっと。
蝉の声が岩にしみ入るような、閑な時間。

[DATA]
小林家住宅
東京都西多摩郡檜原村4994
https://kobayashike.tokyo/
[Today's recommendation]



https://youtu.be/XN3QPVcExZ8


次号予告
先週からいろんな仕事が波状的にやって来てアタマ使いすぎというかワーキングメモリーが飽和状態というか、意識がフワフワして現実感がない。
おそらく来週前半がピークであり、このままの状態ではまずいので英気を養いに山に行くことにした。
山といってももちろん日帰り圏だし、この暑さでは歩いて登る気にもなれず、できれば公共交通機関の使えるところがいい。密や混雑も避けたい。
そんなところがあるだろうか…?
ありました。

小林家住宅見学者用駐車場(5台収容)およびトイレ。水根本宿線の右が橘橋方面で左は行き止まり
先日、Instagramで檜原村の古民家情報を見つけた。
そのあたりに古民家がいくつか残されていることは知っているが、その投稿で目に留まったのは古民家そのものの情報ではなく“#小林家住宅総角沢モノレール駅”というハッシュタグ。
…モノレール駅?

モノレールというと東京では多摩都市モノレールと羽田の東京モノレールくらいしか思い浮かばないが、檜原村にもモノレールがあったのか?

駐車場の下側にモノレール駅
“小林家住宅”は有名な古民家で、その公式HPに“モノレールについて”のページがある。
――小林家住宅は車の近づけない山間部に位置しているため、保存修理工事にあたっては、解体した資材や修理に必要となる資材、作業員を運搬するための設備が必要となりました。そこで設置したのがモノレールです。工事終了後、本モノレールは国からの払い下げを経て村の所有となり、現在は訪れた観光客を小林家住宅まで運搬するための輸送手段としても活躍しています。
立派な公共(村営)交通機関なのである。

小林家住宅総角沢モノレール駅へのアプローチは、檜原街道橘橋交差点から水根本宿線を約12km。



下り便が下ってくる様子
モノレールには時刻表もあるが予約が必要で(原則1時間前まで)、11:50の便に予約してあった。
実はその2便前の10:30くらいに合わせて出てきたんだが、五日市街道(睦橋通り)の睦橋手前が大渋滞。そのあたりからいろいろ行動に狂いが生じていたわけだが、それは次回のお話。


“車窓”からの眺め
モノレール線は全長およそ450mで、上り13分・下り10分。車体は運転手を除いて8人乗り。
コースは終始急斜面(最大傾斜は43°)で、はっきりGが感じられるほど。

小林家住宅駅というのかな? 到着駅の目の前に立派な茅葺き屋根の住宅が姿を現す。

――重要文化財小林家住宅とは、東京都内陸部で唯一の村「檜原村」の標高約750mの尾根上に建つ山岳民家です。建物は、その構造形式や部材の調査結果等から推測するに18世紀前半頃に建てられたものと見られています。山間にありながら、比較的質が良く、改変も少ないこともあり、東京都から山梨県へかけての民家の関連を知ることのできる貴重な遺例であるとして、昭和53年に重要文化財に指定されました。そして平成23年からおよそ3年にもわたる保存修理工事を経て、創建当時の姿へと復原されました。(小林家住宅HPより)

しばし悠久の時の流れを堪能。






もとは馬小屋・穀物置であったところに飲み物の無人販売所がつくられている。
じゃがいもとみょうが、すず竹で編んだ籠も並び、小さな小さなマーケットの様相を呈している。


ペットボトルのお茶がなんだかぜいたく品のように感じられる。

いまでこそモノレールなど使わないと上ってこれない“秘境”だが、昔は3本の尾根道の交わる交通の要衝だったらしい。
道端には古い石碑が。

下りのモノレールの時刻まで少し間があって、縁側でぼーっと。
蝉の声が岩にしみ入るような、閑な時間。

[DATA]
小林家住宅
東京都西多摩郡檜原村4994

[Today's recommendation]



https://youtu.be/XN3QPVcExZ8


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