多摩の幻の酒造へ 【田村酒造場】
2022.05.28
前記事の続きで、玉川上水に架かる宿橋を渡って多摩川方面へ。
崖線を下ったあたりから木立の向こうに見え隠れする風格ある建築。
敷地を通ってきた玉川上水の分水(田村分水)は細いながら流量豊かで、ひと目で水利に恵まれた土地であることがわかる。
宿橋通りから右に入りさらに右に折れて酒造場入り口まで120m続く黒塀。
切妻造・黒釉薬塗り桟瓦で葺いた土蔵建築群。
1822(文政5)年の創業からちょうど200年を迎えた「田村酒造場」である。
実は入れるのか確信を持てないままやって来た。
HPには“2022年6月以降の少人数蔵見学再開”とある。
蔵見学はできなくとも売店で買い物や試飲はできる… と、以前調べたときどこかで見たような気がするんだが…。
門のところからおそるおそるのぞき込むと、奥の蔵のあたりに自転車ライダーが2人。
OKみたいだ c( ̄▽ ̄)
こちらは1830(文政13)年築の前蔵。
切妻造・桟瓦葺の2階建て土蔵建築で、現在はお酒を展示販売するギャラリーとして使用されている。
中は無人でオロオロしているわしら。
すぐに事務所のほうから係のおじさんがやって来て、いろいろ丁寧に説明してくださったのであった。

試飲マシン的なものを目ざとく見つけたワタシ。
「こ、これはっ♪」
「はい。こんな立派な試飲器を作ったんですが、まだ使ってないんですねー」
「は…?」
「マスクを外して飲んでいただく状況というのは、まだちょっと…」
それはわかるが、わざわざ電車でやって来たのはひとえに試飲のため… とショックを隠せないワタシ。
でも車で来ていたら前記事の偶然の発見はなかったわけで、世の中ちゃんと収支バランスがとれるようになっている。
展示銘柄のうち、「純米吟醸 本まぐろ」と「嘉泉 純米 白麹使用」について詳しく説明していただいた。
前者は面白い名前だが商標登録してあり、ズバリお刺し身に合う酒。
精米歩合50%の吟醸酒だが、ときに刺し身の繊細な風味の邪魔になる吟醸香を抑えた酒とのこと。
後者は80%と逆に精白率の低い酒で、酸味の強い自然酒のような味わいだが、燗をつけることによって癖が消え“ひれ酒のようなうま味”を増す、と。
「ぜひ、冷と熱燗、飲み比べてみてください」とおじさん。
説明が上手だから買わずにはいられない。
購入は商品カードを持って向かいの棟の事務所へ。
ちょうど酒かすサービス期間で、いくらでもくれると。
その場に出ていた2袋、ありがたく頂戴した。
帰りしな、あっちのほうで作業していたさっきのおじさんがわれわれを見つけて声をかけてきてくれた。
「ヒヤとアツカンでー!」
[DATA]
田村酒造場
東京都福生市福生626
https://www.seishu-kasen.com/
[Today's recommendation]



https://youtu.be/K5wjuHKZJjI
1822(文政5)年作曲


福生駅前
前記事の続きで、玉川上水に架かる宿橋を渡って多摩川方面へ。
崖線を下ったあたりから木立の向こうに見え隠れする風格ある建築。
敷地を通ってきた玉川上水の分水(田村分水)は細いながら流量豊かで、ひと目で水利に恵まれた土地であることがわかる。
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宿橋通りから右に入りさらに右に折れて酒造場入り口まで120m続く黒塀。
切妻造・黒釉薬塗り桟瓦で葺いた土蔵建築群。
1822(文政5)年の創業からちょうど200年を迎えた「田村酒造場」である。
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実は入れるのか確信を持てないままやって来た。
HPには“2022年6月以降の少人数蔵見学再開”とある。
蔵見学はできなくとも売店で買い物や試飲はできる… と、以前調べたときどこかで見たような気がするんだが…。
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門のところからおそるおそるのぞき込むと、奥の蔵のあたりに自転車ライダーが2人。
OKみたいだ c( ̄▽ ̄)
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こちらは1830(文政13)年築の前蔵。
切妻造・桟瓦葺の2階建て土蔵建築で、現在はお酒を展示販売するギャラリーとして使用されている。
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中は無人でオロオロしているわしら。
すぐに事務所のほうから係のおじさんがやって来て、いろいろ丁寧に説明してくださったのであった。

試飲マシン的なものを目ざとく見つけたワタシ。
「こ、これはっ♪」
「はい。こんな立派な試飲器を作ったんですが、まだ使ってないんですねー」
「は…?」
「マスクを外して飲んでいただく状況というのは、まだちょっと…」
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それはわかるが、わざわざ電車でやって来たのはひとえに試飲のため… とショックを隠せないワタシ。
でも車で来ていたら前記事の偶然の発見はなかったわけで、世の中ちゃんと収支バランスがとれるようになっている。
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展示銘柄のうち、「純米吟醸 本まぐろ」と「嘉泉 純米 白麹使用」について詳しく説明していただいた。
前者は面白い名前だが商標登録してあり、ズバリお刺し身に合う酒。
精米歩合50%の吟醸酒だが、ときに刺し身の繊細な風味の邪魔になる吟醸香を抑えた酒とのこと。
後者は80%と逆に精白率の低い酒で、酸味の強い自然酒のような味わいだが、燗をつけることによって癖が消え“ひれ酒のようなうま味”を増す、と。
「ぜひ、冷と熱燗、飲み比べてみてください」とおじさん。
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説明が上手だから買わずにはいられない。
購入は商品カードを持って向かいの棟の事務所へ。
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ちょうど酒かすサービス期間で、いくらでもくれると。
その場に出ていた2袋、ありがたく頂戴した。
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帰りしな、あっちのほうで作業していたさっきのおじさんがわれわれを見つけて声をかけてきてくれた。
「ヒヤとアツカンでー!」
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[DATA]
田村酒造場
東京都福生市福生626

[Today's recommendation]



https://youtu.be/K5wjuHKZJjI
1822(文政5)年作曲


福生駅前