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郷愁の昭和式ランチプレート 【日の出とんかつ】

2017.05.20

 2013年に伏見通りが開通して富士街道が分断され、特に富士町交差点・伏見通り間は街道としての機能が完全に失われているから人通りもない。無用の長物という意味では赤瀬川原平、南伸坊ら路上観察学会のトマソンの概念に通じる物件である。でかすぎて観察できないが。
その富士街道のどんづまりの一本東の細道、これも新青梅街道で分断されているわけだが、そのように道路行政に翻弄されたであろうこの一角の、やっていたりやっていなかったりする古い飲食店群の一つ「日の出とんかつ」。西武柳沢駅からの流れをシャットアウトされた影響が大きいのではないかというと、そうでもない。
この店は出前利用が多い。道が不便になって足が向かなくなっても、もってきてくれる分にはそっちの不便にまで人は配慮しない。さらに、出前繁盛店の陰に団地ありの法則(?)どおり、背後にプロムナード東伏見を抱えている。


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こちらはお父さんは出前担当でお母さんが調理する。今日も入ったときにはお父さんの姿はなく、途中、使い終わった皿やステンレスのプレートをたくさん抱えて出前先から帰ってきた。
お母さんはたいへん忙しそうだ。カウンター6席に小上がり1卓の小さい店だが、目の前の客の倍、あるいはそれ以上の数をいつもこしらえている。
独特のリズムで上体を小刻みに揺らしながらロース肉にパン粉をまぶす。ボクシングのダック&ウィーブというやつだ。軽く前後にステップを踏みながらポテトサラダを盛り付ける。アウトボクサータイプのようだ。

目の前にキャベツとポテサラがのったプレートが2枚用意されていて、一方にはメロン形のライス型でご飯が盛り付けられている。そのワンプレートスタイルが自分のカツライスだと思っていたら、前の客のハンバーグランチだった。僕のはご飯は皿に別盛り。
前に食べたカツランチ(チキンカツ)がワンプレートだったからそう思い込んでいたのだが、「~ランチ」と「~ライス」で区別しているようだ。それにしてもその別盛りのご飯の量がすごい。


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カツライス800円はロースかつ。肉が分厚く質もいいのだが、ここのカツのおいしさの秘密は衣にもありそうだ。かすかな甘味が付いていて、しょっぱめなソースと合わさって肉のうま味を引き立てる。
ニンジンときゅうり入りのポテトサラダも素朴で味わい深い。
ちなみにここのチキンカツは、僕がこれまで食べたチキンカツでも最上級だと思う。

お隣のハンバーグがおいしそうだが、この店はグリルチキンやオムライスといった懐かしの洋食メニューが魅力的だ。トルコライスまである。
昭和の街の洋食屋の記憶がよみがえる貴重な存在である。


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[DATA]
日の出とんかつ
東京都西東京市富士町5-1


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