FC2ブログ

郷愁の昭和式ランチプレート 【日の出とんかつ】

2017.05.20

 2013年に伏見通りが開通して富士街道が分断され、特に富士町交差点・伏見通り間は街道としての機能が完全に失われているから人通りもない。
無用の長物という意味では赤瀬川原平、南伸坊ら路上観察学会のトマソンの概念に通じる物件である。でかすぎて観察できないが。


hinode22.jpg


その富士街道のどんづまりの一本東の細道、これも新青梅街道で分断されているわけだが、そのように道路行政に翻弄されたであろうこの一角の、やっていたりやっていなかったりする古い飲食店群の一つ「日の出とんかつ」。
西武柳沢駅からの流れをシャットアウトされた影響が大きいのではないかというと、そうでもない。
この店は出前利用が多い。道が不便になって足が向かなくなっても、もってきてくれる分にはそっちの不便にまで人は配慮しない。さらに、出前繁盛店の陰に団地ありの法則(?)どおり、背後にプロムナード東伏見を抱えている。


hinode21.jpg


こちらはおとうさんは出前担当でおかあさんが調理する。
今日も入ったときにはおとうさんの姿はなく、途中、使い終わった皿やステンレスのプレートをたくさん抱えて出前先から帰ってきた。

おかあさんはたいへん忙しそうだ。カウンター6席に小上がり1卓の小さい店だが、目の前の客の倍、あるいはそれ以上の数をいつもこしらえている。
独特のリズムで上体を小刻みに揺らしながらロース肉にパン粉をまぶす。ボクシングのダック&ウィーブというやつだ。軽く前後にステップを踏みながらポテトサラダを盛り付ける。アウトボクサータイプのようだ。


hinode26.jpghinode25.jpg


目の前にキャベツとポテサラがのったプレートが2枚用意されていて、一方にはメロン形のライス型でご飯が盛り付けられている。そのワンプレートスタイルが自分のカツライスだと思っていたら、前の客のハンバーグランチだった。僕のはご飯は皿に別盛り。
前に食べたカツランチ(チキンカツ)がワンプレートだったからそう思い込んでいたのだが、「~ランチ」と「~ライス」で区別しているようだ。それにしてもその別盛りのご飯の量がすごい。


hinode23.jpg


カツライス800円はロースかつ。肉が分厚く質もいいのだが、ここのカツのおいしさの秘密は衣にもありそうだ。かすかな甘味が付いていて、しょっぱめなソースと合わさって肉のうま味を引き立てる。
ニンジンときゅうり入りのポテトサラダも素朴で味わい深い。
ちなみにここのチキンカツは、僕がこれまで食べたチキンカツでも最上級だと思う。


hinode24.jpg


お隣のハンバーグがおいしそうだが、この店はグリルチキンやオムライスといった懐かしの洋食メニューが魅力的だ。トルコライスまである。
昭和の街の洋食屋の記憶がよみがえる貴重な存在である。


hinode27.jpg


[DATA]
日の出とんかつ
東京都西東京市富士町5-1





[Today's recommendation]


https://youtu.be/nDCuOsCfnxY


Latest Articles
安い=ウマい! の法則 【ミートショップいのうえ】 Aug 01, 2021
暑気払いの和菓子 【福栄堂】 Jul 30, 2021
日本の夏、カレーの夏 【大丸食堂】 Jul 29, 2021
焦がれてやまない… 【松ちゃん】 Jul 27, 2021
東京唯一の… 【やさいの食卓 八農菜】 Jul 25, 2021
いまも変わらぬ素朴な味 【内田酒まんじゅう】 Jul 24, 2021
夏の土用です 【うなぎ源八】 Jul 23, 2021
夏の休日 【ますも庵】 Jul 22, 2021
朝ラーふたたび 【十七代目哲麺】 Jul 20, 2021
あつがなついぜ! 【彩雅】 Jul 19, 2021
人と人が出会う… 【つむじ】 Jul 17, 2021
ゲリラ豪雨からの… 【鮮魚とゝや】 Jul 15, 2021
Ranking
          
          
Category
Category-2