分散初詣からの… 【芝大門 更科布屋】
2022.01.09
初詣には必ず行くが、信仰心があついわけではなく、行事に便乗して街歩きを楽しむという性格のもの。コロナ前はイベント性も街歩き要素もより強い七福神めぐりを恒例としていた。
年の初めにこだわるものでもなく、名目さえ与えられるなら12月でも2月でもかまわない。前のシーズンはコロナ禍で注目された“幸先詣”というものにいち早く便乗させてもらったが、感染状況が沈静化していた昨年末は分散化の呼びかけも前年ほど強くなかったためか、どうするか決めかねているうちに機を逸し、いざ正月を迎えれば、密集化が目に見えている場所に近づく気にはやはりなれず。
松の内が明けてようやく、そろそろ初詣でも… となったのは自然の成り行きのようでもある。

大門
今年は芝の増上寺。
何かの機会に行っておきたいと思っていた。
増上寺は徳川将軍家の菩提寺として知られる日本有数の大寺院。
個人的には、落語『芝浜』の舞台だったり、大正・昭和期の浮世絵師・川瀬巴水の絵の題材になっていたりというあたりに親近感を覚える。

増上寺参道入り口に立つのが駅名にもなっている大門(増上寺旧総門)で、1937(昭和12)年に道路拡幅に伴い鉄筋コンクリート製に造り直されている。
門の基部に陶板が飾られている川瀬巴水『芝大門之雪』はその前年の作で、移築後空襲で焼失した木造の旧大門を知る貴重な資料なのだそうだ。
三解脱門
三解脱門(中門)の背後に東京タワー。
門をくぐると、ドーンと。
インスタにアップしようとすると、#増上寺と東京タワー は投稿数5000件以上の定番ハッシュタグであった。
大殿本堂に参拝客の列。
境内が広く密接感はないのでそのまま並んでお参りを済ませる。
大殿に向かって右手に鐘楼堂。
増上寺の鐘は“江戸三大名鐘”の一つで、『芝浜』でも重要なシーンに登場する。主人公・魚屋の勝治郎が波打ち際で財布を拾った“芝浜”は田町駅近くの本芝公園のあたりで、現在の山手線がだいたい当時の海岸線にあたるらしい。
増上寺の鐘が午の刻を告げた(ような気がした)。
腹が、減った……
来るとき大門駅から地上に出てすぐのおそば屋さんに行列ができていた。
参道にはそれ以外にこれといった食べ物屋さんは見当たらなかった。
仕方ない、戻って並ぶかぁ…。
老舗然とした立派な店構えの「芝大門 更科布屋」。
角には“創業寛政三年”の石柱が立っている。

お店に着いたのが12時半で、幸い行列は長くなっておらず、回転も速い。
僕らの前に5組ほどあったが5~6分で案内される。
待っている間、表のショーケースで品定め。
「更科」といえば、代名詞ともいえるそばの実の芯の部分だけを使った真っ白なさらしなそば。
老舗系更科は、変わりそばも有名だ。

その両方が楽しめる三色そばとまず決めて、もう1品、そば弁当とそばずしで迷う。
両方頼んじゃえば? みたいな ヾ(- -;)
麻布十番かいわいに「更科」を名乗るお店が3店あることはよく知られており、こちら「芝大門 更科布屋」を含め更科の源流に位置する。寛政三年(元年とも)は、直系とされる現「更科堀井」初代布屋太兵衛が「信州更科蕎麦所 布屋太兵衛」を創業した年と。

今月の変わりそばは唐辛子切り。

辛さは感じないが、ほのかな唐辛子の香りがよい。
真っ白いいわゆるさらしなそばも、本式を食べたのは初めてかも。

そば弁当は、天ぷら、焼き魚、そば、ご飯の松花堂弁当。


そばずしは、そば汁と酢で〆たのり巻きと稲荷ずし。

こちらはベースのつゆが甘めだが、加えてのり巻きのたねの卵焼きや揚げも甘さが強く、華やかさを感じるお品である。

これ、絶対酒飲みたくなる。
でもよそう。また、夢になるといけねぇ…
写真中央に大門、その背後に三解脱門
[DATA]
芝大門 更科布屋
東京都港区芝大門1-15-8
http://www.sarashina-nunoya.com/
https://www.facebook.com/%E8%8A%9D%E5%A4%A7%E9%96%80-%E6%9B%B4%E7%A7%91%E5%B8%83%E5%B1%8B-567674253316764/
[Today's recommendation]



https://youtu.be/UdGkoTH7os4
https://youtu.be/GBPybW3BZp4


帰りに立ち寄った愛宕神社は大変な混みようだった
初詣には必ず行くが、信仰心があついわけではなく、行事に便乗して街歩きを楽しむという性格のもの。コロナ前はイベント性も街歩き要素もより強い七福神めぐりを恒例としていた。
年の初めにこだわるものでもなく、名目さえ与えられるなら12月でも2月でもかまわない。前のシーズンはコロナ禍で注目された“幸先詣”というものにいち早く便乗させてもらったが、感染状況が沈静化していた昨年末は分散化の呼びかけも前年ほど強くなかったためか、どうするか決めかねているうちに機を逸し、いざ正月を迎えれば、密集化が目に見えている場所に近づく気にはやはりなれず。
松の内が明けてようやく、そろそろ初詣でも… となったのは自然の成り行きのようでもある。

大門
今年は芝の増上寺。
何かの機会に行っておきたいと思っていた。
増上寺は徳川将軍家の菩提寺として知られる日本有数の大寺院。
個人的には、落語『芝浜』の舞台だったり、大正・昭和期の浮世絵師・川瀬巴水の絵の題材になっていたりというあたりに親近感を覚える。

増上寺参道入り口に立つのが駅名にもなっている大門(増上寺旧総門)で、1937(昭和12)年に道路拡幅に伴い鉄筋コンクリート製に造り直されている。
門の基部に陶板が飾られている川瀬巴水『芝大門之雪』はその前年の作で、移築後空襲で焼失した木造の旧大門を知る貴重な資料なのだそうだ。
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三解脱門(中門)の背後に東京タワー。
門をくぐると、ドーンと。
インスタにアップしようとすると、#増上寺と東京タワー は投稿数5000件以上の定番ハッシュタグであった。
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大殿本堂に参拝客の列。
境内が広く密接感はないのでそのまま並んでお参りを済ませる。
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大殿に向かって右手に鐘楼堂。
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増上寺の鐘は“江戸三大名鐘”の一つで、『芝浜』でも重要なシーンに登場する。主人公・魚屋の勝治郎が波打ち際で財布を拾った“芝浜”は田町駅近くの本芝公園のあたりで、現在の山手線がだいたい当時の海岸線にあたるらしい。
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増上寺の鐘が午の刻を告げた(ような気がした)。
腹が、減った……
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来るとき大門駅から地上に出てすぐのおそば屋さんに行列ができていた。
参道にはそれ以外にこれといった食べ物屋さんは見当たらなかった。
仕方ない、戻って並ぶかぁ…。
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老舗然とした立派な店構えの「芝大門 更科布屋」。
角には“創業寛政三年”の石柱が立っている。

お店に着いたのが12時半で、幸い行列は長くなっておらず、回転も速い。
僕らの前に5組ほどあったが5~6分で案内される。
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待っている間、表のショーケースで品定め。
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「更科」といえば、代名詞ともいえるそばの実の芯の部分だけを使った真っ白なさらしなそば。
老舗系更科は、変わりそばも有名だ。

その両方が楽しめる三色そばとまず決めて、もう1品、そば弁当とそばずしで迷う。
両方頼んじゃえば? みたいな ヾ(- -;)
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麻布十番かいわいに「更科」を名乗るお店が3店あることはよく知られており、こちら「芝大門 更科布屋」を含め更科の源流に位置する。寛政三年(元年とも)は、直系とされる現「更科堀井」初代布屋太兵衛が「信州更科蕎麦所 布屋太兵衛」を創業した年と。

今月の変わりそばは唐辛子切り。

辛さは感じないが、ほのかな唐辛子の香りがよい。
真っ白いいわゆるさらしなそばも、本式を食べたのは初めてかも。

そば弁当は、天ぷら、焼き魚、そば、ご飯の松花堂弁当。


そばずしは、そば汁と酢で〆たのり巻きと稲荷ずし。

こちらはベースのつゆが甘めだが、加えてのり巻きのたねの卵焼きや揚げも甘さが強く、華やかさを感じるお品である。

これ、絶対酒飲みたくなる。
でもよそう。また、夢になるといけねぇ…
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[DATA]
芝大門 更科布屋
東京都港区芝大門1-15-8


[Today's recommendation]



https://youtu.be/UdGkoTH7os4
https://youtu.be/GBPybW3BZp4


帰りに立ち寄った愛宕神社は大変な混みようだった