秋、ふたたび山へ ――関東ふれあいの道~歴史のみち
2023.10.22
夏季の記録的猛暑とそれに伴うあちこちの身体の不調とで休止状態だった山歩きをようやく再開。
この3~4日やみくもに自転車乗り回していたのも、山歩きに向けてのスタミナ不足対策だったりする。
目的地は東京都檜原村の浅間嶺(せんげんれい)。
計画は武蔵五日市駅→(バス)→上川乗バス停→(コース)→払沢の滝入り口バス停→(バス)→武蔵五日市駅というもので、五日市駅までは車を使う。
コースは「関東ふれあいの道~東京都④ 歴史のみち」である。
7月に歩いた「⑥ 杉の木陰のみち」の続きみたいな感じかな。

関東ふれあいの道とは環境省の長距離自然歩道構想に基づき関東地方1都6県が整備している総延長1799kmの自然歩道で、高尾山麓「梅の木平」を起終点に、東京都、埼玉県、群馬県、栃木県、茨城県、千葉県、神奈川県の順に一周する。
――東京都八王子梅の木平を起終点に、高尾山、奥多摩、秩父、妙義山、太平山、筑波山、霞ヶ浦、九十九里浜、房総、三浦半島、丹沢などを結んでいます。美しい自然を楽しむばかりでなく田園風景、歴史や文化遺産にふれあうことのできる道です。より多くの人々が利用できるよう10km前後に区切った日帰りコースを160コース設定し、それぞれの起終点が鉄道やバス等と連絡できるようになっています。(「首都圏自然歩道(関東ふれあいの道)」、環境省HPより)

今回の「④歴史のみち」は、標高903mの浅間嶺を越える甲州中道といわれた古い官道で、東京都コース中で最短。
途中、週末に営業するうどん屋さんがあるという情報があり、実は上記コース⑥より先に候補に挙がっていた。

上川乗バス停(上り方面)、左がトイレ
武蔵五日市駅からバスというのは前回と同じ。
上川乗バス停下車。

上川乗バス停(下り方面)より、前方右手が浅間嶺上り口
川乗という地名は「川海苔が採れたことにちなみます」ということをバスのアナウンスで知った。
いまも随所に“川苔”の表記が残る。

バス路線の檜原街道は川(南秋川)に沿った道で、上り口が谷のためはじめひたすら上る。

ひたすら上るが急登というわけでもなく、植生は杉の人工林でやや単調である。

取り付きを上りきって右に折れてからは、明るい稜線から広い杉林と上りの少ない歩きやすい道が続く。


約1kmごとに里程標が設置されている。
川乗の表記は“川苔”で、こちらのほうが趣があり、自然や歴史、文化に触れるという点からも漢字の語意は大事と思わせられる。

その後、何段階か上るがさほどきつい箇所もなく、コース案内がほぼないため徐々に不安になる以外は特に問題もなく。

最後やや急な上りを過ぎ、“⇐浅間嶺展望台”の案内板に至る。

右に上れば展望台、左が東屋と木のベンチを配した広場「浅間尾根休憩所」。

時刻は11時すぎで、腹が、減った……。
上記のようにこのコースにはうどん屋さんがあるという話だが、なんと上川乗バス停からこの休憩所までに1人も人に出会っておらず、この先飲食店が出現することがあるとは、狐に化かされでもしない限りとても考えられない。

なので用意してきた昼食をここでとることに。
そりゃ備えはするでしょ。
たとえうどん屋があったとしてもそれ1軒で、周りは深山、代替えが利かないのだから。


昔使っていたキャンプ道具で前回はチキンラーメンを食べているが、鍋は使用後の持ち運び等に気を使うので、今回はより簡便にカップ麺。
パンは4月のとき同様、第一屋製パン小平工場のアウトレットショップ「イフ」で調達。

広場の背後の小高いところが浅間嶺展望台
その東屋も正面に大岳山を望む好ロケーションだが、食事のあと広場の先の小高い展望台へ上ると反対側(南側)にも展望が開ける。

ここが浅間嶺頂上だと思う。
山頂標識のある南向きには富士山が見られるという(この日は見えなかった)。
北は奥多摩三山の御前山と大岳山が間近に迫る。
努力目標に掲げている奥多摩三山の残り2つのピークが、物理的にグッと迫って見えている。
(つづく)

御前山(左)と大岳山(右)
[DATA]
浅間嶺
東京都西多摩郡檜原村
strong>[Today's recommendation]

https://youtu.be/47Br1RdPyPo?si=BFIhqqjMjPBrS162




次号予告
夏季の記録的猛暑とそれに伴うあちこちの身体の不調とで休止状態だった山歩きをようやく再開。
この3~4日やみくもに自転車乗り回していたのも、山歩きに向けてのスタミナ不足対策だったりする。
目的地は東京都檜原村の浅間嶺(せんげんれい)。
計画は武蔵五日市駅→(バス)→上川乗バス停→(コース)→払沢の滝入り口バス停→(バス)→武蔵五日市駅というもので、五日市駅までは車を使う。
コースは「関東ふれあいの道~東京都④ 歴史のみち」である。
7月に歩いた「⑥ 杉の木陰のみち」の続きみたいな感じかな。

関東ふれあいの道とは環境省の長距離自然歩道構想に基づき関東地方1都6県が整備している総延長1799kmの自然歩道で、高尾山麓「梅の木平」を起終点に、東京都、埼玉県、群馬県、栃木県、茨城県、千葉県、神奈川県の順に一周する。
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――東京都八王子梅の木平を起終点に、高尾山、奥多摩、秩父、妙義山、太平山、筑波山、霞ヶ浦、九十九里浜、房総、三浦半島、丹沢などを結んでいます。美しい自然を楽しむばかりでなく田園風景、歴史や文化遺産にふれあうことのできる道です。より多くの人々が利用できるよう10km前後に区切った日帰りコースを160コース設定し、それぞれの起終点が鉄道やバス等と連絡できるようになっています。(「首都圏自然歩道(関東ふれあいの道)」、環境省HPより)

今回の「④歴史のみち」は、標高903mの浅間嶺を越える甲州中道といわれた古い官道で、東京都コース中で最短。
途中、週末に営業するうどん屋さんがあるという情報があり、実は上記コース⑥より先に候補に挙がっていた。

上川乗バス停(上り方面)、左がトイレ
武蔵五日市駅からバスというのは前回と同じ。
上川乗バス停下車。

上川乗バス停(下り方面)より、前方右手が浅間嶺上り口
川乗という地名は「川海苔が採れたことにちなみます」ということをバスのアナウンスで知った。
いまも随所に“川苔”の表記が残る。

バス路線の檜原街道は川(南秋川)に沿った道で、上り口が谷のためはじめひたすら上る。

ひたすら上るが急登というわけでもなく、植生は杉の人工林でやや単調である。

取り付きを上りきって右に折れてからは、明るい稜線から広い杉林と上りの少ない歩きやすい道が続く。


約1kmごとに里程標が設置されている。
川乗の表記は“川苔”で、こちらのほうが趣があり、自然や歴史、文化に触れるという点からも漢字の語意は大事と思わせられる。

その後、何段階か上るがさほどきつい箇所もなく、コース案内がほぼないため徐々に不安になる以外は特に問題もなく。

最後やや急な上りを過ぎ、“⇐浅間嶺展望台”の案内板に至る。

右に上れば展望台、左が東屋と木のベンチを配した広場「浅間尾根休憩所」。

時刻は11時すぎで、腹が、減った……。
上記のようにこのコースにはうどん屋さんがあるという話だが、なんと上川乗バス停からこの休憩所までに1人も人に出会っておらず、この先飲食店が出現することがあるとは、狐に化かされでもしない限りとても考えられない。

なので用意してきた昼食をここでとることに。
そりゃ備えはするでしょ。
たとえうどん屋があったとしてもそれ1軒で、周りは深山、代替えが利かないのだから。

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昔使っていたキャンプ道具で前回はチキンラーメンを食べているが、鍋は使用後の持ち運び等に気を使うので、今回はより簡便にカップ麺。
パンは4月のとき同様、第一屋製パン小平工場のアウトレットショップ「イフ」で調達。

広場の背後の小高いところが浅間嶺展望台
その東屋も正面に大岳山を望む好ロケーションだが、食事のあと広場の先の小高い展望台へ上ると反対側(南側)にも展望が開ける。

ここが浅間嶺頂上だと思う。
山頂標識のある南向きには富士山が見られるという(この日は見えなかった)。
北は奥多摩三山の御前山と大岳山が間近に迫る。
努力目標に掲げている奥多摩三山の残り2つのピークが、物理的にグッと迫って見えている。
(つづく)

御前山(左)と大岳山(右)
[DATA]
浅間嶺
東京都西多摩郡檜原村
strong>[Today's recommendation]

https://youtu.be/47Br1RdPyPo?si=BFIhqqjMjPBrS162




次号予告
思いがけず本格登山 ――三頭山
2023.04.09
テレビはあまり見ないが吉田類の『にっぽん百低山』をなぜか毎週のように視聴しているのは、水曜日は家で昼ごはんを食べることが多いから。仕事の合間の昼ごはんをニュースを見ながら… からの流れで。
1272mの鍋割山とかぜんぜん低山じゃないだろ! とかツッコミながら見ているわけだが、高所恐怖症の自分的には標高89.4mの八国山より高い山に登れる気がしない。
それが今回、なんと1531mに挑むハメに。
コロナ禍で目覚めた近場観光、昔の足跡をたどるシリーズ。
東京都のほぼ西端、三頭山の山麓に造成された「檜原都民の森」へ。
公園というより三頭山登山のルート整備がメインで、ベース位置にいくつかの施設があるほかによけいなものがないのは好ましい。

先月の高尾山と同じく6時に起きて7時半出発。
高尾山はそれでは遅く高い駐車料金を払わされる目に遭ったわけだが、高尾山と違ってそんな混むことはないだろう… というヨミは大外れで、10時前にして駐車場入り口に“満車”の看板。高尾山と違って山奥で代替がないので本気でアセッた。

駐車場入り口のおじさんに聞くと800m上に臨時駐車場があるとのことで事なきを得たが、まったく懲りないというのも問題だと思った。
あらためて、都民の森。
1990年5月オープンで、以前僕らが来たのは94年4月。

1994年4月14日

駐車場横に「とちの実」という売店があり、そこから少し登ると「森林館」という施設がある。

そこはけっこう覚えていて、ミソサザイなどの野鳥の巣が展示してあったところだ。
森林館には帰りに寄るとして、その裏の登山ルート“大滝の路(森林セラピーロード)”を歩き始める。

森林館裏(写真右端の矢印)が登山ルートの起点

道幅が広く路面に木材チップが敷かれた歩きやすいルートである。
木材チップはよく覚えているので、前もここを通っているはずだ。

三頭大滝まで緩やかな上りで、ウォーミングアップにぴったし。

やがて前方に木のベンチを備えたチェックポイント。
三頭大滝である。

滝を見るためだけのつり橋が架かっており、行きがかり上そこを渡らなければならない。
高所恐怖症的には第一の関門である。

不思議なのは、以前このルートを通ったとして、滝を見た記憶がないのと写真も残っていないこと。
まったくのナゾである。

同じ檜原村の“日本の滝100選”払沢の滝より姿的に美しいかも… と思った。

滝の上の浅い沢沿いを少し登ると分かれ道になる。

左は石山・深山の道 至三頭山、右はブナの路 至三頭山。
地形的に左が山肌をめぐるルートで右が沢筋を上るルートという印象で、右を選択。


以前もこのあたりまで登ったと思う。4月14日で雪が残っていた
これが大正解で、半涸れの沢に沿ったルートでは花も多く、ミソサザイのさえずりがずっと後ろをついてきた。

しかしこの沢沿いのルートもしだいに傾斜がきつくなり、しかもどこまでも終わる気配がない。
ふだん平らなところしか歩いていない身体にはそろそろ限界っぽいので、さっきの分かれ道に標識のあった野鳥観察小屋まで行って帰ろうかと下でもらってきた地図を見ると、どうもそこに気づかずだいぶ先まで来ているようなのだ。

そうなると次のポイントはムシカリ峠で、頑張ってそこまで行ってみるかぁ。
…が、その先、まもなく沢筋を離れ山肌を登るジグザグの急登ルートに。
常に片側が開けて切り立っていて怖いのなんの。
なので、この間の写真ありません (〃 ̄ω ̄〃ゞ ウーム

やがて前方が開けてきて、ようやく峠。

標識には“三頭山15分”と書いてある。
ここまで来て頂上に登らない手はないでしょう。

実際、そこから山頂までは楽なコースである。
振り向くと、木立ちの間に富士山が見える。
登るにつれ眺望が開け…。

ついに三頭山山頂!
(つづく)

[DATA]
三頭山
東京都西多摩郡檜原村数馬
[Today's recommendation]

https://youtu.be/FGpemyrqGZg




次号予告
テレビはあまり見ないが吉田類の『にっぽん百低山』をなぜか毎週のように視聴しているのは、水曜日は家で昼ごはんを食べることが多いから。仕事の合間の昼ごはんをニュースを見ながら… からの流れで。
1272mの鍋割山とかぜんぜん低山じゃないだろ! とかツッコミながら見ているわけだが、高所恐怖症の自分的には標高89.4mの八国山より高い山に登れる気がしない。
それが今回、なんと1531mに挑むハメに。
コロナ禍で目覚めた近場観光、昔の足跡をたどるシリーズ。
東京都のほぼ西端、三頭山の山麓に造成された「檜原都民の森」へ。
公園というより三頭山登山のルート整備がメインで、ベース位置にいくつかの施設があるほかによけいなものがないのは好ましい。

先月の高尾山と同じく6時に起きて7時半出発。
高尾山はそれでは遅く高い駐車料金を払わされる目に遭ったわけだが、高尾山と違ってそんな混むことはないだろう… というヨミは大外れで、10時前にして駐車場入り口に“満車”の看板。高尾山と違って山奥で代替がないので本気でアセッた。

駐車場入り口のおじさんに聞くと800m上に臨時駐車場があるとのことで事なきを得たが、まったく懲りないというのも問題だと思った。
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あらためて、都民の森。
1990年5月オープンで、以前僕らが来たのは94年4月。

1994年4月14日

駐車場横に「とちの実」という売店があり、そこから少し登ると「森林館」という施設がある。

そこはけっこう覚えていて、ミソサザイなどの野鳥の巣が展示してあったところだ。
森林館には帰りに寄るとして、その裏の登山ルート“大滝の路(森林セラピーロード)”を歩き始める。

森林館裏(写真右端の矢印)が登山ルートの起点

道幅が広く路面に木材チップが敷かれた歩きやすいルートである。
木材チップはよく覚えているので、前もここを通っているはずだ。

三頭大滝まで緩やかな上りで、ウォーミングアップにぴったし。

やがて前方に木のベンチを備えたチェックポイント。
三頭大滝である。

滝を見るためだけのつり橋が架かっており、行きがかり上そこを渡らなければならない。
高所恐怖症的には第一の関門である。

不思議なのは、以前このルートを通ったとして、滝を見た記憶がないのと写真も残っていないこと。
まったくのナゾである。

同じ檜原村の“日本の滝100選”払沢の滝より姿的に美しいかも… と思った。

滝の上の浅い沢沿いを少し登ると分かれ道になる。

左は石山・深山の道 至三頭山、右はブナの路 至三頭山。
地形的に左が山肌をめぐるルートで右が沢筋を上るルートという印象で、右を選択。


以前もこのあたりまで登ったと思う。4月14日で雪が残っていた
これが大正解で、半涸れの沢に沿ったルートでは花も多く、ミソサザイのさえずりがずっと後ろをついてきた。

しかしこの沢沿いのルートもしだいに傾斜がきつくなり、しかもどこまでも終わる気配がない。
ふだん平らなところしか歩いていない身体にはそろそろ限界っぽいので、さっきの分かれ道に標識のあった野鳥観察小屋まで行って帰ろうかと下でもらってきた地図を見ると、どうもそこに気づかずだいぶ先まで来ているようなのだ。

そうなると次のポイントはムシカリ峠で、頑張ってそこまで行ってみるかぁ。
…が、その先、まもなく沢筋を離れ山肌を登るジグザグの急登ルートに。
常に片側が開けて切り立っていて怖いのなんの。
なので、この間の写真ありません (〃 ̄ω ̄〃ゞ ウーム

やがて前方が開けてきて、ようやく峠。

標識には“三頭山15分”と書いてある。
ここまで来て頂上に登らない手はないでしょう。

実際、そこから山頂までは楽なコースである。
振り向くと、木立ちの間に富士山が見える。
登るにつれ眺望が開け…。

ついに三頭山山頂!
(つづく)

[DATA]
三頭山
東京都西多摩郡檜原村数馬
[Today's recommendation]

https://youtu.be/FGpemyrqGZg




次号予告
天空の古民家 【小林家住宅】
2022.08.11
先週からいろんな仕事が波状的にやって来てアタマ使いすぎというかワーキングメモリーが飽和状態というか、意識がフワフワして現実感がない。
おそらく来週前半がピークであり、このままの状態ではまずいので英気を養いに山に行くことにした。
山といってももちろん日帰り圏だし、この暑さでは歩いて登る気にもなれず、できれば公共交通機関の使えるところがいい。密や混雑も避けたい。
そんなところがあるだろうか…?
ありました。

小林家住宅見学者用駐車場(5台収容)およびトイレ。水根本宿線の右が橘橋方面で左は行き止まり
先日、Instagramで檜原村の古民家情報を見つけた。
そのあたりに古民家がいくつか残されていることは知っているが、その投稿で目に留まったのは古民家そのものの情報ではなく“#小林家住宅総角沢モノレール駅”というハッシュタグ。
…モノレール駅?

モノレールというと東京では多摩都市モノレールと羽田の東京モノレールくらいしか思い浮かばないが、檜原村にもモノレールがあったのか?

駐車場の下側にモノレール駅
“小林家住宅”は有名な古民家で、その公式HPに“モノレールについて”のページがある。
――小林家住宅は車の近づけない山間部に位置しているため、保存修理工事にあたっては、解体した資材や修理に必要となる資材、作業員を運搬するための設備が必要となりました。そこで設置したのがモノレールです。工事終了後、本モノレールは国からの払い下げを経て村の所有となり、現在は訪れた観光客を小林家住宅まで運搬するための輸送手段としても活躍しています。
立派な公共(村営)交通機関なのである。

小林家住宅総角沢モノレール駅へのアプローチは、檜原街道橘橋交差点から水根本宿線を約12km。



下り便が下ってくる様子
モノレールには時刻表もあるが予約が必要で(原則1時間前まで)、11:50の便に予約してあった。
実はその2便前の10:30くらいに合わせて出てきたんだが、五日市街道(睦橋通り)の睦橋手前が大渋滞。そのあたりからいろいろ行動に狂いが生じていたわけだが、それは次回のお話。


“車窓”からの眺め
モノレール線は全長およそ450mで、上り13分・下り10分。車体は運転手を除いて8人乗り。
コースは終始急斜面(最大傾斜は43°)で、はっきりGが感じられるほど。

小林家住宅駅というのかな? 到着駅の目の前に立派な茅葺き屋根の住宅が姿を現す。

――重要文化財小林家住宅とは、東京都内陸部で唯一の村「檜原村」の標高約750mの尾根上に建つ山岳民家です。建物は、その構造形式や部材の調査結果等から推測するに18世紀前半頃に建てられたものと見られています。山間にありながら、比較的質が良く、改変も少ないこともあり、東京都から山梨県へかけての民家の関連を知ることのできる貴重な遺例であるとして、昭和53年に重要文化財に指定されました。そして平成23年からおよそ3年にもわたる保存修理工事を経て、創建当時の姿へと復原されました。(小林家住宅HPより)

しばし悠久の時の流れを堪能。






もとは馬小屋・穀物置であったところに飲み物の無人販売所がつくられている。
じゃがいもとみょうが、すず竹で編んだ籠も並び、小さな小さなマーケットの様相を呈している。


ペットボトルのお茶がなんだかぜいたく品のように感じられる。

いまでこそモノレールなど使わないと上ってこれない“秘境”だが、昔は3本の尾根道の交わる交通の要衝だったらしい。
道端には古い石碑が。

下りのモノレールの時刻まで少し間があって、縁側でぼーっと。
蝉の声が岩にしみ入るような、閑な時間。

[DATA]
小林家住宅
東京都西多摩郡檜原村4994
https://kobayashike.tokyo/
[Today's recommendation]



https://youtu.be/XN3QPVcExZ8


次号予告
先週からいろんな仕事が波状的にやって来てアタマ使いすぎというかワーキングメモリーが飽和状態というか、意識がフワフワして現実感がない。
おそらく来週前半がピークであり、このままの状態ではまずいので英気を養いに山に行くことにした。
山といってももちろん日帰り圏だし、この暑さでは歩いて登る気にもなれず、できれば公共交通機関の使えるところがいい。密や混雑も避けたい。
そんなところがあるだろうか…?
ありました。

小林家住宅見学者用駐車場(5台収容)およびトイレ。水根本宿線の右が橘橋方面で左は行き止まり
先日、Instagramで檜原村の古民家情報を見つけた。
そのあたりに古民家がいくつか残されていることは知っているが、その投稿で目に留まったのは古民家そのものの情報ではなく“#小林家住宅総角沢モノレール駅”というハッシュタグ。
…モノレール駅?

モノレールというと東京では多摩都市モノレールと羽田の東京モノレールくらいしか思い浮かばないが、檜原村にもモノレールがあったのか?

駐車場の下側にモノレール駅
“小林家住宅”は有名な古民家で、その公式HPに“モノレールについて”のページがある。
――小林家住宅は車の近づけない山間部に位置しているため、保存修理工事にあたっては、解体した資材や修理に必要となる資材、作業員を運搬するための設備が必要となりました。そこで設置したのがモノレールです。工事終了後、本モノレールは国からの払い下げを経て村の所有となり、現在は訪れた観光客を小林家住宅まで運搬するための輸送手段としても活躍しています。
立派な公共(村営)交通機関なのである。

小林家住宅総角沢モノレール駅へのアプローチは、檜原街道橘橋交差点から水根本宿線を約12km。



下り便が下ってくる様子
モノレールには時刻表もあるが予約が必要で(原則1時間前まで)、11:50の便に予約してあった。
実はその2便前の10:30くらいに合わせて出てきたんだが、五日市街道(睦橋通り)の睦橋手前が大渋滞。そのあたりからいろいろ行動に狂いが生じていたわけだが、それは次回のお話。


“車窓”からの眺め
モノレール線は全長およそ450mで、上り13分・下り10分。車体は運転手を除いて8人乗り。
コースは終始急斜面(最大傾斜は43°)で、はっきりGが感じられるほど。

小林家住宅駅というのかな? 到着駅の目の前に立派な茅葺き屋根の住宅が姿を現す。

――重要文化財小林家住宅とは、東京都内陸部で唯一の村「檜原村」の標高約750mの尾根上に建つ山岳民家です。建物は、その構造形式や部材の調査結果等から推測するに18世紀前半頃に建てられたものと見られています。山間にありながら、比較的質が良く、改変も少ないこともあり、東京都から山梨県へかけての民家の関連を知ることのできる貴重な遺例であるとして、昭和53年に重要文化財に指定されました。そして平成23年からおよそ3年にもわたる保存修理工事を経て、創建当時の姿へと復原されました。(小林家住宅HPより)

しばし悠久の時の流れを堪能。






もとは馬小屋・穀物置であったところに飲み物の無人販売所がつくられている。
じゃがいもとみょうが、すず竹で編んだ籠も並び、小さな小さなマーケットの様相を呈している。


ペットボトルのお茶がなんだかぜいたく品のように感じられる。

いまでこそモノレールなど使わないと上ってこれない“秘境”だが、昔は3本の尾根道の交わる交通の要衝だったらしい。
道端には古い石碑が。

下りのモノレールの時刻まで少し間があって、縁側でぼーっと。
蝉の声が岩にしみ入るような、閑な時間。

[DATA]
小林家住宅
東京都西多摩郡檜原村4994

[Today's recommendation]



https://youtu.be/XN3QPVcExZ8


次号予告
東京の名瀑からの… 【檜原とうふ ちとせ屋】
2022.01.30
爆発的な感染拡大により行動制限が再び厳格化――
実際、東京都心などでは誰がいつ感染してもおかしくない状況に映る。
都心に出かけたいが、仕事で致し方なく通う人も少なくないなか、用もないのに街をふらついて感染しました… では申し訳が立たないとも思う。
といって、ただ家にこもっているのもアレだし何とかしたいが…。
結局、2年間のコロナ禍で感じてきたことから、いまできることを個々に突き詰めていくしかないだろう。
ということで、三密に密接に関わってくる人口密度にフォーカスしてみた。

檜原村――
本州の東京都内唯一の“村”
人口密度21.0人/㎢(2015年)
62区市町村中61位。1位豊島区の1100分の1
最近、インスタに結氷した滝の写真が投稿されていた。払沢の滝と。
そこならそう遠くないし、1、2度行ったことがあるはずだ。そんなところでそんなものが見られるとは…!
行くなら当然寒いうちに行くしかない。
寒の内最後の日曜日、なんとか予定が立った。

実際そう遠くなく、車で1時間半かからない。
駐車場からいったん下り、「ギャラリー喫茶 やまびこ」のある別れ道から上りになる。

ここからは意外にちゃんとした山道。
ずっと切り立った谷沿いの道で、高さもそこそこある。
高所恐怖症の僕には怖いくらいのレベル。
前に来たことがあると思っていたが、こんな道の記憶がないんだが…。
写真ではわかりにくいが、このへんかなーり高いです (・・;
歩くこと15分、払沢の滝に到着。
――東京都で唯一“日本の滝百選”に選ばれている「払沢の滝」。秋川の源流の沢の奥地にある落差62メートル・全4段からなる滝です。4段のうち、遊歩道で訪れて見られるのは落差約23.3メートルの最下段。近隣の飲料水にもなっている清水が、木漏れ日の中でキラキラと輝きながら滝つぼへ注ぎます。(檜原村HPより)
しかし滝の姿や滝つぼの様子には覚えがある…。
若いころの記憶はずいぶんゆがんできている可能性がある。
氷爆というわけにはいかなかったが、岩壁に氷塊がへばりついていたり、滝つぼに板氷が浮いていたりと、厳しくもダイナミックな冬の自然を楽しむことができた。
水源だけあって水のきれいさも特筆もの。
時間が早く人が少なかったのもよかった。
下りではすれ違う人の数がだいぶ増えていた。
なお、払沢の滝の結氷状況はライブカメラで見ることができる。
さて、登り口まで下ってきて、まだ10時半。
昼ごはんには少し早いが、軽い山歩きで小腹がすいてる。
ちょうどいいお店がありました。
「檜原とうふ ちとせ屋」。
お豆腐屋さんだが、うの花ドーナツが人気。
うの花ドーナツ2個と頼む。
「すぐ食べますか?」と聞かれ、それだと揚げたてアツアツがいただける。

お豆腐屋さんなので、“滝の音豆腐(もめん)”も買う。
「ドーナツと一緒にあったかい豆乳はいかがですか?」
「あ、それいいですね♪」
向かいのバス停の待合所を使わせていただく。
スローでぜいたくなひととき。
ぼんやり眺めていると、お店はお客さんが絶えることがない。
うわさにたがわぬ人気ぶり。

ドーナツは表面かりっと中ふんわりしっとりな感じで、優しい甘さにほっとする。
小ぶりなので3個くらい続けて食べられそうだ。

濃厚な豆乳で温まる。
甘酒にも負けない日本の冬のホットドリンクといえよう。

11時15分前。
そろそろ昼ごはんを食べに行きますか…。
(つづく)
右は都道205号水根本宿線、左が払沢の滝駐車場入り口
[DATA]
檜原とうふ ちとせ屋
東京都西多摩郡檜原村5557
https://m.facebook.com/%E6%AA%9C%E5%8E%9F%E3%81%A8%E3%81%86%E3%81%B5-%E3%81%A1%E3%81%A8%E3%81%9B%E5%B1%8B-102224691518430/
https://twitter.com/chitoseya_ken
https://www.instagram.com/chitoseya_tofu/?hl=ja
[Today's recommendation]



https://youtu.be/J_36x1_LKgg


次号予告
爆発的な感染拡大により行動制限が再び厳格化――
実際、東京都心などでは誰がいつ感染してもおかしくない状況に映る。
都心に出かけたいが、仕事で致し方なく通う人も少なくないなか、用もないのに街をふらついて感染しました… では申し訳が立たないとも思う。
といって、ただ家にこもっているのもアレだし何とかしたいが…。
結局、2年間のコロナ禍で感じてきたことから、いまできることを個々に突き詰めていくしかないだろう。
ということで、三密に密接に関わってくる人口密度にフォーカスしてみた。

檜原村――
本州の東京都内唯一の“村”
人口密度21.0人/㎢(2015年)
62区市町村中61位。1位豊島区の1100分の1
最近、インスタに結氷した滝の写真が投稿されていた。払沢の滝と。
そこならそう遠くないし、1、2度行ったことがあるはずだ。そんなところでそんなものが見られるとは…!
行くなら当然寒いうちに行くしかない。
寒の内最後の日曜日、なんとか予定が立った。

実際そう遠くなく、車で1時間半かからない。
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駐車場からいったん下り、「ギャラリー喫茶 やまびこ」のある別れ道から上りになる。

ここからは意外にちゃんとした山道。
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ずっと切り立った谷沿いの道で、高さもそこそこある。
高所恐怖症の僕には怖いくらいのレベル。
前に来たことがあると思っていたが、こんな道の記憶がないんだが…。
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歩くこと15分、払沢の滝に到着。
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――東京都で唯一“日本の滝百選”に選ばれている「払沢の滝」。秋川の源流の沢の奥地にある落差62メートル・全4段からなる滝です。4段のうち、遊歩道で訪れて見られるのは落差約23.3メートルの最下段。近隣の飲料水にもなっている清水が、木漏れ日の中でキラキラと輝きながら滝つぼへ注ぎます。(檜原村HPより)
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しかし滝の姿や滝つぼの様子には覚えがある…。
若いころの記憶はずいぶんゆがんできている可能性がある。
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氷爆というわけにはいかなかったが、岩壁に氷塊がへばりついていたり、滝つぼに板氷が浮いていたりと、厳しくもダイナミックな冬の自然を楽しむことができた。
水源だけあって水のきれいさも特筆もの。
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時間が早く人が少なかったのもよかった。
下りではすれ違う人の数がだいぶ増えていた。
なお、払沢の滝の結氷状況はライブカメラで見ることができる。
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さて、登り口まで下ってきて、まだ10時半。
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昼ごはんには少し早いが、軽い山歩きで小腹がすいてる。
ちょうどいいお店がありました。
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「檜原とうふ ちとせ屋」。
お豆腐屋さんだが、うの花ドーナツが人気。
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うの花ドーナツ2個と頼む。
「すぐ食べますか?」と聞かれ、それだと揚げたてアツアツがいただける。

お豆腐屋さんなので、“滝の音豆腐(もめん)”も買う。
「ドーナツと一緒にあったかい豆乳はいかがですか?」
「あ、それいいですね♪」
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向かいのバス停の待合所を使わせていただく。
スローでぜいたくなひととき。
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ぼんやり眺めていると、お店はお客さんが絶えることがない。
うわさにたがわぬ人気ぶり。

ドーナツは表面かりっと中ふんわりしっとりな感じで、優しい甘さにほっとする。
小ぶりなので3個くらい続けて食べられそうだ。

濃厚な豆乳で温まる。
甘酒にも負けない日本の冬のホットドリンクといえよう。

11時15分前。
そろそろ昼ごはんを食べに行きますか…。
(つづく)
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[DATA]
檜原とうふ ちとせ屋
東京都西多摩郡檜原村5557



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