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練馬の伝統“粉食文化”の発信地 【エン座】

2023.10.01

 前記事にもちょこっと書いているように、練馬区立の博物館「石神井公園ふるさと文化館」の館内にうどん屋さんがある。


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石神井公園ふるさと文化館とは、

――練馬区の歴史や伝統文化、自然などについて体験しながら楽しく学べる施設です。観光情報も発信しています。練馬区HP


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縄文土器に始まり練馬大根とラーメン屋を経て村上もとかに終わるという、ものすごーく大ざっぱにいうとそういう流れ? の常設展示。
なかなか見応えあります💦


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常設展示は2F、うどん店「エン座」は1Fにある。


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前記事の「旧内田家住宅」見学のあと12時すぎの来店で、5組ほどの順番待ち。
博物館に着いた時点(11時すぎ)で食べておけばよかったんだが、ハラが減ってから考えるという刹那主義的生きざま?(笑)


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それにしてもおそろしく回転が悪く、席に案内されるまで30分ほどかかったので、やっぱり計画性は大事なんじゃないかと思う😅


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注文は、みぞれ糧うどん、たっぷり練馬野菜うどん(冷あつ)、地野菜のかき揚げ。


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順番待ちの間、頃合いで注文をとりに来てくれたりと、システマティックなオペレーションのようで上述のようになぜかやたら待ち時間が長いのは、絶対的マンパワー不足のように思えなくもないが(笑)、ちゃんとお店指針による。
「御注文頂いてよりの「釜入れ」になります。お時間頂戴する件ご了承ください」と看板に書いてあった。


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そのようなゆでたてへのこだわりのとおり、うどんはコシが強く、地元産という粉の質のよさも感じられる。
僕らの慣れ親しんでいる武蔵野うどんよりだいぶ洗練されているように思えるのは、さすがに23区ということか。


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そばでいえば更科の変わりそばのごとき3色のうどんは、大根葉、唐辛子、紫芋。
唐辛子はちゃんとピリッとくる。


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つけ汁は豚肉たっぷり。


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糧は小松菜。
うどんをガバッと覆う一反もめんのごときシロモノは、練馬だけに大根の薄造り。

「塩は青ヶ島産ひんぎゃの塩、野菜はとなりの富岡農園」と書いてある。


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地野菜のかき揚げ


たっぷり練馬野菜うどんとは、まぁ、けんちんうどんである。
こちらも具がたっぷり。
だいこん、ごぼう、にんじん、長ねぎ、玉ねぎ…。糧に小松菜と針しょうが。


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野菜の甘味が汁に溶け込んだやさしい味。


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――練馬区の歴史や伝統文化、自然などについて体験しながら…

つまりそういうお店。


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[DATA]
エン座
東京都練馬区石神井町5-12-16 石神井公園ふるさと文化館内
https://www.udon-enza.com/





[Today's recommendation]


https://youtu.be/RFUSD23ZXEw?si=qSXjAz4yYXrrF1Kh



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ふるさと文化館の屋外施設「旧内田家住宅」


明治期の伝統的民家建築 【旧内田家住宅】

2023.10.01

 「石神井公園の中のふるさと文化館っていうんだけど」
「ん? どこだろう」とスマホをのぞき込む。「あー、はいはい。よく通るわ」

本日のお出かけ候補。
石神井公園を南北に貫通する通り(下石神井大泉線)沿いの公園南の小高いところにある小ぎれいな施設。
いかにもハコモノというたたずまいでこれまで関心が向かなかったが、ハコモノだとてそうばかにしたものじゃない… ということに最近気づき始めている。

自転車でGo!


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「石神井公園ふるさと文化館」の建物前で駐輪場を探していると、施設内にうどん屋の看板。
なんと、ハコモノはハコモノでも、飲食店付きというワンランク上のハコモノなのだった。

駐輪場は通りから奥まった位置にあった。
自転車を止め文化館裏口に向かおうとすると、左手に立派な茅葺き屋根が見える。


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「え…? すごくない? これ」
「だからこれが見たかったんだってば」

てっきり文化館の企画展か何かが目的と思っていた。
それにしてもいろいろ侮れじ! 石神井公園ふるさと文化館✨


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こちら「旧内田家住宅」、元は練馬区中村にあった建築物で、ふるさと文化館の屋外施設として2010年、隣接する「区立池淵史跡公園」に移築・復元されたもの。


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池淵史跡公園。下左:馬頭観音(1803)・庚申塔(1720)、下右:庚申塔(1727)・庚申塔(1818)・庚申塔(1765)


池淵史跡公園は、石神井川と三宝寺池に挟まれて東西に長く延びる台地上にある旧石器~縄文・弥生~中世の遺跡「池淵遺跡」を埋め戻し整備された公園で、2010年開園。
縄文中期の竪穴住居跡のほか、区内各所にあった庚申塔や馬頭観音など江戸時代の石造物も配置されている。


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「旧内田家住宅」は池淵史跡公園のメイン施設で、桁行8.5間(15.3m)、梁間5.5間(10.9m)の整形四間取りの主体部と、その北西部に張り出す角屋(桁行4.4m。梁間6.4m)からなる茅葺きの寄棟造。


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小屋裏で見つかった文書や伝聞などから、明治20年代初頭の建築と推定され、一部に江戸時代の古材も使われている。
部分的な改造はあるが、建築当初の主要な部材や構造、形式を良好にとどめた、練馬区内に現存する数少ない伝統的民家建築である。


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玄関から前座敷、下座敷

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前座敷(左)、下座敷(右)

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下座敷から奥座敷

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床の間では季節ごとに床飾りが行われる

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奥座敷から下座敷、庭を望む

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ボランティアのガイドの方にいろいろお話を伺った。
驚くことに、移築の際の解体直前の2007年ころまで、所有者はいつでも使えるように手入れを続けていたという。
板の間は使い勝手よく壁で小部屋に仕切られていたそうだ。

23区内の古民家暮らしとはなんとぜいたくな…! というのは部外者のお気楽な考え。
「天井がないのでエアコンが使えないし、蚊がものすごく湧くし…」というのは、記録的猛暑の間ここに詰めていた方の本音だろう。


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西の廊下

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板の間

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板の間には囲炉裏

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土間

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勝手口の井戸

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裏から


それでもやっぱり、23区内とは思えない、このぜいたくな景色。

(つづく)


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[DATA]
旧内田家住宅
東京都練馬区石神井町5-13 区立池淵史跡公園内
https://www.neribun.or.jp/archive/detail.cgi?id=10308





[Today's recommendation]


https://youtu.be/OnqWXOV7K-I?si=suEmx4FfPjNmDSzU



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次号予告


見て、触れて、体感できる広報施設 【陸上自衛隊広報センター りっくんランド】

2023.09.23

 行きたいという人がいるので、自衛隊朝霞駐屯地へ。
軍事にも乗り物にもほとんど興味がないままに生きてきたが、朝霞の予科士官学校には個人的思い入れがあることもあって。
何かと言い訳がましいのは、そういうものに対するネガティブな印象を拭いきれないからだと思うが、チャラいノンポリ野郎にそういう話は似つかわしくないのでやめておこう。


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「陸上自衛隊広報センター りっくんランド」は、陸上自衛隊唯一の大規模広報施設で、2002年、“見て、触れて、体感して”をコンセプトに、陸上自衛隊の広範な活動を常続的かつ体系的に情報発信し理解を得ることを目的に設立された。


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第1駐車場に展示されている96式装輪装甲車(WAPC)と軽装甲機動車(LAV)。背後はR254である

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さすがに入館チェックはあるが、受付票の記載事項は氏名(代表者のみ)・年齢・性別という簡単なもの。
それよりも受付横に迷彩服の隊員が仁王立ちに立ちふさがっていてビビらされる。

「あの… 館内の撮影は…?」
「大丈夫です! 売店以外は」
「あ、売店はダメなんですね…」
「ダメです!」

受け答えが、普段生きる世界にこういうタイプはいないなぁ… というくらい、いちいちきっぱりしてる😅


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その売店の横を抜けるとメインの展示スペース。


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対戦車ヘリコプターAH-1S(通称コブラ)。展示されているのはアメリカから輸入された初号機だそうだ

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AH-1Sのロケットランチャーおよび対戦車ミサイルランチャー

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偵察用オートバイ

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太平洋戦争時の不発弾

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フライトシミュレータ

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16式機動戦闘車(通称16MCV)

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空挺傘


VR体験のアナウンスが流れ、先着20組までとのことで慌てて2階へ。
VR体験は、VRゴーグルを通して戦車・水陸両用車などの疑似乗車体験や空挺降下体験ができるというもの。


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VRで空挺降下? 体験中

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VR体験後、再び1階へ下り、次に屋外へ。


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屋外展示1:UH-1、中距離多目的誘導弾等

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屋外展示2:10式戦車、90式戦車、74式戦車等


屋外展示の横を抜け第2駐車場の奥側に「振武臺(しんぶだい)記念館」がある。
実は相方が見たかったのはこちらの施設で、調べたところ10月4日より平日限定の事前予約制になるので自由見学のうちに見ておきたかったとのこと。


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座間にあった陸軍士官学校の皇族舎を移築した歴史的にも貴重な建物である(館内は撮影禁止)


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朝霞駐屯地は1941年、日中戦争拡大や対米関係緊迫などを背景に市ヶ谷より当地に移転建設された陸軍予科士官学校「振武台」がその前身である。

年の離れた友人(故人)がここ陸士予科出身とのことで、行軍訓練? と称して平林寺まで遠足に行ったという話を聞かされ、“戦争中の人々の日常”的エピソードとして強く印象に残っている。
館内には出身者名簿が張られており、つい真剣に探してしまったが、MSさんのお名前を見つけることはできなかった。


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ここに来て一転、厳粛な気持ちにさせられる。

そういえば今日は彼岸の中日。
心の中で世界平和を祈る。


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[DATA]
陸上自衛隊広報センター りっくんランド
東京都練馬区大泉学園町
https://www.mod.go.jp/gsdf/eae/prcenter/index.html





[Today's recommendation]


https://youtu.be/psWRDUcT5SE?si=prUoZ2hbNJyQpTMt


https://youtu.be/32jLGwGX_QI?si=37rX9QL5sRk92rTB



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お土産


植物にも、ストーリー 【牧野記念庭園】

2022.06.23

――高知県出身の植物学者、牧野富太郎の生誕160年を記念して、高知県立牧野植物園は、牧野が育てたヒメアジサイを、かつて自宅があった東京の牧野記念庭園に半世紀ぶりに里帰りさせることにしました。NHK NEWS WEB 2022/05/10

というニュースを見て、その庭園はどこにあるんだろう… と調べてみたら、たまたま数日前に自転車で通ったところだった。初めて通った場所だけに、シンクロニシティを感じた。

1カ月後に続報。


――日本の植物学の父とも言われ、来年春からのNHKの連続テレビ小説『らんまん』の主人公のモデルにもなっている牧野富太郎が育てた「ヒメアジサイ」が、生前の自宅があった東京 練馬区の庭園で見ごろを迎えています。NHK NEWS WEB 2022/06/15

これはぜひ行ってみなければ。


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「牧野記念庭園」は西武池袋線 大泉学園駅からほど近い閑静な住宅街にある。
今回は買い物の都合等で「リヴィン オズ大泉店」に車を止め、そこから歩いて庭園へ。


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大泉学園駅南口ロータリー

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学芸大通り 牧野庭園前交差点を右へ

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閑静な住宅街に「牧野記念庭園」がある


牧野富太郎は“日本の植物学の父”と称される近代植物分類学の権威で、植物標本50万点、命名植物1500種類という偉業を残した。


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キンモクセイ、ケヤキ、ヤマザクラ、オオイヌノフグリ、ハルジオン… と、命名植物は身近にもたくさんある。
『牧野日本植物図鑑』をはじめ図書館で“牧野”と付く図鑑を手に取ったことのある人も多いのではないだろうか。

詳しくは、来年春スタートのNHK朝ドラで(笑)。


20220623 makino-memorial-15講習室では企画展に合わせた講演会や講座などが行われる


面白いのが書屋展示室で、建物内部に牧野博士の書斎と書庫の一部が保存されている。
つまりこの建物は“鞘堂”であり、書屋は国宝・中尊寺金色堂のごとく手厚い保護のもとにある。


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書屋展示室


今回の目的はアジサイ。
もとは個人宅で広い庭園ではないが、さまざまなアジサイが花を咲かせていた。


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ニュースで報じられていたヒメアジサイ


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ナデシコガクアジサイ(左) ウズアジサイ(右)

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左はベニガクアジサイ、右はプレートがないので不明


ところで、僕は牧野富太郎博士に関するエピソードを一つ、個人的に知っている。
30数年前に勤めていた神田の化学系出版社で、企業引退後フリーライターとして関わっておられたMSさん(故人)に聞いた話。

――MSさんが東北大学の学生時代の戦後まもなく、友人4人で吾妻山登山をしたときのこと、泊まる予定の山小屋が混んでいて3人分しかスペースがない。山小屋の主人が言うには、偉い先生が個室に泊まっていて、1人だけなら同室させてもよいとおっしゃっている。で、ジャンケンに負けたMSさんが個室行きに。その偉い先生というのが、吾妻山でフィールドワークをしていた牧野富太郎博士だった。

化学畑のMSさんはその名前にさほど価値を見いだしていない話しぶりだったが、植物好きの僕はたいそう驚かされたのだった。


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記念館

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博士がフィールドワークで使った収集道具や描写道具などが展示されている


朝ドラ『らんまん』にそんなエピソードが出てこないかと、ひそかに期待している。
出てこないだろうな… (6 ̄  ̄)

さて昼ごはん、駅のほうに戻って探すとしますか…。

(つづく)


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[DATA]
牧野記念庭園
東京都練馬区東大泉6-34-4
http://www.makinoteien.jp/
https://www.instagram.com/makinomemorialgarden/





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/djgsOrrqzLE


https://youtu.be/b5FTQVdEsKA


https://youtu.be/5qrIKoRrhgI


https://youtu.be/Zj3Tbca7XHo


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