立春の行事食とは 【竹紫堂】
2023.02.04
今日は立春。
――二十四節気の第1。正月節(旧暦12月後半から1月前半)。現在広まっている定気法では太陽黄経が315度のときで2月3日、2月4日ごろ。(Wikipedia)
寒がりの大人は、二十四節気でいえば大雪(12月7日ごろ)のあたりからこの日を待ちわびるようになる。
年をとるほど1年が短く感じられるとよくいわれるが(ジャネーの法則)、その原因は人生経験を積むほど、このように1~2カ月単位で時間をスキップさせるよう意識が働くことにある… かもしれない。
ちなみに立春・立夏・立秋・立冬はそれぞれ季節の始まりで、その前日“節分”は文字どおり季節の分かれ目にあたる(節分は年4回)。
そのうち立春は年の始まりも意味する特別にめでたい日である。
河津桜と蝋梅(東村山中央公園)
季節ごとの行事やお祝いの日に食べる特別の料理“行事食”。
前日の節分の恵方巻き商戦の過熱ぶりを見れば、めでたい立春当日にも何か特別な食べ物があってもよさそうなもの。
調べてみると、行事色はほとんど節分に持っていかれているようで、たべもの的にもこれといった立春限定は見当たらない。
少ない情報のなか、いくつか上がっているのが和菓子で、“立春大福”や“立春生菓子”という言葉があるらしい。
正月や初春の華やぎという意味で、和菓子はしっくりくるものがある。

春の華やぎの大福といってまず思い浮かぶのがいちご大福。
いちご大福といって第一に思いつくのが、東大泉の「竹紫堂」。
ただし、“いちご大福”にあらず…。

大泉学園駅から南西に延びる商店街に続く一角(井頭商店会)。
自転車で保谷駅から大泉学園駅方面へ向かうときによく通るルートだが、お店の存在を知るきっかけはテレビか何かだったと思う。
「いちご餅って、なんだべ…?」となったのだった。

こちらの名物が、いちご餅である。
いちご餅とは… まぁ、いちご大福かな。

よく通るだけにときどき立ち寄る店だが、いちご餅は売り切れていることも多く、これまで食べたことあったかどうか。
いちご餅売り切れにつき桜餅… ということはあった。
12時の入店で、いちご餅がいっぱい並んでいてひと安心。


いちご餅2個と桜餅2個を買う。
先の行事食の考え方では、立春大福のいちご餅、立春生菓子の桜餅ということになろうか。


季節の移ろいと密接な関係にある和菓子の世界において、春はいちばん華やかな時期。
心もウキウキ♪

[DATA]
竹紫堂(ちくしどう)
東京都練馬区東大泉7-31-26
https://chikushido.wixsite.com/main
https://www.facebook.com/profile.php?id=100064739584363
https://www.instagram.com/chikushido/
https://www.youtube.com/channel/UCMrj_uKDKwIAbbT5hkf7Hlg
[Today's recommendation]

https://youtu.be/3u-IRq6Y7dc




立春に邪気払いで豆腐… というのもあるようだ
今日は立春。
――二十四節気の第1。正月節(旧暦12月後半から1月前半)。現在広まっている定気法では太陽黄経が315度のときで2月3日、2月4日ごろ。(Wikipedia)
寒がりの大人は、二十四節気でいえば大雪(12月7日ごろ)のあたりからこの日を待ちわびるようになる。
年をとるほど1年が短く感じられるとよくいわれるが(ジャネーの法則)、その原因は人生経験を積むほど、このように1~2カ月単位で時間をスキップさせるよう意識が働くことにある… かもしれない。
ちなみに立春・立夏・立秋・立冬はそれぞれ季節の始まりで、その前日“節分”は文字どおり季節の分かれ目にあたる(節分は年4回)。
そのうち立春は年の始まりも意味する特別にめでたい日である。
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季節ごとの行事やお祝いの日に食べる特別の料理“行事食”。
前日の節分の恵方巻き商戦の過熱ぶりを見れば、めでたい立春当日にも何か特別な食べ物があってもよさそうなもの。
調べてみると、行事色はほとんど節分に持っていかれているようで、たべもの的にもこれといった立春限定は見当たらない。
少ない情報のなか、いくつか上がっているのが和菓子で、“立春大福”や“立春生菓子”という言葉があるらしい。
正月や初春の華やぎという意味で、和菓子はしっくりくるものがある。

春の華やぎの大福といってまず思い浮かぶのがいちご大福。
いちご大福といって第一に思いつくのが、東大泉の「竹紫堂」。
ただし、“いちご大福”にあらず…。

大泉学園駅から南西に延びる商店街に続く一角(井頭商店会)。
自転車で保谷駅から大泉学園駅方面へ向かうときによく通るルートだが、お店の存在を知るきっかけはテレビか何かだったと思う。
「いちご餅って、なんだべ…?」となったのだった。

こちらの名物が、いちご餅である。
いちご餅とは… まぁ、いちご大福かな。

よく通るだけにときどき立ち寄る店だが、いちご餅は売り切れていることも多く、これまで食べたことあったかどうか。
いちご餅売り切れにつき桜餅… ということはあった。
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12時の入店で、いちご餅がいっぱい並んでいてひと安心。


いちご餅2個と桜餅2個を買う。
先の行事食の考え方では、立春大福のいちご餅、立春生菓子の桜餅ということになろうか。


季節の移ろいと密接な関係にある和菓子の世界において、春はいちばん華やかな時期。
心もウキウキ♪

[DATA]
竹紫堂(ちくしどう)
東京都練馬区東大泉7-31-26




[Today's recommendation]

https://youtu.be/3u-IRq6Y7dc




立春に邪気払いで豆腐… というのもあるようだ
絶滅危惧つながりで? 【ナカタヤ 大泉学園本店】
2022.03.25
前記事と同じような写真の構成だが、たまたまです (・Θ・;)
というか一連の流れはあって、カタクリについて調べているとWikipediaに“日本の主な群生地”という項目があり、東京都で唯一挙がっていたのが「練馬区大泉町 清水山の森」。そこは知らない場所だった。
で、たまたま練馬区石神井台の「オザキフラワーパーク」に用事があって、そういえば… となったと。同じ練馬区内で、近いっちゃ近いし。
カタクリ(Erythronium japonicum)は東京都では絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)に指定されている。
清水山の森は23区で唯一のカタクリの大規模群生地だそうだ。
1974(昭和49)年に自生が確認され、練馬区により整備・保護されている。
これで5記事連続カタクリの写真を張っているが、そこまでカタクリが好きかというと、そういうことでもなく。カタクリの自生地=開発を免れた野山で、カタクリ以外にも希少な植物が残されている可能性が高い。そういう興味からだと思う。
2段目左から、シュンラン、カタクリ、キクザキイチゲ、カタクリ、ヒトリシズカ…
群生地の一角にイチゲのたぐいが花を咲かせている。
はじめイチリンソウかと思ったが、青花が一輪。よく見ると葉っぱの形も萼片の数も違う。なんと、キクザキイチゲ(Anemone pseudoaltaica H.Hara)である。
そういうものを関東の平地で見られるとは思っていなかったので、相当驚いた。
こちらは絶滅危惧Ⅰ類の“絶滅の危機に瀕している種”である。

昼すぎまで仕事をしたあとに出かけているので、日はすでに西に傾いている。
知らない場所ということで当然道も知らないが、帰りは太陽に向かって進めばなんとかなるのである。
“らんとう坂下”という交差点を上って少し行くと見覚えのある場所に出た。

この先で大泉学園通りと交差する道で、一帯は大泉学園町商店会という大規模な商店街を形成している。
ここに気になるケーキ屋さんがあることを思い出した。
このブログではときどき“たぬきケーキ”というものを取り上げている(「サン・ローザ」「ファンフル」「ナイトー」「モンテリマール」「シャトー」参照)。
よく参考にさせていただいているのが「たぬきケーキのあるとこめぐり / 全国たぬきケーキ生息マップ」というサイトで、そのマップに載っているお店がこの商店街にある。
こっちのほうまで来ることはあまりないので、せっかくだから寄ってみることに。
「ナカタヤ 大泉学園本店」は1959年創業の老舗洋菓子店。
――『ケーキってこういうものだよね』と納得していただくものしかお作りいたしません。伝統を重んじ、今後も時代の流れに合わせて、斬新な商品やお店作りを行って参りたい…(お店HPより)

このブログで最初にたぬきケーキを取り上げたころ「ナカタヤ」は上記マップに載っていなかったと思う。
たぬきケーキに関しては、リクエストに応える形で数年前に復活させたそうだ。
“23区唯一”というほどではないが、たぬきケーキもなかなかの絶滅危惧種なのだ。

たぬきケーキは「ミニ・ボレロ」という商品名。
ミニサイズでかわいらしい姿である。
ちなみに上記モンテリマール洋菓子店のたぬきケーキが「ブレロ」。
ともにフランス語で“アナグマ”を意味する“blaireau”から来た商品名だと思う。

夕方でショーケースは寂しい感じになっているが、どれもおいしそうであれこれ買いそうになる衝動を抑えて……

ミニ・ボレロを2個と、季節商品の桜モンブランを1個買う。

ミニ・ボレロは小さいながら整った造形。
いろんなお店のものを比べてみると、ひと口にタヌキと言ってもさまざまで面白い。
こちらは両脇の腕のようなものと後ろのしっぽのようなものが特徴。

チョコレートがおいしい。
昭和の子どもが食べていた植物油の多いものとは別物(って、洋菓子屋さんなんだから当たり前か)。
うしろ姿がカワイイ d(≧▽≦*)
しっかりしたバタークリームがぎっしり。
マドレーヌ生地というのも珍しいが、ラムレーズンが入っているたぬきケーキは初めてかも。

なめらかな桜あんのたっぷりのったモンブランは季節感いっぱい。
クリームの中に小豆あんの入った和テイストのケーキ。
いやー、春ですね♪
[DATA]
ナカタヤ 大泉学園本店
東京都練馬区大泉学園町7-19-11
https://www.nakataya-online.jp/
[Today's recommendation]



https://youtu.be/zOCaper5wHI
前記事と同じような写真の構成だが、たまたまです (・Θ・;)
というか一連の流れはあって、カタクリについて調べているとWikipediaに“日本の主な群生地”という項目があり、東京都で唯一挙がっていたのが「練馬区大泉町 清水山の森」。そこは知らない場所だった。
で、たまたま練馬区石神井台の「オザキフラワーパーク」に用事があって、そういえば… となったと。同じ練馬区内で、近いっちゃ近いし。
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カタクリ(Erythronium japonicum)は東京都では絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)に指定されている。
清水山の森は23区で唯一のカタクリの大規模群生地だそうだ。
1974(昭和49)年に自生が確認され、練馬区により整備・保護されている。
これで5記事連続カタクリの写真を張っているが、そこまでカタクリが好きかというと、そういうことでもなく。カタクリの自生地=開発を免れた野山で、カタクリ以外にも希少な植物が残されている可能性が高い。そういう興味からだと思う。
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群生地の一角にイチゲのたぐいが花を咲かせている。
はじめイチリンソウかと思ったが、青花が一輪。よく見ると葉っぱの形も萼片の数も違う。なんと、キクザキイチゲ(Anemone pseudoaltaica H.Hara)である。
そういうものを関東の平地で見られるとは思っていなかったので、相当驚いた。
こちらは絶滅危惧Ⅰ類の“絶滅の危機に瀕している種”である。

昼すぎまで仕事をしたあとに出かけているので、日はすでに西に傾いている。
知らない場所ということで当然道も知らないが、帰りは太陽に向かって進めばなんとかなるのである。
“らんとう坂下”という交差点を上って少し行くと見覚えのある場所に出た。

この先で大泉学園通りと交差する道で、一帯は大泉学園町商店会という大規模な商店街を形成している。
ここに気になるケーキ屋さんがあることを思い出した。
![]() | ![]() |
このブログではときどき“たぬきケーキ”というものを取り上げている(「サン・ローザ」「ファンフル」「ナイトー」「モンテリマール」「シャトー」参照)。
よく参考にさせていただいているのが「たぬきケーキのあるとこめぐり / 全国たぬきケーキ生息マップ」というサイトで、そのマップに載っているお店がこの商店街にある。
こっちのほうまで来ることはあまりないので、せっかくだから寄ってみることに。
![]() | ![]() |
「ナカタヤ 大泉学園本店」は1959年創業の老舗洋菓子店。
――『ケーキってこういうものだよね』と納得していただくものしかお作りいたしません。伝統を重んじ、今後も時代の流れに合わせて、斬新な商品やお店作りを行って参りたい…(お店HPより)

このブログで最初にたぬきケーキを取り上げたころ「ナカタヤ」は上記マップに載っていなかったと思う。
たぬきケーキに関しては、リクエストに応える形で数年前に復活させたそうだ。
“23区唯一”というほどではないが、たぬきケーキもなかなかの絶滅危惧種なのだ。

たぬきケーキは「ミニ・ボレロ」という商品名。
ミニサイズでかわいらしい姿である。
ちなみに上記モンテリマール洋菓子店のたぬきケーキが「ブレロ」。
ともにフランス語で“アナグマ”を意味する“blaireau”から来た商品名だと思う。

夕方でショーケースは寂しい感じになっているが、どれもおいしそうであれこれ買いそうになる衝動を抑えて……

ミニ・ボレロを2個と、季節商品の桜モンブランを1個買う。

ミニ・ボレロは小さいながら整った造形。
いろんなお店のものを比べてみると、ひと口にタヌキと言ってもさまざまで面白い。
こちらは両脇の腕のようなものと後ろのしっぽのようなものが特徴。

チョコレートがおいしい。
昭和の子どもが食べていた植物油の多いものとは別物(って、洋菓子屋さんなんだから当たり前か)。
![]() | ![]() |
しっかりしたバタークリームがぎっしり。
マドレーヌ生地というのも珍しいが、ラムレーズンが入っているたぬきケーキは初めてかも。

なめらかな桜あんのたっぷりのったモンブランは季節感いっぱい。
クリームの中に小豆あんの入った和テイストのケーキ。
いやー、春ですね♪
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[DATA]
ナカタヤ 大泉学園本店
東京都練馬区大泉学園町7-19-11

[Today's recommendation]



https://youtu.be/zOCaper5wHI
昭和が息づく二枚看板 【いさわ】
2019.11.18
カツカレーラーメンが食べられる二枚看板のお店「たかはし」の記事でちょっと触れた保谷駅前の「いさわ」。
庇テントに“定食”“和菓子”と併記する、堂々二枚看板のお店である。

それにしても、“甘味&軽食”はときどき見るが、“和菓子&定食”はちょっと記憶にない。
気になるので調べていると、なんと自前のサイトに行き着いた。自前というか、全国和菓子協会 → 東京和菓子協会会員店紹介&リンク → 練馬区 → いさわ で自己PRのページになる。
――中野本店の味を受け継ぎ、保谷駅前商店街に店を構えお客様の団らんの脇役として35年になります。
中野に本店か… と、なにげなく“中野_いさわ”で検索をかけてみたらけっこうヒットする。適当なページをのぞいてみると、なんと、知っているお店なのだった。
30数年前、中野近くに住んでいたころに買って食べたことがある。東京のいなりはなんて甘いんだ… と感じたことをいまだに覚えている。

ということで、いよいよ気になる存在となった保谷の「いさわ」。
満を持しての潜入。

保谷新道の大泉学園9号踏切へ曲がる交差点近く。
店先に“赤飯”と“定食”ののぼり。その後ろに年季の入った和菓子のショーケース。やはりくたびれた感じの引き戸を開けるのに、ちょっと勇気が要る。

まさに和菓子屋のお休み処という程度の小さいスペースで、テーブル2つくっつけてギチギチに8席並んでいる。
奥から出てきたご主人が意外に若い。免状や感謝状の名義が2人分あるので、2代続いているものと推測される。

壁の品書きは丼もの、定食、ラーメン類と意外なほど品数が多い。ラーメンも気になるが、それは軽食の店でも出てきそうだし、ここはきっちり定食。
生姜焼定食680円を注文。

しょうが焼きはシンプルに肉のみ。
味付けもシンプルで、しょうゆの風味すら感じられない。味付けは塩ベース…?
食べ始めてからお新香が来て、さらにややあって納豆が出てきた
比較的オイリーで、添えられたレモンを搾ると、これが抜群にうまい。ショウガの風味も生きるようだ。
みそ汁は大根。ゆず風味の白菜漬けがおいしい。

中野の本店はご主人のおじさんがやられていたそうだが、体調を崩して、残念ながら半年ほど前に閉店したと。
いなりのことを話すと、「前はうちも出してたけど、コンビニがどこも売るようになってやめちゃった」そうだ。

「いさわ」中野本店。去年中野に行ったとき、まだやってるんだ! と思わず撮ったもの(2018/11/14)
この和菓子&定食という形は、ご主人のおじいさんという人が修業した墨田区のお店のスタイルをそのまま継承しているそうだ。中野本店も以前は軽食程度は出しており、パンを焼いていたこともあったらしい。こちらの先代は新宿のデパート(いまの小田急ハルク)に出店し、キャバレー通いのおやじ相手に菓子折りを売り… と、おもしろくなってきたところだが、ここでお客さんが入ってきたので切り上げる。
つがるリンゴあんを2個購入
ゆるくおおらかな時代が、この小さな空間にいまも息づいている。

[DATA]
いさわ
東京都練馬区南大泉4-52-17
[Today's recommendation]



https://youtu.be/WXR-bCF5dbM
カツカレーラーメンが食べられる二枚看板のお店「たかはし」の記事でちょっと触れた保谷駅前の「いさわ」。
庇テントに“定食”“和菓子”と併記する、堂々二枚看板のお店である。

それにしても、“甘味&軽食”はときどき見るが、“和菓子&定食”はちょっと記憶にない。
気になるので調べていると、なんと自前のサイトに行き着いた。自前というか、全国和菓子協会 → 東京和菓子協会会員店紹介&リンク → 練馬区 → いさわ で自己PRのページになる。
――中野本店の味を受け継ぎ、保谷駅前商店街に店を構えお客様の団らんの脇役として35年になります。
中野に本店か… と、なにげなく“中野_いさわ”で検索をかけてみたらけっこうヒットする。適当なページをのぞいてみると、なんと、知っているお店なのだった。
30数年前、中野近くに住んでいたころに買って食べたことがある。東京のいなりはなんて甘いんだ… と感じたことをいまだに覚えている。

ということで、いよいよ気になる存在となった保谷の「いさわ」。
満を持しての潜入。

保谷新道の大泉学園9号踏切へ曲がる交差点近く。
店先に“赤飯”と“定食”ののぼり。その後ろに年季の入った和菓子のショーケース。やはりくたびれた感じの引き戸を開けるのに、ちょっと勇気が要る。

まさに和菓子屋のお休み処という程度の小さいスペースで、テーブル2つくっつけてギチギチに8席並んでいる。
奥から出てきたご主人が意外に若い。免状や感謝状の名義が2人分あるので、2代続いているものと推測される。

壁の品書きは丼もの、定食、ラーメン類と意外なほど品数が多い。ラーメンも気になるが、それは軽食の店でも出てきそうだし、ここはきっちり定食。
生姜焼定食680円を注文。

しょうが焼きはシンプルに肉のみ。
味付けもシンプルで、しょうゆの風味すら感じられない。味付けは塩ベース…?
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比較的オイリーで、添えられたレモンを搾ると、これが抜群にうまい。ショウガの風味も生きるようだ。
みそ汁は大根。ゆず風味の白菜漬けがおいしい。

中野の本店はご主人のおじさんがやられていたそうだが、体調を崩して、残念ながら半年ほど前に閉店したと。
いなりのことを話すと、「前はうちも出してたけど、コンビニがどこも売るようになってやめちゃった」そうだ。

「いさわ」中野本店。去年中野に行ったとき、まだやってるんだ! と思わず撮ったもの(2018/11/14)
この和菓子&定食という形は、ご主人のおじいさんという人が修業した墨田区のお店のスタイルをそのまま継承しているそうだ。中野本店も以前は軽食程度は出しており、パンを焼いていたこともあったらしい。こちらの先代は新宿のデパート(いまの小田急ハルク)に出店し、キャバレー通いのおやじ相手に菓子折りを売り… と、おもしろくなってきたところだが、ここでお客さんが入ってきたので切り上げる。
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ゆるくおおらかな時代が、この小さな空間にいまも息づいている。

[DATA]
いさわ
東京都練馬区南大泉4-52-17
[Today's recommendation]



https://youtu.be/WXR-bCF5dbM