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都内3位の広大な境内を構える 【大宮八幡宮】

2023.03.29

 最近、寺社仏閣の記事が多いようにみえるため誤解されると具合が悪いのでときどきお断りしているが、自分は信仰心の篤い人間ではなく、信仰の対象というより観光資源としての寺社に興味がある。

庶民観光の起源は“おかげ参り”とされるが、江戸時代の庶民も信仰心というより参拝後の“お楽しみ”目当てに伊勢に参りたがったらしい。
いわゆる“精進落とし”である。
まあ自分のような小心者に遊郭遊びなど想像もつかないが、精進料理の饗応などにあずかってみたいとは思う。

動機はそんな俗物根性であり、本来、寺社そのものより門前町を対象とすべきだが、それもまた衰退著しい存在。


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“門前町”でググッてみた。

――門前町(もんぜんまち)とは、有力な寺院・神社の周辺に形成された町のこと。特に神社の場合は、鳥居前町(とりいまえまち)という。大規模で多くの参詣者を集める神社や寺院の前に、社寺関係者および参拝客を相手にする商工業者が集まることによって形成される。「門前町」Wikipediaより、最終更新2023年1月8日15:42)

主な門前町として、東京では浅草(浅草寺)、上野(寛永寺)、池上(本門寺)などが挙げられている。
一方、その記事では鳥居前町を分けて扱っており、そちらの代表として湯島(湯島天満宮)、亀戸(亀戸天神社)……、大宮(大宮八幡宮)、ん…?

大宮(杉並区と書いてある)ってどこだべ ( ̄ー ̄?).....??


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大宮八幡入口交差点(表参道入り口)


――というのが2年ほど前。

気になるのですぐに調べて行ってみた。
善福寺川右岸の段丘上、和田堀公園の対岸に広大な境内を有するそれは堂々たる神社であった。


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長い表参道は国府道でもある

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一之鳥居

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二之鳥居

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正参道


天喜年中(1053〜57)、前九年の役平定の勅命を受けた鎮守府将軍 源頼義が奥州に赴く途次、この地で八条の白雲の瑞祥を見、奥州平定後の1063(康平6)年、京都・石清水八幡宮の分霊を勧請し創建したとされる。


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二之鳥居をくぐって振り返ってみた


大宮氷川神社、秩父神社とともに武蔵国三大宮の一つ。
江戸時代に隆盛した八八幡詣(ややはたもうで)の江戸八所八幡の一つでもある。

ちなみに八八幡詣は、8社(富岡八幡宮・市谷亀岡八幡宮・穴八幡宮・大宮八幡宮・鳩森八幡神社・金王八幡宮・御田八幡神社・西久保八幡神社)、15里ほど(約60km)の行程を一日で回ったという。
さすがにキビしそうだが、気になる情報。


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正参道から神門へ

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笹の輪くぐりの神事が行われている

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神門

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本殿


敷地面積(約4万9500㎡)は、明治神宮(約70万㎡)、靖国神社(約9万2500㎡)に次いで23区内で第3位。
東側には600mを超える表参道 / 正参道を構え、茶室、結婚式場、幼稚園… とさまざまな付帯施設を備え賑わう境内。
神社自体はまことに立派である。


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が、周辺に門前町としての歴史的風致は感じられない。
上記記事では何をもって“主な鳥居前町”としているのか謎であるが、あるいは近年急速に衰退したのかもしれない。
これも時代の趨勢であろうか。


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南参道

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南大鳥居


寺社(門前町・鳥居前町)めぐりはかつての隆盛をしのぶ旅。

ところで、門前町といえば“門前そば”だが、長い表参道の入り口には“門前〇〇そば”が…。

(つづく)


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[DATA]
大宮八幡宮
東京都杉並区大宮2-3-1
https://www.ohmiya-hachimangu.or.jp/





[Today's recommendation]


https://youtu.be/PziLvqpvJe8


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門前〇〇そば(次号予告


物見遊山気分で 【永福寺】

2022.11.18

 玉川上水沿いを新宿まで自転車で行ったことがあった。
ブログ記事にするつもりで走りだしてすぐ、記事化を諦めた。
見るべきもの、撮るべきものが定まっておらず、まともな記事になるとは思えなかったからだ。
「思い付きでやっていいテーマではなく、ちゃんと調べないといけないのだ」と反省の弁を述べている(記事はこちら


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(2022年6月)


言いっ放しじゃなく、暇を見てはちゃんと出かけてチェックしてる。

玉川上水は「ジブリ美術館」を過ぎると神田川右岸を並行するコースをとるが、その一帯にはやたら寺社が多い。
先月記事にした「十二社熊野神社」もその線上に位置している。
どういった背景があるんだろう?

現場に足を運び続ければ感じるものもあるかもしれないという機械学習システムは、机上の勉学が苦手な裏返しなわけだが。


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今回は神田川左岸の永福寺。
沿線2駅の駅名に付く“永福”の由来となっている寺院である。

――1522年(大永2年)、秀天慶実によって開山された。永福という地名は、当寺の寺名に由来し、かつては「永福寺村」という村だった。Wikipedia


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永福町駅東の踏切から神田川に下っていく(瀬田貫井線)途中、石柱門がある。
“萬歳山永福寺”の石柱も。


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寺院そのものは見当たらないので参道入り口と思われるが、地名になっているだけあって寺域が広そうだと興味をひかれたのと、永福寺の右肩に曹洞宗と付いているのとで、拝んでいこうか… と思ったのだ。


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実家の宗派は曹洞宗で、ずいぶん前になるが田舎の母親が檀家ツアーで鶴見の総持寺に来るというので、生まれたばかりの子どもの顔見せも兼ねて出向いたことがあった。
両親は晩年も永平寺にツアーで出かけていた。
まさに物見遊山であり、観光の原点であるのだなぁ… と、あらためて思い出された次第である。

神社と違ってお寺さんは入りづらい雰囲気があるので、山門の外で手を合わせる。


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ハラが減ったが、永福町といえばやっぱり…?

(つづく)


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[DATA]
永福寺
東京都杉並区永福1-25-2





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/cjjI8cHU5ZU



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次号予告


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