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門前のサッポロ 【狸小路サッポロラーメン】

2022.04.26

 ちょくちょく門前の茶屋というものを取り上げているように、門前町(参道)が好き。
お参りは観光の起源とされ、食事や宿泊から遊興まで手広く参拝客のニーズを満たし発達したのが門前町である。
ハレとケをつなぐ回廊であり、神聖なるものと卑俗なるものをごたまぜにしたカオスな世界。


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大宮八幡宮 表参道第一鳥居


Wikipediaの項目「門前町」では“門前町”と“鳥居前町”に分けて主な門前町を例示してあり、その中でいちばん近くにあるのが杉並区の大宮八幡宮。
調べたのは1年ほど前だったと思うが、その時点までその存在を知らなかった。
それだけに気になって、大宮八幡宮には早々に出かけている。

東側に600mを超える表参道 / 正参道を構え、境内も賑わう立派な神社だが、参道周辺に門前町としての歴史的風致は感じられない。
これも一種の衰退商店街なのかもしれないと思った。
表参道入り口にラーメン店を2店見つけたのは収穫だったが。


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有名ラーメン店「草むら」右が表参道入り口。左2軒隣に「狸小路」がある


1店は有名店で名前は前々から知っていた。
特筆すべきはもう1店で、絶滅危惧種“サッポロ”である。


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上に“いちばん近い”と書いているが、全国レベルで並んでいるものの中では近くとも、自転車で行くとなるとなかなか遠い。
絶滅危惧種といえども行くのに少し覚悟が要り、見つけてからずいぶん時間がたってしまったが、「狸小路サッポロラーメン」へ。


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外の品書きの横に飾ってある“アイヌの大酋長”的なイラストに、正統的サッポロDNAが感じられる。


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なお“サッポロ”については過去記事蝦夷えぞえぞえぞ菊えぞふじ狩勝コタンニューコタン元祖札幌やどさん子どさん子どさん娘ピリカピリカをご参照いただきたい。


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ゆるく弧を描くカウンターのみ5~6席という小さいお店。
注文はみそらぁめん。


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注文を受けた店主は、麺の投入からモヤシの炒めまで手際よく進め、小休止。ここからけっこう(麺のゆで時間が)長いのは、「えぞ菊」のリズム感を思わせる。
コーンと刻みネギと肉みそ様のものをトッピングして完成。


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ドロッと粘性の高いスープは“サッポロ”としてはかなり濃厚。


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ショウガが効いているのとほかの要素とで、覚えのある味なんだが…? と思いながら食べていると、かみつぶした粒が花椒。
担々麺を思わせるみそラーメンなのであった。


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門前は懐が深い。
サッポロであろうがタヌキであろうが、門前にあるものは何でも茶屋なのである。


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[DATA]
狸小路サッポロラーメン
東京都杉並区大宮1-1-2





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/Pmd3UiNfNkA



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忘れえぬ夕べの味玉 【阿佐谷ホープ軒】

2019.11.29

 知る限りでホープ軒というラーメン屋は、千駄ヶ谷の「ホープ軒」、吉祥寺の「ホープ軒本舗」とその分家「阿佐谷ホープ軒」、支店の「ホープ軒本舗 大塚店」、村山団地近くの「村山ホープ軒 本店」とその支店「村山ホープ軒 東大和店」とあるが、大塚という土地には縁がなさそうなのでとりあえず除外するとして、入ったことがないのは「阿佐谷ホープ軒」だけだった。


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ところで、杉並にはもう1軒ホープ軒があった。
環七通り高円寺陸橋たもとの「ホープ軒本舗 杉並店」は営業時間18:00~翌6:00という典型的なドライバー相手のラーメン屋だったが、20代のころ住んでいた新中野(住所は杉並区和田)の家から徒歩圏だったので、ときどき食べに行っていた。
若いころいちばん多く通ったホープ軒は、吉祥寺ではなく高円寺だったのだ(2017年12月閉店)


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そして同じ杉並ということもあって、お店の前を通ると高円寺のホープ軒が思い出され、入ったこともないのに懐かしさがこみ上げるという特異な存在が「阿佐谷ホープ軒」なのである。


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いろいろ重なっていたイレギュラーの仕事が11時半までに片付き、満を持して阿佐谷まで遠征することに。


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「阿佐谷ホープ軒」の場所は、阿佐ヶ谷駅東口から中杉通りを渡り、中央線すぐ南の線路沿いの路地を入って50m。
店頭に次のような張り紙がしてある。

――当店は1938年創業の元祖ホープ軒本舗の分家で、創設者 難波二三夫の末娘が営業させていただいております。

スタッフは、その店主かな? 思ったより若い女性を中心に、エキゾチックな容貌の若い女性店員2名を加えた3人体制。


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注文は、中華そば700円と味付け玉子50円。
普段、味玉を頼むことはあまりないが、高円寺のホープ軒となるとなぜか味玉が思い出される。デフォだったとか?
前金制(ラーメンと引き換え)は吉祥寺と同じ。


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提供までに3分ほどと超スピード。細縮れ麺は吉祥寺と一緒にしか見えないが、ゆで時間が大きく異なるのは謎である。


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味はあっさりめでとんこつ臭もきつくない。うま味は強いが吉祥寺に比べニンニクなどだしの香味野菜の効き具合がアッサリな気がする。
チャーシューの部位も違うようで、こちらはバラかな?


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分家だけに味のベースはよく似ているが、このようにいろいろ違いがあっておもしろい。工業製品じゃないんだから、それでいいのだ。


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現在形では吉祥寺との比較になるが、硬ゆでの味付け玉子をほお張れば、高円寺陸橋のお店と和田帝釈天通りの夕景が思い浮かぶようだ。


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[DATA]
阿佐谷ホープ軒
東京都杉並区阿佐谷南2-17-5





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/LuuVk4MYG7k


伝説のその先の… 【御天 井草本店】

2019.03.09

 ラーメンの歴史というような話になると必ずといっていいほど登場する店の一つが「なんでんかんでん」。
1990年代初頭“環七ラーメン戦争”を巻き起こし、とんこつブームの火付け役となった。東京に初めて本場長浜ラーメンを持ち込んだともいわれる伝説の名店のその味をつくったのが、当初店長として厨房を取り仕切った岩佐俊孝氏だ。
ブーム絶頂の1995年、岩佐氏が「なんでんかんでん」を離れ開店させたのが、下井草の「御天」である。

――とか書いておきながら、「そうだったのかぁ。知らなかったー…」 \( ̄ー ̄;) ォィォィ!


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ずぼらな性格でラーメンの歴史や系譜といった情報系に目が向かずただ食べるだけの人生を送ってきた。
ブログ記事を書くにあたってさすがにそれでは済まされないだろうと調べてみたらそういうことだった、というケースはよくある(冒頭の情報はこちらを参照させていただいた)


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「御天」には過去(たぶん20世紀)、2度ほど入ったことがあるが、そんな歴史はツユ知らず、うまいうまいと食べていた。


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ということで、おそらく20年ぶりくらいの来店。


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「御天」といえば“せん菜”という極細モヤシのようなトッピングが名物だったが、“せん菜販売終了につき、もやしラーメンを提供”というようなことが書いてある。
普通のモヤシじゃなぁ… ということで、注文はラーメン750円。


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こちらの特徴は、超絶濃厚とんこつスープ。
味も濃いが、においもすごい。


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さっき入る前、新青梅街道の反対側の歩道にまでにおいが漂っていた気がする。「なんでんかんでん」も、においで客を引き寄せたということらしい。
駄目な人にはダメなにおいだが、僕は引き寄せられるほう。


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ラーメンはうわさにたがわぬ濃厚こってりスープ。
麺は極細ストレートと、まさに本場スタイル。


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脂が強いので腹にたまりそうだが、細麺はするする入り、やはり1玉ではちょっと物足りないなぁ… となるあたりも本場流か…。


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店内を見回しても替え玉の表示は見つからないが、まあ、ないはずはないだろうと「替え玉お願いできます?」と申告。
替え玉は後ろからおねえさんが直接どんぶり投入方式の提供だ。


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替え玉は直接投入方式


ここで卓上の辛子高菜と紅しょうがを入れる。
経験則で適量入れたつもりが、スープが激辛になってしまった。こちらの辛子高菜は非常に辛いので要注意だ。
お会計は880円だったので替え玉130円の計算。


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こういう自分の中で古いという認識のないお店も、もはや四半世紀になる中堅どころだ。
昭和とまではいかないが、20世紀も十分遠くなりにけり… としみじみ。


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[DATA]
御天 井草本店
東京都杉並区井草1-29-3
https://www.facebook.com/gotengoten





[Today's recommendation]

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◆ 猫写真はこちら その1 その2 その3




https://youtu.be/Xb3fZmkzy84


“サッポロ”というコンテンツ 【コタン】

2019.03.05

 このブログは基本的にお店屋さんを取り上げるものであるから、まず場所を説明しておきたい。手っ取り早いのが道順、つまり道の名前を出すことだが、この道路名というやつが実にめんどくさい。
都道府県道レベルで見てみると、使い慣れた名前はだいたい通称や愛称(通り名)であって、行政上の名称は路線の起終点を順に並べた「県道○○△△線」とすることが原則とされている。たとえば通称「世田谷通り」は、正式には「東京都道・神奈川県道3号世田谷町田線」となる。Wikipediaもそうなってる。
それじゃ説明にならんだろう。

そんな感じ(中略)でいろいろめんどくさいので、駅前商店街の細道の名前なぞ、なかなか調べがつかなかったりするのである。


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なぜそんなことを長々と書いているかというと、☝ この道の名前を調べるのにたいへん苦労したから。
西荻窪駅北口のJ:COMショップとカラオケ館の間の道を、「西荻まち歩きマップ2015」では「八幡通り」としている。理由は井草八幡宮への最短ルートであるから。別説として、途中の橋が「駅通橋」なので「駅通り」なのかもしれない、とも。どちらも簡潔・明快でストンと落ちるものがある。
逆に言えば、個人レベルでもこのように決定していけるところも、混乱のもとであるのだが。


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さて、この八幡通り、まあ古い人には洋食「真砂」のあった通りといったほうがわかりやすいと思うが… って、はじめからそれで済んだんじゃないの? \( ̄ー ̄;) ォィ!
…というのはおいといて。


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えー、あらためてこの八幡通り、100mほど入ったあたりの三軒長屋の一角のラーメン屋「コタン」。
おしゃれな店が並ぶ西荻にあって異質なオーラを放っている。


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1971(昭和46)年創業。
建物が古いということなら西荻は骨董の街であり古い物件のリノベーションの盛んな地域でもあるので、ぜんぜん珍しくない。
古いのはコンテンツ自体であり、いわゆるオワコン的な…?


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この店の標榜するところは、都内でも見ることが少なくなったサッポロラーメンである。


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“サッポロ”についてはこれまで取り上げてきたお店を参照していただきたい蝦夷えぞえぞえぞ菊えぞふじ狩勝ニューコタン元祖札幌やどさん子どさん子ピリカピリカ


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1時すぎでお客さんはなし。
3年ほど前に一度入ったことがあるが、そのときもこんな感じだった。


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入り口に掛かっている看板のランチメニュー:ラーメン(味噌:しょうゆ・塩)、餃子3個、半ライスで750円(税別)を、味噌ラーメンでオーダー。


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「ライスお付けしてよろしいですか?」とご主人。
「お願いします」と答えておいて、“よろしいですか?”が気になったのであらためてカウンター上のメニューを見直してみると、“お好きなラーメンに、プラス100円で餃子(3個)、ライスお付けします”と書いてあり、その上に“各50円、50円”と手書きで追加してある。つまりライスなしで700円という選択もできるわけで、なかなか親切だと思った。
お新香もつき、一式まとめて5分ほどでの提供。


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味噌ラーメンのスープはあっさりしている印象だが、徐々に合わせみそのニンニクが効いてくる。あっさりな分、だしのうま味が前に出てくる感じ。


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炒め野菜はモヤシ、キャベツ、ニンジン。
このテのラーメンでは珍しくデフォルトでチャーシューがのる。チャーシューは店主自慢の品のようで、おいしいとろとろチャーシューだ。


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餃子はひと口サイズで、これもニンニクがかなり効いており、小ぶりながらパンチのある味だ。


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コンテンツのはやりすたりということでは、たとえばすぐ近くの「坂本屋」は中華屋のカツ丼、南口の「はつね」はタンメンで、それぞれ大行列店となっている。
昭和の王道的大衆食堂メニューとしてサッポロみそラーメンも引けを取らないように思えるが、そこが微妙なところである。

“日本一の”と冠されることもあるほかの2店のように、じゃあ“日本一のサッポロラーメン”と誰かが言ったとして、それで行列ができるかというと、それも微妙なところで…。

それでも“私が愛してやまない「みそラーメン」なんです” (by 山本〇博?)


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[DATA]
コタン
東京都杉並区西荻北3-22-20





[Today's recommendation]

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◆ 猫写真はこちら その1 その2 その3




https://youtu.be/07Fp-omNXCw


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