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一丁目一番地の奥の院? 【草むら】

2023.03.29

 前記事の最初の写真にも写っている大宮八幡宮表参道入り口のラーメン店「草むら」。

“門前〇〇そば”シリーズ。
(👉このへんとかこのへんとか)


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左が方南通りで右が大宮八幡宮表参道


大宮八幡宮の愛称“東京のへそ”は、当地(35°40'56.1"N / 139°38'24.1"E)が東京の重心に当たるという意味。

「草むら」の住所は杉並区大宮1-1-1。
東京の重心 大宮の一丁目一番地に鎮座まします。


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平安中期天喜年中の創業と伝えられ… るわけはないが、ラーメンデータベースによれば創業1956年。


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いろんな情報が入り乱れていて深入りするのは危険そうなのでサラッとなぞるだけにするが、こちらはいわゆる永福町大勝軒系。
永福町系のおおもと「永福町大勝軒」創業者(草村賢治氏)のお名前からもわかるように血縁筋で、この系統の最上流に位置する。

某グルメサイトのレビューに“永福町大勝軒の奥の院”という表現を見つけ、歴史的にも地理的にも言い得て妙… と思いました。


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永福町系好き的には“本堂”「永福町大勝軒」ともども特別感ある存在で、気後れしてずっと遠巻きに眺めていたが、先日、意を決してその本堂のほうに入ってみれば行き届いた接客でアメニティ抜群なのである。
「草むら」のハードルが低くなったのは言うまでもない。


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特に意味はなく、運動のため自転車で遠出した先で、たまたまタイミングがよかったから入ったということだが。

こぢんまりした店内は、カウンター席とその背中合わせの窓際の席を合わせて10席ほど。
注文はラーメン。


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永福町系といえば量が多いので有名だが、ほかのお客さんの注文を聞いていると餃子やチャーハンを組み合わせる人がほとんどで、ラーメン類単品はごく少数派。


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ラーメン来る。
想像していたデカいどんぶりではなく、街の中華屋さんのような普通のラーメンどんぶりである。
永福町系のトレードマーク的なステンレストレーもなし。

麺量はごく普通なので、量を食べる人は組み合わせ必至かも。


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煮干しの効いたしょうゆ味のスープにユルめの麺は、まさに永福町系。
はじめ煮干しを強く感じるが、ラードの風味も大事な要素だと思う。


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初めて食べたにもかかわらず、(平安とは言わないが)50年くらい過去へ飛ばされる。


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[DATA]
草むら
東京都杉並区大宮1-1-1





[Today's recommendation]


https://youtu.be/z9tECKZ60zk



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荻窪ラーメン源流型 【中華そば 丸福 荻窪本店】

2023.02.23

 吉祥寺に買い物の用事があり、食べ物なので持ち歩くわけにもいかないし帰りしな寄ることにして、少し自転車で足を延ばすことに。

11時すぎ、四面道の北で環八通りを越えたところで、いいこと思い付いた。
いまなら酒まんじゅう買えるかも…。

酒まんじゅうとは、荻窪名物「高橋の酒まんじゅう」の酒まんじゅう。
午前中には売り切れ必至の逸品だが、11時すぎならまだ残っているに違いない。

お店に着いたのが11:10。
“本日終了”の札。


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うーむ、恐るべし、荻窪名物。
まんじゅうがダメならラーメンがあるさ。
いつもは行列の人気店でもこの時間なら…


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ガーン!! ( ̄▽ ̄;) ガーン


というのはフェイントで、真の目的はその先の横丁。
荻窪北口駅前通商店街の「丸福」は、かつて一時代を画した荻窪ラーメンの一角をなす。


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荻窪北口駅前通商店街の青梅街道側入り口

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有名な「邪宗門」も同じアーケード内

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「中華そば 丸福 荻窪本店」


“荻窪の丸福”といえば泣く子も黙る… とわれわれ世代は刷り込まれているが、日本一とまでうたわれたあの丸福とこちらの丸福はビミョーに異なる。
2005年に閉店したあの丸福や西荻の丸福のおおもとが、こちら現存の丸福である。


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そのへんの事情は「丸福 西荻店」の記事を参照いただきたい。
さらに“あの丸福”の2005年閉店後を追跡したこちらの記事もお読みいただければ。


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L字カウンター10席足らずの小さいお店。
客層はほぼ年配男性で、僕なんか若者の部類だ。


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注文は玉子そば。
丸福といえば… と刷り込まれている。
周りの注文も、ほとんどそれ。


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スープをひと口すすってわかる、個性的というか極め付きというか、そんなしょうゆラーメン。
実はこちらに入るのは初めてだが、それとわかるのは西荻店の記憶から。
西荻店の説明書きによれば、千葉県「入正醤油」の超特選しょうゆ使用。
それがこの高貴ともいえる芳香のもとらしい。


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玉子そばとは、まあ味玉ラーメンだ。
硬ゆでの味玉がしっくりくるのが、わしら世代。
西荻店と違ってひき肉はのっていない。


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麺の量は多くない。
客の年齢層が高いこともあってか。
しかし、じいさん連中の多くは「大盛り」と頼む。
老いも若きも食べすぎな波が、こんなお店にまで… (; ̄。 ̄A


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青梅街道沿いに「丸福」、その背中合わせの駅前に「丸信」という時代に思いを致しつつすする、究極の一杯。


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[DATA]
中華そば 丸福 荻窪本店
東京都杉並区上荻1-6-1





[Today's recommendation]


https://youtu.be/QDVKurl_d4g



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ファストフード的な 【博多らーめん 一心堂】

2023.01.07

 自転車で中村橋の商店街をひたすら南下したら鷺ノ宮で、いま通ってきたのは中杉通りだったのね。
また一つ道を覚えた。

時刻は11時50分。
腹が、減った……


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そういえば鷺ノ宮の隣の下井草駅近くに博多ラーメンの店があった。

博多ラーメンが好きで、北多摩および23区西部の博多ラーメン店はある程度頭に入っているつもり。高円寺南の大久保通りの人気の… とかいうんじゃなく、もっとチープな感じの。世間に重んじられていなさそうな。チェーン店も可。


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駅近くというか踏切ぎわ。
「博多らーめん 一心堂」というらしい。


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南口の駐輪機に自転車を止めて踏切を渡り… 店頭で迷う。
博多ラーメンに見えない。
この膨大な情報量、どう見ても本場系中華料理店でしょう。


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店内は複雑な形のカウンター席のみ。
マスターは(たぶん)中国系の方。


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店内の壁もやはり品書きに埋め尽くされている。
考え始めたらツボにハマりそうなのでなるべく見ないようにして、注文はいちばんベーシックな……
って、ん…? 結局なに食べたんだろ?


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いまメニュー写真や券売機を見ても確信が持てない ( ̄- ̄;)ンー


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たぶん白・豚骨ラーメン720円。
具は、チャーシュー、キクラゲ、ノリ、青ネギ。


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チャーシューには八角が利かせてあって素晴らしくおいしい。
そういうところは日本人にはない感性かも。


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替え玉も、最初と同じくゆで加減“ふつう”で。


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替え玉2玉まで無料とある。
前記事の大盛り無料といい、生活習慣的にそのあたりに最大の問題がありそうな気がするんだが… ( 〃 ̄ω ̄〃ゞ


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麺のゆで時間を秒単位で明示してあったりする博多ラーメンはファストフードそのものであり、名店うんぬんというよりファストフードなりの付き合い方がしっくりくる。


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[DATA]
博多らーめん 一心堂
東京都杉並区井草1-2-1





[Today's recommendation]


https://youtu.be/EPo5wWmKEaI



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いざ総本山へ! 【永福町大勝軒】

2022.11.18

 前記事の続きで… というか、時系列ではこっちが先だが、永福町といえば「大勝軒」。

なぜかいつも立ち寄るポイントになっている井の頭公園の「ジブリ美術館」横のトイレのあと、今回はそこで玉川上水をそれ、井の頭公園駅の先で神田川を渡って立教通りへ。
このまま行くと井ノ頭通りと合流するはずだが、井ノ頭通りといえば「永福町大勝軒」。
たしか11時開店で、このタイミングだと開店直前に着けそうで、もしかしたら行列しないで入れるかも。そう考えればめったにない機会であり、今日入らなかったら一生入れないかも…
――と思ったのである。

創業1955年の「永福町大勝軒」。
昭和のころより行列店の代名詞的存在である。


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11時5分前に到着。順番待ち1人。
読みは当たった… というか、食べ終わって出てくる人もいて、とっくに営業していた気配。
あとでHPを確認すると営業時間はやっぱり11:00~ で、どうなってるの? (・・∂)


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近くの駐輪場に自転車を止める。
ちなみに僕は、(1~3時間無料の)駐輪場の位置はけっこう広域で把握しており、こういう一刻を争う場合にそれが役立つ。トイレとともに都会のちゃりんこライダーに欠かせない情報スキルといえよう。


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で、お店に戻ると順番待ち2人で僕が3番目。
僕の後ろに行列はみるみる伸びていき、なかなかの見ものであった。

待っている間、人数と麺量を確認される。
「麺少なめもできますが?」
こちらは量が多いので有名なのだ。
「いえ、普通で大丈夫です」


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入店までに7~8分。
L字形カウンターの端の席で、ラッキー。
注文は中華麺。


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意外なことに、いつも横目に見ながら通り過ぎている大行列の印象とは対照的に、店内はゆったり落ち着いた雰囲気。BGMはクラシック音楽だ。
いすの配置に余裕があるのに加え、カウンターの天板に奥行きがあるため、1人当たりのテーブル面積がすごく広い。土地持ちになった気分である。
若い店員さんの接客も物腰柔らかく洗練されている。


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約5分で中華麵来る。
ステンレストレー&でっかいどんぶりというのが、こちら系統のスタイルだ。


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こちら系統とは、同じ「大勝軒」でも、この20年ほどの間に大きく勢力を伸ばした“東池袋系”ではなく、当店をおおもととする“永福町系”のこと。
そのへんの事情についてはこちらの記事を参照いただければ。


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中華麺はスープの表面に油膜が張られ、いつまでも熱々。
煮干しの香りが記憶中枢を刺激する。


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初めて食べるのに懐かしい。
昔よく食べた「一ツ橋 大勝軒」「保谷大勝軒」が思い出されるだけでなく、そのもっと先にも何かありそうな。


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「EIFUKUCHOTAISHOKEN RAMEN STORY」, 2022 May(創刊号)より


麺がやわいのも、こちらの特徴とされている。
麺がやわいと条件反射的に急いで食べようとする。
熱々を急いで食べたらどうなるか。
最後、汗だくに ( >▽< ;;


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食べ終わってお店を出ると、ご覧のとおり


ラーメンとは、個人的な体験。
わがラーメン人生が走馬灯のごとく…。


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時刻は11時30分


[DATA]
永福町大勝軒
東京都杉並区和泉3-5-3
http://eifuku-taishouken.com/





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/wolO4fJr70Y



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門前のサッポロ 【狸小路サッポロラーメン】

2022.04.26

 ちょくちょく門前の茶屋というものを取り上げているように、門前町(参道)が好き。
お参りは観光の起源とされ、食事や宿泊から遊興まで手広く参拝客のニーズを満たし発達したのが門前町である。
ハレとケをつなぐ回廊であり、神聖なるものと卑俗なるものをごたまぜにしたカオスな世界。


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大宮八幡宮 表参道第一鳥居


Wikipediaの項目「門前町」では“門前町”と“鳥居前町”に分けて主な門前町を例示してあり、その中でいちばん近くにあるのが杉並区の大宮八幡宮。
調べたのは1年ほど前だったと思うが、その時点までその存在を知らなかった。
それだけに気になって、大宮八幡宮には早々に出かけている。

東側に600mを超える表参道 / 正参道を構え、境内も賑わう立派な神社だが、参道周辺に門前町としての歴史的風致は感じられない。
これも一種の衰退商店街なのかもしれないと思った。
表参道入り口にラーメン店を2店見つけたのは収穫だったが。


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有名ラーメン店「草むら」右が表参道入り口。左2軒隣に「狸小路」がある


1店は有名店で名前は前々から知っていた。
特筆すべきはもう1店で、絶滅危惧種“サッポロ”である。


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上に“いちばん近い”と書いているが、全国レベルで並んでいるものの中では近くとも、自転車で行くとなるとなかなか遠い。
絶滅危惧種といえども行くのに少し覚悟が要り、見つけてからずいぶん時間がたってしまったが、「狸小路サッポロラーメン」へ。


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外の品書きの横に飾ってある“アイヌの大酋長”的なイラストに、正統的サッポロDNAが感じられる。


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なお“サッポロ”については過去記事蝦夷えぞえぞえぞ菊えぞふじ狩勝コタンニューコタン元祖札幌やどさん子どさん子どさん娘ピリカピリカをご参照いただきたい。


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ゆるく弧を描くカウンターのみ5~6席という小さいお店。
注文はみそらぁめん。


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注文を受けた店主は、麺の投入からモヤシの炒めまで手際よく進め、小休止。ここからけっこう(麺のゆで時間が)長いのは、「えぞ菊」のリズム感を思わせる。
コーンと刻みネギと肉みそ様のものをトッピングして完成。


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ドロッと粘性の高いスープは“サッポロ”としてはかなり濃厚。


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ショウガが効いているのとほかの要素とで、覚えのある味なんだが…? と思いながら食べていると、かみつぶした粒が花椒。
担々麺を思わせるみそラーメンなのであった。


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門前は懐が深い。
サッポロであろうがタヌキであろうが、門前にあるものは何でも茶屋なのである。


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[DATA]
狸小路サッポロラーメン
東京都杉並区大宮1-1-2





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/Pmd3UiNfNkA



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あのグループの本家本元! 【丸長中華そば店】

2019.09.26

 荻窪の「丸長」といえば、文字どおり“丸長のれん会”の本家本元。日本のラーメン界のトップの座にあると言っても過言ではない。
丸長のれん会とは何か。どうすごいのか。
少し説明しよう。

――昭和23年杉並区荻窪4丁目に青木勝治氏、青木保一氏、青木甲七郎氏、山上信成氏、坂口正安氏、以上5名で共同経営の形で、中華そば店丸長を開店。上記HPより)

その後、勝治氏が「荻窪丸長」に残り、ほかの4名はそれぞれ「阿佐ヶ谷永楽」(現「阿佐ヶ谷丸長」)、「川南栄龍軒」、「荻窪丸信」、「上原大勝軒」(=「中野大勝軒」)として独立。
「中野大勝軒」にはご存知“ラーメンの神様”山岸一雄氏がおり、最初ののれん分けとして東池袋に出店、“特製もりそば”のヒットによりラーメン界にその名をとどろかせる。
山岸氏亡き後も「東池袋系大勝軒」は店舗拡大を続け、現在に至る。

――というラーメン界の一大勢力の大もとに位置するのが、荻窪の「丸長中華そば店」である。
(参照:「荻窪丸信」「谷保丸信」「萬栄軒」「中野大勝軒」「サニー」


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荻窪駅南口。
線路沿いに阿佐ヶ谷方面に200mほど。


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店内は、右にカウンター8席、左に4人掛けテーブル3卓。
1時半を過ぎていてもカウンター席はすべて埋まっており、いちばん奥のテーブルのみ食器は片付いていないが席は丸々空いている状態。テーブル席に1人客が座っていいものか、忙しそうなおねえさんと目が合うのを待って合図を送ると、「座ってお待ちください」と。


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座って品書きを探したが、カウンター上の張り紙しか見当たらない。実は事前にちょっと調べて漠然と食べる候補を決めてきたが、それが張り紙には書いていない。たぶん真ん中のテーブル横に小さいプレートが張ってあり、それにもっと細かいメニューが書いてあるのだ(細かいといっても組み合わせのバリエーションにすぎないが)

うろ覚えで「竹の子ワンタンメン…?」と申告。
注文はすんなり通りました ┐( -"-)┌ ヤレヤレ…


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お客はほとんどが年配男性。僕のテーブルもすぐにおじさんおよびおじいさんと相席となった。
で、どちらも「まずビール」
そう来るかぁ。。。
相席でそれはさすがにキツいので(いちおう僕は現役なので)、この店はカウンターに空きがあるとき入るに限る。

ちなみに注文の過半数はつけ麺(つけそば)関係で、こちらはつけ麺の元祖とされる。
僕はつけ麺はあまり好きではないので、こういうところでも迷わず汁そばを頼む。


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スープのだしには節系の個性を強く感じるが、ほかに具材も含め独特の香気を感じる。
夜に家族に「メンマくさい」と言われたほど。
最高位ラーメンの味の決め手はメンマである…! と、とりあえず言っておこう。
今回の注文は正しかった、と。


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もちもちの太麺は、昔よく食べた「中野大勝軒」が思い出される。
ワンタンも皮のコシが強く、麺に負けない存在感がある。


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ラーメン680円。ワンタンメンは780円で、竹の子ラーメンも780円。
ゆえに、竹の子ワンタンメンは880円。
品書きになかったのでどうかと思ったが、まあ明朗会計である。

というか、このワンタン、竹の子。
それぞれ100円って、むちゃくちゃ安くないですか!?


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[DATA]
丸長中華そば店
東京都杉並区荻窪4-31-12





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/8WQVb_nuKvs


伝説のその先の… 【御天 井草本店】

2019.03.09

 ラーメンの歴史というような話になると必ずといっていいほど登場する店の一つが「なんでんかんでん」。
1990年代初頭“環七ラーメン戦争”を巻き起こし、とんこつブームの火付け役となった。東京に初めて本場長浜ラーメンを持ち込んだともいわれる伝説の名店のその味をつくったのが、当初店長として厨房を取り仕切った岩佐俊孝氏だ。
ブーム絶頂の1995年、岩佐氏が「なんでんかんでん」を離れ開店させたのが、下井草の「御天」である。

――とか書いておきながら、「そうだったのかぁ。知らなかったー…」 \( ̄ー ̄;) ォィォィ!


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ずぼらな性格でラーメンの歴史や系譜といった情報系に目が向かずただ食べるだけの人生を送ってきた。
ブログ記事を書くにあたってさすがにそれでは済まされないだろうと調べてみたらそういうことだった、というケースはよくある(冒頭の情報はこちらを参照させていただいた)


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「御天」には過去(たぶん20世紀)、2度ほど入ったことがあるが、そんな歴史はツユ知らず、うまいうまいと食べていた。


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ということで、おそらく20年ぶりくらいの来店。


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「御天」といえば“せん菜”という極細モヤシのようなトッピングが名物だったが、“せん菜販売終了につき、もやしラーメンを提供”というようなことが書いてある。
普通のモヤシじゃなぁ… ということで、注文はラーメン750円。


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こちらの特徴は、超絶濃厚とんこつスープ。
味も濃いが、においもすごい。


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さっき入る前、新青梅街道の反対側の歩道にまでにおいが漂っていた気がする。「なんでんかんでん」も、においで客を引き寄せたということらしい。
駄目な人にはダメなにおいだが、僕は引き寄せられるほう。


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ラーメンはうわさにたがわぬ濃厚こってりスープ。
麺は極細ストレートと、まさに本場スタイル。


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脂が強いので腹にたまりそうだが、細麺はするする入り、やはり1玉ではちょっと物足りないなぁ… となるあたりも本場流か…。


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店内を見回しても替え玉の表示は見つからないが、まあ、ないはずはないだろうと「替え玉お願いできます?」と申告。
替え玉は後ろからおねえさんが直接どんぶり投入方式の提供だ。


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替え玉は直接投入方式


ここで卓上の辛子高菜と紅しょうがを入れる。


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経験則で適量入れたつもりが、スープが激辛になってしまった。こちらの辛子高菜は非常に辛いので要注意だ。
お会計は880円だったので替え玉130円の計算。


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こういう自分の中で古いという認識のないお店も、もはや四半世紀になる中堅どころだ。
昭和とまではいかないが、20世紀も十分遠くなりにけり… としみじみ。


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[DATA]
御天 井草本店
東京都杉並区井草1-29-3
https://www.facebook.com/gotengoten





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/Xb3fZmkzy84


“サッポロ”というコンテンツ 【コタン】

2019.03.05

 このブログは基本的にお店屋さんを取り上げるものであるから、まず場所を説明しておきたい。手っ取り早いのが道順、つまり道の名前を出すことだが、この道路名というやつが実にめんどくさい。
都道府県道レベルで見てみると、使い慣れた名前はだいたい通称や愛称(通り名)であって、行政上の名称は路線の起終点を順に並べた「県道○○△△線」とすることが原則とされている。たとえば通称「世田谷通り」は、正式には「東京都道・神奈川県道3号世田谷町田線」となる。Wikipediaもそうなってる。
それじゃ説明にならんだろう。

そんな感じ(中略)でいろいろめんどくさいので、駅前商店街の細道の名前なぞ、なかなか調べがつかなかったりするのである。


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なぜそんなことを長々と書いているかというと、☝ この道の名前を調べるのにたいへん苦労したから。
西荻窪駅北口のJ:COMショップとカラオケ館の間の道を、「西荻まち歩きマップ2015」では「八幡通り」としている。理由は井草八幡宮への最短ルートであるから。別説として、途中の橋が「駅通橋」なので「駅通り」なのかもしれない、とも。どちらも簡潔・明快でストンと落ちるものがある。
逆に言えば、個人レベルでもこのように決定していけるところも、混乱のもとであるのだが。


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さて、この八幡通り、まあ古い人には洋食「真砂」のあった通りといったほうがわかりやすいと思うが… って、はじめからそれで済んだんじゃないの? \( ̄ー ̄;) ォィ!
…というのはおいといて。


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えー、あらためてこの八幡通り、100mほど入ったあたりの三軒長屋の一角のラーメン屋「コタン」。
おしゃれな店が並ぶ西荻にあって異質なオーラを放っている。


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1971(昭和46)年創業。
建物が古いということなら西荻は骨董の街であり古い物件のリノベーションの盛んな地域でもあるので、ぜんぜん珍しくない。
古いのはコンテンツ自体であり、いわゆるオワコン的な…?


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この店の標榜するところは、都内でも見ることが少なくなったサッポロラーメンである。


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“サッポロ”についてはこれまで取り上げてきたお店を参照していただきたい蝦夷えぞえぞえぞ菊えぞふじ狩勝ニューコタン元祖札幌やどさん子どさん子ピリカピリカ


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1時すぎでお客さんはなし。
3年ほど前に一度入ったことがあるが、そのときもこんな感じだった。


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入り口に掛かっている看板のランチメニュー:ラーメン(味噌:しょうゆ・塩)、餃子3個、半ライスで750円(税別)を、味噌ラーメンでオーダー。


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「ライスお付けしてよろしいですか?」とご主人。
「お願いします」と答えておいて、“よろしいですか?”が気になったのであらためてカウンター上のメニューを見直してみると、“お好きなラーメンに、プラス100円で餃子(3個)、ライスお付けします”と書いてあり、その上に“各50円、50円”と手書きで追加してある。つまりライスなしで700円という選択もできるわけで、なかなか親切だと思った。
お新香もつき、一式まとめて5分ほどでの提供。


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味噌ラーメンのスープはあっさりしている印象だが、徐々に合わせみそのニンニクが効いてくる。
あっさりな分、だしのうま味が前に出てくる感じ。


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炒め野菜はモヤシ、キャベツ、ニンジン。
このテのラーメンでは珍しくデフォルトでチャーシューがのる。
チャーシューは店主自慢の品のようで、おいしいとろとろチャーシューだ。


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餃子はひと口サイズで、これもニンニクがかなり効いており、小ぶりながらパンチのある味だ。


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コンテンツのはやりすたりということでは、たとえばすぐ近くの「坂本屋」は中華屋のカツ丼、南口の「はつね」はタンメンで、それぞれ大行列店となっている。
昭和の王道的大衆食堂メニューとしてサッポロみそラーメンも引けを取らないように思えるが、そこが微妙なところである。


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“日本一の”と冠されることもあるほかの2店のように、じゃあ“日本一のサッポロラーメン”と誰かが言ったとして、それで行列ができるかというと、それも微妙なところで…。

それでも“私が愛してやまない「みそラーメン」なんです” (by 山本〇博?)


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[DATA]
コタン
東京都杉並区西荻北3-22-20





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/07Fp-omNXCw


荻窪ラーメン源流の味 【中華そば 丸信】

2018.12.24

 『本屋、はじめました』(苦楽堂刊)の題材である、著者・辻山良雄氏が実際に開業した新刊書店「Title」をのぞきに行こうという。
場所は杉並区桃井1丁目の青梅街道沿い。
寒風吹きすさぶなか、西武新宿線・井荻駅から歩いて向かう。が、お店は開いていない。
時刻は11時50分。12時開店のもよう。


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それじゃ、まず街に出て昼ごはんを食べ、帰りに本屋に寄ろうということになった。
ちなみに「Title」はギャラリー、カフェ併設型であり、機会を見てカフェを利用してみたい。


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繁華街となると西荻窪か荻窪だが、もうそこから四面道交差点の案内標識が見えているので、荻窪は意外に近そうだ。
そして、四面道で思い出したお店がある。
かつて東京ラーメンの中心地であった荻窪を代表するラーメン店「丸信」。


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荻窪・丸信といえば、東京のラーメンの歴史そのものともいわれる“丸長のれん会”の最古参。創業1950年の老舗である。
以前は荻窪に2店あったが、拡張前の駅前ロータリーの店は1991年に閉店し、いまは四面道近くの店のみとなっている。


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学生時代の記憶であるが、年末に帰郷するでもなく高校時代の友人で大学も同じになったKE君とこのあたりをぶらついたことがある。当時、彼は中野、僕は吉祥寺に住んでいたので、間をとって荻窪ということだったのかな…? 


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駅前広場のしょぼい風景に、家族と離れて年末を過ごす不安感を募らせたものだ。
そのとき食べたラーメンが駅前の「丸信」だった。

その記憶から、年末の今日、「丸信」に引き寄せられたのかもしれない。


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席数は4人掛けテーブル3卓とカウンター6席。
キツキツに席を配置することなく遊休地の多いホール図面は西早稲田の「伊勢屋」や淡路町の「近江屋」を思わせ、昭和感漂う。


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注文は、味玉ラーメン770円とワンタンメン810円。


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「丸信」は作家・椎名誠の好きなラーメンとして知られる。

――中央線・荻窪駅前の「丸信」というちょっと立ち喰いそばふうのラーメン屋が一番うまい! と思っている。(中略)荻窪地区ではこの丸信と同じ一角にある「春木屋」というのが有名で「荻窪地区のうまいラーメンは?」というと、この春木屋が「あっどうも、まいど」というような妙に手慣れた顔つきで登場するのである。これがじつにくやしい。(椎名誠、『気分はだぼだぼソース』(1980)より)


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「春木屋」には大行列が


当時はそれに、(青梅街道沿いの)「丸福」を加え駅前三国志状態だったが、その後「丸信」はロータリー拡張に伴い、「丸福」はいろいろあってそれぞれ閉店し、「春木屋」が天下統一を果たすわけである。それもだいぶ古い話だが… σ( ̄、 ̄=) ウーム…


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ラーメンは昔ながらのあっさりしょうゆ味。節系の香りの広がるだしに、少し甘味のあるかえし。
中太ゆるウェーブの麺が特徴的で、軟らかいようでいてしっかりコシがあり、例えが適切かどうかわからないが、うどん系の乾麺のような感覚(僕は白石温麺を思い出した)。小麦の風味が強く、かん水臭さを感じないということかと思う。


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色の濃いしっかり味付けされたメンマは「丸福」を思い出させる。ワンタンは餡が少なめだが皮がおいしく、ツルッとのど越しがよい。味玉は予想外の半熟。


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平成最後といわれても何の感慨も湧かないが、昭和最後のころの年の瀬の風景は、ラーメンの味とともに感傷的に思い出されるのである。


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[DATA]
中華そば 丸信
東京都杉並区上荻1-24-22





[Today's recommendation]

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https://www.youtube.com/watch?v=yHTqP5s12eg


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