fc2ブログ

青春探訪シリーズ 【キッチンブン】

2022.12.01

 前記事の続きというか時系列ではこっちが先だが、不定期連載“青春を懐かしがる”シリーズ「花蓮」「大王ラーメン」などを参照ください)

街歩きが好きで都心を歩きたいが、日曜だと人が多くコロナ禍でほとんど出かけられずにいる。平日の午後ならどうか… ということになった。
比較的調整の利く木曜日、地下鉄東西線の早稲田駅で待ち合わせ。


20221201 kitchen-bun-12


が、予報が外れて雨がぱらついている。
まず昼ごはんかな。食べてるうちにやむかもしれないし。


20221201 kitchen-bun-11


早大正門と大隈講堂の間を通って都電早稲田駅に向かうカギ道の商店街・大隈通り。


20221201 kitchen-bun-13


昔から大学の周りは飲食店だらけだったが、人によって出没エリアは決まっており、僕はこの大隈通りが多かった。いまはすっかり寂れ、昔の店も残っていない。


20221201 kitchen-bun-14
寂れた商店街で唯一? 順番待ちができている「キッチンブン」(奥左側)


…と思っていたんだが、いちばん多く入った洋食店が残っているらしいことに最近気づいた。


20221201 kitchen-bun-16


なぜ最近まで気づかなかったかというと、そもそもめったに行くことのない場所というのもあるが、店舗が建て替えられていたうえ、困ったことに店名を覚えていなかったから r( ̄_ ̄;)


20221201 kitchen-bun-35
左の赤い庇テントが「ボンマルシェ」。2006年に閉店しているが店舗はそのまま残っているので、位置関係が把握できる


店名は忘れても有名店「ボンマルシェ」の隣という場所は覚えており、数年前に通りかかったとき、その位置の店に“オープン40周年”みたいな張り紙がしてあった。
その場所で40年なら間違いないのである。


20221201 kitchen-bun-17

20221201 kitchen-bun-18


当時は鉄板焼きみたいなのばかり食べていたような気がするが、ちょっと調べているときに見つけたハンバーグスパゲッティーというものがビジュアル的にあまりにも魅力的で、それを頼む。
もう1品はポークソテー。


20221201 kitchen-bun-2020221201 kitchen-bun-2120221201 kitchen-bun-22


当時のエピソードを一つ――

タモリのマドンナは吉永小百合かもしれないが、僕らの時代は石井めぐみだった。
“トミーとマツ”で人気絶頂の女優 石井めぐみさんをキャンパスで見かけたことがあるが、当時の男子は声をかけるでもなくただ後ろをぞろぞろと(笑)。やがて見失い、「やれやれ、メシでも食いに行くかー」と適当に入ったお店に、彼女はいた。
その店というのが「キッチンブン」。
小さい店なのでさすがに緊張したものだ (・Θ・;)アセ


20221201 kitchen-bun-25


ハンバーグスパゲッティーは、ナポリタンの上にハンバーグがのったもの。
カリオストロの例のアレを思わせるビジュアルが、たまりません。


20221201 kitchen-bun-26


ナポリタンの麺自体は細めのパスタで、モチモチというよりパツパツ。
ゆで上げかもしれず、喫茶店系B級グルメとは一線を画す感じ。


20221201 kitchen-bun-27


しかしソースはしっかり甘いケチャップ味で、ちゃんと昭和してる。
ハンバーグはなんかいろんなことが思い出せそうな懐かしいお味でした。


20221201 kitchen-bun-28


ポークソテーは熱々の鉄板にソースがじゅうじゅうになって出てきた。みるみる端から焦げて立ち上る香りがいい。
ナポリタンとは違ってすっきりめのドミグラスソースだ。


20221201 kitchen-bun-2920221201 kitchen-bun-3020221201 kitchen-bun-31


「ずっとここでやられてます?」と、いちおう聞いてみた。
「はい。やってますよ、43年」とお店の奥さん。


20221201 kitchen-bun-32


ご近所のおばちゃん風のお客とずっとおしゃべりしてて、“黙食”はどうなった!? と突っ込みたくなるくらい話し好きな方のよう。
学生風にも元学生風にも満遍なく声をかけている。
そんなお店。


20221201 kitchen-bun-33


「1980年ごろ、よく入ってました」
「それじゃ、ほんと最初のころね」と奥さん。「あのころはみんな若かったよね」
「はは…」と、なぜかウケてる厨房のご主人。


20221201 kitchen-bun-24


そりゃ、そっくり40年分スライドしてきているわけだから。
まだ若いつもりでいてもこういう場所に来るとごまかしが利かないことを思い知らされた、青春探訪。


20221201 kitchen-bun-34
結局、しとしと雨は降り続き、散策は諦め神田川から甘泉園・水稲荷神社(前記事)を通って早稲田通りに上り、そのまま高田馬場駅へ


[DATA]
キッチンブン
東京都新宿区西早稲田1-8-20





[Today's recommendation]


https://youtu.be/1A0-2dfil88


https://youtu.be/e4WSUq9P64c



wachat221201-22.jpg



20221201 kitchen-bun-36


青春を懐かしがる 【ビフテキ家 あづま】

2021.11.23

 22日朝のニュースでラグビー早慶戦の特集をやっていた。
そういえばワールドカップのあと生観戦したくなったが、まもなくコロナが始まってしまったんだった。見たい気持ちは2年たっても変わっていない。
早明戦は何度か見ているが、早慶戦は見たことがなかった。

「今日、ラグビー見に行こうか」
と翌日の朝食のときに切り出したのである。

ところが、チケットの手配をしようとしたら、チケットぴあは予定枚数終了と。
焦っていろいろ当たってみたが、チケット販売はネットのチケットぴあのみで、当日の早慶戦はともかく約2週間先の早明戦も完売。リセールにもワセダ絡みは引っかかりもしないのだった。
えー、ラグビーってそんな人気なの…!?

自分の学生時代はラグビーブームの頂点で、1学年上に本城・吉野・津布久の三羽烏を擁した早稲田は人気の面ではラグビー界のトップに君臨した。早慶戦や早明戦はまさにプラチナチケットだった。
あのころの熱気が戻っているとすれば、ラグビーファンでありチョイ経験者としてはうれしいことではあるが…。

「ラグビーが無理ならイチョウでも見に行こうか」と相方。
神宮外苑のイチョウ並木は秩父宮ラグビー場のすぐ近く。そこに行く気になっていただけに、ナイス提案。


20211123 azuma-1120211123 azuma-12


用事があるという半蔵門まで地下鉄で行き、外苑まで歩くという計画。


20211123 azuma-1320211123 azuma-14


半蔵門→紀尾井坂→真田堀→四ツ谷駅→若葉→鉄砲坂→信濃町駅… というコースで、絵画館に12時ちょうど。


20211123 azuma-1520211123 azuma-16


軟式球場を回り込んで神宮球場の外野席入り口あたりまで来ると、突如ものすごい人並みに。

「え… なにこれ!? ラグビー? 日本シリーズ?」

それはイチョウ見物に訪れたおびただしい人の群れなのでした w( ̄▽ ̄;)w


20211123 azuma-1720211123 azuma-18


そそくさとその場を離れ、昼ごはんを食べに「ホープ軒」へ。が、やっぱりというか長蛇の列。「もうこのあたりはダメ。新宿まで歩こう」 となったのである。

前振りと中身に一貫性がないのはそういう経緯によるもので、ご容赦願えればと。


20211123 azuma-1920211123 azuma-20


「新宿でお店の候補は?」
「えーと、天ぷら、じゅうじゅう焼き、とん丼、…」
「じゅうじゅう焼きかな」

ということで、北西から北へと進路を修正しつつ新宿三丁目方面へ。

「新宿末廣亭」横、じゅうじゅう焼きで有名な「ビフテキ家 あづま」は、近くのデパートでアルバイトをしていた学生時代、バイトの帰りによく入った。
前振りとお店に関連があるとすれば、キーワードは学生時代。
今回のテーマは“青春時代を懐かしがる”かな。


20211123 azuma-2120211123 azuma-22


末廣亭の前から外観写真を撮ろうとスマホを構えたら、お店がない。
え、閉店しちゃった? と目を凝らせば、神田松鯉の幟の向こうに小さいながらも看板はたしかにある。
近寄ってみると、看板の下には地下へ下りる階段。


20211123 azuma-2320211123 azuma-24


かつて1階と地下の2フロアだった「あづま」は地下だけになり、1階には別のお店が入居している。
調べてみると2019年4月にリニューアルしたらしい。


20211123 azuma-27


13:20来店で満席、空き待ちとなったが、僕らのすぐあとから順番待ちはどんどん増えていったのでタイミングはよかったみたいだ。


20211123 azuma-2820211123 azuma-29


注文は、昔そればかり食べていたもち豚のじゅうじゅう焼き(昔“もち”は付いてなかったと思うが…)と、もう1品は店名に敬意を表す意味でビフテキに。


20211123 azuma-3020211123 azuma-31


15年前くらいに家族で入ったときは地下へ通され、煙がすごかったことを覚えているが、いまはもちろん全席禁煙。内装や照明も明るくなった印象で、こういう変化は歓迎である。


20211123 azuma-32


まずオニオンコンソメスープ。
塩気の強い昔風の味付けが食欲を増進させる。


20211123 azuma-3320211123 azuma-34


じゅうじゅう焼きは、豚バラ肉とキャベツが鉄板に盛り付けられた状態で提供され、上から特製オニオンソースをかけて食べるというもの。


20211123 azuma-37<


ソースが熱々の鉄板に触れ、ジュージューとものすごい湯気を上げる。豚肉には火が通っているがキャベツは生で、それがいい具合に蒸し焼き状態になるという、シンプルながらよく考えられた料理である。


20211123 azuma-37-2


ソースは昔ながらの甘みを抑えた味付けで、酢の酸味が効いてごはんがススム。


20211123 azuma-3520211123 azuma-36


ビフテキも熱々の鉄板にのってやって来た。パッと見、厚みもサイズ感も十分。
付け合わせの具なしナポリタンにテンション上がる。


20211123 azuma-3820211123 azuma-39


ナイフを入れると中はミディアムレア状態で、肉汁が多く軟らかい食感。
味は付いているが、フロアマネージャーに勧められるままにじゅうじゅう焼きのソースをかけてみれば、これまたごはんがススムススム。


20211123 azuma-46


あとから入った隣のテーブルの若いカップルの男子のほうは、じゅうじゅう焼きの肉大盛りと。
昔、バイト仲間のHMは必ず肉大盛りで頼み、「HMは肉食だからなー」とからかわれていたものだ。

彼は大学1年のときの下宿仲間で、テレビのなかった僕はその年のラグビー交流試合をHMの部屋で見たことを覚えている。
それは専修大に敗れ大学選手権に進めなかったという衝撃の結末で、早稲田は人気絶頂でも実力が伴っているわけではなかったのだ。


20211123 azuma-4320211123 azuma-43-2



この日の早慶戦、勝つには勝ったが、かなりハラハラする展開だったみたいだ。
見たかったような、見なくてよかったような…。


20211123 azuma-45


[DATA]
ビフテキ家 あづま
東京都新宿区新宿3-6-12 藤堂ビルB1F
https://azuma-shinjuku.owst.jp/map





[Today's recommendation]

wachat211123.jpg




https://youtu.be/dx7vNdAb5e4


https://youtu.be/dO6rCGUt2_A



20211123 azuma-41
そろそろ幸先詣の時期かなと


高田馬場を代表するロシア料理の名店 【チャイカ】

2019.12.11

 高田馬場で食事する店を考えていて、芳林堂書店のビルにロシア料理店があったことを思い出し、先月、馬場に出かけたときに行ってみたらまだやっている。機会があれば入ってみたいと思っていた。


20191209 chaika-11


30年ほど前、薄給のサラリーマンはささやかな楽しみとして食べ歩きみたいなことをやっていて、ちょうどエスニックブームのはしりの時代で、いろんな国名を掲げる料理店に入った。渋谷のベトナム、代官山のカンボジア、メキシコ、青山のイタリア、六本木のインド、インドネシア、ドイツ、新宿のタイ…。
そのころ入った渋谷の西口歩道橋の向こうの桜丘町にあった「ロゴスキー」が、覚えている限りでは唯一入ったことのあるロシア料理店。

いまこういうことをやっているのは30年前の続きのような感覚が少しあって、老舗っぽい各国料理店というのは当時の空気感みたいなものが思い出されるようでグッとくるものがあるのだ。


20191209 chaika-12


「チャイカ」(Чайка)は“カモメ”の意味で、文学青年だった方ならご存知かもしれないがチェーホフの著名な戯曲の原題に使われている。
また、世界初の女性宇宙飛行士ワレンチナ・テレシコワのコールサインであり、「Я Чайка(私はカモメ)」は女性宇宙飛行士の宇宙で発した最初の言葉として世界中に知れ渡った。


20191209 chaika-13


ということで、空飛ぶカモメがあしらわれたロゴマークが素敵な「チャイカ」。
Since 1972と、まもなく半世紀という歴史を持つ。


20191209 chaika-14


ランチセットメニューから、ビーフストロガノフ・セット(ボルシチ・ビーフストロガノフ・サフランライス)¥1200、トロイカ・セット(ボルシチ・ピロシキ・つぼ焼き)¥1200をオーダー。
ロシア料理といえば、ボルシチ・ビーフストロガノフ・ピロシキ・つぼ焼き… 以上! という個人的知識の限りを押さえる注文法。


20191209 chaika-15


驚くほどハイソ的女性率の高い店内。中央に小さい2人掛けテーブルが密に配置されているエリアの真ん中らへんに通されていて両隣が近い。おっさんはガッチガチに緊張してます (-"- ; A
「BGMはムソルグスキーなんだねー、ロシアだけに」とか言いながら平常心を保とうと努める。


20191209 chaika-16


ボルシチがわりと早い提供。
「ワタシの作る野菜スープと同じ」とのたまう、平常心そのものの相方。
うちでビーツが入ってることはないやろ ヾ(- -;) …


20191209 chaika-17


トロイカセットはパン生地系の2品が主食を兼ねるという組み立てだ。
ピロシキはもっちりした生地の中にタマネギとひき肉がぽろぽろ。また、短い春雨が入っているが、調べてみるとそれは上記「ロゴスキー」考案による日本流のスタイルのもよう。


20191209 chaika-18


つぼ焼きの生地はピロシキと同じものかもしれない。スプーンで破る楽しさがある。
中には濃厚なクリームシチュー。


20191209 chaika-1920191209 chaika-20


ビーフストロガノフは、こま切れではなくステーキサイズの肉の塊が一つドーンと入っていて、ナイフとフォークでいただく。さっぱりしたサフランライスが濃厚なソースを引き立てる。


20191209 chaika-21


北国だけに、体を温める効果のあるサフランは理にかなっている。
全体にタマネギが多用されているのも同様の理由によると思われる。


20191209 chaika-22-2


山手線の駅としては変化の少ない高田馬場を象徴するお店。
マトリョーシカの向こうを新型のE235系電車が走る。


20191209 chaika-23


[DATA]
チャイカ
東京都新宿区高田馬場1-26-5 FIビル2F
http://www.chaika.co.jp/
https://www.facebook.com/Chaika.Restaurant





[Today's recommendation]

wachat191211.jpg




https://youtu.be/rx6Eo6liyCg


創業55年、地下街の老舗洋食店 【バンビ 新宿サブナード店】

2019.07.14

 このところ吉祥寺ネタが多いような気がするが…。そしてこの記事がどう吉祥寺ネタなのか?
いや、僕ら世代にとって「バンビ」といえば吉祥寺だし、一昨年閉店した「シャポールージュ」こそが「バンビ」であり(看板に「旧バンビ」と入れ続けていた)…、と思ったら、同時期に都心で展開していた「バンビ」は吉祥寺の洋食店とは関係ないらしい。
なので、この記事は吉祥寺ネタではありません。失礼しました。


190714 bambi-11


そういえば「バンビ」はサブナードに昔からあった。
創業1965年。もしかしてサブナード開業(73年)当初から存在するのかも。


190714 bambi-12


休日だけに混んでいて、フレンドリーな中国系のおばちゃんのグループの後ろに並ぶ。


190714 bambi-14


お客だけでなくお店のスタッフも、料理長的な男性が日本人に見える以外、ほぼ外国人である。
近郊の個人店に入ることが多い自分にはあまり実感はないが、これが都心の標準なのかもしれない。今後この状況がいっそう進むことは確実だ。


190714 bambi-15

190714 bambi-16


昨年の入管法改正により人手不足に対応することを目的として外国人の在留資格“特定技能”が創設された。これは14の特定産業分野において一定の技能を有する外国人に向けた在留資格で、産業分野別に見ても人手不足状況が特に深刻な“外食業”では、受け入れ数(5年間最大値)が“介護”60000人に次いで多い53000人と見込まれている。


190714 bambi-20-2


注文は、Aセット(和牛ハンバーグと海老フライ、カニクリームコロッケ)960円と、チキンステーキストロガノフライス980円。
2人で入るときはなるべく料理数が多くなる組み合わせにするという、われわれの洋食屋活用法。


190714 bambi-17

190714 bambi-18


Aセット一式に続いて出されたストロガノフライスのご飯が来ないな… と思っていたら、ワンプレートで下にご飯が敷いてある。言ってみればハヤシライスにチキンソテーをのっけたようなひと皿。


190714 bambi-25


ここ1~2年で素晴らしい街の洋食屋をたくさん見つけているのでAセットのようなベーシックなメニューに特筆すべきところを見いだせないが、このストロガノフライスはおもしろい。
たまねぎの甘さとトマトの酸味で懐かし系のソース。パリパリにソテーされたチキンもおいしく、ボリューム感もある。


190714 bambi-23


あえてAセットに関していえば、海老フライとカニクリームコロッケのサイズ感に不満があるのであって、ハンバーグメインの組み立てはわかるがそれが自分の好みと合っていないというだけの話。
思ったよりコスパもよく、全体の満足度は高い。


190714 bambi-21


新宿三丁目周辺は歴史あるお店がまだたくさん残っているおもしろいエリアである。
いま、外国人労働者がこの街を支えていると言っても過言ではない。


190714 bambi-26-2


[DATA]
バンビ 新宿サブナード店
東京都新宿区歌舞伎町1 新宿サブナード地下街
http://www.subnade.co.jp/restaurant/detail/banbi.html





[Today's recommendation]

wachat190714-1.jpg
◆ 猫写真はこちら その1 その2 その3




https://youtu.be/Dl3BHrAci0M


https://youtu.be/lzZCAw5oCw8


55年守り続ける味 【アカシア 新宿本店】

2019.02.17

 新宿3丁目エリアは、駅南口~新南口エリアや渋谷などに比べインフラレベルの再構築が緩やかで、ランドマークの伊勢丹から細い街路に至るまで街の基本構造に大きな変化は見られない。路地裏には古い飲食店もたくさん残っており、ざっとピックアップしただけで若いころ入りいまだ健在というお店が20店を下らない。これをただ遠巻きに眺めていてよいものか。
昭和文化の息づく街、新宿3丁目。
さあ、というわけで――しゅつぼつ…


190217 acacia-12


このエリアで古くからあるお店といって真っ先に思い浮かぶのが「アカシア」。
1963年開業。アカシアといえばロールキャベツ。

――ロールキャベツシチューのお店として新宿にて開業する。以来、55年間同じ味を守り続けている。その一方で、自家製のハム・ソーセージ、ハヤシソース、極辛カレーなどオリジナルティーあふれる料理を作り出してきた。これからも「包む」料理の探求や新しい味を求めていく。お店HPより)


190217 acacia-13


日曜の12時半で覚悟はしていたが、10人以上の行列。一応並ぶことは並んでどうしようかと相談していると、意外に回転が速い。そのまま5~6分で席に通された。


190217 acacia-17-2


1階41席、2階24席。われわれは1階の奥側の4人テーブル。
以前は2人なら相席必至だったが、いまはそういうふうには見受けられない。1階ではフロアマネジャー風のおねえさんがてきぱきと取り仕切っており、システマティックに客の割り振りをしているため相席も少なく回転も速いんだと思う。
10年前くらいに入ったときは大ベテランのおばちゃん2人で大ざっぱに回しているふうで、それはそれでオモムキがあったが、いまのやり方のほうが客のストレスも少ないと思う。


190217 acacia-15


注文は“当店独特料理”という独特の表現がなされたロールキャベツ中心の組み立てになる。
まず豚ハンバーグとロールキャベツシチューのセット(ライス付き)1000円。もう1品、個人的にこのお店では豚ロースのオイル焼きがいちばん好きで、以前はサービスセットがあったように思うが見当たらないので、オイル焼き単品800円+白ご飯200円に。


190217 acacia-16-3


ところで、いまでこそ重厚なつくりが醸し出すレトロモダンな雰囲気がおしゃれ感覚で捉えられこのように行列のできる人気店だが、自分の学生時代、この店を場末の一膳めし屋くらいに思っていた。たいしてうまいわけじゃないが、安い店。


190217 acacia-18


なので年とってからまた入るようになって、どうしても同じ店とは思えないのだが、それはこちらの感覚の変化なんだろうか。
とにかく、癒されます。


190217 acacia-22-2


ハンバーグは板状に延ばしたタネを鉄板で焼いて四角く切り分けた独特のもの。
隣の席のお客は「ハンバーグです」と出された皿を見てものすごく驚いていた。


190217 acacia-20-2


オイル焼きは生醤油に近いしょっぱめのタレが炒め油と合わさっただけのシンプルな味付けだが、これがご飯とよく合う。


190217 acacia-21-2


全体にボリュームが多いので、各自1皿+ロールキャベツは2人で1個でちょうどいい。


190217 acacia-555


入り口の行列には「この店がいちばん古いんだ」と言っているじいさん2人組もいたが、お客の大半が若い層のようだ。
それは“バエる”というSNSの波及効果のようでもあるが、街がボトムアップ的に活性化する現象はすべてポジティブに捉えたい。
*“料理以外の店内撮影はご遠慮ください”とあります。


190217 acacia-14


[DATA]
アカシア 新宿本店
東京都新宿区新宿3-22-10
http://www.restaurant-acacia.com/
https://www.facebook.com/acaciashinjuku





[Today's recommendation]

wachat190217-22.jpg




https://youtu.be/NK518lxDz78


記憶の彼方に…? 学生街の洋食店 【キッチンニュー早苗】

2018.03.31

 午後、都心に用事がある。
といっても自分に用事があるわけではないが、一緒に昼ごはんに、そっち方面に出掛けることにした。

こういうのに便乗しないと街に出る機会のない生活を送っている。
このブログは個人的には日記機能を果たしているので、ちょっと見返してみると、去年電車で出掛けたのは8回のみ。引きこもりに近い。まあ、電車が苦手だからこういう生活に帰着しているというところもあるが。
今年はこれで6回目と、なかなか優秀。


180331 kitchen_new_sanae-26


高田馬場のさかえ通り商店街は学生のころときどき訪れた。
「清龍」という居酒屋が有名で、いまもクラス会の場所はそこだったりする。


kitchen_new_sanae180331-25.jpg


そのほかのお店はまったく覚えておらず、実際入れ替わりの激しい場所だから閉店したところも多いとは思うが、かろうじて名前だけ記憶しているのが「キッチンニュー早苗」。正確には、「早苗」と名の付くお店があったことを覚えている。
入ったことがあったかどうかは定かでない。いくつかこういう感じのお店には覚えがある。桃屋「江戸むらさき ごはんですよ!」をキープできる定食屋っていうのを思い出したんだが(笑)、それはまた別だったかな…?


kitchen_new_sanae180331-14.jpg


さかえ通りの中ほどを右折、神田川を渡る。
入り口の両サイドに「2014年、おかげさまで地元・高田馬場で創業45年」のポスター。


kitchen_new_sanae180331-24.jpg


年配の団体さんと入れ替わりに入店。
おかみさんが「真ん中のテーブルにどうそ」と。
4人掛けテーブル3脚とカウンター6席の小さなお店。お客さんはカウンターに3人。


180331 kitchen_new_sanae-21180331 kitchen_new_sanae-22


注文は、日替り定食:しょうが焼とかじきまぐろフライ(目玉焼、みそ汁)730円(妻)とカツカレー750円(僕)。
このところカツカレーばかり食べている気がする。体育会系の学生みたいでどうかと思うが、食べたいものはしょうがない。
まだまだカツカレーを食べたいお店はたくさんあるので、しばらく続くかもしれない。


kitchen_new_sanae180331-17.jpg


常連客とおかみさんがテレビの功罪について論じ合っている。
「オレんとこの三ノ輪の鰻屋なんか、テレビでやったら大変だよ。もうぜんぜん入れなくなっちゃって」と常連さん。
「うちも『モヤさま』のときは1週間まったくダメだった」とおかみさん。
ダメとか言っているわりには表に番組出演時の写真が張ってある。
こちらはそれくらいの有名店である。


180331 kitchen_new_sanae-23180331 kitchen_new_sanae-24


カツカレーにはサラダとコンソメスープが付く
目玉焼きで隠れているが、トンカツのサイズはけっこう大きく、厚みもある。


kitchen_new_sanae180331-19.jpg


カレーは懐かし系の和式のタイプ。具はほとんど煮崩れているが、肉片は案外残っている。ご飯の量はそこそこ多い。
甘めのカレーとシンプルに塩・こしょうで味を調えたスープのバランスがよい。


kitchen_new_sanae180331-20-2.jpg


日替りもボリューム満点。
どんぶりご飯に目玉焼きがのって、男子学生のたべもののようだ。


180331 kitchen_new_sanae-25


あとから入った親子連れのオーダーが、「日替り3つで、うち1つカレーで」と謎の日本語。
壁の日替りの張り紙を見ると、「プラス100円でライスがカレーライスになります」とある。


kitchen_new_sanae180331-22-2.jpg


つまり、エッグカレーに、しょうが焼とかじきまぐろフライ、みそ汁が付いて830円ということ。
なんかそれってすごい。すごいけど、おじさんにはムリ(笑)。
まさに体育会系男子学生ご用達といったところ。


kitchen_new_sanae180331-18.jpg


お店を出ると、街が煙っている。
見ると、煙のもとはいま出てきた店の換気扇。
衣服や髪の毛がかなり油煙を吸っているのが自覚できる。

実はこのあとの相方の用事とは、あるセレブなチャリティーイベントの受け付けを務めること。
揚げ物臭をプンプン漂わせて、セレブな受付嬢、大丈夫か…?


kitchen_new_sanae180331-23.jpg


[DATA]
キッチンニュー早苗
東京都新宿区下落合1-3-19





[Today's recommendation]


https://youtu.be/GX3AnhefltM



chat180331-22.jpg



kitchen_new_sanae180331-26.jpg
3月31日、戸山公園


穴八幡参りから、お楽しみの昼食は? 【キッチンオトボケ】

2017.12.30

 西早稲田の穴八幡宮へ「一陽来復御守」を求めに。
穴八幡宮と一陽来復御守について、近くの早稲田大学のホームページに記事がある。

――穴八幡宮は、1062年に源義家がこの地に兜と太刀を納めて祀ったのが始まりとされており、商売繁盛や出世、開運にご利益がある神社として知られています。毎年冬至から節分の間にだけ拝受できる金銀融通の御守りともいわれる「一陽来復御守」があることで有名です。毎年冬至の日にある「冬至祭」には、多くの人がこのお守りを求めて訪れ、長い行列が出来ます。冬至・大晦日・節分のいずれかの日の夜中の12時に、その年の恵方に向けてお守りを高い場所に奉るそうです。


anahachiman23.jpg


うちでは3年前からこのお守りに金銀融通を託している。
いまだご利益にあずかっていない。
今年なんか春先、早々にお守りは落下した。落ちるとご利益は消失するという。


baba-waseda11.jpg


高田馬場から早稲田通りを歩く。
このへんは学生時代によく歩いた土地だから、いまだにホーム感がある。


baba-waseda20.jpg


とはいえ、馬場~早稲田エリアはたとえばラーメン激戦区だったりするからお店の入れ替わりが激しい。
10年前はおろか5年前に入った店でもはや跡形もない、なんていうのはざら。


kitchen-otoboke55.jpgkitchen-otoboke56.jpg


そんななか、馬場口交差点を越えたあたりから、ぽつりぽつりと古い店の生き残り組が確認されるようになる。


kitchen-otoboke57.jpgkitchen-otoboke58.jpgkitchen-otoboke59.jpg


写真は学生時代に入ったことのあるお店。
覚えているだけでこんなに生き残っている。


kitchen-otoboke60.jpgkitchen-otoboke61.jpgkitchen-otoboke62.jpg


西早稲田交差点近く、しばらく通った「松の湯」の建屋も健在。


baba-waseda21-2.jpg


穴八幡には北参道から入る。
なんかいつもこっちに並んでいたからそうしたのだが、それは混雑が予想される日の対応らしい。
今日は正面から普通に誘導していた。


kitchen-otoboke63.jpgkitchen-otoboke64.jpg


混雑のピークはやはり冬至。
どれくらい混雑するかというと、DJポリスが出動するくらい。


anahachiman13-2.jpg


それほど混まないといっても、境内に張られたガイドポールを2回折り返すくらいの人出はある。
あとで気づいたが、今日は大安だった。
毎日これだけの人出があるわけではないと思うんだが…。


kitchen-otoboke65.jpgkitchen-otoboke66.jpg


古札納め所に去年のお守りをお納めし、新しい一陽来復御守を授かる。
御初穂料800円。

本殿にお参りし、お勤め終了。


kitchen-otoboke67.jpg


両脇に屋台の並んだ参道を抜ける。


kitchen-otoboke68.jpgkitchen-otoboke69.jpg


急階段を下りて馬場下交差点に出る。


kitchen-otoboke70.jpg


穴八幡参りのあとは、お楽しみの昼食タイム。

一昨年は、すぐ近くのラーメン「メルシー」、昨年は馬場口交差点近くのラーメン類が人気の和菓子店「伊勢屋」。
今年は穴八幡の鳥居の目と鼻の先にある洋食屋「キッチンオトボケ」に。


kitchen-otoboke76.jpg


Openの札の横の扉を開ける。驚くことにお客さんが1人もいない。ここは人気店のはず。
と思ったら時刻は11:01。図らずも開店1番の客の栄誉に浴することに。


kitchen-otoboke13.jpg


僕はミックスフライ定食650円。ツレはカレーにするという。
「カツカレーにすれば?」
「いや、それは危険。ここ、量多いんでしょう?」

そうなのだ。こちらは典型的な学生相手のドカ盛り店。
揚げ物中心のメニュー構成から“早稲田三大油田”と称されるほど。
ということで、もう1品はカレーライス450円に。


kitchen-otoboke12.jpg


待っている間、さすがにお客さんが続々と。若い人が続々… かというと、全然。
ワタクシ世代のおやじ数名、…どころか、おじいさん・おばあさん!
おじいさん・おばあさんにここでの食事はキケンだ。


kitchen-otoboke15-2.jpg


この光景は、おそらく季節の風物詩。
穴八幡のついでに学生のころ通っていたお店で食事。そういう早大卒業生であふれていそうな気配が街に満ちている。
とにかく卒業生の多い大学だから、流鏑馬の日とかもそうだし(「えぞ菊」参照)、ときどきこういう現象が起きていそうだ。


kitchen-otoboke17.jpg


ミックスフライは、串カツ、メンチカツ、チキンカツのミックス。
僕が学生時代に食べていた「オトボケ」のミックスフライと構成要素がまったく違う。たぶん。
ホタテまがいの練り物のフライとか、そんなので構成されていた。ミックスフライと称するメニューが、それだったと思うんだがなぁ…。


kitchen-otoboke18-2.jpg


ちなみにお昼ごはん、昨日とほぼ同じ(笑)。でも、いろいろと正反対。
たとえばミックスフライ。その中のチキンカツだけでも、昨日のチキンカツの倍ぐらいはあるという…。
まあ、それはいいとか悪いとかではないので、大きく異なる、というだけなんだが。
ひと口に懐かし系といっても、さかのぼる方角はさまざま。


kitchen-otoboke16-2.jpg


ミックスフライを食べ終えて、ツレが食べきれないカレーを食べて、もういっぱいいっぱい。
カツカレーにしなくて本当によかった。


kitchen-otoboke71.jpg


腹ごなしに歩いて馬場に向かう。
とっくに失われた土地勘を頼りに穴八幡の裏の細道に入る。


kitchen-otoboke75.jpg


歩いていると不思議と勘が働いてくる。
通れそうにない路地に入ると、クランクの先に大学1年のときに住んでいた下宿屋が出現したのである。
隣の学生寮も残っている。
門限破りで下宿閉め出しを食らったとき、寮の駐車場のブロック塀に登ってそこに面する部屋の下宿仲間に助けを求めたことを、鮮明に思い出した。


kitchen-otoboke72.jpgkitchen-otoboke73.jpg


まるでSF。
朽ち果てた建造物を目の当たりにしても、下宿屋はもともと老朽著しい物件だったから、あのころのままのように思えるのだ。

そんなタイムスリップな裏道散歩であった。


baba-waseda24.jpg


[DATA]
キッチンオトボケ
東京都新宿区馬場下町62-19





[Today's recommendation]


https://youtu.be/DFPu83ggTlM


https://youtu.be/qKYQNtF11eg



chat171230-22.jpg


Latest Articles
紆余曲折を経て 【モンスナック 新宿紀伊國屋ビル店】 Apr 21, 2024
ハナコのたぬき 【アベイユ】 Apr 20, 2024
書店めぐりはハラが減る 【スパゲッティーのパンチョ 吉祥寺店】 Apr 19, 2024
誠実さが光る老舗の 【奈美喜屋】 Apr 18, 2024
歓楽街の街中華 【中華料理 五十番】 Apr 17, 2024
競馬場グルメシリーズ 【やなぎ】 Apr 16, 2024
パークウインズにつれてって 【東京競馬場】 Apr 15, 2024
198X年のぼっちメシ 【まつざか】 Apr 13, 2024
雨に降られて 【はなや】 Apr 13, 2024
気分は鴨川? 【千代乃家】 Apr 12, 2024
表参道から薬王院 【高尾山薬王院】 Apr 10, 2024
未踏ルートへ ――高尾山4・5号路 Apr 09, 2024
Ranking
          
          
Category
Category-2