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近代和風建築で、ゆったり 【古民家カフェ うつろい】

2023.10.29

 「川崎市立日本民家園」には、前記事の食事処ともう一つ、飲食スペースに供されている古民家がある。
展示ナンバー0番という、順路で真っ先に目にする「旧原家住宅」である。
10~11月の期間限定で「古民家カフェ うつろい」が開店していた。


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本館から入園し右手の建物が旧原家住宅


前々記事のとおり23番の「旧菅原家住宅」まで見学し、いったん奥門から出て生田緑地内を下って正門(本館)から再入園。
民家園内はアップダウンが多いうえ順路が行きつ戻りつするので、23番から0番へ行きたい場合、いったん外に出るのが全然はやい。
北欧系の某家具店の動線みたいな?


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■川崎市重要歴史記念物/■神奈川県川崎市中原区小杉陣屋町/■住宅/■木造2階建、入母屋造、棧瓦葺(一部下屋 銅板葺)、一階=桁行17.6m、梁行13.2m/二階=桁行10.9m、梁行9.1m/■明治44年(1911)4月16日上棟


小杉陣屋町といえば、かつて住んでいた中原区丸子通の隣町である。
あんなとこにこんなものがあったのか…!? と驚かされる立派なお屋敷。


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――原家は、古くは中原街道沿いで肥料問屋を営み、大地主になると銀行経営や政治に進出して神奈川県議会の議長を二代続けて務めました。戦後は、一時「陣屋荘(じんやそう)」という名の料亭となり、多摩川の花火大会などで賑わった他、結婚式なども行われていました。(説明板より)

“一時、料亭として使われていた”というのは、くしくも前記事「山下家住宅」と共通する建物の歴史。


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坂を上ったところに「古民家カフェ うつろい」の看板。


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民家園HPでは「古民家カフェ うつろい」は期間限定となっているが、同じページの説明文には“今秋も、飲み物、お菓子のほか、色々なメニューを日替わりで提供”とあるので、例年この時期に出店しているのかもしれない。


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奥がイマの受付


ゲンカンから上がってヒロマを通り、イマで受け付けおよび注文。


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つしま大石農園の和紅茶、オリジナルとゆず。
焼き菓子も買う。


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和紅茶と米粉の焼き菓子が相性よく、この家の雰囲気とも合う。


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昔は地域地域に名士と呼ばれる人がいて、こういう家で会合やら何やらが行われていたのかもしれない。


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静かな室内の空気を時折ヒヨドリの甲高い鳴き声が引き裂く。
ああ、秋だなぁ… と。

温かい飲み物でほっとひと息つく、なんとも贅沢な時間。


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「古民家カフェ うつろい」の今後のオープン日程は、11月3~5、11・12、18・19、23、25・26日。


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[DATA]
古民家カフェ うつろい
神奈川県川崎市多摩区枡形7-1-4 旧原家住宅





[Today's recommendation]


https://youtu.be/2Mzu-Hyio6k?si=Mftyn1ZbyQ79Bs8p



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日本民家園編おしまい


合掌造りで味わう 【そば処 白川郷】

2023.10.29

 前記事では詳しく触れていないが「日本民家園」はいくつかのブロックに分かれており、⑤水車小屋~⑩山下家住宅は“信越の村”というエリアになる。
展示民家6棟中4つが合掌造りであるから信越より飛騨・五箇山のほうがしっくりくるような気もするが、それはともかく、園内全体に丘陵の斜面を利用したつくりで山村の雰囲気漂うなか、このエリアは広場を囲むような古民家の配置になっている。
自然、人が集まる“村の中心ゾーン”の風情で、人の集まるところ市が立ち、茶屋が出る。


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正面が⑧山田家で、左が⑩山下家の裏手


そんな感じで広場の周りの建物の一つが茶屋(飲食店)になっている。


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「そば処 白川郷」として営業しているのは展示番号10の山下家住宅。
19世紀前期の岐阜県白川村の建築物で、かぎ座敷を持つ典型的な白川系合掌造りの民家である。


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近辺で飲食できるのは「岡本太郎美術館」のカフェくらいに思っていて、日本民家園内に食事処があることを来るまで知らなかった。


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■神奈川県指定重要文化財/■岐阜県大野郡白川村長瀬/■農家、合掌造/■切妻造、一重三階、茅葺、正面庇付、石置き板葺、桁行18.2m、梁行10.9m/■19世紀前期


着いたのが11時すぎで、だったら混む前に食べちゃおうか… ということで、実は真っ先にこちらで食事をし、そのあと前記事のように振り出しから見学し直している。
食べ終わって外に出ると順番待ちができていたので、いい状況判断だったわけだ。


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食事メニューはそばのみ。
品ぞろえはシンプルで、とろろ、山菜、たぬき、肉…。
山梨県忍野村の湧き水を使って製麺をしているとのこと。

注文は民家園そばと肉そば。


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食事処は1階の広い板の間で、キャパは大きそう。
2階は使われていない。


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1958年に川崎駅近くに移築され観光料亭として活用されていたものを70年こちらに再移築… という数奇な運命をたどった建物である。
大都会・川崎にこんなものがあったというのも高度経済成長の大らかな時代というか、それはそれで興味深い歴史のひとこま。


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隣の席は午前中からビールを聞こし召しておられる。
消防団の慰労会(←推察です)的なご老体グループで、これはこれで高度成長期をしのばせる大らかな光景というか。


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民家園そばとは、とろろ、山菜、たぬきのミックス。
こういうところでは必ずとろろそばと山菜そばで迷う… という僕のような人のニーズを的確に捉えた商品開発といえよう。


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肉そばの具は豚バラと長ネギで、こういうところでは必ず豚そばとねぎそばで… ( ̄- ̄;)


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ちょっと気になってネットの口コミなどを眺めてみると、雰囲気はいいがそばは普通… というのが多いようだが、その雰囲気というのがハンパなくよい。
それでもう自分的にはとんでもない高評価になるわけで。


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ゆったりした時の流れに身を委ねつつそばをすする贅沢。

(つづく)


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[DATA]
そば処 白川郷
神奈川県川崎市多摩区枡形7-1-1





[Today's recommendation]


https://youtu.be/p_33zTtiWPA?si=aZ0q9opGDkVKxAIT



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次号予告


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