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足腰守護の神仏 【子ノ権現天龍寺】 

2023.04.23

「竹寺」で食事をしたあと、再び山歩き。
次の目的地は「子ノ権現」。

事前に調べた感じでは、この関東ふれあいの道「奥武蔵の古刹を訪ねるみち」コースでいちばん上りがキツいのははじめの小殿バス停―竹寺間で、この先は2つの寺院を結ぶ尾根道となる。


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竹寺本堂上の分岐点には“子の権現2.9km”とある。
竹寺は海抜490m、子ノ権現は640mで、標高差150m。
数字だけ見れば、たやすいようにも思えるが…。


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実際、埼玉県のサイト「自然歩道(関東ふれあいの道など)」のコース図面には、“趣のある植林地が続く”“スギ、ヒノキ(西川材)の美林が続く”とあって、のんびりしたハイキングコースを連想させる。
一方、西武鉄道のサイト「西武鉄道で行くハイキングコース24選」のマップには、同じ箇所に“道が狭く、谷側の斜面が崩れかけているところがあるので注意が必要です”“道が狭いので注意しましょう”と書いてある。

さて、どうなることでしょう… ( ̄- ̄;) ンー


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はじめスギ・ヒノキ林を緩やかに上るのんびりした道だが…

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尾根を越えると急斜面伝いの狭い道が続く

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崩れかけているところも何か所か。けっこうヒヤヒヤものである (・Θ・;)

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やがて前方に掘っ立て小屋のようなものが…

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豆口峠の「神送り場」


――峠は隣りの村との連絡路であると共に、そこはふつう村境であることが多い。峠の近くには神送り場というところがあった。むかし悪い流行病などがはやると、村人たちは、夜中大ぜいで鐘や太鼓をたたいてここに駆け登り、頂上で疫病神を追い払うという習わしがあった。(説明看板)


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豆口峠を過ぎるとアップダウンが激しくなる。上って…

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下る(振り返って撮ってる)。…これの繰り返しで、かなりキツい

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やがて開けた場所に出る

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眺望も開ける

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「子ノ権現」と書いてある。ちょっとイメージと違うが…

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お寺の裏なのであった


13:45、子ノ権現到着。
竹寺から1時間とちょっとの行程であった。


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子ノ権現 本坊


竹寺同様、裏からの参拝となってそのままではわかりづらいので、実際とは逆順に表からの参拝ルートを掲載してみた。👇


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県指定天然記念物、樹齢800年の「二本杉」

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「子の山売店」(左)と「子ノ権現 茶屋」(右)、鳥居は神仏習合のなごり?

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石灯籠の先に黒門(山門)

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黒門

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仁王像。奥に先ほどの本坊が見えてくる

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本坊の前を右に折れ、坂を上ると…

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子ノ権現天龍寺本堂


――子の権現 天龍寺(ねのごんげん てんりゅうじ)は埼玉県飯能市にある天台宗の寺院である。武蔵野三十三観音霊場32番札所。(中略)縁起によると、延喜11年(911年)6月13日、子ノ聖が初めてこの地に十一面観音を祀り、天龍寺を創建した。その後、弟子の恵聖上人が子ノ聖を大権現と崇め、子ノ聖大権現社を建立した。「天龍寺(飯能市)」Wikipediaより、最終更新2023年3月8日00:41)

子ノ聖の由来は、生誕が子年子月子日子刻であったため人々に子ノ日丸と呼ばれたことによる。


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子ノ権現にはだいぶ前に登ろうとしたことがあったが、子どもが小さかったこともあって途中断念。一昨年「浅見茶屋」に行ったときも、勢いで子ノ権現まで… とのもくろみもあったが、やはり断念。
3度目の正直である。


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本堂にものすごいオブジェが…!

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境内には鉄のワラジ(右)と夫婦下駄

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重さ2トンの鉄ワラジ


そうです。子ノ権現は“足腰守護の神仏”。

――聖は昇天の折、「我、化縁につきぬれば寂光の本土に帰るべし。然れども、この山に跡を垂れて永く衆生を守らん。我登山の折、魔火のため腰と足を傷め悩めることあり。故に腰より下を病める者、一心に祈らば、その験を得せしめん。」と誓いをたてられました。以来、足腰守護の神仏として信仰されています。「縁起」子ノ権現天龍寺HPより)


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本堂の後ろに小高い場所

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階段を上ってみる

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地蔵菩薩

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奥の院(左)と鐘楼堂(右)

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鐘楼堂


奥の院は子ノ権現最高点。
竹寺の鐘楼に続き、てっぺんに立てた。


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竹寺では遠慮したが、今度は鐘をついてみた


てっぺんが、クセになりそう。

(つづく)


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[DATA]
子ノ権現天龍寺
埼玉県飯能市大字南461
https://nenogongen.jp/





[Today's recommendation]


https://youtu.be/VEh-SF3-Nzo



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次号予告


そうだ ○○、行こう。 【浅見茶屋】

2021.10.03

 観光します的な宣言をしてはいるが、仕事は普通にあるわけだし、ちゃんとした観光をするには日程調整をはじめ準備が必要だ。
もう一つ、東京都民的には例のGo Toトラベルの顛末をいまだ根に持っており、次に発動される場合、都民は2倍よけいに恩恵にあずかれる仕組みとなるべきと考えているので、その動向を注視する必要もある。
なので、まずは日帰りで近場の観光地めぐりというのが現実的なところ。

近場の観光地で真っ先に思い浮かぶのが高尾山。
先日の御岳山と違い、高尾山は登山コースがいくつも整備されており、これまで5回ほど行ったがケーブルカーを使ったことはない。いま行ってもたぶん歩いて登ることになると思うが、はたして登れるだろうか…?

「ということで、山登りの練習しといたほうがいいと思うんだ」
「じゃあ車で山のほうに行くんだね♪」
いや、まずは八国山くらいで… という言葉をのみ込んで、おもむろにGoogleマップを検索するワタシ。


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御岳山を眺めながらのドライブになる


「ここなんかどうだろう?」
と、話が持ち上がって行き先が決まるまでトントンと早いが、そもそも朝起きてひと仕事してからの話だから、出発時点で10時を回っている。
そんなんで日帰り観光なんてできるわけないでしょ ヾ(・ω・o)


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で、やって来ました飯能市坂石。
11:40到着と、優秀優秀。

西武秩父線吾野駅の先、東郷公園横の参道から子ノ権現をめざすという計画だ。


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登り口にあるカフェも気になるが…


ここを選んだ最大の理由が、途中に茶屋があること。
というか、茶屋まで登って余力があれば子ノ権現に向かってみようかと。
それだと茶屋目当てみたいでアレなので、(公表)目的地は茶屋の近くの青葉戸不動滝ということにして… (〃 ̄ω ̄〃ゞ


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参道は高麗川の支流の権現川に沿って緩やかに上る舗装道路。
一帯は植林の杉林で下層植生が貧弱だったりするが、渓流の美しさには目をみはるものが。
湿気の多い谷あいに苔むした石や切り株が並ぶ、まるで『もののけ姫」の世界である。


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「すごいね! すごいね!!」
「京都の某寺で3000円払うのばからしいね!」とは、前日のテレビネタ。

徐々に勾配がきつくなる上り道もさほど苦にならないのは、絶え間なく聞こえるせせらぎがもたらすヒーリング効果によるかも。


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青葉戸不動滝


「浅見茶屋」は創業1932(昭和7)年。
子ノ山(子ノ権現)旧表参道の門前の茶屋である。


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建物は1855年江戸末期建造の古民家だそう。
山の雰囲気に溶け込んだ趣ある外観は昔の山小屋を彷彿させるものがあり、わずか40分で訪れるまさに別天地。
逆に言うとその40分が大事で、車でここまで来る人も多いようだが、歩いてこそ得られるぜいたく感だと思った。


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建物内部も手入れが行き届き、言うことなしの雰囲気。


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参道の看板は“うどん甘味処”となっていたが、ほぼうどんのみのメニュー構成。甘味要素は田楽くらいだが、茶屋好きの田楽好きとしてはそれだけでテンション上がる。
肉汁うどん、いなか汁うどん、味噌田楽を注文。


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「ビールもいいんじゃない?」
「なに言ってんの。クルマでしょ」
歩いて登ってきた充実感で、麓に車があることを忘れていたという。


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うどんは熱いのと冷たいのがあり、どちらもつけ汁ということで、熱いのは釜揚げタイプかと思う。僕らは両方冷たいのに。


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古い門前の茶屋ということで田舎っぽいうどんが出てくると思ったら、いまふうのスタイリッシュなビジュアル。
ガツンとコシがあって小麦の風味の強い、われわれの地元のものによく似たタイプのうどんである。


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多摩地区・埼玉南部のうどんをすべて“武蔵野うどん”とくくる風潮があるが、飯能には“武州うどん”という呼び名のうどんがあるらしいということを、以前「指田屋」のおばちゃんに教わったことを思い出した。


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どちらの汁も具だくさん。肉汁は豚肉と油揚げ、タマネギ、いなか汁はナス、ぶなしめじ、油揚げ、こんにゃく。なぜかいなかのほうだけ薬味ネギがあらかじめのってくる。

これだけのクオリティで観光地価格どころか街の物価尺度で測っても決して高くないところは特筆されよう。


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茶屋を出て“この先車行き止まり”の標識の横に、“子ノ権現45分”の棒杭。
「うん。無理かな(笑)」

ぶらぶらと水音を聞きながら参道を下る。


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[DATA]
浅見茶屋
埼玉県飯能市坂石1050
https://www.facebook.com/asamichaya/
https://twitter.com/g55hbO8HMcWdeDm?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/OGbx7H49Zp8



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