創業明治23年! 【若松屋 菓子舗】
2023.03.05
吾野宿編、前々記事からの流れで、「飯能ひな飾り展 吾野宿」を見学したあと宿場の外れの吾野橋まで行って引き返してきたわけだが、往路に「あとで入ろう」と目を付けてあった和菓子屋さんへ。

こちらのお店、実は覚えがあるということを、達筆の看板を見て思い出した。
「東郷せんべい 若松屋」

食べログの自己PR的なところに、“創業は明治23年。東郷平八郎の直筆焼印入りの「東郷せんべい」を販売している、老舗の和菓子店です”とある。
さらに“東郷平八郎本人に直々許可を得た、日本で唯一のお店だったりします”と続く。
そのあたりの文言に覚えがある。

どういうことかというと、車を止めてあるのが東郷公園第一駐車場で、東郷公園=秩父御嶽神社は東郷平八郎の銅像の建つ神社。
前回も同じ駐車場に車を止めており、神社社務所で東郷せんべいというものを買ったことと、そのせんべいの製造元が“本人に直々許可を得た”吾野宿の和菓子店ということをあとで調べて知ったことを思い出したわけである。

東郷平八郎といえば日露戦争の日本海海戦で知られる海軍軍人。
そのあたりの戦前(明治憲法下)の事案は軍国主義への文脈を免れ得ず、あまり深入りしようとは思わないが、ロシア・バルチック艦隊を打ち破ったと聞けば見方も違ってくる。ウクライナのために拝もうという気持ちになる。

草餅粒あん・こしあん、まんじゅう粒あん・こしあん、桜餅を買う。
東郷せんべいは、あとで秩父御嶽神社社務所で買うとして。

秩父御嶽神社社務所
その社務所にて。
せんべいが見当たらないので、詰めていたおじさんに聞いてみると…
「ん、せんべい? そういえば、ずっと来てないなぁ…」
窓口に張り紙がしてあるのに、ユルいというか、超いいかげんなのであった。
(つづく)

[DATA]
若松屋 菓子舗
埼玉県飯能市坂石町分210
[Today's recommendation]

https://youtu.be/GB3zR_X25UU




次号予告
吾野宿編、前々記事からの流れで、「飯能ひな飾り展 吾野宿」を見学したあと宿場の外れの吾野橋まで行って引き返してきたわけだが、往路に「あとで入ろう」と目を付けてあった和菓子屋さんへ。

こちらのお店、実は覚えがあるということを、達筆の看板を見て思い出した。
「東郷せんべい 若松屋」

食べログの自己PR的なところに、“創業は明治23年。東郷平八郎の直筆焼印入りの「東郷せんべい」を販売している、老舗の和菓子店です”とある。
さらに“東郷平八郎本人に直々許可を得た、日本で唯一のお店だったりします”と続く。
そのあたりの文言に覚えがある。

どういうことかというと、車を止めてあるのが東郷公園第一駐車場で、東郷公園=秩父御嶽神社は東郷平八郎の銅像の建つ神社。
前回も同じ駐車場に車を止めており、神社社務所で東郷せんべいというものを買ったことと、そのせんべいの製造元が“本人に直々許可を得た”吾野宿の和菓子店ということをあとで調べて知ったことを思い出したわけである。

東郷平八郎といえば日露戦争の日本海海戦で知られる海軍軍人。
そのあたりの戦前(明治憲法下)の事案は軍国主義への文脈を免れ得ず、あまり深入りしようとは思わないが、ロシア・バルチック艦隊を打ち破ったと聞けば見方も違ってくる。ウクライナのために拝もうという気持ちになる。

草餅粒あん・こしあん、まんじゅう粒あん・こしあん、桜餅を買う。
東郷せんべいは、あとで秩父御嶽神社社務所で買うとして。

秩父御嶽神社社務所
その社務所にて。
せんべいが見当たらないので、詰めていたおじさんに聞いてみると…
「ん、せんべい? そういえば、ずっと来てないなぁ…」
窓口に張り紙がしてあるのに、ユルいというか、超いいかげんなのであった。
(つづく)

[DATA]
若松屋 菓子舗
埼玉県飯能市坂石町分210
[Today's recommendation]

https://youtu.be/GB3zR_X25UU




次号予告
甘いが贅沢なご当地グルメ 【新島田屋】
2021.10.10
前記事のつづきで飯能散策後編。
下調べをいっさいしていないので、現地での行動は東飯能駅で調達した『飯能まるっとガイドブック』に100%頼っている。
“飯能B級グルメ”が2品紹介されていて、一つが前記事の“すいーとん”。
もう一つのほうもいただいてみましょう ♪(* ̄∇ ̄)/
『飯能まるっとガイドブック』より
――味噌付けまんじゅう:昔から地元の人が大好きなおやつ。あんこ入り焼きまんじゅうに甘味噌がぬられたもの。
マップに載っている2店のうち現在地(「せいたろう」)から近い「新島田屋」へ。

駅に近い“銀座通り”がレトロを売りにした町おこしにいまひとつ踏み込めていない反面、もっと離れたここいらの通りがむしろ、現役感を残しつついい感じに古びていたりする。
「新島田屋」は、なんと創業1874(明治7)年。
まもなく150年企業である。
ショーケースには、味噌付けまんじゅうと書かれた、どう見ても普通のまんじゅうが並んでいる。
どう見ても普通のまんじゅう、“一串(2個)”とあるように、陳列の感じではわからないが串刺しにしてあるもよう。


1串頼むと、ご主人はおもむろに1串をだんごの焼き台であぶり始める。軽く焦げ目がついたところで壺のたれにくぐらせる。
五平餅に塗るような、見るからに甘そうなみそだれである。

「あ、おまんじゅうの中身は入ってないんですね?」
「あんこが入ってるんです」とご主人。
あんこに甘みそ?
どう考えても甘甘…。

たたきにテーブルが一つ備え付けてあってイートイン可能なもよう。
おなかいっぱいだったのでパックに詰めてもらったが、ここで食べてもほっこりしそう。
ほかに米糀の酒まんを4個買ってお店をあとにする。

帰りの車内でパッケージを開けるのが醍醐味。

砂糖のザラつきが感じられる甘~い味噌。

コシの強い生地の中に素朴な粒あん。
タレとあんこで十分過ぎる甘さだが、シンプルなだけに意外とぺろりといただける。

保存のための添加物など使わないから翌日には硬くなる。それは自然なこと。
硬くなったおまんじゅうを再加工しておいしくしようということでは妙法寺門前の揚げまんじゅうが思い出される。
昔は食べ物を捨てるなんてことは、簡単にはしなかった。
あの手この手で工夫してたら、新しいおいしさが生まれて、気がついたら地元で愛される一品になっていた。
[DATA]
新島田屋
埼玉県飯能市八幡町7-7
[Today's recommendation]



https://youtu.be/-IY4N_8BtHU
1874年は…? 喜歌劇『こうもり』初演


西武鉄道・飯能駅
前記事のつづきで飯能散策後編。
下調べをいっさいしていないので、現地での行動は東飯能駅で調達した『飯能まるっとガイドブック』に100%頼っている。
“飯能B級グルメ”が2品紹介されていて、一つが前記事の“すいーとん”。
もう一つのほうもいただいてみましょう ♪(* ̄∇ ̄)/
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――味噌付けまんじゅう:昔から地元の人が大好きなおやつ。あんこ入り焼きまんじゅうに甘味噌がぬられたもの。
マップに載っている2店のうち現在地(「せいたろう」)から近い「新島田屋」へ。

駅に近い“銀座通り”がレトロを売りにした町おこしにいまひとつ踏み込めていない反面、もっと離れたここいらの通りがむしろ、現役感を残しつついい感じに古びていたりする。
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「新島田屋」は、なんと創業1874(明治7)年。
まもなく150年企業である。
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ショーケースには、味噌付けまんじゅうと書かれた、どう見ても普通のまんじゅうが並んでいる。
どう見ても普通のまんじゅう、“一串(2個)”とあるように、陳列の感じではわからないが串刺しにしてあるもよう。


1串頼むと、ご主人はおもむろに1串をだんごの焼き台であぶり始める。軽く焦げ目がついたところで壺のたれにくぐらせる。
五平餅に塗るような、見るからに甘そうなみそだれである。

「あ、おまんじゅうの中身は入ってないんですね?」
「あんこが入ってるんです」とご主人。
あんこに甘みそ?
どう考えても甘甘…。

たたきにテーブルが一つ備え付けてあってイートイン可能なもよう。
おなかいっぱいだったのでパックに詰めてもらったが、ここで食べてもほっこりしそう。
ほかに米糀の酒まんを4個買ってお店をあとにする。

帰りの車内でパッケージを開けるのが醍醐味。

砂糖のザラつきが感じられる甘~い味噌。

コシの強い生地の中に素朴な粒あん。
タレとあんこで十分過ぎる甘さだが、シンプルなだけに意外とぺろりといただける。

保存のための添加物など使わないから翌日には硬くなる。それは自然なこと。
硬くなったおまんじゅうを再加工しておいしくしようということでは妙法寺門前の揚げまんじゅうが思い出される。
昔は食べ物を捨てるなんてことは、簡単にはしなかった。
あの手この手で工夫してたら、新しいおいしさが生まれて、気がついたら地元で愛される一品になっていた。
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[DATA]
新島田屋
埼玉県飯能市八幡町7-7
[Today's recommendation]



https://youtu.be/-IY4N_8BtHU
1874年は…? 喜歌劇『こうもり』初演


西武鉄道・飯能駅