貴重な年代物のひな飾り 【ゲストハウス吾野宿 & カフェレストラン】
2023.03.05
引き続き吾野宿散策中。
ちょうど「飯能ひな飾り展 吾野宿」(3/5~12)の初日にあたり、「高山家(鱗や)」「大河原家(こくや)」と古民家の貴重な年代物のおひな様を拝見し、3軒目の展示会場「大河原家(問屋)」。

古民家が続く吾野宿でも特に目を引く立派な門構えの建物である。
しかし、それ以上に圧倒されるのが、軒先から門の中まで所狭しと並ぶバイク。
こちら「大河原家(問屋)」は「ゲストハウス吾野宿 & カフェレストラン」として営業しており、バイクツーリングの聖地? 的スポットのようなのだ。

おそるおそる遠巻きに様子をうかがっていると、当主とおぼしき男性が門の中から「どうぞお入りください」とにこやかに声をかけてくださった。

埼玉県の景観重要建造物に指定されており、門は明治時代に江戸の武家屋敷の長屋門を移築したものだそうだ。
「山中を大八車で引いてきたそうです」とご主人。
「ご主人は何代目で?」
「23代目に当たります」
「うわっ!! w( ̄▽ ̄;)wワオッ!!」

指定の理由となった外観の特徴は、平入り切妻で日本瓦葺きの屋根、けやき一枚板の門扉、雲形のひさし持ち送りなど。
展示されているひな飾りは3飾り。
年代物の“御殿飾り”“変わり雛”と時代の新しい七段飾りだ。

明治・大正時代に人気を集めていたという御殿飾り。平安時代における京都の寝殿を模しているそう

いまは時事の有名人を模す“変わり雛”だが、昔はおとぎ話などが題材に使われたらしい。舌切り雀や、能の演目として知られる翁、高砂など

「新しいものはプラスチック製で、型をとっているから顔がみな同じ。でも扱いは楽です。塗りが剝がれたりしないから」

もう一式、外に乱雑に積み上げられているものが。
「これは処分しようと思ってるんです」
「処分というと、供養とか?」
「まあ、建て前上は(笑)」
「えー、それはもったいないです!」と相方。

屋内のつるし雛や古道具など一通り拝見し、お暇しようとしたが、処分される人形たちのもとを離れようとしない相方。
ほかの見学者に説明中のご主人がこっちの様子に気づき、「よろしかったら差し上げますよ」と。
「そう言っていただくのを待っていたんです(笑)」
一式持って帰りたい衝動に駆られたが、そこは節度を持って旅の思い出に1人1個。
高杯とお椀を頂戴する。
「大河原家(問屋)」のひな飾りは3月12日(日)まで通しで開催されている。
(つづく)

[DATA]
ゲストハウス吾野宿 & カフェレストラン
埼玉県飯能市坂石町分213
https://aganojuku.jimdofree.com/%E3%82%B2%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9%E5%90%BE%E9%87%8E%E5%AE%BF-%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3/
[Today's recommendation]

https://youtu.be/dH3GSrCmzC8




次号予告
引き続き吾野宿散策中。
ちょうど「飯能ひな飾り展 吾野宿」(3/5~12)の初日にあたり、「高山家(鱗や)」「大河原家(こくや)」と古民家の貴重な年代物のおひな様を拝見し、3軒目の展示会場「大河原家(問屋)」。

古民家が続く吾野宿でも特に目を引く立派な門構えの建物である。
しかし、それ以上に圧倒されるのが、軒先から門の中まで所狭しと並ぶバイク。
こちら「大河原家(問屋)」は「ゲストハウス吾野宿 & カフェレストラン」として営業しており、バイクツーリングの聖地? 的スポットのようなのだ。

おそるおそる遠巻きに様子をうかがっていると、当主とおぼしき男性が門の中から「どうぞお入りください」とにこやかに声をかけてくださった。

埼玉県の景観重要建造物に指定されており、門は明治時代に江戸の武家屋敷の長屋門を移築したものだそうだ。
「山中を大八車で引いてきたそうです」とご主人。
「ご主人は何代目で?」
「23代目に当たります」
「うわっ!! w( ̄▽ ̄;)wワオッ!!」

指定の理由となった外観の特徴は、平入り切妻で日本瓦葺きの屋根、けやき一枚板の門扉、雲形のひさし持ち送りなど。
展示されているひな飾りは3飾り。
年代物の“御殿飾り”“変わり雛”と時代の新しい七段飾りだ。

明治・大正時代に人気を集めていたという御殿飾り。平安時代における京都の寝殿を模しているそう

いまは時事の有名人を模す“変わり雛”だが、昔はおとぎ話などが題材に使われたらしい。舌切り雀や、能の演目として知られる翁、高砂など

「新しいものはプラスチック製で、型をとっているから顔がみな同じ。でも扱いは楽です。塗りが剝がれたりしないから」

もう一式、外に乱雑に積み上げられているものが。
「これは処分しようと思ってるんです」
「処分というと、供養とか?」
「まあ、建て前上は(笑)」
「えー、それはもったいないです!」と相方。

屋内のつるし雛や古道具など一通り拝見し、お暇しようとしたが、処分される人形たちのもとを離れようとしない相方。
ほかの見学者に説明中のご主人がこっちの様子に気づき、「よろしかったら差し上げますよ」と。
「そう言っていただくのを待っていたんです(笑)」
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一式持って帰りたい衝動に駆られたが、そこは節度を持って旅の思い出に1人1個。
高杯とお椀を頂戴する。
「大河原家(問屋)」のひな飾りは3月12日(日)まで通しで開催されている。
(つづく)

[DATA]
ゲストハウス吾野宿 & カフェレストラン
埼玉県飯能市坂石町分213

[Today's recommendation]

https://youtu.be/dH3GSrCmzC8




次号予告
料理にも北欧の世界観 【カフェ・プイスト】
2022.03.06
前記事の続きで、昼ごはん編。
簡単におさらいすると、「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」は1997年開園の飯能市の児童公園で、ムーミンの世界観を再現するというコンセプトのもと運営されている。
有名な「ムーミンバレーパーク」とは別施設で、こちらのほうが20年以上も歴史が長く、知る人ぞ知る的人気スポットである。

園内にある「Cafe Puisto(カフェ・プイスト)」は2018年オープン。
ほかの建物とともに丘陵の自然に溶け込み、ムーミン谷の景観をつくり出している。

ちなみに“Puisto”はフィンランド語で“公園”を表すとのこと。
東京都立公園売店も“Parks”だが、こっちのほうがだいぶハイセンスっぽい。

前記事に書いたようにハイキングコースを断念し、午前11時とちょっと早いがランチにしようと。
やはり前記事のように園内他施設同様こちらも土足禁止。
飯能の特産 “西川材”が内装に使われ、足の裏から木のぬくもりを感じてもらおうとの配慮かと。
店内は、入って右手がテーブル席のあるホールで、左はキッズスペースになっているもよう。
入店時点で先客はキッズスペースに1組で、ホールは貸し切り状態。
ラッキー♪
注文は、テリヤキチキンのオープンサンドと、ヤンソンフレステルセ(北欧のアンチョビグラタン)。
コンセプト的には一貫性を感じるが、ほかの建物のおとぎ話的要素の強さに比し、こちらは装飾やBGMなど現実世界っぽい。
ハイファンタジーとローファンタジーの違いというか、そもそも食べ物を扱っているというリアリティかも。
オープンサンドは“スモーブロー”と呼ばれる北欧の伝統料理。
北欧ブームのなか、料理の世界でも北欧文化は注目されつつあるらしい。

付け合わせはレタスサラダとキャロットラペ。
シンプルなサワードレッシングとラペのクミンの香りが食欲をそそる。

ヤンソンフレステルセ(“ヤンソンさんの誘惑”の意)のネーミングは、菜食主義の宗教家であったヤンソンさんが、あまりにおいしそうで誘惑に負けて食べてしまったことから(諸説あり)。

アンチョビとじゃがいもという鉄板コンビで、北欧の家庭料理らしくシンプルで素朴な味わい。
ライ麦のパンがよく合う。

もう少しゆっくりしたくなったので、追加で飯能産和紅茶とラムレーズンのシフォンケーキを頼む。

香り高い紅茶だが味は穏やかで、和紅茶とはこういうものかと知る。
大きなマグカップにたっぷり。
ケーキは甘さも食感も軽いので、食後でも難なく食べられる。

ソーサーに使われている皿がイッタラ;Iittalaだったり、ケーキを食べ終わるとムーミンのイラストが現れたり…。
楽しめるポイントいろいろ。

お店を出たのが12時近くで、結局、最後まで貸し切り状態。
外はずいぶん人出も増えているだけに不思議な感じがする。

目に見えない魔法がかかっているかのように。
[DATA]
カフェ・プイスト(Cafe Puisto)
埼玉県飯能市大字阿須893-1
https://cafepuisto.hiyorifarm.com/
https://www.facebook.com/cafepuisto/
https://www.instagram.com/cafe_puisto/
[Today's recommendation]



https://youtu.be/d3SEJSK_jqg
前記事の続きで、昼ごはん編。
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簡単におさらいすると、「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」は1997年開園の飯能市の児童公園で、ムーミンの世界観を再現するというコンセプトのもと運営されている。
有名な「ムーミンバレーパーク」とは別施設で、こちらのほうが20年以上も歴史が長く、知る人ぞ知る的人気スポットである。

園内にある「Cafe Puisto(カフェ・プイスト)」は2018年オープン。
ほかの建物とともに丘陵の自然に溶け込み、ムーミン谷の景観をつくり出している。

ちなみに“Puisto”はフィンランド語で“公園”を表すとのこと。
東京都立公園売店も“Parks”だが、こっちのほうがだいぶハイセンスっぽい。

前記事に書いたようにハイキングコースを断念し、午前11時とちょっと早いがランチにしようと。
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やはり前記事のように園内他施設同様こちらも土足禁止。
飯能の特産 “西川材”が内装に使われ、足の裏から木のぬくもりを感じてもらおうとの配慮かと。
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店内は、入って右手がテーブル席のあるホールで、左はキッズスペースになっているもよう。
入店時点で先客はキッズスペースに1組で、ホールは貸し切り状態。
ラッキー♪
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注文は、テリヤキチキンのオープンサンドと、ヤンソンフレステルセ(北欧のアンチョビグラタン)。
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コンセプト的には一貫性を感じるが、ほかの建物のおとぎ話的要素の強さに比し、こちらは装飾やBGMなど現実世界っぽい。
ハイファンタジーとローファンタジーの違いというか、そもそも食べ物を扱っているというリアリティかも。
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オープンサンドは“スモーブロー”と呼ばれる北欧の伝統料理。
北欧ブームのなか、料理の世界でも北欧文化は注目されつつあるらしい。

付け合わせはレタスサラダとキャロットラペ。
シンプルなサワードレッシングとラペのクミンの香りが食欲をそそる。

ヤンソンフレステルセ(“ヤンソンさんの誘惑”の意)のネーミングは、菜食主義の宗教家であったヤンソンさんが、あまりにおいしそうで誘惑に負けて食べてしまったことから(諸説あり)。

アンチョビとじゃがいもという鉄板コンビで、北欧の家庭料理らしくシンプルで素朴な味わい。
ライ麦のパンがよく合う。

もう少しゆっくりしたくなったので、追加で飯能産和紅茶とラムレーズンのシフォンケーキを頼む。

香り高い紅茶だが味は穏やかで、和紅茶とはこういうものかと知る。
大きなマグカップにたっぷり。
ケーキは甘さも食感も軽いので、食後でも難なく食べられる。

ソーサーに使われている皿がイッタラ;Iittalaだったり、ケーキを食べ終わるとムーミンのイラストが現れたり…。
楽しめるポイントいろいろ。

お店を出たのが12時近くで、結局、最後まで貸し切り状態。
外はずいぶん人出も増えているだけに不思議な感じがする。

目に見えない魔法がかかっているかのように。
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[DATA]
カフェ・プイスト(Cafe Puisto)
埼玉県飯能市大字阿須893-1



[Today's recommendation]



https://youtu.be/d3SEJSK_jqg