関東(ry) ロード ―5 【手打ちうどん・そば 子亀】
2022.08.07
相方の実家らへんの北埼玉・北関東グルメを楽しむシリーズ。
北埼玉・北関東グルメというか過去4回すべてうどん(「登治うどん」「おぎの屋」「高田屋」「つかさ」参照)で、そのあたりで食べるものって、うどんくらいしかないんじゃないの?(←暴言)
いやいや、そんなことありません。
「モラージュ(菖蒲)の近くにある古民家カフェに行ってみたいんだけど」
と相方。
「ああ、あの体によさそうな。行ったことないけど評判いいみたいよ」
「最近多いよね、古民家リノベで体によさそうな料理出すとこ」
「古河にもそういうのがあって、なかなかよかったよ。デザートも全然甘くないの。体によさそうなもの使ってて」
と言う人々。
誰も何も肯定も否定もしてないが、空気感がビミョー ( ̄- ̄;)ンー

たしかに家で使う食材にはこだわるが、それだけに考え方のちょっとした違いでもスルーできなかったりして、受け身で接することの難しさを感じる。食材単位ならいいが、料理となると――というような“体によさそうなもの”に対する潜在意識に、はからずも向き合わされたというか。
「そのカフェには昼ごはんというより、あとで買い物に寄ってみようか」
ということで昼ごはんは、うどん (_ _,) ドタッ

北埼玉・北関東とは、埼玉県加須市を中心とするエリアを指している。
加須はうどんどころとして知られるが、個人的に加須のうどん店として真っ先に思い浮かぶのが「子亀」。実家で最初に教えてもらったお店であり、食べに行ったが定休日で別のお店になった… というのが、シリーズのプロローグとなっている。
ずっと気になっていたが、その後も閉まっているか混んでいるかで縁がないままだった。

12時前で店先に順番待ち数人。
感覚的には駐車場に入れられれば御の字という人気店なので、そのまま待つことに。
回転が速いのか、5分ほどで席に案内された。

――今から約300年前の江戸時代のなかば、利根川の渡舟場や不動岡にある總願寺の門前で参拝客をもてなしたのが、加須の手打うどん屋の始まりといわれています。(加須市HP)

なかでも夏の風物詩“冷汁うどん”は「農山漁村の郷土料理百選」(農林水産省選定)にも選ばれているれっきとした埼玉県(大宮・川越・加須)の郷土料理で、こちら「子亀」は外食産業のメニューとしての冷汁うどん発祥のお店なのだそうだ。

注文は当然、冷汁うどん。
「単品でよろしいですか?」
「…といいますと?」
「天ぷら、炊き込みご飯、お新香付きのセットがございます」
「セットでお願いします!」

もう1品は、もり野菜天うどん。
5~6分で提供。

加須のうどん店はどこもそうだが見込みでじゃんじゃんゆでている感じで、客を待たせない。
コシの強さとのど越しのよさ、そして長~いのが加須うどんの特徴だ。

冷汁うどんとは、白みそ・ごま・砂糖に青じそなどを加えすり鉢ですりだし汁でのばしたつゆで食べるつけうどんで、夏野菜のきゅうりやみょうがが添えられるというもの。

甘辛みそだれにきゅうりの青臭さが素朴なうどんによく合う。
山椒が効いていて、爽やかな香りに食欲がいや増す。

野菜天は、にんじんとごぼうで、どちらも拍子切りのような粗いカットのかき揚げだ。

相方によれば、天ぷらでもきんぴらでもこのあたりではこういう切り方をするそうで、ザクザクした歯ごたえと素材の風味が楽しめる。

冷汁もそうだが、僕には新鮮に映る食べ方も相方にとっては故郷の味・家庭の味。
そういう“異文化コミュニケーション”も、このシリーズの効能だったりする。
(つづく)

[DATA]
手打ちうどん・そば 子亀
埼玉県加須市諏訪1-15-6
https://www.kogame-udon.jp/
[Today's recommendation]



https://youtu.be/GJzq3dAEgIs
2022年8月8日永眠
相方の実家らへんの北埼玉・北関東グルメを楽しむシリーズ。
北埼玉・北関東グルメというか過去4回すべてうどん(「登治うどん」「おぎの屋」「高田屋」「つかさ」参照)で、そのあたりで食べるものって、うどんくらいしかないんじゃないの?(←暴言)
いやいや、そんなことありません。
「モラージュ(菖蒲)の近くにある古民家カフェに行ってみたいんだけど」
と相方。
「ああ、あの体によさそうな。行ったことないけど評判いいみたいよ」
「最近多いよね、古民家リノベで体によさそうな料理出すとこ」
「古河にもそういうのがあって、なかなかよかったよ。デザートも全然甘くないの。体によさそうなもの使ってて」
と言う人々。
誰も何も肯定も否定もしてないが、空気感がビミョー ( ̄- ̄;)ンー

たしかに家で使う食材にはこだわるが、それだけに考え方のちょっとした違いでもスルーできなかったりして、受け身で接することの難しさを感じる。食材単位ならいいが、料理となると――というような“体によさそうなもの”に対する潜在意識に、はからずも向き合わされたというか。
「そのカフェには昼ごはんというより、あとで買い物に寄ってみようか」
ということで昼ごはんは、うどん (_ _,) ドタッ

北埼玉・北関東とは、埼玉県加須市を中心とするエリアを指している。
加須はうどんどころとして知られるが、個人的に加須のうどん店として真っ先に思い浮かぶのが「子亀」。実家で最初に教えてもらったお店であり、食べに行ったが定休日で別のお店になった… というのが、シリーズのプロローグとなっている。
ずっと気になっていたが、その後も閉まっているか混んでいるかで縁がないままだった。

12時前で店先に順番待ち数人。
感覚的には駐車場に入れられれば御の字という人気店なので、そのまま待つことに。
回転が速いのか、5分ほどで席に案内された。

――今から約300年前の江戸時代のなかば、利根川の渡舟場や不動岡にある總願寺の門前で参拝客をもてなしたのが、加須の手打うどん屋の始まりといわれています。(加須市HP)

なかでも夏の風物詩“冷汁うどん”は「農山漁村の郷土料理百選」(農林水産省選定)にも選ばれているれっきとした埼玉県(大宮・川越・加須)の郷土料理で、こちら「子亀」は外食産業のメニューとしての冷汁うどん発祥のお店なのだそうだ。

注文は当然、冷汁うどん。
「単品でよろしいですか?」
「…といいますと?」
「天ぷら、炊き込みご飯、お新香付きのセットがございます」
「セットでお願いします!」

もう1品は、もり野菜天うどん。
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5~6分で提供。

加須のうどん店はどこもそうだが見込みでじゃんじゃんゆでている感じで、客を待たせない。
コシの強さとのど越しのよさ、そして長~いのが加須うどんの特徴だ。

冷汁うどんとは、白みそ・ごま・砂糖に青じそなどを加えすり鉢ですりだし汁でのばしたつゆで食べるつけうどんで、夏野菜のきゅうりやみょうがが添えられるというもの。

甘辛みそだれにきゅうりの青臭さが素朴なうどんによく合う。
山椒が効いていて、爽やかな香りに食欲がいや増す。

野菜天は、にんじんとごぼうで、どちらも拍子切りのような粗いカットのかき揚げだ。

相方によれば、天ぷらでもきんぴらでもこのあたりではこういう切り方をするそうで、ザクザクした歯ごたえと素材の風味が楽しめる。

冷汁もそうだが、僕には新鮮に映る食べ方も相方にとっては故郷の味・家庭の味。
そういう“異文化コミュニケーション”も、このシリーズの効能だったりする。
(つづく)

[DATA]
手打ちうどん・そば 子亀
埼玉県加須市諏訪1-15-6

[Today's recommendation]



https://youtu.be/GJzq3dAEgIs
2022年8月8日永眠
関東(ry) ロード ―4 【つかさ】
2020.11.18
埼玉県北部の実家に帰っている相方を迎えに上がった。
例年、正月に顔を出しているが、それがはばかられる情勢というのも十分想定されることから、行けるときに行っておこうという判断が働いたもよう。
片道2時間近い電車の行程を往復というのはさすがにリスキーなので、帰りは車でということで仕事を調整させてもらった次第。
昼ごろに到着して現地で昼食をとるというのが最近のパターン。うどんどころ加須に近いので、せっかくだからと、暗黙のうちにうどん店めぐりみたいになっている(「登治うどん」「おぎの屋 板倉店」「高田屋」参照)。
ところで今回、9月に偶然訪れた相方の同級生のお店の本家にあたるおそば屋さんに入ることも考えたが、駐車場段階ですでに車があふれていて、断念。

その状況は加須市街地に入っても同様で、そもそもお店を知らないけれども旧R125沿いなどにはうどん店がたくさんあるから、入れそうなところに適当に入るつもりで走ってみたが、どこも車でいっぱいだ。
それでも行ったり来たりしているうちに昼のピークも過ぎ、なんとか駐車場の大きい老舗っぽい店構えの「つかさ」というお店に入店。

店内はテーブル席と道路側の明るい窓際の座敷席。

席はほぼ埋まっていたが1人客も多く、密な感じはない。
座敷に1卓空きがあった。

注文は、けんちんうどん1090円、つかさセット930円。
で、15分後、「お待たせしました。鍋焼きうどんです」と。
「ん? えーと、けんちんうどんと…」
「あ、けんちんうどん、終わってしまって…」
けんちんうどんが売り切れたら自動的に鍋焼きうどんにスライドするシステムかどうかは不明だが、こういうお店だと「なんか、おおらかだなぁ…(*´ー`)」と(笑)、ネガティブな印象と映らないところが不思議だ。
実際、けんちんでもみそ煮込みでも鍋焼きでもかまわなかったし。
あらためて、鍋焼きうどん(松)1090円。

鉄鍋で煮込んであるが、うどんは驚くほどコシが強い。

やや平打ちでよじりの入った関東の田舎うどんそのものの見た目で、一本一本が長いのは加須で最初に入った「登治うどん」と同様。

えび天、干ししいたけ、えのき、たけのこ、ねぎ、ほうれんそう、かしわ、ゆで卵、かまぼこと具の構成も申し分なく、お値段以上の満足度、保証です👍

つかさセットの麺は冷たいうどんを選択。

天ぷらは、かき揚げとれんこん。

サラダ、天ぷら、フルーツのセットでこの値段だから、鍋焼きもそうだがこのお店はかなりコスパが優れている。

鍋焼きでそうなんだから冷たいうどんのコシは当然強烈で、経験上そう思えないビジュアルとのギャップが新鮮だ。

われわれには観光であっても、客層は勤め人風が多く、土地の日常生活に根差している感じを受ける。
うどんのまち加須の真実であろう。

[DATA]
つかさ
埼玉県加須市浜町3-13
[Today's recommendation]



https://youtu.be/qap9Qm-Q894
埼玉県北部の実家に帰っている相方を迎えに上がった。
例年、正月に顔を出しているが、それがはばかられる情勢というのも十分想定されることから、行けるときに行っておこうという判断が働いたもよう。
片道2時間近い電車の行程を往復というのはさすがにリスキーなので、帰りは車でということで仕事を調整させてもらった次第。
昼ごろに到着して現地で昼食をとるというのが最近のパターン。うどんどころ加須に近いので、せっかくだからと、暗黙のうちにうどん店めぐりみたいになっている(「登治うどん」「おぎの屋 板倉店」「高田屋」参照)。
ところで今回、9月に偶然訪れた相方の同級生のお店の本家にあたるおそば屋さんに入ることも考えたが、駐車場段階ですでに車があふれていて、断念。

その状況は加須市街地に入っても同様で、そもそもお店を知らないけれども旧R125沿いなどにはうどん店がたくさんあるから、入れそうなところに適当に入るつもりで走ってみたが、どこも車でいっぱいだ。
それでも行ったり来たりしているうちに昼のピークも過ぎ、なんとか駐車場の大きい老舗っぽい店構えの「つかさ」というお店に入店。

店内はテーブル席と道路側の明るい窓際の座敷席。

席はほぼ埋まっていたが1人客も多く、密な感じはない。
座敷に1卓空きがあった。

注文は、けんちんうどん1090円、つかさセット930円。
で、15分後、「お待たせしました。鍋焼きうどんです」と。
「ん? えーと、けんちんうどんと…」
「あ、けんちんうどん、終わってしまって…」
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けんちんうどんが売り切れたら自動的に鍋焼きうどんにスライドするシステムかどうかは不明だが、こういうお店だと「なんか、おおらかだなぁ…(*´ー`)」と(笑)、ネガティブな印象と映らないところが不思議だ。
実際、けんちんでもみそ煮込みでも鍋焼きでもかまわなかったし。
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あらためて、鍋焼きうどん(松)1090円。

鉄鍋で煮込んであるが、うどんは驚くほどコシが強い。

やや平打ちでよじりの入った関東の田舎うどんそのものの見た目で、一本一本が長いのは加須で最初に入った「登治うどん」と同様。

えび天、干ししいたけ、えのき、たけのこ、ねぎ、ほうれんそう、かしわ、ゆで卵、かまぼこと具の構成も申し分なく、お値段以上の満足度、保証です👍

つかさセットの麺は冷たいうどんを選択。

天ぷらは、かき揚げとれんこん。

サラダ、天ぷら、フルーツのセットでこの値段だから、鍋焼きもそうだがこのお店はかなりコスパが優れている。

鍋焼きでそうなんだから冷たいうどんのコシは当然強烈で、経験上そう思えないビジュアルとのギャップが新鮮だ。

われわれには観光であっても、客層は勤め人風が多く、土地の日常生活に根差している感じを受ける。
うどんのまち加須の真実であろう。

[DATA]
つかさ
埼玉県加須市浜町3-13
[Today's recommendation]



https://youtu.be/qap9Qm-Q894
関東(ry) ロード ―3 【高田屋】
2020.03.21
シリーズ3本目。
1本目は2018年5月3日、2本目は2019年8月15日、そして今回3月21日。GW、お盆、お彼岸と、共通するのは帰省シーズンということであり、埼玉県北部の相方の実家にあいさつがてら加須に代表される北関東のうどんどころを巡ろう… というのが企画趣旨。もちろん後付けの趣旨である。
今回、意外なところから情報が飛び出した。
おみやげをたくさんいただいて、お暇しようとすると、「ご飯、どこかで食べていくんかい?」と相方のお母さん。「私ら若いころ、みんな『高田屋』で食べてたんだよ。あそこのうどんはおいしいって言って」
私ら若いころっていったら、相当なものである。
加須の駅の近くらしい。
「まだやってるかどうかわかんないけどさ」というが、ググッてみると、まだやってるらしい。
これは行くしかないでしょう。

食べログ情報によれば、駐車スペースはお店の前に3台、ちょっと離れたところにも数台分あってそっちのほうが止めやすいとのことで、そちらの駐車場を探しつつ走る。

昔、実家の行き帰りにこの道を通っていたことを思い出した。
加須のうどん屋、一回入ってみたいなぁ… と横目で見ていたうどん屋の一つが、位置的にこの「高田屋」であった可能性が高い。

テーブルが4卓、奥に小上がり2卓、ゆったり配置してある。
小上がり席1つだけ空いており、そちらへ。

うどんだけでなくそばもあるのが、ちょっと意外。
野菜天ぷらうどん以外はうどんどころっぽさの感じられないメニュー構成で、なんだか立ち食いそば屋のようでもある。

野菜天2つではおもしろくないので、もう1品はこういうところではあまり頼むことのない海老天ぷらうどんに。
冷たいのかあったかいのかと聞かれ、あったかいのに。

で、出てきたのがコレ。

かけうどんタイプの天ぷらうどんである。
あちゃー… と思いました。

北関東のうどん文化の基本はつけ汁うどんであるというようなことはWikipediaにも書いてあるし、僕らの価値観の基準となる東村山の「ますや」では「冷たいの?」とおばちゃんに聞かれて「冷たいの」と答えるオーダーシステムで、「冷たいの?」と聞かれて「あったかいの」と答えると温盛りが出てくることになっていることからくる思い込みもあって、温盛りが出てくるものと思っていた。

かけタイプだけに、第一印象はかなりやわい感じのうどんである。
でもちゃんと芯はあって、かみ締めてしみじみくる。
うどんが長いのは同じ加須の「登治うどん」と共通するが、つるっとしたのど越しは群馬の水沢うどんを思わせる。

野菜天というが、タマネギオンリー。
汁は野菜天と海老天で違っていて、野菜のほうはネギと油揚げが入る。
基本、どちらもべったり甘く田舎くさいが、野菜天のほうがネギが入る分、より甘みが強くなって、昔ながらのこのあたりのうどんっぽい… と相方さん。

お客さんはみな常連。
常連というかご近所さん的な世間話が飛び交っていて、それがわれわれいちげん客をもくつろがせてくれる。
半世紀前も、こんな感じだったんだろうなぁ…。

[DATA]
高田屋
埼玉県加須市睦町1-5-22
[Today's recommendation]



https://youtu.be/1vrEljMfXYo


背後の煙は渡良瀬遊水地のヨシ焼き。戦場かと思った…
シリーズ3本目。
1本目は2018年5月3日、2本目は2019年8月15日、そして今回3月21日。GW、お盆、お彼岸と、共通するのは帰省シーズンということであり、埼玉県北部の相方の実家にあいさつがてら加須に代表される北関東のうどんどころを巡ろう… というのが企画趣旨。もちろん後付けの趣旨である。
今回、意外なところから情報が飛び出した。
おみやげをたくさんいただいて、お暇しようとすると、「ご飯、どこかで食べていくんかい?」と相方のお母さん。「私ら若いころ、みんな『高田屋』で食べてたんだよ。あそこのうどんはおいしいって言って」
私ら若いころっていったら、相当なものである。
加須の駅の近くらしい。
「まだやってるかどうかわかんないけどさ」というが、ググッてみると、まだやってるらしい。
これは行くしかないでしょう。

食べログ情報によれば、駐車スペースはお店の前に3台、ちょっと離れたところにも数台分あってそっちのほうが止めやすいとのことで、そちらの駐車場を探しつつ走る。

昔、実家の行き帰りにこの道を通っていたことを思い出した。
加須のうどん屋、一回入ってみたいなぁ… と横目で見ていたうどん屋の一つが、位置的にこの「高田屋」であった可能性が高い。

テーブルが4卓、奥に小上がり2卓、ゆったり配置してある。
小上がり席1つだけ空いており、そちらへ。

うどんだけでなくそばもあるのが、ちょっと意外。
野菜天ぷらうどん以外はうどんどころっぽさの感じられないメニュー構成で、なんだか立ち食いそば屋のようでもある。

野菜天2つではおもしろくないので、もう1品はこういうところではあまり頼むことのない海老天ぷらうどんに。
冷たいのかあったかいのかと聞かれ、あったかいのに。

で、出てきたのがコレ。

かけうどんタイプの天ぷらうどんである。
あちゃー… と思いました。

北関東のうどん文化の基本はつけ汁うどんであるというようなことはWikipediaにも書いてあるし、僕らの価値観の基準となる東村山の「ますや」では「冷たいの?」とおばちゃんに聞かれて「冷たいの」と答えるオーダーシステムで、「冷たいの?」と聞かれて「あったかいの」と答えると温盛りが出てくることになっていることからくる思い込みもあって、温盛りが出てくるものと思っていた。

かけタイプだけに、第一印象はかなりやわい感じのうどんである。
でもちゃんと芯はあって、かみ締めてしみじみくる。
うどんが長いのは同じ加須の「登治うどん」と共通するが、つるっとしたのど越しは群馬の水沢うどんを思わせる。

野菜天というが、タマネギオンリー。
汁は野菜天と海老天で違っていて、野菜のほうはネギと油揚げが入る。
基本、どちらもべったり甘く田舎くさいが、野菜天のほうがネギが入る分、より甘みが強くなって、昔ながらのこのあたりのうどんっぽい… と相方さん。

お客さんはみな常連。
常連というかご近所さん的な世間話が飛び交っていて、それがわれわれいちげん客をもくつろがせてくれる。
半世紀前も、こんな感じだったんだろうなぁ…。

[DATA]
高田屋
埼玉県加須市睦町1-5-22
[Today's recommendation]



https://youtu.be/1vrEljMfXYo


背後の煙は渡良瀬遊水地のヨシ焼き。戦場かと思った…
関東(ry) うどんロード 【登治うどん】
2018.05.03
GWやお盆休みなんかの連休のとき、相方は休みに入る前日に都心の職場からそのまま電車で埼玉県北部の実家に帰り、翌日僕が車で迎えに行くというパターンをとることが最近多い。
このGWは5月2~3日をそのように設定してあった。

せっかく出かけるのだから、どこかそっち方面で外食したらどうかと考えた。
3日の朝、早めに出て昼前に実家に着くようにして、早めに帰路に就いて途中で昼食をとるという計画。
ということで8時半に出発。
途中、小江戸・川越の“蔵造りの町並み”の真ん中でクルマの走行距離が大台に乗る。
そろそろ買い替えのタイミングかなぁ… って、ケタまちがえてませんかぁー!?(笑)

いつも通る道沿いに古い郊外型のラーメン屋がいくつか残っていて、はじめお昼ごはんにそういうところを考えていたが、走っているうちに、せっかくならもっと名物っぽいものにしたほうがいいんじゃないかという考えが膨らんでいった。
そう、実家は“うどんの町・加須”に近いのである。
10時半ごろ到着。
僕が言うまでもなく、相方はちゃんとそのように話を進めていた。

家長である相方のお兄さんに、おいしいうどん店を教えてもらい、いつものようにお土産をいっぱいもらって実家をあとにする。
すぐにお兄さんから電話。
「そのお店、木曜定休日だったって」と相方。「でも祝日だからやってるかもしれないし、休みだったらその先にもうどん屋あるっていうから、行くだけ行ってみよう」

国道125号線の旧道というのかな、加須市役所の南の通り。
最初に教えてもらったお店はやはり休みで、そのまま西へ。すぐに電話で教わった「登治うどん」が見えてくる。
駐車場が広く、どんどんお客さんが入り、ファミレスやドライブインのニュアンスがなくもないが、板壁造りの昔の料理屋のような外観は非常に趣がある。

最近リフォームしたと思われる普通の民家のような趣のない引き戸を開けて入店。

店内は広く、テーブル席が3×3列、東と南が小上がりになっていて各3卓。
店員さんは… なんかいっぱいいる。
駐車場に面した窓際のテーブル席へご案内。

メニューを見ながら「天ぷらざるうどんとか、どうかな?」とお伺いを立てると、「このあたりじゃ、もともと海老天なんか食べないよ」と元・地元民に却下される。
で、このあたりの人が好んで食するというけんちん汁とうどんを組み合わせた“けんちんうどん”770円と、もう一品は“鴨汁うどん”750円に。
加須がうどんどころということは、当然いま住んでいる町に引っ越してくる前から知っていたわけで、となると武蔵野うどんを認知するだいぶ前に加須うどんの存在がインプットされていたことになる。
にもかかわらず、これまで一度も食べたことはなかった。
それはちょっとまずいんじゃないかと、いまになってヒヤヒヤしている。

注文から6~7分で鴨汁うどんの配膳。
提供時間は素早いが、ゆで上げのしっかりしたコシがあるので、ある程度見込みでゆでているのかもしれない。

武蔵野うどんによく似た不ぞろいでよじれの入ったごわごわ系とでもいうか。
灰色味は強くなく、特徴はものすごく長いところ。

こっちはそばにすればよかったか…? と注文後にモヤモヤしていたが、甘めの味付けの鴨汁なので、うどんのほうが合うと思う。

けんちんうどんという食べ物を進んで頼もうと思うことは、普段はまずない。
しかしこのけんちんうどん、非常においしい。
やはり地元民(相方)の教育的指導には素直に従うべき。

大根、にんじん、ごぼう、しいたけ、里芋に、豚肉、油揚げ、さつま揚げ――。
根菜の土っぽさと小麦の風味の相性のよさは、自宅近所のうどん屋で思い知らされている。豚肉が入ることで肉汁うどんテイストも。
考えてみれば、武蔵野うどん好きにとってこれがおいしくないわけがない。
やはり同じ関東内陸文化圏というか、加須うどんと武蔵野うどんは共通するところが多い。
通底するのは、大地の恵みをいただく感謝と喜びなのだと思った。

[DATA]
登治うどん
埼玉県加須市大門町19-27
[Today's recommendation]

https://www.youtube.com/watch?v=geB6pudWpBA


GWやお盆休みなんかの連休のとき、相方は休みに入る前日に都心の職場からそのまま電車で埼玉県北部の実家に帰り、翌日僕が車で迎えに行くというパターンをとることが最近多い。
このGWは5月2~3日をそのように設定してあった。

せっかく出かけるのだから、どこかそっち方面で外食したらどうかと考えた。
3日の朝、早めに出て昼前に実家に着くようにして、早めに帰路に就いて途中で昼食をとるという計画。
ということで8時半に出発。
![]() | ![]() |
途中、小江戸・川越の“蔵造りの町並み”の真ん中でクルマの走行距離が大台に乗る。
そろそろ買い替えのタイミングかなぁ… って、ケタまちがえてませんかぁー!?(笑)

いつも通る道沿いに古い郊外型のラーメン屋がいくつか残っていて、はじめお昼ごはんにそういうところを考えていたが、走っているうちに、せっかくならもっと名物っぽいものにしたほうがいいんじゃないかという考えが膨らんでいった。
そう、実家は“うどんの町・加須”に近いのである。
10時半ごろ到着。
僕が言うまでもなく、相方はちゃんとそのように話を進めていた。

家長である相方のお兄さんに、おいしいうどん店を教えてもらい、いつものようにお土産をいっぱいもらって実家をあとにする。
すぐにお兄さんから電話。
「そのお店、木曜定休日だったって」と相方。「でも祝日だからやってるかもしれないし、休みだったらその先にもうどん屋あるっていうから、行くだけ行ってみよう」

国道125号線の旧道というのかな、加須市役所の南の通り。
最初に教えてもらったお店はやはり休みで、そのまま西へ。すぐに電話で教わった「登治うどん」が見えてくる。
駐車場が広く、どんどんお客さんが入り、ファミレスやドライブインのニュアンスがなくもないが、板壁造りの昔の料理屋のような外観は非常に趣がある。

最近リフォームしたと思われる普通の民家のような趣のない引き戸を開けて入店。

店内は広く、テーブル席が3×3列、東と南が小上がりになっていて各3卓。
店員さんは… なんかいっぱいいる。
駐車場に面した窓際のテーブル席へご案内。

メニューを見ながら「天ぷらざるうどんとか、どうかな?」とお伺いを立てると、「このあたりじゃ、もともと海老天なんか食べないよ」と元・地元民に却下される。
で、このあたりの人が好んで食するというけんちん汁とうどんを組み合わせた“けんちんうどん”770円と、もう一品は“鴨汁うどん”750円に。
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加須がうどんどころということは、当然いま住んでいる町に引っ越してくる前から知っていたわけで、となると武蔵野うどんを認知するだいぶ前に加須うどんの存在がインプットされていたことになる。
にもかかわらず、これまで一度も食べたことはなかった。
それはちょっとまずいんじゃないかと、いまになってヒヤヒヤしている。

注文から6~7分で鴨汁うどんの配膳。
提供時間は素早いが、ゆで上げのしっかりしたコシがあるので、ある程度見込みでゆでているのかもしれない。

武蔵野うどんによく似た不ぞろいでよじれの入ったごわごわ系とでもいうか。
灰色味は強くなく、特徴はものすごく長いところ。

こっちはそばにすればよかったか…? と注文後にモヤモヤしていたが、甘めの味付けの鴨汁なので、うどんのほうが合うと思う。

けんちんうどんという食べ物を進んで頼もうと思うことは、普段はまずない。
しかしこのけんちんうどん、非常においしい。
やはり地元民(相方)の教育的指導には素直に従うべき。

大根、にんじん、ごぼう、しいたけ、里芋に、豚肉、油揚げ、さつま揚げ――。
根菜の土っぽさと小麦の風味の相性のよさは、自宅近所のうどん屋で思い知らされている。豚肉が入ることで肉汁うどんテイストも。
考えてみれば、武蔵野うどん好きにとってこれがおいしくないわけがない。
やはり同じ関東内陸文化圏というか、加須うどんと武蔵野うどんは共通するところが多い。
通底するのは、大地の恵みをいただく感謝と喜びなのだと思った。

[DATA]
登治うどん
埼玉県加須市大門町19-27
[Today's recommendation]

https://www.youtube.com/watch?v=geB6pudWpBA

