ここはサンクチュアリ 【小根山森林公園・野鳥の森】
2023.05.05
前号あらすじ――
小根山森林公園・野鳥の森にエビネを見に来たわれわれだが、施設内の「鳥獣資料館」を見学しているうちに管理事務所が空っぽになってしまい、エビネの自生場所を聞き損じたことに気づき、ぼうぜんと立ち尽くす。

とりあえず“順路➔”に従って歩くしかないけど。
…と、歩き始めて数十メートル、“エビネ➔”の誘導プラカード。

やれやれ、一時はどうなることかと思った (; ̄∇ ̄A

あらためて、いざ行かん。
クマさんの森へ! ゞ( ̄∇ ̄;)

“園内樹木の見どころマップ”で説明すると、「鳥獣資料館」→🅿→現在地から、緑色の道を右に歩いている(下る)。
道幅が広く、林道として整備された感じである。
まもなく左手に“⬅エビネ”のプラカード。

誘導に沿って道をそれると、すぐにそれはあった。

林道間際といってもいいような位置で、ちょっと意外… というか拍子抜け?

ちょっとした群生だが、花茎の上がっている株は少ない。
いい感じに咲いているのが1株。花は淡色系。
初めて見た野生のエビネ。
かなり感動。
しかしまだまだこんなものじゃなかったのである。

そのままぶらぶら林道を歩くと、見晴らし台が見えてくる。
以前、レクリエーション公園的に整備されたらしいことをうかがわせる設備である。

上がってみるとギシギシ危なっかしい。
パノラマ看板の傷み具合がすごい。木々が繁茂し、小窓ほどしか展望が利かない💦

見晴らし台の下にもプラカード。
その先に軽トラックが止まっていて、脇には先ほど管理事務所にいたおじさん。下草刈りの監督をしておられる。

僕らのことを覚えていて、親切に案内してくださった。
「どうぞ、ご覧ください」と指し示す先には、見事な大株が!


「不思議なことに、いい花はこういう大株にならないんです」と管理人さん。
で、教えてもらった“いい花”というのが単独で立っている花茎で👇 まだつぼみだが咲けば見事な赤花なのだそうだ。

「このへんはまだつぼみですが、この先の群生地は南斜面で、ちょうど見ごろに咲いてますよ」と管理人さん。「いいですか、矢印を右に曲がります。曲がってすぐ右側。“素心”があります!」
「それは楽しみ!」

と下っていった最後の群生地がすごかった。

上の“園内樹木の見どころマップ”でいうと、「ヤマドリの森」の下のT字路を⑨方向へ下る斜面。

一面に大株・子株、花色も濃淡さまざまなエビネまたエビネ!
教えてもらった素心を探してみる。
素心とは突然変異のいわゆるアルビノで、赤色のアントシアニン色素の抜けた清楚な白花のこと。
素心、ありました!
ここはまるでサンクチュアリ。
悲しいことに盗掘が後を絶たないらしい。
あえてプラカードで目立つようにして、人も集まるようにすることで、“人目”という抑止力になることを期待していると、管理人さんは言う。
ただし、こう付け加える。
「私がここに来てからだけでも5~6人は逮捕されてます」
森林法(昭和26年法律第249号)第197条:森林においてその産物(人工を加えたものを含む。)を窃取した者は、森林窃盗とし、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
(ただし、保安林の区域内において犯したものであるときは、5年以下の懲役または50万円以下の罰金に処される)
(つづく)

[DATA]
小根山森林公園・野鳥の森 鳥獣資料館
群馬県安中市松井田町横川国有林
https://www.city.annaka.lg.jp/kanko_spot/oneyama.html
[Today's recommendation]

https://youtu.be/Bf8rE8cT1E0




次号予告
前号あらすじ――
小根山森林公園・野鳥の森にエビネを見に来たわれわれだが、施設内の「鳥獣資料館」を見学しているうちに管理事務所が空っぽになってしまい、エビネの自生場所を聞き損じたことに気づき、ぼうぜんと立ち尽くす。

とりあえず“順路➔”に従って歩くしかないけど。
…と、歩き始めて数十メートル、“エビネ➔”の誘導プラカード。

やれやれ、一時はどうなることかと思った (; ̄∇ ̄A

あらためて、いざ行かん。
クマさんの森へ! ゞ( ̄∇ ̄;)

“園内樹木の見どころマップ”で説明すると、「鳥獣資料館」→🅿→現在地から、緑色の道を右に歩いている(下る)。
道幅が広く、林道として整備された感じである。
まもなく左手に“⬅エビネ”のプラカード。

誘導に沿って道をそれると、すぐにそれはあった。

林道間際といってもいいような位置で、ちょっと意外… というか拍子抜け?

ちょっとした群生だが、花茎の上がっている株は少ない。
いい感じに咲いているのが1株。花は淡色系。
![]() | ![]() |
初めて見た野生のエビネ。
かなり感動。
しかしまだまだこんなものじゃなかったのである。

そのままぶらぶら林道を歩くと、見晴らし台が見えてくる。
以前、レクリエーション公園的に整備されたらしいことをうかがわせる設備である。

上がってみるとギシギシ危なっかしい。
パノラマ看板の傷み具合がすごい。木々が繁茂し、小窓ほどしか展望が利かない💦

見晴らし台の下にもプラカード。
その先に軽トラックが止まっていて、脇には先ほど管理事務所にいたおじさん。下草刈りの監督をしておられる。

僕らのことを覚えていて、親切に案内してくださった。
「どうぞ、ご覧ください」と指し示す先には、見事な大株が!


「不思議なことに、いい花はこういう大株にならないんです」と管理人さん。
で、教えてもらった“いい花”というのが単独で立っている花茎で👇 まだつぼみだが咲けば見事な赤花なのだそうだ。

「このへんはまだつぼみですが、この先の群生地は南斜面で、ちょうど見ごろに咲いてますよ」と管理人さん。「いいですか、矢印を右に曲がります。曲がってすぐ右側。“素心”があります!」
「それは楽しみ!」

と下っていった最後の群生地がすごかった。

上の“園内樹木の見どころマップ”でいうと、「ヤマドリの森」の下のT字路を⑨方向へ下る斜面。

一面に大株・子株、花色も濃淡さまざまなエビネまたエビネ!
![]() | ![]() |
教えてもらった素心を探してみる。
素心とは突然変異のいわゆるアルビノで、赤色のアントシアニン色素の抜けた清楚な白花のこと。
素心、ありました!
![]() | ![]() |
ここはまるでサンクチュアリ。
悲しいことに盗掘が後を絶たないらしい。
あえてプラカードで目立つようにして、人も集まるようにすることで、“人目”という抑止力になることを期待していると、管理人さんは言う。
ただし、こう付け加える。
「私がここに来てからだけでも5~6人は逮捕されてます」
森林法(昭和26年法律第249号)第197条:森林においてその産物(人工を加えたものを含む。)を窃取した者は、森林窃盗とし、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
(ただし、保安林の区域内において犯したものであるときは、5年以下の懲役または50万円以下の罰金に処される)
(つづく)

[DATA]
小根山森林公園・野鳥の森 鳥獣資料館
群馬県安中市松井田町横川国有林

[Today's recommendation]

https://youtu.be/Bf8rE8cT1E0




次号予告
希少&奇勝の旅へ 【小根山森林公園・野鳥の森 鳥獣資料館】
2023.05.05
5月5日――
やはりGWなのでお出かけしたいところだが、前の夜いろいろ候補を検討したが決まらず、寝て起きても、やっぱり何も決まっておらず。
いつものように漠然とGoogleマップにカーソルを走らせる。
一昨日のコクランの余韻か、佐野かどこかにエビネの自生地があると昔聞いたことがあったことを思い出した。
エビネはコクランと同じラン科植物で、1970年代後半に一大ブームが起き乱獲により自生地はほぼ消失している。
“栃木_エビネ”などで検索しても思っているような場所は見つからず、代わりによくヒットしたのが小根山森林公園というところ。群馬県である。
でも自生といっても“公園”じゃ栽培ものじゃないの? と記事に斜めに目を走らせると、「公園内の群生地は4年前、園内で枯れ木の伐採中に職員が見つけた」(東京新聞 TOKYO Web、2020.5.20)とある。それはすごい!
マップで場所を確かめると、群馬といってもだいぶ長野県に近い。
心理的に、だいぶ遠いのであった。

エビネに後ろ髪引かれつつ、ガラッとテーマを変えて“神社”で探索。
3~4日前ニュースで見た妙義山の山開きというのを思い出し、妙義神社へのアクセスを何げなく調べてみる。
すると地図上で先の小根山森林公園と妙義神社はごく近いのである。
これってシンクロニシティ?
ということで、行き先が決まった。
朝7時すぎのことである。


“日本三奇勝”妙義山が見えてきた❕
実はGWも5月5日ともなれば道路も下り方面は混まないんじゃないか? という読みがあって栃木や群馬方面を調べていたわけで、実際、関越道/上信越道はほぼ渋滞はなく、9時すぎには小根山森林公園・野鳥の森の駐車場に着いていた。

2時間前、自宅でコーヒー飲みながらPCに向かっていたのが信じられない。

トイレを借りるため施設内に上がらせてもらうと、管理事務所と棟続きの建物は野生鳥獣の学習施設として使われているらしく、たくさん野生動物の剥製が展示されている。

まずはその「鳥獣資料館」を見学。
剥製の収蔵数は関東有数だそうだ。




そしていよいよエビネであるが…
元 外国産樹種の有用性試験地(前橋営林局小根山林業試験地)で現在は見本林として活用されている91haの広大な敷地をやみくもに歩き回っても、7年前まで未発見だったという自生地が見つかるはずもない。
管理事務所で聞こうと思ったが、まるで人の気配がない。


不安をあおる要素しか見当たらないように思えるが…💦
しまった。
さっき管理人のおじさんにトイレの場所を聞いたとき、どっちかというとエビネの場所を先に聞くべきだった (o ̄∇ ̄)o!!ガーン
ムダに長い前振りのせいで本題に到達しないままに…
(つづく)

[DATA]
小根山森林公園・野鳥の森 鳥獣資料館
群馬県安中市松井田町横川国有林
https://www.city.annaka.lg.jp/kanko_spot/oneyama.html
[Today's recommendation]

https://youtu.be/o5FPPoLqkCk




次号予告
5月5日――
やはりGWなのでお出かけしたいところだが、前の夜いろいろ候補を検討したが決まらず、寝て起きても、やっぱり何も決まっておらず。
いつものように漠然とGoogleマップにカーソルを走らせる。
一昨日のコクランの余韻か、佐野かどこかにエビネの自生地があると昔聞いたことがあったことを思い出した。
エビネはコクランと同じラン科植物で、1970年代後半に一大ブームが起き乱獲により自生地はほぼ消失している。
“栃木_エビネ”などで検索しても思っているような場所は見つからず、代わりによくヒットしたのが小根山森林公園というところ。群馬県である。
でも自生といっても“公園”じゃ栽培ものじゃないの? と記事に斜めに目を走らせると、「公園内の群生地は4年前、園内で枯れ木の伐採中に職員が見つけた」(東京新聞 TOKYO Web、2020.5.20)とある。それはすごい!
マップで場所を確かめると、群馬といってもだいぶ長野県に近い。
心理的に、だいぶ遠いのであった。

エビネに後ろ髪引かれつつ、ガラッとテーマを変えて“神社”で探索。
3~4日前ニュースで見た妙義山の山開きというのを思い出し、妙義神社へのアクセスを何げなく調べてみる。
すると地図上で先の小根山森林公園と妙義神社はごく近いのである。
これってシンクロニシティ?
ということで、行き先が決まった。
朝7時すぎのことである。


“日本三奇勝”妙義山が見えてきた❕
実はGWも5月5日ともなれば道路も下り方面は混まないんじゃないか? という読みがあって栃木や群馬方面を調べていたわけで、実際、関越道/上信越道はほぼ渋滞はなく、9時すぎには小根山森林公園・野鳥の森の駐車場に着いていた。

2時間前、自宅でコーヒー飲みながらPCに向かっていたのが信じられない。

トイレを借りるため施設内に上がらせてもらうと、管理事務所と棟続きの建物は野生鳥獣の学習施設として使われているらしく、たくさん野生動物の剥製が展示されている。

まずはその「鳥獣資料館」を見学。
剥製の収蔵数は関東有数だそうだ。




そしていよいよエビネであるが…
元 外国産樹種の有用性試験地(前橋営林局小根山林業試験地)で現在は見本林として活用されている91haの広大な敷地をやみくもに歩き回っても、7年前まで未発見だったという自生地が見つかるはずもない。
管理事務所で聞こうと思ったが、まるで人の気配がない。


不安をあおる要素しか見当たらないように思えるが…💦
しまった。
さっき管理人のおじさんにトイレの場所を聞いたとき、どっちかというとエビネの場所を先に聞くべきだった (o ̄∇ ̄)o!!ガーン
ムダに長い前振りのせいで本題に到達しないままに…
(つづく)

[DATA]
小根山森林公園・野鳥の森 鳥獣資料館
群馬県安中市松井田町横川国有林

[Today's recommendation]

https://youtu.be/o5FPPoLqkCk




次号予告