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街角の小さな… 【豊島屋】

2022.07.19

 このごろ街中華が気になる。

そもそもそういうものが好きで始めたブログであり、はじめのころは中華に限らず街蕎麦、街洋食、街カフェ… と、街角にたたずむ小さなお店を取り上げることが多かった。
それらは昭和の残照であり、同時代人として消えゆくものへの同情と共鳴から胸がうずくものがあるが、裏を返せば瘴気に当てられるのにも近く、共鳴が強すぎれば不浄なものを近寄せる。
――みたいな感覚で、距離感が大事かと。

近ごろ年齢的にそっち側に近くなったためか、やっぱり街中華が気になる。


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いま特に気になっているお店に向かう途中、むかし気になっていたお店を3軒も4軒も通過。
どれもこれも入りたくなった。
雨が降ってきたので途中で引き返し、往きに最初に通ったお店の前で自転車を止めた。


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駅でいえば東伏見と保谷の間、西武新宿線と池袋線の間を平行して通る碧山通り。
ショッピングセンター跡など商店街遺構に、昔から寿司と中華の暖簾が掛かっていた。
気がつけば中華屋さんだけが残っていた。

ずっと見ていたお店だが、「豊島屋」という名前を今日まで知らなかった。


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L字カウンター10席ほどの小さなお店で、ご高齢のおかあさんが切り盛りしている。

はじめ愛想のない人だなぁ… と。
僕の直後に入ったお客の「焼肉定食、ご飯少なめ」という注文に反応がなく、客どうし顔を見合わせて苦笑いしたほど。

なるべく大きい声で「ラーメンと餃子」と注文。


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定食のお新香を小皿にとって、ご飯をよそい、「ご飯これくらい?」「あ、もっと少なく」…、それから焼肉を皿に盛り付け、みそ汁の器を間違えてやり直して… と、1人の注文にずいぶん一生懸命なんだなぁ… と、思わず眺めてしまっていると、バチッと目が合った。
ニコッと相好を崩したその表情が、すごくかわいらしいのだった。


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はじめ無愛想に感じたのは、そのとき取り掛かっていた出前用の親子丼に全集中していたためで、実はよく声かけをし、よく笑い、非常に丁寧な接客をする。
ちなみに出前は息子さん? の年代に見える男性の受け持ち。


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まず餃子。
大きい餃子鍋で一人分だけ作っているので申し訳ない気持ちになるが、それだけに完璧な焼き上がり。


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ニラが多めで青っぽく見えるが、ニンニクのパンチもかなり効いている。
厚めの皮はカリッと&モチモチ、とてもおいしい餃子。


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ラーメンも鶏ガラスープの懐かしいお味。
変な甘味がなくシンプルにしょっぱいラーメン。
麺は想像より太めで、やわすぎない絶妙なゆで加減と申しましょうか。


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ラーメン450円、餃子(6個)330円と、価格設定もおそろしく昭和。
温かい気持ちでお店をあとにしたのである。


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いよいよ街中華が気になる。


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[DATA]
豊島屋
東京都西東京市中町3-12-24





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/G9xzZuVUE6o



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このお店も気になるが…


めぐるめぐるよ… 【名代にぼしラーメン 時代屋 保谷駅前店】

2022.05.10

 保谷駅南口のメイン通り(保谷新道)は道が狭いわりに交通量が多かったりバスが通っていたりとせわしなく自転車で走ることはめったにないが、先日、大泉学園9号踏切からなりゆきで西友前まで来てしまったとき、ふと「名代にぼしラーメン 時代屋」の看板が目に留まった。


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めったに通らないとはいえ過去数十回は通っているわけで、そのつど看板は見ているはずだが、これまでなんとも思わなかったものが急に気になりだした。

――この屋号のラーメン屋はいま、ここのほかにあるんだろうか?


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「時代屋」は、記憶が正しければ、ラーメンブーム初期のころの人気店で、渋谷の店を本店としてチェーン展開していた。
いまに続く煮干しブームの先がけ的存在で、一世を風靡した看板だが、いまやすっかり見かけなくなった。

この「時代屋 保谷駅前店」は、「どさん娘」「ふくちゃん」と同じにおいがする。いわゆるサバイバー的な?


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“食べる前に、まず一杯!!”と、券売機のコイン投入口上にドーンと (;^_^A
その背後に半分隠れてしまっている色あせた張り紙に“にぼしラーメンと半チャーハン”というものを発見。
ところが券売機のボタンにそのものを発見できず。


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「何にします?」
と、あたふたするワタシを見かねたお店のおかあさんが厨房から声をかける。
「このにぼしラーメンと半チャーハンというのは…」
「いちばん右の上から6番目か7番目。“にぼしラーメンセット”ってありますよね」
わっかりにくぅー…

じゃあ“にぼしラーメンと餃子4コと半…”とかって、どれよ?
聞かないと買えない食券システムって、どうよ ( ̄ω ̄;) ウーム


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曲線を描くカウンター16席ほど。


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先客に若い女性1人、後客にじいさん1人。
客どうしも、お店のおかあさんとも顔見知りの、常連昼飲み客であった。


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じいさんは入ってくるなり冷蔵庫からセルフでビール出して飲んでる。
このへんのルールが、サバイバーのにおいプンプン。


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ところで、「時代屋」には過去1回だけ入ったことがあるが、いつ、どこの店だったか覚えていない。
思い出す取っ掛かりすらないくらい、忘却の彼方。
〽そんな時代もあったねと~


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にぼしラーメンは太麺と細麺を選べ、太麺に。
いまどきの人気店に比べ、たぶんにぼしの香りはそう強くはない。
逆にいうと、鶏ガラなどとのバランスのとれた、ラーメンらしいラーメンだと思う。


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バラロールのチャーシューに、メンマ、ナルト、ノリ、ネギ。
魚介系でも混濁した濃厚なスープで、太麺で正解だったかも。


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チャーハンはしっかり炒めてあっておいしい。
作り方にしてもセットの脇役扱いではない感じで、ちゃんとしたもの。


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ラーメン屋から昼飲み屋へと進化するのには何らかの法則がありそうだ。
自分は昼飲みは(いまのところ)しないが、こういう雰囲気は大好き。
こんなご時世だけに、なおさらイイ感じに映る。


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[DATA]
名代にぼしラーメン 時代屋 保谷駅前店
東京都西東京市東町3-14-26





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/Ry_bpaKDcAo


ラーメンハウスという業態は… 【白龍】

2019.10.19

 先日、東伏見~西武柳沢エリアをうろうろしてなかなか店を決められずに昼ごはんを食いっぱぐれそうになり、必死に思い出した新青梅街道「リンガーハット」並びの渋いラーメン屋に入ろうと思ったが、見つけられなかった。
閉店しちゃったかなぁ…? とそのとき思ったものの釈然としないものがあり、本日再びランチ難民的状況に陥りそうになって、これも因果と範囲を広げて再捜索…。
という経過で、ほとんど意地で見つけ出したのが「ラーメンハウス 白龍」。

ラーメンハウスという表現法が昭和ですね (ーω-) ウンウン♪


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不思議に思うのが、自分で言うのもなんだが、こういうお店が好きな僕が普段は忘れていていざ入ろうと思ったら1回では見つけられなかったぐらい存在感の薄い(失礼)このお店が、10年、20年ではきかないだろうというくらいに存続しているということ。
情報化社会において表面化こそしていないが、実はこういうお店が好きな人はかなりの数いるんじゃないかと、少し心強く思った。


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安直に踏み込めるものではない… と思わせる外観から思い描いていたものとはだいぶ異なる店内、ピカピカと言っても過言ではない。
P字形というか前方後円というか、そういう形のカウンターのみ10数席。


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初老の店主1人体制のもよう。
注文は、しょうゆラーメンセット(しょうゆラーメン・餃子・小ライス・おしんこ)850円。


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2時近いこともあってか、先客はなし。
とにかく全部最初から、みたいなオペレーションで、電気を付けるところから始まって…(笑)。


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お店のきれいさと通じる要素だが、ご主人の仕事はすごくていねいで几帳面。
チャーシューとナルトを目の前で切り出している。
ちょっと前の記事で目の前で切り出したネギは香りがぜんぜん違うというようなことを書いているが、切りたてのナルトというのも… ヾ(・ω・o) ナワケアルカ!!


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餃子はやや小ぶりだが、手作り感いっぱい。
ニンニクとニラのパンチの効いたおいしい餃子である。


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そうこうするうちに、おかあさんが買い物から帰還。
それでようやく腑に落ちるところもあるが、この店内のきれいさは女性目線的とも思えるなぁ… と。


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ボリュームいっぱいでおなかいっぱい。
誰もが大好きな、こういうラーメン。


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[DATA]
白龍
東京都西東京市富士町1-13-11





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/Gf1WT8VEZxk


激変の団地の外れに郷愁の街中華 【昇龍】

2019.03.18

 子どものころからの床屋嫌いの自分にとって仕事が速いのは床屋の最高のサービスであり、「QBハウス」の登場は福音のように思われた。顔を覚えられるのが恥ずかしいのでしょっちゅう店を変えていた若いころのクセで、いまもQBハウスをローテーションしてしまう。ということで、久々の散髪はひばりが丘へ。


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散髪のあとはお昼ごはん。
床屋は「西友 ひばりが丘団地店」内にあり、その周りの商業エリアとひばりヶ丘駅を結ぶバス通り(中原通りというらしい)にある古めかしい中華料理店「昇龍」へ。


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この道は頻繁に通るので店舗外観は見続けてきたが、とにかく入りにくそうだなぁ… と(笑)。どの角度からも攻略の糸口が見つからないという難攻不落な店構えである。


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店頭の品書きでセットメニューの有無等を確認しつつ呼吸を整えて入店。


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当然のように先客なし。
ちょっと意表を突かれたような反応のおかあさん、ホールの電気をつけ、テレビのスイッチを入れ…。


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なんというか、昨日の「千曲食堂」にも負けないというか…。
店内はあらゆる角度、みごとに年輪を重ねてます。


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カウンターは物置状態で、テーブル2卓のみの小さいお店だ。
お店の人は年配のご夫婦?


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「昇龍」といえば上野の有名店が思い出されるけれども、もちろん関係ないとは思うが自信ないので断定はしない。
とは思うけれども、「昇龍」といえばやっぱりギョーザしか思い浮かばない。
ギョーザ絡みのセットは… と? 正油ラーメン+ギョーザセット780円しかないようだ。


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「えーと…」と、おかあさんは壁の品書きに注文の品を発見できず (; ^。^A ォィォィ…
注文後ややあって、「このセットでいいのよね…?」ともう一回確認された (-ω-;) ウーム…
出前主体なのか、来店客に慣れていなさそう、というか…。


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ラーメンは濃口しょうゆの清湯スープという東京ラーメンの王道スタイル。
トッピングのバランス感覚もよい。


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庇テントか暖簾の色が写り込んで赤っぽく見える。スミマセン…


麺は中太ストレート。肩ロースのチャーシューはかみしめると懐かしい味がする。


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ギョーザは、街中華としては大きめ。具はゆるい感じで野菜主体。
野菜の甘味にニラ、ショウガがキリッと効いている。


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この10年で大きく変わったひばりが丘団地と背中合わせな、何十年も変わらぬ姿のレッドリスト的存在。


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[DATA]
昇龍
東京都西東京市ひばりが丘2-8-4



[Today's recommendation]

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◆ 猫写真はこちら その1 その2 その3




https://youtu.be/BZGui6q-f6o

Vangelisの名作『China』のメーキング映像。見どころ(聴きどころ)は 05:57~『The Tao Of Love』


田無宿の変遷と意外な老舗中華 【仲達】

2019.03.10

 古地図散歩というものには非常に興味があるが、あれは主に大都市・江戸の名残を訪ねるものであり、都心に出るのもおっくうな人間にはなかなか実行する機会がない。
その代わりというとちょっと違うが、多摩地区のおもしろい歴史探索の手引がある。
『青梅街道田無 町並み変遷図』
(江戸)明治~現在の青梅街道田無宿における家々の移り変わりの記録である。


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『青梅街道田無 町並み変遷図』(編集:道の会、発行:近辻喜一)より。※年代は、現在:2015年、平成:1991年、昭和:昭和40年代(1968年)、戦後:昭和20年代(1950年)、大正:大正初期(1912年)、明治:明治初期(1876年)、江戸:江戸初期(1690年)


図中央を左右に通っているのが青梅街道で、道に面した上下が現在(2015年)の家並みである。
たとえば先日伺った「うなぎ 坂平」が右下に出てくるが、その横に「現在・平成・昭和・戦後・大正・明治・江戸」とあるように、街道から離れるにつれその土地の歴史をさかのぼるようになっている。「坂平」は少なくとも大正期には当地で店を開いていたことがわかる。隣の「広田豆腐店」(※2017年閉業)、その先の「野崎屋酒店」も同じくらい歴史がある。


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この冊子『青梅街道田無 町並み変遷図』と、上の「坂平」の記事で引用している『田無のむかし話』を併せて使うと、田無の街が違って見えてくるはずだ。
この2冊は去年田無の中央図書館で偶然お会いした近辻喜一さんに教えていただき、『~変遷図』は頂戴までしている。(問い合わせは西東京市中央図書館 〇42-465-〇823;libmaster@city.nishitokyo.lg.jp)


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町並み変遷図を見て意外に思ったのが、西武新宿線の高架近くにある中華料理店「仲達」である。


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昭和の街の中華屋さん、いわゆる“街中華”の典型的店構えとは違っていて、むしろ最近増えている中国系の人による出店にビジュアル的に近いので、そういう流れだと思っていた。
ところが冊子を見ると、少なくとも昭和40年代には当地で営業していたらしい。


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店先の植え込み周りは金魚の水槽やら紹興酒の甕やらで取っ散らかっており、ガラス戸はマジックミラーで、決して入りやすい雰囲気ではない。
しかし入ってみれば、高級志向の内装デザインで小ぎれいにしてあり、BGMはジャズだったりする。


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テーブルが3卓、カウンター6席のほか、奥は円卓の広い座敷になっている。


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注文は、今週の定食A:ふわふわ卵の海鮮あんかけ! 850円と、五目ビーフン炒め800円。


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ビーフンは表の看板の“お薦め品”であり、いつも前を通るときに見て刷り込まれている。
料理人は意外に若い。


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どちらのメニューも皿が大きくボリュームたっぷり。


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ふわふわ炒めにはレタスや大根の細切りが添えられていて、野菜をたくさん食べられる。


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エビ、イカ、アサリはどれも大きくてぜいたく感がある。特にイカは、もっと肉厚な種類だけれどもスルメイカ換算すれば1パイ分くらいありそうだ。卵も3個くらいは使われていそうで、惜しみなく材料を使っている感じが伝わってくる。


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ビーフンも野菜たっぷりで、材料の切り方、炒め方と、丁寧な仕事ぶりである。
味付けは濃い目で、ボリュームの多さからも、予想外のガテン系需要があるのかもしれない。


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座敷の様子や棚の酒類からみて夜は飲み屋として使い勝手がよさそうだが、実際お店の人どうしの会話からも夜の繁盛ぶりが推察される。
地域コミュニティにしっかり根差しているあたり、老舗ならではといえそうだ。


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[DATA]
仲達(なかたつ)
東京都西東京市田無町2-22-10



[Today's recommendation]

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◆ 猫写真はこちら その1 その2 その3




https://youtu.be/zdHg4QEmBvk



 季節の和菓子

2019.03.10 菓子舗青柳 田無店/東京都西東京市田無町5-3-4

青梅街道田無警察署の少し西。直売所のような簡素なつくりの和菓子屋さん。
実際、こちらは一橋学園駅前・学園坂商店街の「菓子舗 青柳」の販売所らしい。店頭には小平名物“ぶるべーどら焼”も並んでいる。


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道明寺140円、桜もち140円、桜まんじゅう120円を購入。


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体育会系御用達な…? 【上海菜館】

2019.01.01

 あけましておめでとうございます。

元日は例年、適当な時間に起きて顔を洗ってお屠蘇をいただき、おせちをつつきながら日本酒を飲み、ころあいでシメ的に雑煮にする。
年々忘れっぽくなっているが、今年はなんと雑煮を忘れて出かける準備を始めてしまった。
われわれは別に食べなくてもいいが、このあと子どもたちが起きてきても主食的なものがない。相方は着物の着付けを始めてしまっているので、仕方なしにワタシが雑煮を作る。

カツブシ削ってだしをとり、前日雑煮用に切ってあった鶏肉を入れ、酒・塩・しょうゆで味を調える。オーブントースターで餅を焼き、おせちの重のカマボコ1枚とお椀に並べ、三つ葉を刻んでのせ、上から先の汁を張る。簡単なものだ。


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毎年煮しめは僕の担当。今年は安いアナゴを見つけたので、久々に穴子八幡巻きを作った


元日は近場の神社をウォークラリー的に回ることが多いが、それだと昼ごはんの店が毎年同じになってしまう(このところ2年続けて「寿蘭」)。
なので今年は電車でメジャーどころに参拝することにした。


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一応、地元の神社を少し回ってから電車に乗る。
目的地は西武新宿線東伏見駅。西武沿線でも参拝者数がトップクラスの東伏見稲荷神社がある。


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東伏見稲荷は1929年、京都の伏見稲荷大社の分霊を勧請して創建された。
全国に3万社ある稲荷神社の総本宮の東日本唯一の分祀。


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初詣参拝者数は約10万人とされ、その数は箱根神社や秩父神社クラスである。


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以前、1月5日ころに参拝したことがあって、それでもけっこう人出があったので、元日はどれほど混むだろうと心配したが、混むには混んだが行列時間30分強と、思ったほどではなかった。


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さて、昼ごはん。
来る途中に通った中華料理店が営業中だったので東伏見駅に戻る。


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「上海菜館」は西武新宿線の電車からよく見えるので、以前から存在を知っていた。というか、だいぶ前のことだがそこにあった中華屋さんに入ったことがあるが、こういう名前だったかなぁ…? と最近、気になっているお店である。


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このあたりでも元日営業している店は少なそうなのでさぞ混んでいることと思いきや、先客ゼロ。
「アケマシテオメデトゴザマス」と、日本語のたどたどしいおばちゃんに迎えられる。


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東伏見は早稲田大学のグラウンドや運動部寮が多く、この場所の中華屋はそういう体育会系学生御用達としてちょっと知られた存在だった。


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店内の壁には早大運動部の業績がずらりと張り出されており、やっぱり前入った店と一緒だよな… でも中国系の人の店だったかなぁ…? と、混迷が深まる。


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注文は、1品はメニュー表の五目焼きそば750円で、もう1品は表に黒板が出ていた“恭賀新春ランチ”から選びたいが、店内にその品書きが見当たらない。おばちゃんに聞くと、表に出てタブレットで黒板を撮影してきてくれた(笑)。
もうひと品は、おばちゃんオススメの鶏肉とはやとうり定食580円に。
正月なので焼き餃子250円も頼む。


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まず定食が来る。
厨房でジュワッというものすごい音がしていたので、かなりの高火力で調理していると思われる。


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ハヤトウリは洋ナシ形の瓜。中南米原産でクレオール料理なんかにはよく使われるらしいが、中華ではどうなんだろう。
熟れる前のメロンという感じで甘味があるが、アクやクセはない。この淡白な食材が少し酸味のあるピリ辛味に仕上げられ、とてもおいしい。


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餃子はやや小さめだがニンニク、ニラが効いて普通においしい。


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五目焼きそばは、パリッと焼いた麺に色の濃い餡がかかる。
こちらは厨房の音そのものに、ものすごくアツアツ。後半まで、油断すると口内をやけどしそうになる。技術の高さ以外のなにものでもない。


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具はハクサイ、チンゲン菜、青菜、ニンジン、クワイ、タケノコ、干しシイタケ、キクラゲ、マッシュルーム、ベビーコーン、エビ、イカ。個人的に理想的な構成。
今年食べた焼きそばで、間違いなくNo.1 ! 当たり前か ヾ(・・ ) ォィォィ


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支払いのとき、「何年ぐらいやってるの?」と聞くと、おばちゃんは両手をいっぱいに広げて「10ニェン」と。
では昔入った店とは違うわけだ。


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帰って調べてみると、以前この場所には「芳葉」という中華料理店があって、同名のまま経営者が変わり、そこも閉店したあと「上海菜館」が入ったと。ちょうど2009年ころの情報だ。


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口コミをまとめると、早大運動部相手の名物中華屋が、運営が変わって盛りも愛想も悪くなり、名前が変わったらすごくおいしくなった、と。
味も接客も、たしかに素晴らしいと思いました。


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[DATA]
上海菜館
東京都西東京市東伏見2-4-2





[Today's recommendation]

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◆ 猫写真はこちら その1 その2




https://youtu.be/H2lrKuZKV-Q


くるまやをめぐる冒険 【くるまやラーメン 保谷新町店】

2018.12.05

 チェーン店はあまり使わないが、「くるまやラーメン」の味噌ラーメンはときどき無性に食べたくなる。
チェーン店のたべもので、たとえば「リンガーハット」のちゃんぽんや「松屋」の牛めしが好きだとしても、いろんな店を食べ歩こうとまで考える人は少ないと思う。自分はときどき「餃子の王将」の餃子が食べたくなるが、最寄りの秋津店で事足りるし、わざわざ新座や武蔵境に行ってまで王将に入ろうとは思わない。


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でも「くるまやラーメン」はちょっと事情が違う気がしている。
10月に気まぐれに入った清瀬店のメニュー構成が、いつも入る東村山店とはずいぶん違っていた。
ほかの店舗はどうなんだろうと、がぜん興味が湧いた。

調べてみると、意外なことに多摩地区には4店舗しかなく、うち1店は八王子なのでさすがに遠い。
僕の行動範囲で残っているのは保谷新町店のみ。そこに入ればプチ達成感が得られそうだ。


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「くるまやラーメン 保谷新町店」は五日市街道沿い、井ノ頭通り終点となる関前五丁目交差点近くにある。
千川上水との併走区間で、中央分離帯を上水が流れる。
この店はいつ通っても客が入っている(車が止まってる)印象がある。
なんだかんだ言ってみんなくるまや好きなんじゃないの? と思う瞬間。


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注文は、くるまやラーメンではそう決めている、味噌ラーメン(+サービスの半ライス)と餃子。
あとで写真を見比べたところ、メニュー帳はたぶん東村山店と同じ。
なので値段や、(サービス等の)システムも同様と推測される。


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味噌ラーメン、半ライス、餃子の順に五月雨で提供。
謎の餃子タレの小皿をはじめ、器も東村山と一緒。


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要するにこの2店はほぼ共通しており、清瀬店が特殊ということのようだ。
直営店とフランチャイズの違いとか?


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参考:「くるまやラーメン 東村山店」の味噌ラーメンとサービスの半ライス、ランチ限定サービス餃子(2018.02.14)

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参考:「くるまやラーメン 清瀬店」のみそラーメンとサービスライス、月火水半額の餃子(2018.10.01)


黒い粉(ミックススパイス?)のかかった味噌ラーメンの味も、しつこいようだがいっしょ、いっしょ♪
ニンニクがかなり効いている(翌朝になっても臭うと言われた)。
具は炒めたモヤシとニラ。中太縮れ麺。


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冒頭に書いたようにときどき無性に食べたくなるラーメンなので、それはそれで安定感があってよろしい。
でもユルいチェーン展開による各店のオリジナリティは期待したほど高くないかもしれない。
清瀬店のカツカレーは気になるが、この案件は早くも終了かなー (- o -\) 撤収!撤収ーっ!!


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あとは粛々と、これまでどおり…。


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[DATA]
くるまやラーメン 保谷新町店
東京都西東京市新町4-2
http://www.kurumayaramen.co.jp/





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◆ 猫写真はこちら その1 その2




https://www.youtube.com/watch?v=qefoXFsUZNE


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