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ラーメンに武蔵野のおもかげ残れり 【松屋】

2019.11.19

 箱根ヶ崎の「松屋」はオンリーワンなラーメン屋だった。
“だった”というのは、知らずに軽い気持ちで入って食べてみたらすごかった、という得した感を伝えたいニュアンスである。


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JR八高線・箱根ヶ崎駅から180mほどのわりと街なか。
田無の橋場から約18kmの江戸街道終点近くに「松屋」はある。


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紺色の暖簾に趣はあっても外観は現代的なごく普通の建物であるが、中に入ると違った印象を受ける。


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テーブル3卓のこぢんまりしたホールと奥に広めの座敷というつくりや、ガラス戸や襖のたたずまいが、一昔も二昔も前の感じ。
左手が広い厨房になっていて、これが昔の農家の土間という雰囲気である。


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先客は3名。近所のじいさんがたまっているふうで、このあたりでいうと、うどん屋で見かけるような光景。
今年閉店した「宅部うどん」を思い出した。

そのじいさんたちの話の輪に加わっていたおかあさんが、こちらの店主のもよう。
チャーシューメン650円を注文。


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チャーシューメンは注文から約3分と速攻で出てきた。
見るからにコンディションのよくないノリを先に食べてしまう。子どものころノリ摘みを手伝わされた海育ちの自分からすると、関東内陸部の人とはこういうところにギャップを感じずにはいられない。これはそのままにしておくと溶けて広がり、スープの味を悪くする。

それ以外は素晴らしい体験と言っても過言ではないので、あえてひと言…。


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麺は基本平打ちだが、著しく不ぞろいで、ピロピロ感がさまざま。
知らずに入ったが明らかに自家製・手打ちで、よじれている様子や小麦の香り・うま味の強いところは、まさに武蔵野うどんを連想させる。


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スープは雑味のないスッキリした味わいで、しょうゆ自体のうま味をあっさりのだしで補強する感じというか。レンゲが付いていないので持ち上げてごくごく飲んでしまうおいしさ。

チャーシューは食紅で色を付けた縁の赤い昔懐かしのヴィジュアルだ。
脂の少ない部位で、厚みがあってしっかり硬い食感が残り、かみしめると肉の味わいが広がる。


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このラーメンは、地粉・肉汁でうどんを食す武蔵野台地の食文化を体現するたべものといえる。
うどん同様、食べて幸せな気持ちになる。
あとで調べてみると、元はうどん屋で1951年創業という情報がある。
なるほど納得…!


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[DATA]
松屋
東京都西多摩郡瑞穂町箱根ヶ崎258





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