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うどんどころの二八そば 【こうちゃんうどん】

2021.02.23

 車の多い道はうるさいのと空気が悪いのとで、自転車ではほぼ通らない。
たとえば武蔵村山の市街地を抜けるとき青梅街道や新青梅街道を通らないルートをいくつか覚えておくといいよ… ということで、僕がよく使うルートを2つ、地図に提示してみた。

このうち赤のルートでは、市民会館入口交差点と市役所西交差点の間(市役所南通り)を回避する、より車の少ないルートを最近開拓した。
で、その途中にうどん屋さんを発見した。


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© OpenStreetMap contributors


発見はしたが、店のツラ構えを拝見したわけではなかった。
というのも、道に面しているのは建物の背面で、入り口は路地を入り、さらに奥まった位置。冷やかしでは踏み込みづらい。
ネットで調べると玉売り専門の製麺所らしい。

何度か通るうちには好奇心をそそられることもある。
路地には「こうちゃんうどん」の看板。のぞいてみると、食品製造というより〇〇製作所といった町工場のような建物である。殺伐としているが、オープンで買いやすそうな印象ではある。
なにより興味をひかれたのが“二八そば”の文字。


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青梅街道の市役所の向かい側、うどん店「青柳」のあたりだったと記憶しているが、かつて玉売り専門の製麺所があった。うどんのほかに、たしか土曜日限定で生そばを売っていた。このそばが抜群においしかった。
「こうちゃんうどん」では“二八そば・火”となっている。曜日限定という営業スタイルが同じで場所も近い。もしかしたら… と思ったのである。


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こっちはお店の裏側


火曜日。
祝日でやっているかどうか微妙なところではあるが、行ってみることに。


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脇道に入って…


奥まった店の前には車が3台も止まっていて、ますます踏み込みづらい。
入り口が開いていて、じいさんがこっち向きに座ってる。


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もう一度折れる


「やってます?」と車越しに声をかける。
「おー、やってるよ」と、きっぷのいいお返事。
初対面とは思えないくらい気さくなおとうさんであった。


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ようやくお店が


「あの、おそばは…」
「あ、そばはないんだよ。ひと回りして全部置いてきちゃった。1つしかない」

(1つあるというのでホッとしつつ)じゃ、そば1つと、うどんを…」
「うどんは今日、細いの作ったの。みんな細いのがいいっていうから。でも若い人は太いほうがいいよな」
(若くはないからどっちでもいいけど)そうね…。で、2人だと3玉ぐらい?」
「そうだね、3玉」と奥の冷蔵庫にとりに行き、「あ、太いのがあるよ。ちょうど3つ」

ということで、“若い人”は問答無用で太いうどん3玉持たされました(笑)。

「うどん売るところは多いけど、そばは珍しいですよね。昔、青梅街道にあったけど…」
「あ、そう? あったの?」
無関係だったようです σ( ̄、 ̄=) ムゥ…


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帰って袋を開けると、そばパックのほかに4袋ある。


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うどん3袋と、もう一つはサービスだろうか、武蔵野うどんでいうところの“耳”かとはじめ思った。
でもうどんの袋にはそれぞれ耳が1枚入っているし、微妙に形が違う。


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サービス? のすいとん?


写真を見返してみると、看板には“手打ち生うどん・すいとん”とある。
これはすいとんかも。
ちょうど寒さがぶり返したところで、鍋物にバッチリだ。


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香り高い二八そばは強いよじれが特徴

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小麦の風味もコシも強いうどん。3人分は食べ切れないだろうと思ったが、おいしいのでスイスイ食べられた


さて、お湯を沸かして…… し、しまったぁ!!
よけいなことに気を取られ、肝心のゆで時間、聞くの忘れた ( ̄▽ ̄;)!!ガーン


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[DATA]
こうちゃんうどん
東京都武蔵村山市本町1-27-15





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里山の春 【穂波うどん】

2021.02.03

 いつも前を通る瑞穂町の神社は参道が長くて(青梅街道から200mもある)立派なんだなぁ… と何げなく自転車を止めて眺めていると、門柱に阿豆佐味天神社と彫ってある。つい3日前にお参りした通称“猫返し神社”のある砂川町の神社と同じ名前でインスタ投稿参照ください)、これも何かの縁とお参りしていくことに。
そういえば隣に縁結びの神社があって、以前お参りして御利益があったような気がするのでお礼参りしていこうと。
その須賀神社の入り口に「里山民家」の案内板。いつも通っているくせに、そのものの存在を知らず、さらにその先の標識には「岸田んぼ」の文字も。村山地方で田んぼというのもかなり意外で、がぜん興味を引かれた。
ならばせっかくだから近くのうどん屋さんでおだんごを買って、その里山民家でおやつタイムにしよう。


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阿豆佐味天神社(瑞穂町殿ヶ谷)と須賀神社(武蔵村山市岸)

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――というのが本日の流れ。


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「穂波うどん」は、いつも通るルート上だけに気になる存在ではあるが、持ち帰り専門なのでチャチャッと寄って食べていくというわけにはいかない。おだんごなら別だ。


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「しょうゆだんご1本!」
…というわけにもいかないので、うどんも買う。


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「2人分だとどれくらいがいいですか?」と聞いてみる。
「大人でしたら… 3玉くらいにしておきましょうか?」とお店のおばさま。


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うどん3玉としょうゆだんご1本で360円。


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そのまま里山民家へ。


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ここは広大な野山北・六道山公園の中央付近にあたる。


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――狭山丘陵周辺に実在した江戸時代の民家を新築・復元した「母屋」を中心に「蔵」、「納屋」、「作業小屋」などがあり、里山を満喫できる、楽しいイベントを実施しています。「茅葺き屋根」や「いろり」、「かまど」など、昔なつかしいものがたくさんあります。「狭山丘陵の都立公園へきてみて!」

とあるように、古民家ではなく新築らしい。


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母屋の囲炉裏ではまきが焚かれ、鉄瓶で湯が沸いている。
ただし、コロナ対策で板敷には上がれない。
縁側も座れるには座れるがディスタンス確保で飲食は禁止。


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炉端にいる係のおじさんに「いつもだったらこのお湯でお茶を入れたりもするんですか?」と聞いてみる。
「うん。カップラーメンに使うからお湯ちょうだいって(笑)」

いいこと聞いた(笑)。
コロナ収束後に行くときはカップ麺必携 c( ̄▽ ̄)


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岸田んぼ


ということで、民家の敷地エリアで食べるのははばかられるので、裏山へ。
広くなだらかな谷筋に冬枯れの田んぼ。
日本の原風景が広がっていた。


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その隣の谷の駐車場横のベンチでおだんごをいただく。


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かわいらしい真ん丸のだんご。
米粉のザラッとした食感が好き。
焦がししょうゆが香ばしい。


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紅白の梅が咲き始めている。
本日は立春。


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帰宅後、冷蔵庫にあるもので肉汁うどんに。といっても、だしはかつお節を削ってとってある。糧は庭に生えているからし菜


[DATA]
穂波うどん
東京都武蔵村山市三ツ木3-32-25





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先日、立川市砂川町の阿豆佐味天神社で授かった猫のお守り




武蔵野うどんを究める! 【満月うどん】

2019.07.21

 瑞穂の「ジョイフル本田」に買い物に行った。
買い物というのがコレ ↓↓↓


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水鉢… ではなく、そこに植えてある植物、ハスである。チャワンバス(茶碗蓮)という小型の園芸品種で、お茶わんの中でも育てられるということから名づけられた。

なぜ、いきなりハスか。
こちらの記事をご覧いただきたい。上から3列目左の写真、“壺、ご自由にお持ちください”とあったので、ありがたく頂戴した次第 ( 人 ̄ ) アリガトウ!
なのでこのビオトープ一式、かかった費用はチャワンバス苗の980円だけなのだ。
花が咲いたら餃子食べに行こうかな♪


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せっかく瑞穂まで来たので、一度は食べてみたいと思っていた「満月うどん」へ。


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言わずと知れた多摩地区屈指の人気店。
村山特有の入り組んだ細道のきわめてわかりにくい立地にもかかわらず、自転車で通ると常に店外に人があふれている。


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本日も僕らの前に5組ほどの順番待ちがあり、店外に人が多すぎて店舗外観写真がうまく撮れないという(笑)。


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田舎の農家の庭先みたいなところでのんびり待つのも悪くない。
待っている間にも次々車が入ってきて、半分は諦めて撤退する。


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システム… とは言いたくないので、段取り(一緒か… ヾ(- -;) )がきっちりしていて、並んでしばらくして品書きを渡され、またしばらくして注文を聞かれる。
席に着いてからそれほど待つことなく、うどんが提供されるというわけ。
そんな感じで接客は完璧だと思う。


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注文は、肉汁つけうどん790円・大盛り(3玉)120円増と、冷やしたぬきうどん750円、竹輪天120円、コロッケ120円。
冷やしたぬきは数量限定とあって売り切れ覚悟だったが、オーダーが通ってほっとした。


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店内は4人掛けテーブル2卓、カウンター5席。
たぶん順番に案内し、相席はさせない感じで、僕らは運よくテーブル席。


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抑えめな照明がスタイリッシュな演出効果を上げているが、掲示物も多く程よく家庭的な雰囲気でリラックスできる。
壁の短冊を見ると意外なほどトッピングのメニューが豊富だ。


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肉汁つけうどんにはデフォで天ぷらが付く(今日は大葉)。
糧(かて)は、キャベツ、モヤシ、コマツナ、ミズナ、ニンジン。肉汁には厚めにカットされた豚肉と油揚げ。


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だしの再利用と思われるコンブのつくだ煮がなにげにおいしい。
武蔵野うどんの基本形だが、すべてにおいてふんだんである。


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冷やしたぬきうどんは具だくさんで華やか。


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大根おろし、キュウリ、コマツナ、プチトマトと豊富な野菜をはじめ、ナルト、チャーシューはラーメンの具、もちろん揚げ玉ものって。
とてもおトクな感じ。


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黒光りならぬ白光りならぬ灰光りとでもいいましょうか。神々しいまでに存在感を放つうどん。
風味の豊かさは粉の素性の確かさを物語る。
評判にたがわず、おいしいうどんでした。


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「ピリカ」から「満月うどん」に至る展開は、すべてのモノ・コトに価値(値段)を付して駆動させようというIoTの世界では起こりえないリアルワールドのダイナミズムといえるかも…。


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[DATA]
満月うどん
東京都武蔵村山市三ツ木1-12-10
http://www.mangetsuudon.com/index.html





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昔ながらの玉売り製麺所のイートイン 【はらだ製麺】

2019.06.14

 青梅街道大曲りの西に昔からあるうどん屋さん「はらだ製麺」。


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どれくらい昔からあるかは知らないが、20年くらい前に自転車でこのあたりを通りかかったとき、隣の“くだもの・かんずめ盛籠”のお店とワンセットで低周波な存在感を放っており、ずいぶん田舎に来ちゃったな… と心細くなったのを覚えている。
“大曲り”は空間のみならず時間軸のひずみをも意味するかのようであった。


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その後僕はこのさらに西、武蔵村山市役所向かいにあった曜日限定のそばが抜群においしい製麺所をよく使っていたが、そこがなくなったあと「はらだ製麺」で数回ゆでうどんを買っている。
店内で食事をするのはこれが初めて。


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「お食事ですか?」とお店のおばさま。
天ぷらのショーケースの下に“玉売り10:00~夕方、食事11:00~1:30”の張り紙。
ただいま13時24分。危なかった…。
左手が食堂で、テーブル席2×3、4×1、カウンター4席。


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注文は、村山うどん 並(3玉)、せっかくだから肉汁に(720円)。
「天ぷら、お付けしますか?」と聞かれ、にんじん・ごぼうと申告(各60円)。


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さて、期せずして肉汁・にんじん天・ごぼう天という自分にとっての武蔵野うどん(=村山うどん、小平うどん etc.)セットにおけるゴールデントリオがそろったが、こう簡潔に整うことは意外に少ない。


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昭和の街道筋な外観と内観とのギャップが甚だしく、店内装飾は、なんというか、夢の国であった。
BGMもそちら方面の映画音楽集。


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それほどコシは強くなく、優しい歯ごたえのうどん。小麦の香りが豊か。
3玉でこの量は、基本単位がかなり多いほうだと思う。


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かつおだしの効いたつゆはやや甘め。具は豚肉のみだが、これまたたっぷりの量。
糧に青菜、大根、いんげん、および薬味ネギと、脇役も申し分ない。


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突出した部分はないが全体に高いレベルでバランスがとれている感じ。
…と思うと、いきなりBibbidi-Bobbidi-Booと来て、一人ギクシャクギクシャクしてしまう摩訶不思議な空間。


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[DATA]
はらだ製麺
東京都武蔵村山市中央3-52-2





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丘の麓のほのぼのうどん 【田舍屋】

2017.10.23

 狭山丘陵のふもと、青梅街道の大曲りの北側は、山に向かって古い道が入り込み、まばらな集落が形成されている。武蔵野の里山という風景。
そのあたりに評判のうどん屋があることは知っていたが、適当に入った道は4本ほど東だったようで、おかげで上らなくてもいい坂を上ってしまった。


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あてずっぽうに細道を西にスライドするうちに、神社の参道の向こうに“手打うどん”の暖簾を発見。
いったん青梅街道に下り、1本先を入り直す。


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「田舎屋」はこのあたりにしては新しい住宅地に位置する。1時15分すぎで駐車場に車が2台、中からはにぎやかな話し声が聞こえてくる。
店内は4人掛けテーブルが3卓、入って正面と右側にカウンター席。先客は高齢男性2人組とおばちゃん3人組。
右側の厨房に面したカウンターの端の席に着く。


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目の前に張ってある写真を見ながら、
「ざるうどんは肉汁ですか?」と聞いてみる。
「肉汁もかつおだしもできますよ」と店主。
「じゃ、肉汁で」
「大盛り?」
「いや、普通で」


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カウンターの上にはゆでまんじゅう、目の前には焼だんごの張り紙、壁のお品書きにはいなりずしと、いろいろあって楽しい。
中ほどのキッチンカウンターでは天ぷらが大皿に盛り付けてあり、セルフでとってくるシステム。サツマイモ、ちくわ、マイタケ、タマネギ(全品50円)からマイタケをチョイス。


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うどんは5分ほどで提供。
地粉の灰色がかった色合いとよじれ具合は典型的な武蔵野うどんの姿。ちゃんと耳も付いている。コシはしっかりあるが強すぎず、香りも甘味もほどよく感じられるおいしいうどんだ。
肉汁は豚肉ぱらぱらな感じ。だしのうま味は強いが甘すぎずバランスがよい。糧・薬味はゆでホウレンソウと刻みネギ。天ぷらは揚げ置きだがカラッとしている。

個人的な好みでは、今年食べたうどんの中で、東海林さだお氏のネタのパクリだが“いずぬ”である。東北弁で、一、二を争うおいしさってこと。


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店主のおとうさんは一息ついて、空いた客席に座っておばちゃん3人組と世間話を始めた。
「お客さんからぼったくってんじゃないの?(笑)」というような内容。
この3人がぼったくり飲み屋の関係者かどうかは知らないが、商工会の話題に移っているから商売をしていることは間違いなさそう。東大和の商工会はフォローが手厚い、と。それに比べて村山は…。


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そんなゆるい会話が僕の背後で繰り広げられていたが、おとうさん、おもむろに立ち上がって厨房に入ったかと思うとすぐ僕のところにやって来た。
「もう少しどうですか?」と、うどんの入ったテボを差し出すのである。ちょうど食べ終わったタイミング。
「うわっ! ありがとうございます」と遠慮なくいただく。
このサービス分がけっこうな量で(下右写真)、最後きつくなったほど。でもこういうのは本当にうれしくなる。


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支払いのとき、おかあさんが僕の席の器を見ながら、
「えーと、大盛り?」
「いやいや、普通」と奥のおとうさん。
「ごめんなさいね。500円…」
「あと天ぷら」とワタクシが自己申告。
「天ぷら… 2つ?」
「いやいや、1つ(笑)」
「ハハハ、ごめんなさいね。550円」
そんなに食べそうに見えるかなぁ? まあ、たしかにほかのお客さんよりかなり若いとは思うけど。

すっかりほのぼの気分にさせられたが、帰り道、ハッ! となった。
なぜ僕はゆでまんじゅうを買わなかったんだろう?
家族はまんじゅう好きで、特に妻はとっておいたまんじゅうを子どもに食われて本気で怒ったことがあるほど。
どうやってごまかそうかなぁ…。


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[DATA]
田舍屋
東京都武蔵村山市中藤4-39-5





[Today's recommendation]

Françis Poulenc Concert Champêtre
Françis Poulenc
『Concert Champêtre for harpsichord and orchestra, etc.』

Aimée van de Wiele(Cemb)/ Georges Prêtre(Cond)/ Orchestre De La Société Des Concerts Du Conservatoire



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