お供つかまつる ――関東ふれあいの道~杉の木陰のみち
2023.07.02
例によって朝起きてから行き先を決め、バタバタと出発。
本当は山登りでこういうのはよくないが、何度か計画したことがあって天候条件で実現できていない案件で、いろいろシミュレーションはできているので問題ないと思う。
コースは関東ふれあいの道(首都圏自然歩道)の東京都コース⑥「杉の小道のみち」。
秋川の支流・養沢川から上り、多摩川の御岳渓谷に下る。
同じ関東ふれあいの道の埼玉県コース②「奥武蔵の古刹を訪ねるみち」で体感した分水嶺を越えるダイナミックな感覚にハマりつつあるのかも。
バタバタしたのは電車とバスの時刻調べ。
コース起点はあきる野市の上養沢バス停で、行き先を決めた時点(7:30ころ)で間に合いそうないちばん早い便が武蔵五日市駅9:35発。
逆算すると東村山駅発が、えーと… やばっ!

シロートの僕らは事情に疎く、武蔵五日市駅を降りてのんびり向かったバス停はすでに登山客風の長い列。
バス会社職員が臨時便に誘導したりして僕らの列はだいぶ短くなって、まあ座れないことはないだろうと思っていたが、来たバスがチョー小さい。

結局、31のバス停のうち21番目の「秋川国際マス釣場」まで僕一人、座れずにいたのであった (ーー ;) ウーム



上養沢は終点で、バスを降りれば別天地。
ここ、本当に東京都ですか? 、( ̄▽ ̄)V



しばらく舗装道路を上る形だが、車の通行はほとんどなく、並行して流れる養沢川のせせらぎの音に身を委ねる癒やしのひととき。

地図の目印になっている分岐点のトイレ(柿平園地便所)を使ったあと、周辺の写真を撮っていると、女子トイレのほうから相方の切迫した声が…!

ヘビでも出たか!? と慌てて駆けつけると、相方の足元にでっかい鳥がいる。
はじめキジかと思ったが、近寄ってみるとヤマドリである。

野生のヤマドリを見るのは初めてかも!
興奮冷めやらぬまま分岐先の山道に踏み込み、さっきのヤマドリどうしただろう… と周りを見回すと、なんと目の前にヤマドリ君。

その先ずーっと、僕らの前に後ろに、右に左にと、ヤマドリはお供してくれたのである。
理由は知らないが、イヌとネコ以外にここまで人に慣れている生き物を初めて見た。





だいぶ上って、ヤマドリがいないな… と思って振り返ると、下のほうにうずくまってこっちを見てる。
もう少し上って振り返っても、同じ場所にいる。
サヨナラを言ってる気がした。
その光景が忘れられない。


養沢鍾乳洞(閉鎖中)手前の橋で左に折り返してからはやや上りがきつくなる。




次に右に大きく折り返す石組みの階段は、鬼の城のごとき堅固な要塞を思わせ、下から見上げてけっこう怖い。
ヤマドリ君が先導してくれれば心強かったかも。
――長野県に伝わる「八面大王」という鬼を坂上田村麻呂が退治する物語では、「三十三節あるヤマドリの尾羽で矧いだ矢で無ければ鬼を退治出来ない」という描写がある。(「ヤマドリ」Wikipediaより、最終更新2022年12月8日00:53)
ヤマドリは僕らの目には見えない鬼(災厄)を追い払ってくれていたのかもしれないな…。
今度行くときはきびだんご持っていこう。
…それはキジか💦


さらに少し上って、ようやく上のほうが明るくなってきた。
この間、ヒトには一度も会っていなかった。
(つづく)

[DATA]
柿平園地
東京都あきる野市養沢
[Today's recommendation]

https://youtu.be/cDkpf4GgRDg
https://youtu.be/5XoauIbRwzk
https://youtu.be/hwmRQ0PBtXU




次号予告
例によって朝起きてから行き先を決め、バタバタと出発。
本当は山登りでこういうのはよくないが、何度か計画したことがあって天候条件で実現できていない案件で、いろいろシミュレーションはできているので問題ないと思う。
コースは関東ふれあいの道(首都圏自然歩道)の東京都コース⑥「杉の小道のみち」。
秋川の支流・養沢川から上り、多摩川の御岳渓谷に下る。
同じ関東ふれあいの道の埼玉県コース②「奥武蔵の古刹を訪ねるみち」で体感した分水嶺を越えるダイナミックな感覚にハマりつつあるのかも。
バタバタしたのは電車とバスの時刻調べ。
コース起点はあきる野市の上養沢バス停で、行き先を決めた時点(7:30ころ)で間に合いそうないちばん早い便が武蔵五日市駅9:35発。
逆算すると東村山駅発が、えーと… やばっ!

シロートの僕らは事情に疎く、武蔵五日市駅を降りてのんびり向かったバス停はすでに登山客風の長い列。
バス会社職員が臨時便に誘導したりして僕らの列はだいぶ短くなって、まあ座れないことはないだろうと思っていたが、来たバスがチョー小さい。

結局、31のバス停のうち21番目の「秋川国際マス釣場」まで僕一人、座れずにいたのであった (ーー ;) ウーム



上養沢は終点で、バスを降りれば別天地。
ここ、本当に東京都ですか? 、( ̄▽ ̄)V



しばらく舗装道路を上る形だが、車の通行はほとんどなく、並行して流れる養沢川のせせらぎの音に身を委ねる癒やしのひととき。

地図の目印になっている分岐点のトイレ(柿平園地便所)を使ったあと、周辺の写真を撮っていると、女子トイレのほうから相方の切迫した声が…!

ヘビでも出たか!? と慌てて駆けつけると、相方の足元にでっかい鳥がいる。
はじめキジかと思ったが、近寄ってみるとヤマドリである。

野生のヤマドリを見るのは初めてかも!
興奮冷めやらぬまま分岐先の山道に踏み込み、さっきのヤマドリどうしただろう… と周りを見回すと、なんと目の前にヤマドリ君。

その先ずーっと、僕らの前に後ろに、右に左にと、ヤマドリはお供してくれたのである。
理由は知らないが、イヌとネコ以外にここまで人に慣れている生き物を初めて見た。





だいぶ上って、ヤマドリがいないな… と思って振り返ると、下のほうにうずくまってこっちを見てる。
もう少し上って振り返っても、同じ場所にいる。
サヨナラを言ってる気がした。
その光景が忘れられない。


養沢鍾乳洞(閉鎖中)手前の橋で左に折り返してからはやや上りがきつくなる。




次に右に大きく折り返す石組みの階段は、鬼の城のごとき堅固な要塞を思わせ、下から見上げてけっこう怖い。
ヤマドリ君が先導してくれれば心強かったかも。
――長野県に伝わる「八面大王」という鬼を坂上田村麻呂が退治する物語では、「三十三節あるヤマドリの尾羽で矧いだ矢で無ければ鬼を退治出来ない」という描写がある。(「ヤマドリ」Wikipediaより、最終更新2022年12月8日00:53)
ヤマドリは僕らの目には見えない鬼(災厄)を追い払ってくれていたのかもしれないな…。
今度行くときはきびだんご持っていこう。
…それはキジか💦


さらに少し上って、ようやく上のほうが明るくなってきた。
この間、ヒトには一度も会っていなかった。
(つづく)

[DATA]
柿平園地
東京都あきる野市養沢
[Today's recommendation]

https://youtu.be/cDkpf4GgRDg
https://youtu.be/5XoauIbRwzk
https://youtu.be/hwmRQ0PBtXU




次号予告
町の歴史の詰まった… 【秋川渓谷菓子処 桝屋】
2021.10.24
武蔵五日市編はまだ続いている。
せっかく来たのならその土地の文化や歴史を感じられるような食べ物を… というのは観光の目的そのものだったりするが、わりとその目的にかなうのが和菓子だと思う。
和菓子はその土地ならではの農産物を生かしてつくり出されるものだから。
価格も手ごろである。
最近、近場のお出かけでも古そうな和菓子屋さんを探す。
スマホで検索すると駅前の駐車場から1kmほどのところに和菓子屋さんがあるというので、歩いていくことに。今日歩いたルート(前記事の地図参照)の5kmほどでは、歩き足りない。

五日市街道は武蔵五日市駅で突き当たって左に折れる。
その先が古い市街地のようで、歩くにつれて歴史を感じさせるお店や建物が増えてくる。
“すし”“ラーメン”の二枚看板のお店が気になる。横長の看板には“うなぎ”の文字も。
子どものころまさにそんな三枚看板のお店に連れていってもらって大興奮したことを思い出す。
いまもこういうお店があるんだ。入ってみたいなぁ…。

さらに歩くと、めざす和菓子屋さんらしき物件が見えてきた。
袖看板が2枚。
正面から見ると、こんな感じ。
一瞬、菓子店が2店競合しているように見えなくもないが、和菓子屋さんに入ってみると…

中でつながってました (^o^;) ヤッパリ…!?
二枚看板の街・五日市(笑)。
「秋川渓谷菓子処 桝屋」は品数豊富。
冒頭に“その土地の文化や歴史を感じられる…”と書いたが、たとえばどら焼きの生地に竹炭を練り込んだ黒どら焼き「五日市」。
五日市は木炭市場で栄えた町で、農家女性の副業として広まった炭の粉末をすき込んだ黒色の絹織物“黒八丈”にちなんだどら焼きだそうだ。

ほかにも、おやき各種や、『鬼滅の刃』にちなんだ“大嶽山”などユニークな商品もいろいろ。
酒まんじゅう2、まゆ玉2、きんつば、おやき つぶあん、黒どら焼き五日市を購入。
これだけ買って、778円!

江戸時代から続くというお店のお菓子は、あんこがおいしくどれも手作り感があってほのぼのしたもの。
季節によって品ぞろえも変わるようなので、行くたびに楽しめるのではないだろうか。
いい街には魅力のある和菓子屋さんがある、というのが今回学んだことかな。

店の向かい側の道を駅に帰ろうとすると、阿伎留神社の案内標識。
行ってみると、いかにも歴史の重みを感じる神社である。
あとで調べると、『延喜式』神名帳に武蔵国多摩郡8座の筆頭に記載されているという古社。
高台から見下ろす蛇行する秋川流域に広がる、古代の農耕風景が思い浮かぶようだ… といったら大げさだろうか。
[DATA]
秋川渓谷菓子処 桝屋
東京都あきる野市五日市836
http://www.masuya-kashi.com/
https://www.facebook.com/akigawakeikoku.masuya.kashi/
[Today's recommendation]



https://youtu.be/igs6HF1zyME


帰路、羽村大橋より御岳、奥多摩方面
武蔵五日市編はまだ続いている。
せっかく来たのならその土地の文化や歴史を感じられるような食べ物を… というのは観光の目的そのものだったりするが、わりとその目的にかなうのが和菓子だと思う。
和菓子はその土地ならではの農産物を生かしてつくり出されるものだから。
価格も手ごろである。
最近、近場のお出かけでも古そうな和菓子屋さんを探す。
スマホで検索すると駅前の駐車場から1kmほどのところに和菓子屋さんがあるというので、歩いていくことに。今日歩いたルート(前記事の地図参照)の5kmほどでは、歩き足りない。

五日市街道は武蔵五日市駅で突き当たって左に折れる。
その先が古い市街地のようで、歩くにつれて歴史を感じさせるお店や建物が増えてくる。
“すし”“ラーメン”の二枚看板のお店が気になる。横長の看板には“うなぎ”の文字も。
子どものころまさにそんな三枚看板のお店に連れていってもらって大興奮したことを思い出す。
いまもこういうお店があるんだ。入ってみたいなぁ…。

さらに歩くと、めざす和菓子屋さんらしき物件が見えてきた。
袖看板が2枚。
![]() | ![]() |
正面から見ると、こんな感じ。
![]() | ![]() |
一瞬、菓子店が2店競合しているように見えなくもないが、和菓子屋さんに入ってみると…

中でつながってました (^o^;) ヤッパリ…!?
二枚看板の街・五日市(笑)。
![]() | ![]() | ![]() |
「秋川渓谷菓子処 桝屋」は品数豊富。
冒頭に“その土地の文化や歴史を感じられる…”と書いたが、たとえばどら焼きの生地に竹炭を練り込んだ黒どら焼き「五日市」。
五日市は木炭市場で栄えた町で、農家女性の副業として広まった炭の粉末をすき込んだ黒色の絹織物“黒八丈”にちなんだどら焼きだそうだ。

ほかにも、おやき各種や、『鬼滅の刃』にちなんだ“大嶽山”などユニークな商品もいろいろ。
![]() | ![]() |
酒まんじゅう2、まゆ玉2、きんつば、おやき つぶあん、黒どら焼き五日市を購入。
これだけ買って、778円!

江戸時代から続くというお店のお菓子は、あんこがおいしくどれも手作り感があってほのぼのしたもの。
季節によって品ぞろえも変わるようなので、行くたびに楽しめるのではないだろうか。
いい街には魅力のある和菓子屋さんがある、というのが今回学んだことかな。

店の向かい側の道を駅に帰ろうとすると、阿伎留神社の案内標識。
行ってみると、いかにも歴史の重みを感じる神社である。
あとで調べると、『延喜式』神名帳に武蔵国多摩郡8座の筆頭に記載されているという古社。
![]() | ![]() |
高台から見下ろす蛇行する秋川流域に広がる、古代の農耕風景が思い浮かぶようだ… といったら大げさだろうか。
![]() | ![]() |
[DATA]
秋川渓谷菓子処 桝屋
東京都あきる野市五日市836


[Today's recommendation]



https://youtu.be/igs6HF1zyME


帰路、羽村大橋より御岳、奥多摩方面