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未来都市に残る昭和な… 【西河製菓店】

2023.02.18

 自転車で二子玉川まで行ってみることにした。
甲州街道または京王線に目に見えない線が引かれていて、その先をほとんど知らない。
限界というより節度であり、やりすぎないよう働いている無意識の自制心である。
そういう枠内の世界にマンネリを感じていて、リミッターを外してみようということ。


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直線距離で22km。
車でも使える裏道的なルートを考え、武蔵境から天文台通り→大沢コミュニティ通り→佐須街道→三鷹通り→布田南通り→品川通り→狛江通り… で、狛江駅まで。
世田谷通りを少し下って水道道路に入り、あとはひたすら東へ進むだけ。

その“ひたすら”が長かった。
測距すると野川の天神森橋まで3kmちょっとしかないが、その3倍ほどにも感じられる。
ずいぶん遠いとこまで来ちゃったなぁ… という心細さがそう感じさせる。
芥川龍之介の『トロッコ』という小説ありますよね… (〃 ̄ω ̄〃ゞ


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二子玉川までの走行距離は27km強。
ここはどこ…?


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昔、新丸子に住んでいたころは花火見物に自転車で来たりとなじみあるつもりでいたニコタマだが、それも30年以上も前の話。
「ナムコ・ワンダーエッグ」はどこ…? (笑)


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目的はルート開拓であり、昼ごはんのことは何も考えていない。
とりあえず証拠にお土産を買おうと“二子玉川_和菓子”でググる。


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ヒットした“行列のできる”と書いてある和菓子屋さんに行ってみる。
本当に行列なのだった。


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この行列はなぁ… とちょっと迷い、もう1店の候補を「ライズ」地下までのぞきに行ったがお高いのでやっぱりこっち… と戻ってみると、行列の人数は減っていたが品ぞろえもかなり減っていた。
慌てて並びました。


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「西河製菓店」は1967(昭和42)年創業。
老舗の人気店だが事業拡大することなくそのまま続けてこられたような、普通の街の和菓子屋さんである。
なので、とにかく安い。
目玉商品? の豆大福が140円!


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運よく残っていた豆大福とうぐいす餅を2個ずつ買う。


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僕の前に並んでいたご夫婦が、お会計のあと、
「ダメだ、安すぎる。デパート行こう(笑)」

想像するに、訪問先への手土産をこちらで購入したが、常識的な手土産の予算ラインを大幅に下回ってしまい、デパートで買い直しと(笑)。

それを聞いたお店のおばさま、
「でも3月には少しずつ値上げするんですよ…」
「あ、原材料価格が…」
「もう何もかも値上がりしちゃって」


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こちらの屋号は荒木又五郎… って、そんなネタ誰も知らないだろう ヾ(-_-;)


そもそも和菓子は多品種少量生産で手間がかかりそうなわりに価格が安すぎる。
前記事への当てこすりじゃないが、買うほうはうれしいが商売としていまの世の中、どうなのか。
それで立ち行かなくなって… ということでは元も子もないわけで。


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古い商店街入り口のシンボル的存在とお見受けする。
未来都市的変貌を続ける街だからこそ、残り続けていただきたいと強く思うのである。


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[DATA]
西河製菓店
東京都世田谷区玉川3-23-29
https://www.instagram.com/nishikawa_futako/





[Today's recommendation]


https://youtu.be/CcXj1eZeqhU



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帰りは環八から。高井戸が遠い…💦


ワンランク↑↑な、ワンコイン弁当 【鍋香居 久米川店】

2021.02.25

 空堀川の久米川橋から久米川駅のほうに上っていくと、中華料料理店「鍋香居」の店頭で弁当販売をしている。
この光景を目にするのは初めて。

昼ごはんを買うお店を決めてきたので素通りしたものの、うしろ髪ひかれ隊なワタシ。
たまたまというか、そのお店がお休みだったので迷わず引き返しました。


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この訴求力は大きいと思うのだ。
テイクアウトのアピール度として、

文字 < 写真 < 現物 < 現物+売り子さん…

の公式が成り立つわけで。


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テーブルに並んでいるのは、エビチリソース、トマトと玉子塩炒め、棒々鶏(以上500円)、シンプルチャーハン、マーボー豆腐(以上300円)
これは悩む… `s(・'・;) …


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最後までチャーハンに引かれつつ、エビチリを買う。
売り子のおにいさんによれば、お弁当の内容は日替わりで、でもどのメニューでもテイクアウト対応できるとのこと。


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エビチリ弁当は、おかず3品の簡素な構成。
でもワンコインとは思えない充実の内容であった。


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エビチリは、ぷりぷりエビが8+α。
甘いけれども上品な甘さで、ちゃんと辛い。


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見た目チャーシューと思ったものは、塩ゆでタン(豚タン)か? ねっとりした食感でクセもなくおいしい。
春雨の炒めものは、〇〇醤といった調味料に詳しくはないが、上出来の上海焼きそばの味がする。


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食べていて、ご飯が足りないと痛感。
あ、一緒にチャーハン買えばよかったのかぁ…。


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[DATA]
鍋香居(なべかい)久米川店
東京都東村山市栄町2-10-14





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/bQvAxagPpHE



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編隊飛行


そのたべもの最強につき…! 【たかはし】

2019.11.08

 保谷近辺にはなぜか二枚看板のお店が多い。それも、カンバンの組み合わせがひとひねり利いた店ぞろいである。
練馬所沢線沿いのとんかつ&焼き肉レストラン「かつ秀」、そのすぐ裏手にはインドカレー&イタリアンレストラン「ポルポ」、保谷駅南口には定食&和菓子の「いさわ」、そして、したみち通りの中国料理&とんかつの「たかはし」。

入ったことがあるのは「かつ秀」だけだが、ほかのお店も気になる度maxで、それだけに、逆においそれとは踏み込めずにいる。


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「たかはし」が最近、二枚看板を下ろした。
外装をリフォームしてこぎれいになり、看板も“とんかつ”一本でやや高級路線を志向している感がある。
代替わりか何かで営業スタイルが変わったのかも… と、ちょっと寂しく思っていた。


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近くを通ったので現状調査というか、まあ、とんかつしかやってなくてもいいか、ハラヘッタし… みたいな感じで、行ってみる。


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店先に品書きの黒板が出ているので、近寄って確認。
“美味しいとり肉とピーマン炒め定食”
これは明らかに中華系じゃないの…? と、ちょっとうれしくなった。


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さらに、いちばん下には、“美味しいカツカレーそば”
むむ…… o(゚ー゚*o) ワクワク…!


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入店して、注文をとりに来たご主人に聞いてみる。
「カツカレーそばって、どういうものです?」
「ラーメンです」と、答えは明快。
やっぱりー! ヽ(^∇^*)/


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中華系で“そば”といえばラーメンだ。
「ラーメンにとんかつのせて、カレーかけて…」
「それ、お願いします!」


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カツカレーは言わずと知れた定番で、カレーラーメンは、まあ珍しいものでもないというくらいには存在し、とんかつラーメンというものもまれに見かけるが、三国並び立つカツカレーラーメン… 少なくとも僕は出会った記憶がない。
中華&とんかつの二枚看板ならではのメニューといえる。

で、やって来ましたカツカレーそば。
はたしてそのビジュアルは!


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…てか、まんまやね(笑)。

あまりにも各要素、なじみ深いだけに、誰もが思い浮かべるとおりの完成図にしかなりようがないか…。
味のほうも同様に意外性は薄く想像の域を出るものではないが、それにしても強力であることは間違いない。


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すっかり煮崩れてはいるが牛肉、ジャガイモ、ニンジン、タマネギの各パーツが認められ、その典型的和式な具材のわりにかなりスパイシーなカレー。背後には鶏ガララーメンスープの存在が感じられ、そこに浸った熱々のとんかつ。細めの縮れ麺はカレースープをよく持ち上げ…。
と、テンション上がりっぱなし。


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ただし、三位一体、完璧なバランスかというと…
カレー風味のラーメンスープを吸ってふやふやになったコロモをまとった姿のカツを2切れほど、どうしてもご飯にのせて食べてみたい。
と、小ライスが抗し難い力で割って入る。

最強説もささやかれるこのトリプル折衷メニューは、カロリー的にも危険なにおいがプンプンするのだ。


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[DATA]
たかはし
東京都練馬区西大泉1-33-4





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/N7741O4LS0c


“カレーの街”の選手層の厚さ 【ラーメンハウスたなか】

2019.02.14

 石神井公園駅周辺はカレーの街だそうだ。
毎年文化の日を挟んで「パークロード石神井カレーDay」が開催される(since 2014 ?)

カレーの街を名乗るからには何か根拠があるはず。
たとえば単純にカレー店が多いというだけでも要件を満たすと思うので、とりあえず食べログで調べてみた。カレーといってもさまざまであり、基準をそろえるためインド系・タイ系に絞って沿線の大泉学園、ひばりヶ丘と比較した。結果、3駅とも5店。石神井公園が特に多いわけではない。

なぜカレーの街か?
石神井公園には、カレーという検索ワードには引っかからないカレー人気のお店が多い。つまり、いまや主流のインドカレーやおしゃれなカフェカレー以外の部分が突出しており、それだけでカレーの街といううたい文句に十分な説得力を与える。
たとえば公園通りの大衆食堂「ほかり食堂」「辰巳軒」は、ともに“坂口安吾ライスカレー100人前事件”に関係するといわれ、いまもカレーは人気メニュー。石神井川のほとりのそば・とんかつのお店「たつみ庵」はジャンボかつカレーが有名。石神井公園内の茶屋「豊島屋」は『孤独のグルメ』(原作)登場店で、五郎さんはカレー丼を食べている。


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そんな“味のある”カレーのお店がもう1店。
銀座通りいちばん奥の二股に位置する「ラーメンハウスたなか」。


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外観は典型的な街の中華食堂だが、通るたびに目に付いて強く印象付けられているメニューがチキンカツカレー。
“特別サービス品”600円と激安である。


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予想と違ってこぎれい、そして広い店内。
座敷席がメインで、見える範囲で座卓が6卓ある。テーブル席は4×2、2×1。カウンターは9席。
注文は予定どおりチキンカツカレー600円。


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またこれも予想外にアクティブな営業姿勢が感じられ、たとえば店先に出ている“本日のサービス品”(本日はタンメンととんかつ定食)が店内にも張り出してある。これを毎日と考えたら、けっこう手間だと思う。ともかくいろいろ人手をかけていることは確か。

そのスタッフだが、さっきまでもっとたくさんいたようだが、2時を過ぎているためか、気が付けば店主ご夫婦? くらいしか見当たらない。


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チキンかつカレーは値段から想像していたよりずっとボリューミーだ。


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皿の半分にご飯、もう半分には千切りキャベツが敷かれその上にカツ、カツの上からカレーという構成。
カレーはポークカレーで、肉がけっこうごろごろしてる。ほかの具はほぼ煮崩れておりマイルドな味わいだが、甘すぎることはなく好みの真ん中に近い味。
中華食堂だけにスープがラーメンスープというのがうれしい。


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支払いのとき、おかみさんの姿も見当たらずご主人が対応。
600円ちょうど差し出そうとすると、「600円と消費税で、615円になります」と、すまなそうにご主人。「3%いただいてまして」
消費税が3%から5%に上がったのは1997年のことなので、20年以上据え置きということ(しかも端数切り捨て)。こっちがすまない気持ちになる。
615円ちょうど払うと、「はい、これ」と何かくれる。見ればキットカットだ。


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「ん…? バレンタイン?」
「あ、そうそう(笑)」
今年唯一のチョコを親のようなおやじさんに手渡されることになろうとは、世の中何が起きるかわかったもんじゃない。


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[DATA]
ラーメンハウスたなか
東京都練馬区石神井町6-9-1





[Today's recommendation]

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◆ 猫写真はこちら その1 その2 その3




https://youtu.be/OY2A3scN2QQ


ごく普通という得難い個性 【おおむら】

2018.08.28

 吉祥寺を代表するラーメン屋といえば? などと不用意な発言をして、実際にそういうアンケート結果を突き付けられでもしたら立場が危うくなる。ベスト10のうち7~8店は知らない可能性が高い(笑)。
なので、ここは先手を打って書き出しを変更。

吉祥寺を代表する“昭和の”ラーメン屋といえば、どこを思い浮かべるだろう。


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「ホープ軒本舗」中華そば(+モヤシ)、「みんみん」塩ラーメン

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「珍来亭」ラーメン、「さくらい」味噌ラーメン


幅広い支持を集めるトップ候補が「ホープ軒」と「みんみん」、感度の高い人なら「珍来亭」、穏健派は「さくらい」、コスパ感覚の壊れた人には「春木屋」(昭和要件は本店でカウント)といったことになると思う。


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これら人気店に比して、歴史面でひけをとらず、立地的にはむしろどこよりも人目に付きやすい場所にありながら、おそらく名前が挙がることがないのが「おおむら」。
JR吉祥寺駅公園口または京王井の頭線吉祥寺駅から井の頭公園方面に向かうとき、駅の階段またはエスカレーターを下りて正面。改札を出て1分程度という好立地にある。


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吉祥寺にちょっとでも土地勘のある人ならほとんどが、その存在を知っている、あるいは、そういえば見覚えがある、というお店。
そして、いつも席が埋まっているのが外から見える。つまり繁盛している。

なぜ人気店調査で名前が挙がってこないのか?
地味だからです。
ごくごく普通のラーメン屋。


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14時15分でお客さんはゼロ。時間が遅いとはいえ、ちょっと珍しいことだと思う。
このお店ではだいたいワンタンメンを食べる。今日も時間が遅くなったのでワンタンメンくらいで軽く済まそうと思ってここに入った。


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久しぶりで、自分の中では650円で止まっていたワンタンメンが750円と。この100円は、渋る100円。
ふと、ラーメン+半チャーハンセット950円が目に留まる。200円でチャーハンが付く(ワンタンはないけど)。この200円は、即決裁。
という段階を踏んで当初予算から300円アップしていることに気づかないやつ(笑)。


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記憶ではいつも男性2人と女性1人という布陣だったが、今日は年配のおじさんの姿はなく、比較的若い男性と絶対的に年配のおばちゃんの2人体制。
2人の絶妙な連係プレーで、チャーハン・ラーメンほぼ同時に完成。

写真撮っていいか聞くと、「表にサンプルあるよ」とおばちゃん。
じゃまくさいからサンプルでも撮っときな、という意味かなぁ (;^_^A…
っていうかサンプルなんてあったか?
「サンプルなんてありました?」
「気づかなかった? そこの後ろ」
「じゃ、それはそれで撮らせてもらいますね」と、料理は料理で撮る(笑)。


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ついでに、どれくらいやっているのか聞いたところ、50年と返ってきた。
「ずっとこの場所で50年。このへんでいちばん古いの。みんなやめちゃったからね」

僕はずっと疑問に思っていたことがあって、昔この店は立ち食いそば屋だったような… というか、ここでそば食べた記憶がある。
しかしそれは35年前の話だから、ずっとここで50年と言われれば、僕の記憶違いだ。でもラーメン食べた記憶も、実はあるのだ。


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おばちゃん証言によれば、「おおむら」裏口のすぐ向こう(証明写真のあたり)に立ち食いそば屋があった


「昔このへんに立ち食いそば屋ありませんでした?」
「あったよ、すぐ隣。この壁の向こう(笑)」

なるほど。この店が立ち食いそばだったんじゃなく、もう1軒あってそっちが立ち食い屋だったと。僕はどっちにも入っていたと。

「もうやめてからずいぶんたつけどね」

ほかにお客さんがいないからこういう話も聞ける。運がよい。


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ラーメンもチャーハンも典型的な昭和の中華食堂のそれ。
ラーメンの具の構成も普通で、麺の太さも中くらい。このつるっとした麺が懐かしい。
スープはうま味がしっかり、かえしは生醤油が強い感じでバランスがよい。
チャーシューは意外に厚みがあって容積があり、古典的ラーメン屋にしては軟らかめで味もしっかり入っている。ノリは悪くないものを使っている。と、いろいろ行き届いていて好感度の高いラーメンだ。


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チャーハンはご飯ぱらぱらで香りもよく、以前食べたときよりだいぶおいしく感じられる。
それもすいていたという事情があるかもしれない。僕と入れ違いに1人、2人… とお客さんが入っていたので、やはりいろいろ運がよかったみたいだ。


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お支払いのあと、「サンプル見てみる?」とおばちゃんが案内してくれる。いや、それくらい1人でできると思うが、このように僕は“おばちゃんに世話焼かれるアビリティ”という特殊能力を持つ (; ̄ー ̄川 アセアセ
サンプルというか写真付きの看板ね。
「こんなセットメニュー、前からありました?」とか、吉祥寺の雑踏のど真ん中で、おばちゃんとしばし立ち話をするの図。

地味だけど、上記人気店にまったくひけをとらないおいしいラーメンとチャーハンに加え、おばちゃんのキャラ。
総合点で上回る、かも。


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[DATA]
おおむら
東京都武蔵野市吉祥寺南町1-3-1





[Today's recommendation]


https://youtu.be/SHVKb2j6rfc





 猫トライアル中間報告

トライアル中のチビ♀の子猫用フードをあさる先住♂(左)。
あらっぽいというか、あさましいというか… とにかく、厳しい教育方針で臨むもよう。
トライアルは順調です… たぶん(笑)。

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“山”に挑む、タテマエとホンネ 【富士力食堂 小平】

2018.08.02

 ブロ友さんで僕のことをがっつり系と思い込んでいる方が一部いらっしゃるようだが、いまの時代、ガッツリとかドカ食いとかというのは一つのカテゴリーであり、その旨宣告しないと認めてもらえないようなところがある。逆にいえば、言ったもん勝ちであり、「自分、がっつりです」と言えば誰でもそうなれちゃうところがある。
いっときの“オタク”と同じ、自己申告制。

どっちにしろ僕はそんなに食べるほうじゃないが、なぜそのような誤解が生じるか考えたところ、どうもこのブログの読者層に理由があるように思われる。
ヤングの方、少ないんじゃないかなぁ… ( ̄▽ ̄; )アハハ…

ということで、現代社会において若者層がどのようなものをガッツリ系と称しているか、ここにその実例を示し↓↓ 普段のワタクシの昼食スタイルとの違いを明確にすることで、疑惑の解消を図ろうと考えた次第である。


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このように、いまどきの大盛りは縦に盛る。
いや、昔から盛るといえば縦に盛るものだが、いまは極端に高く盛る。
そのほうがバエるというインスタグラムの影響もあるかもしれない。
そして、普通縦に盛らないようなものまで縦に盛る。盛るというか、積む。

こういう写真ばっか見てたら食べたくなってしまったではないか!(笑)


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青梅街道小川町交差点の「富士力食堂」の看板メニューの一つにマウンテンカツカレーというものがある。
ネットで写真を見ると、その名のとおりの山盛りメニューで、まさに積層型。


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表のディスプレイ類のいたるところに富士山のデザイン。
もちろん店名を表しており、上記メニューもそのようなコンセプトで開発されたものと思われる。
置き看板に“まるで山のようです”と書いてある。


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「富士力食堂」は際コーポレーションの外食チェーン。
ここ小平店は近隣3店(立川柏、瑞穂、新座)とともに最近改名しているが、元の名前が「富士ノ山食堂」「富士山食堂」「三珍富士山食堂」とばらばらだったのでわかりやすくはなった。

ただし、小平店と立川柏店は最近まで同グループの中華料理店「万豚記」であり、短期間に2度の改名で、利用する側にすればいまだ混乱は収まっていない。


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要するに「万豚記」からの業態変更であるが、中華系は依然中心メニューであり、ステーキやカレーで幅を広げた感じ。
この展開をもう少し推し進めればいまや衰退した“ドライブイン”の復活となるので、興味深い流れだと思う。


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「万豚記」時代の初期はけっこう利用したが、もう15年ぶりぐらいというくらい久しぶり。
店内のつくりはあまり変わっていないと思うが、記憶していたより広く、ゆったり配置してあるテーブルに60席ほどある。
1時で先客は約15人。ほとんどが肉体系。


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マウンテンチキンカツカレーの並を注文。
「大」と告げないところが非ガッツリのゆえんであり、つまり今回の趣旨はビジュアル重視のナンチャッテがっつりといったところ。


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マウンテンチキンカツカレー並の第一印象は、えーと、普通ぅ?
切り分けたチキンカツをご飯の上に井桁状に組み上げてあるが、盛り付けがきれいすぎて威圧感がない感じ。


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困ったのが、どう食べ始めたらいいか。
これは一種の積み木崩しである。それにスプーン1丁で臨まなければならない。
途中解体に失敗してカツの構造物が雪崩をうってカレーの海に崩落するさまを想像するだに恐ろしい。
てっぺんから上手にスプーンに乗せて、静かに着水させていくしかないのである。


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見た目、威圧感はないが、食べ始めるとカツが分厚かったり、ご飯が思った以上に多かったりもあって、後半はきつくなる。
ただ、きつさの主因は単調さ。スパイシーだが、かなり甘味の強いカレーがもたれぎみに。これほど福神漬けを切望したことはない。
このカレーには付け合わせは必須だと思う。


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結局、量的には難なく食べられるが、想定外の上記問題(甘いし味濃いし)により、おじさんにはハードルの高い食べ物なのであった。

ところで、“並”とはいえ難なく食べていたらガッツリ疑惑の解消にはならないんじゃないかと思われるかもしれない。
そのとおりです(笑)。
なんだかんだいって、このトシで大食いのように思われたら、ある意味健康な男子とみなされているようで悪い気はしない。
ならばひとつ挑んでみようか、という気持ちなきにしもあらずなのであった。


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[DATA]
富士力食堂 小平
東京都小平市小川町2-1133
https://kiwa-group.co.jp/fujiriki_kodaira/





[Today's recommendation]


https://youtu.be/s_mebsK-_Rw



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理想的とんかつ定食 【菊富】

2018.05.30

 所沢駅西口のファルマン通りと、所沢銀座~小金井街道(旧 県道浦和所沢線)、航空公園からの道が交わるファルマン通り交差点。
いかにも昔の交通の要衝といったような変則ぶりが際立つ交差点であるが、古道の名で記述すると次のようになるらしい。


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江戸道(旧 所沢街道、現 プロペ通り)に府中道(昭和通り)が合流し(ファルマン通り)、東からは引又道(旧浦和所沢線の南側に平行する道)と江戸道(同 北側に平行する道)が交わって、中心街である上町~下町の通り(所沢銀座)に入る交通の要衝が、根岸の交差点(ファルマン通り交差点)である。


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交差点から所沢銀座に下ってすぐ右手にあるとんかつ屋「菊富」。
こちらのお店、個人的にはこれまで取り上げさせていただいたお店の中でも特に来店歴が古い。初めて入ったのは15年以上前だと思う。


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情報が少ないわりには客入りのいい店で、最近ますますにぎわっているように感じられる。
1時来店でいっぱいで入れず、付近をぶらぶらして時間をつぶす。


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御幸町、寿町、有楽町あたりは所沢でも特に古く、深く、妖しい地帯で、探検心をくすぐられる。
これまでの潜入調査で閉店したものと見なしていた中華屋に暖簾が掛かっている。時空の歪み現象のようである。


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1時15分再来店。お客さんは3組5人。
ディープな路地裏とは対照的に、メインストリートはタワーマンションや公共施設が立ち並ぶ再開発地帯である。こちらのお客さんも若い勤め人風が増えている印象を受けるが、ファミリー層、リタイア昼飲み客… と幅広い。


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注文は、とんかつ定食(780円)、キャベツ大盛り(サービス)。
お手本のようなとんかつ定食というか、こちらのランチ、パッケージ構成要素が理想的。お新香、小鉢付きで、汁ものが豚汁というところがポイント高い。


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その豚汁の構成要素がまた理想的で、具は豚肉、大根、にんじん、ごぼう、こんにゃく、豆腐に、薬味ねぎ。
かなり煮詰まっている。どれくらい煮詰まってるかというと、多めに入ってる豚肉がホロッとなるくらい。
豚汁は煮詰まってこそおいしいが、豆腐は適宜追加で性状が保たれている。


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衣サクサクで脂身の甘味が引き立つロース肉のとんかつ。大きくはないが小さいとも思わない、“ちょうどよい”大きさと厚み。
いや、780円にしたら十分大きい。
っていうか、これ全部で780円。
ここを基準と考えると、ほかのとんかつ屋には入れなくなってしまうのだ。


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久しぶりの訪問となったが、清瀬の「枡壱」なき今、知る限りでは多摩六都~所沢エリア最優良のとんかつ店だと思う。


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[DATA]
菊富
埼玉県所沢市御幸町2-1





[Today's recommendation]


https://youtu.be/SHVKb2j6rfc



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天ぷらドーンと8点盛り 【扇屋】

2017.08.03

 西武線の久米川駅と八坂駅を結ぶ一方通行の通り。えーと、モザイクだかウィングだか、といつまでたっても覚えられないが、調べてみると商店街は3つに分かれていて、久米川側からモザーク通り商店街、ウィング通り商店街、ショッピングプロムナード八坂となるらしい。

その“プロムナード”部分はけっこう活性化されていて、オシャレなカフェやダイニングバー、パン工房などが並ぶ。それも比較的最近の動きで、気がついたらそうなっていたという感じ。
そんななか、生き残ったのか、それとも取り残されたと言うべきか、という昭和のたたずまいを見せるのが、天ぷら・定食の「扇屋」。


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この店は店頭で天ぷらを販売しており、そのコーナーのほうが目立つから、しばらく僕は総菜屋と認識していた。
あるとき奥に飲食スペースがあるらしいことに気づいた。そこが秘密の小部屋のように映ったのは、入り口の間口の半分を自動販売機が遮り、使用可能な片方の引き戸が隠し扉の性格を帯びていたからだ。
なじみでもない限りその戸を開けようとは思わない。
こういうのが僕は大好きだ。


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そのように僕にとってはディープそのものの存在だが、地元密着度は高い。いつもお客さんが入っているし、夜に貸し切りになっていることもある。
思うに、お店の奥さんの社交性が繁盛の秘訣じゃないだろうか。よく近所のおばちゃん連中と世間話をしていたりする。


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お店に入ると先客はカウンター席の両端に2人。
と思ったら左端は店主。この人はよくこのへんに座っている。


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なので僕は真ん中に座り、盛り合わせ天ぷら定食800円を頼む。
でもさすがに気になるんだが、客(わし)が1つ置いて横に座っても店主は席を立つ気配がない。なぜかこっちが気を使ってしまう。


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それはそれとして、僕の注文は天ぷらである。この店はフライまでは奥さんに任せても、天ぷらだけは店主のおっちゃんが揚げていたはずだ。
調理担当を全面的に奥さんに移管して、店主は緩やかに引退の道を探るということだろうか…。
厨房では奥さんが手際よく天ぷらを揚げ、娘さん? がご飯、みそ汁などの用意をしている。おっちゃんはずっと座ったまま。


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盛り合わせ天ぷらは、エビ、イカ、キス、アジ、なす、人参、ピーマン、大葉の8品。それで800円という信じがたい価格設定だ。
カラッと揚がっているが、専門店のようではなく家庭の延長に近い。でも僕は天ぷらはこういうのでもいいと思っている。天つゆにどっぷり浸せばご飯が進む。本当はビールがほしいところではあるが。


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娘さん? の存在とか、このところ運営に変化が見られる。それが全体的にいい方向を向いているように感じられる。
そのあたりをそっと見守りたい。そう思わせるお店である。


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[DATA]
扇屋
東京都東村山市栄町3-15-21





[Today's recommendation]


https://youtu.be/cDakhsaPTE0



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