東町一丁目の夕日 【スタミナラーメン のぶちゃん】
2020.01.23
前記事に吉祥寺の古い中華店はだいたい入ったことがあるというようなことを書いているが、吉祥寺の古いお店には中華料理店(高級中華・街中華)というよりラーメン屋、ギョーザ屋といった専門店が多い。
1938年創業の最古参「ホープ軒本舗」を筆頭に、「珍来亭」(創業1951年)、「みんみん」(1959年)、「さくらい」(1970年)、「おおむら」(1972年)、「一圓」(1981年)と、このあたりまでが昭和組。
現存ではこれで全部かな… と思っているところにコメントが寄せられた。
「ワンコインでしたら、吉祥寺の『のぶちゃん』というお店のラーメンがおススメです」と、昭和というより1CL(ワンコインランチ)という切り口の記事に対してのコメントであったが、やりとり第2弾に「1986年創業らしい」とある。

「スタミナラーメン のぶちゃん」の存在は認識していたが、そんなに古いとは思っていなかった。
それには理由があって、実はここから280mの至近距離に住んでいたことがあり、僕がよそへ引っ越す1985年時点でこのお店は存在していなかった。1986年オープンと、1年違いのすれ違いだったわけである。

1CLメニューが充実しているらしいということで、いちおう事前に調べました。
「これも? これもワンコイン…!?」と、驚きの連続である。
ラーメンが400円、以下、ワンタンメン、もやしそば、タンメン、サッポロ、麻婆ラーメン、カレーラーメン、カレーライス、チャーハンが500円、お店の看板のスタミナメンが530円と、1CLの麺飯が10種類もある(いずれも税込み価格)。
その中から特に感銘を受けた麻婆ラーメンを、今回とりあえず注文。

カウンター6席、テーブル席が4人掛け×3、2人掛け×1というこじんまりした店内。
年配のご夫婦と娘さんの3人体制。

麻婆ラーメンは、ひし形カットの豆腐が美しい。

レシピサイトなどに「豆腐を適当な大きさにカット」と書いてあるこのご時世に、様式美を重んじ、手間ひまを惜しまない調理人のこだわりが伝わってくるというもの。

具はシンプルで、豆腐のほかにたっぷりのひき肉とネギ少々。けっこう辛いがシビレ感はなく、ややニンニクの風味を効かせているが基本やさしい味わいの和式マーボー。
麺は懐かし系の細縮れ麺で、麻婆の餡によく絡む。
1CLがテーマのときは支払いを500円(+税)以内に収めることを勝手にルール化しているが、たとえばこれに半チャーハン300円をプラスしても800円と、信じ難い安さである(ほかのメニューの詳細等はこちらの記事をご参照ください)。

支払いのとき「このへんに洋食屋さんありませんでした?」と、ずっと気になっていたことをおかあさんに尋ねてみると、そのまま“東町1丁目町内会”的な昔話に突入。「1年違いだったんですねー(笑)」と。
僕の住んでいたアパートの内情を娘さんがよく知っているのには驚いたが、何度か入ったことのある松井病院向かいのそば屋を娘さんは知らず、メトロボウル裏の「メトロジュース」の存在を僕は知らず。おかあさんはさすがに何でも知っている。
そういえば、聞き忘れたが、メトロボウルの向かいの児童公園のあたりに中華屋さんがあって、そこで食べた麻婆豆腐が、ここのとは違って、口に合わなかったなぁ…(笑)。
立ち話ではなく今度はビールでも飲みながらゆっくりお話を伺いたい… と強く思った地球の午後2時。

激変のこの界隈で昭和の面影を残す「のぶちゃん」と「闇太郎」。後ろの4階建てのビルは、僕の住んでいたアパートの大家だ(笑)
[DATA]
スタミナラーメン のぶちゃん
東京都武蔵野市吉祥寺東町1-18-18
[Today's recommendation]

◆ 猫写真はこちら その1 その2 その3 ◆


https://youtu.be/XOw-ak2aJS8



ハモニカ横丁の新店。久米川の「サワディー」とは無関係とのこと

前記事に吉祥寺の古い中華店はだいたい入ったことがあるというようなことを書いているが、吉祥寺の古いお店には中華料理店(高級中華・街中華)というよりラーメン屋、ギョーザ屋といった専門店が多い。
1938年創業の最古参「ホープ軒本舗」を筆頭に、「珍来亭」(創業1951年)、「みんみん」(1959年)、「さくらい」(1970年)、「おおむら」(1972年)、「一圓」(1981年)と、このあたりまでが昭和組。
現存ではこれで全部かな… と思っているところにコメントが寄せられた。
「ワンコインでしたら、吉祥寺の『のぶちゃん』というお店のラーメンがおススメです」と、昭和というより1CL(ワンコインランチ)という切り口の記事に対してのコメントであったが、やりとり第2弾に「1986年創業らしい」とある。

「スタミナラーメン のぶちゃん」の存在は認識していたが、そんなに古いとは思っていなかった。
それには理由があって、実はここから280mの至近距離に住んでいたことがあり、僕がよそへ引っ越す1985年時点でこのお店は存在していなかった。1986年オープンと、1年違いのすれ違いだったわけである。

1CLメニューが充実しているらしいということで、いちおう事前に調べました。
「これも? これもワンコイン…!?」と、驚きの連続である。
ラーメンが400円、以下、ワンタンメン、もやしそば、タンメン、サッポロ、麻婆ラーメン、カレーラーメン、カレーライス、チャーハンが500円、お店の看板のスタミナメンが530円と、1CLの麺飯が10種類もある(いずれも税込み価格)。
その中から特に感銘を受けた麻婆ラーメンを、今回とりあえず注文。

カウンター6席、テーブル席が4人掛け×3、2人掛け×1というこじんまりした店内。
年配のご夫婦と娘さんの3人体制。

麻婆ラーメンは、ひし形カットの豆腐が美しい。

レシピサイトなどに「豆腐を適当な大きさにカット」と書いてあるこのご時世に、様式美を重んじ、手間ひまを惜しまない調理人のこだわりが伝わってくるというもの。

具はシンプルで、豆腐のほかにたっぷりのひき肉とネギ少々。けっこう辛いがシビレ感はなく、ややニンニクの風味を効かせているが基本やさしい味わいの和式マーボー。
麺は懐かし系の細縮れ麺で、麻婆の餡によく絡む。
![]() | ![]() |
1CLがテーマのときは支払いを500円(+税)以内に収めることを勝手にルール化しているが、たとえばこれに半チャーハン300円をプラスしても800円と、信じ難い安さである(ほかのメニューの詳細等はこちらの記事をご参照ください)。

支払いのとき「このへんに洋食屋さんありませんでした?」と、ずっと気になっていたことをおかあさんに尋ねてみると、そのまま“東町1丁目町内会”的な昔話に突入。「1年違いだったんですねー(笑)」と。
僕の住んでいたアパートの内情を娘さんがよく知っているのには驚いたが、何度か入ったことのある松井病院向かいのそば屋を娘さんは知らず、メトロボウル裏の「メトロジュース」の存在を僕は知らず。おかあさんはさすがに何でも知っている。
そういえば、聞き忘れたが、メトロボウルの向かいの児童公園のあたりに中華屋さんがあって、そこで食べた麻婆豆腐が、ここのとは違って、口に合わなかったなぁ…(笑)。
立ち話ではなく今度はビールでも飲みながらゆっくりお話を伺いたい… と強く思った地球の午後2時。

激変のこの界隈で昭和の面影を残す「のぶちゃん」と「闇太郎」。後ろの4階建てのビルは、僕の住んでいたアパートの大家だ(笑)
[DATA]
スタミナラーメン のぶちゃん
東京都武蔵野市吉祥寺東町1-18-18
[Today's recommendation]





https://youtu.be/XOw-ak2aJS8




ハモニカ横丁の新店。久米川の「サワディー」とは無関係とのこと

“ラーメンの鬼”の系譜 【支那そば あおば】
2019.02.21
昼ごはんに出る時間が連日1時間ほど遅くなっていることにようやく気づいた。
どうりでお店の午後の休憩時間に当たることが多いわけだ。
忙しい時期の後遺症で体内時計的なものに支障をきたしているらしいと思い至った。
「ラーメン二郎 ひばりヶ丘駅前店」の行列を尻目に大泉方面へ向かう。
途中、久しぶりに「保谷大勝軒」のラーメンが食べたくなり、行ってみれば定休日(第3木曜)。
これが迷走の始まりであり、帰結点への伏線であった。
下井草の「御天」は昼は2時までということを知っており、もう間に合わない。
路線変更して、とんかつ激戦区、武蔵関へ。すでに2時を過ぎ、3軒すべて“準備中”。
青梅街道のラーメン「いごっそう」へ。入り口のプレートは“OPEN”だが、ドアを開けると「すみません、2時半までなんです」。時刻は14時46分。

千川上水沿いに五日市街道へ。
「支那そば あおば」。
15:02で、やってました。

そして先客ゼロ。
これ、やっているかいないか以上に大事なポイント。そうじゃなかったら入らない。
こういうラーメン通の集まっていそうな店ではほかのお客と同席するのがなんか怖そう。怖そうというか、めんどくさそうというか。

で、お客がいないので「やれやれ…」と入ってみると、カウンターの向こうの店主、怖そう ヽ(ヽ ̄∇ ̄)!!l ヒィー…

ラーメン好きの方はお気づきかと思うが、走行コースが人気ラーメン店めぐりになっている。はじめにそういう流れができていたらしい。
「支那そば あおば」は、“ラーメンの鬼”と呼ばれた故 佐野実氏の「支那そばや」出身の店主によるお店。そのあたりが“怖そう”という先入観を生んでいる。

注文はラーメン800円。

カウンター6席のみの小さいお店。
1998年創業。僕がこのお店を見つけたのは一昨年のことで、店主の出自はネットで調べてあったが、いまこれを書き始めるにあたってより詳しく調べるまで、ここは一昨年開店だと思い込んでいた。そのわりに店内はやけに年季が入っているとは思ったが ヾ(ー ー ) ォィ…!

色は濃いが澄んだスープに油膜が張る。うま味の強いスープで、だしは丸鶏とげんこつベースらしいが少し魚介の香りを感じる。麺は細いがしなやかなコシがあり、かみ応えがあって小麦のよい香りがする。チャーシューは大ぶりの肩ロース。
全体にワンランク上のおいしさ… という感じ。

食べているうちに1人2人とお客が入ってきて、食べ終わるころには6席すべて埋まった。
15時20分にして客足が絶えない。人気店、おそるべし。
っていうか、それってこういうお店の特徴のような気がする。時間に関係なく混む(←客、不規則人間多い?)
それが人気ラーメン店に入る機会が少ない理由の一つでもある。
ちなみにこちらのご主人は無口なだけで全然怖くない(ようだ)と思った。支払いのとき。

[DATA]
支那そば あおば
東京都武蔵野市関前4-16-6
http://osietesite.com/gourmet/tokyo/men/ramen/aoba
[Today's recommendation]


◆ 猫写真はこちら その1 その2 その3 ◆

https://youtu.be/KIYiGA_rIls
昼ごはんに出る時間が連日1時間ほど遅くなっていることにようやく気づいた。
どうりでお店の午後の休憩時間に当たることが多いわけだ。
忙しい時期の後遺症で体内時計的なものに支障をきたしているらしいと思い至った。
「ラーメン二郎 ひばりヶ丘駅前店」の行列を尻目に大泉方面へ向かう。
途中、久しぶりに「保谷大勝軒」のラーメンが食べたくなり、行ってみれば定休日(第3木曜)。
これが迷走の始まりであり、帰結点への伏線であった。
下井草の「御天」は昼は2時までということを知っており、もう間に合わない。
路線変更して、とんかつ激戦区、武蔵関へ。すでに2時を過ぎ、3軒すべて“準備中”。
青梅街道のラーメン「いごっそう」へ。入り口のプレートは“OPEN”だが、ドアを開けると「すみません、2時半までなんです」。時刻は14時46分。

千川上水沿いに五日市街道へ。
「支那そば あおば」。
15:02で、やってました。

そして先客ゼロ。
これ、やっているかいないか以上に大事なポイント。そうじゃなかったら入らない。
こういうラーメン通の集まっていそうな店ではほかのお客と同席するのがなんか怖そう。怖そうというか、めんどくさそうというか。

で、お客がいないので「やれやれ…」と入ってみると、カウンターの向こうの店主、怖そう ヽ(ヽ ̄∇ ̄)!!l ヒィー…

ラーメン好きの方はお気づきかと思うが、走行コースが人気ラーメン店めぐりになっている。はじめにそういう流れができていたらしい。
「支那そば あおば」は、“ラーメンの鬼”と呼ばれた故 佐野実氏の「支那そばや」出身の店主によるお店。そのあたりが“怖そう”という先入観を生んでいる。

注文はラーメン800円。

カウンター6席のみの小さいお店。
1998年創業。僕がこのお店を見つけたのは一昨年のことで、店主の出自はネットで調べてあったが、いまこれを書き始めるにあたってより詳しく調べるまで、ここは一昨年開店だと思い込んでいた。そのわりに店内はやけに年季が入っているとは思ったが ヾ(ー ー ) ォィ…!

色は濃いが澄んだスープに油膜が張る。うま味の強いスープで、だしは丸鶏とげんこつベースらしいが少し魚介の香りを感じる。麺は細いがしなやかなコシがあり、かみ応えがあって小麦のよい香りがする。チャーシューは大ぶりの肩ロース。
全体にワンランク上のおいしさ… という感じ。

食べているうちに1人2人とお客が入ってきて、食べ終わるころには6席すべて埋まった。
15時20分にして客足が絶えない。人気店、おそるべし。
っていうか、それってこういうお店の特徴のような気がする。時間に関係なく混む(←客、不規則人間多い?)
それが人気ラーメン店に入る機会が少ない理由の一つでもある。
ちなみにこちらのご主人は無口なだけで全然怖くない(ようだ)と思った。支払いのとき。

[DATA]
支那そば あおば
東京都武蔵野市関前4-16-6
http://osietesite.com/gourmet/tokyo/men/ramen/aoba
[Today's recommendation]



◆ 猫写真はこちら その1 その2 その3 ◆

https://youtu.be/KIYiGA_rIls