ホヤをめぐる諸問題(と思い出) 【角上魚類 小平店】

2019.07.31

 先週、記事に書いたあたりからずっと「ホヤ食べたい!」症状が続いていて、探してはいるが見つからない。
こないだまで普通に見かけていたものなのにいざ買おうとなるとなかなか見つからないことって、よくありますよね。

ホヤ [水産]:東北地方、宮城県の地域ブランド。宮城のほやの漁獲量は全国第1位で、全国シェアのおよそ8割を占める。ホヤ(マボヤ)は主に初春から夏にかけて獲られる。『事典 日本の地域ブランド・名産品』より)


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ホヤの生産量全国第1位、宮城県。女川町をはじめとするホヤ産地では、東日本大震災の津波により養殖施設が全壊・流失するなど甚大な被害を受けた。それに追い打ちをかけたのが“禁輸”措置。震災前、県産ホヤの7~8割が向けられていた韓国は、原発事故に伴う汚染水流出を理由に被災地を含む東日本8県産の水産物の輸入を全面禁止とした。ホヤ養殖は震災3年後に初水揚げにこぎ着け復活を遂げるも、販路が断たれていた。
日本政府は2015年、禁輸解除を求めWTO(世界貿易機関)に提訴。1審に当たるWTO小委員会は昨年2月、日本の言い分を認めホヤ、サンマなど28魚種の禁輸撤廃を促したが、今年4月11日、最終審である上級委員会が日本を逆転敗訴とする判断を下した。

――これが国内のホヤ養殖をめぐる現状である。日韓関係は悪化の一途をたどっているだけに事態の打開は困難と言わざるを得ず、首都圏など国内大消費地での消費の拡大は喫緊の課題となっている。


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で、冒頭に戻るわけだが、探しても見つからない。
実は今年一度買っており、それが近所の普通のスーパーだったので県の水産関係者の努力が実って国内流通が拡大しているのかとも思ったのだが、なかなかコンスタントというわけにはいかないようだ。


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ワタクシ、普通のスーパーまで探し回っておきながら、こちらの存在をすっかり忘れていたのでした (-"-;A…
「角上魚類 小平店」
ホヤ、ありました。フツーに。


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宮城県産1個150円。背後のウニの半値。
これ、獲る側の立場からいうとホヤのほうが10倍くらい難易度が高いのだ。まあ、天然物の話だけど。
とにかく売っててよかった… と2個購入。


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子どものころ、よく父親とホヤ獲りをした。
ホヤは比較的深場にいるので、小舟を出し、箱めがねでのぞきながら長い竹竿の先にくくりつけた鈎で引っかける。鈎はホヤ用三本鈎。
ホヤは群体をつくり、群体が大きいほどごっそり採取できるので効率がよいが、その分力仕事になる。岩にしっかり根を張ったホヤの塊を根こそぎ、あるいは岩ごとひっぺがすので子どもには無理な作業だ。僕の役目は、指示どおりに舟を櫂で操ること。
父は「魚が釣れる」と言ってホヤ獲りに誘い出した。ホヤをひっぺがすときに根元に生息しているゴカイのたぐいが海中に放散され、それを餌とする大型の底生魚が集まってくるのだ。しかし漁の最中は櫂を使っているので釣りどころではなく、漁が一段落して「じゃ、釣りしようか」となったときには大型魚は撤収している。魚が釣れたためしがない。

――といった回想シーンが脳裏を駆け巡る、夏&郷愁の味覚。


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キュウリとシソを添えて酢の物に。ホヤにはなぜか古くさい味のビールが合う


[DATA]
角上魚類 小平店
東京都東久留米市柳窪2-8-16
https://www.kakujoe.co.jp/shop/kodaira.php



[Today's recommendation]

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◆ 猫写真はこちら その1 その2 その3



 
https://youtu.be/LVlDSzbrH5M





工場まちで引き継ぐ多摩の暖簾 【あら井鮨】

2019.07.23

 府中街道の小平第六小学校角のT字路から国立精神・神経医療センターに抜ける通りを、その名も「六小通り」と称する。
超ローカルな地理に疎い方には、第一パンのアウトレットショップ「IF」の通りと言ったほうがわかりやすいかもしれない。あるいは、ビジネスバッグブランド「MANHATTAN PASSAGE」の企画製造販売メーカー・レジャープロダクツの所在地もこのあたり。


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その六小通りのほぼ中央に位置する「あら井鮨」。
ブリヂストン、第一屋製パンをはじめとする工場街に異質かつ孤高の存在感を放っている。


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ランチサービスの看板を出していて、それがなかなかリーズナブルであることを承知してはいるが、おいそれと踏み込める店ではない。孤高なだけに。
それが今日、通りかかると、引き戸の両側が半開きになっていて、店内の様子をうかがうことができた。


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テーブル席はないがカウンターが大きめ、先客なし。ランチの看板では、にぎり842円。
それだけ確認できれば十分。
孤高から一転、ちゃちゃっとやっつけられる気安いお店の条件が整っていたわけである。


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カウンターの中の年配の大将に「にぎり」と申告。
すると、奥の調理場から冷たいおしぼりを持ってきた2代目若大将が「にぎりだって」と伝言。「耳が遠いんですよ」と。

自分も父親が(祖父も)耳の遠い人間で、なんとなくそんな様子はうかがえた。
しかしこれは困った状況。この店に入ったらこれだけは聞いておきたいという事項がある。


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2代目がテレビのチャンネルを変えにやって来たタイミングで質問。
「八坂にも同じ名前のおすし屋さんありますね?」


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八坂駅近くの野火止通り沿いにある老舗然とした店構えの「あら井鮨」とはどんな関係にあるのか。その次に聞こうと思っていた質問の答えが、まず返ってきた。
「もとは立川なんです」と2代目。「立川の『あら井鮨』の暖簾分けで、久米川(八坂)のほうが、うちの親父のずっと先輩にあたる方で…」
それによると、この暖簾の総本山が立川北駅前交差点の「あら井鮨総本店」で、かつては三多摩地区に暖簾分けの店がたくさんあったという。食べログで調べたところ、現在はこの3店のほかに八王子のお店が確認できた。


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というところに始まり、気さくな2代目と会話しながらの楽しい食事となった。
お子さんにせがまれて某回るすし店に行った話など、示唆に富む内容も多く…。
大将が会話に入ってこられないのがちょっと残念ではあるが。


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にぎり7貫、鉄火巻き3個という内容。
とにかくネタの大きさに驚かされる。甘エビのデカいこと。


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あまりお目にかからないビジュアルの白身はメカジキ?  軟らかくうま味の強い身質。
カニにぎりもあって、ランチにしてひと味違うラインアップだ。
シャリもデカく、これで十分おなかいっぱいになる。


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話し込んで撮影を忘れ飲みかけの写真になってしまったが…、甘エビの頭の赤みそ仕立て。いいだしが出てる


ブリヂストンの工場解体・研究拠点再構築など立地的にも時代的にも困難な局面にあって店を引き継ぐ2代目の心意気に、感動…。


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[DATA]
あら井鮨
東京都小平市小川東町5-13-12



[Today's recommendation]

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◆ 猫写真はこちら その1 その2 その3




https://youtu.be/Tka4DQGx7zc





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