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ハレの日の素朴な料理 【茶処 一煎】

2023.06.22

 前記事の続きで昼ごはん。

「入間市博物館 ALIT」はミュージアムショップのみならず飲食店併設の博物館である。
ローカルミュージアムでは得難い機能で、もはやカハクトーハク並みかも… と思ったら、前記事でリンクを張っているローカル組はすべて飲食店併設だった「喫茶ストーリア」「カフェ・プイスト」「Restaurant&Café 美蔵」参照)
それゆえに印象に残っているともいえるわけだが。


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前記事でも書いているように、ショップやカフェといった人間の営みは博物館に命を吹き込む、ただのカビ臭いガラクタを立派な展示物に昇格させてくれる重要なファクターなのである… と言ったら、かなーり偏ってるか ゞ( ̄∇ ̄;)ヲイヲイ


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博物館“館内”ではなく“敷地内”の「茶処 一煎」。

博物館に入る時点ではまだ雨は小降りで傘は相方の1丁しか持ってこなかったが、いまは大変な降り方で、1人がいったん駐車場の車まで傘をもう1丁とりにいかないと博物館-茶処間の移動もままならない… という距離感および気象条件であった。

その分こちらは、いい感じに“丘の上のカフェ”という様相を醸し出している。


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平日の11時半で3組ほどの先客があることにも増して、真ん中らへんにテーブルをくっつけて“予約席”と札が立っていることに驚かされる。


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意外にメニューも豊富でけっこう悩む。


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メニュー写真を撮らせてもらっていると、「ホームページにも載ってますよ」とホール係のおねえさん。「そっちのほうがきれいだと思いますよ」と。
僕もそう思うので、詳しくはHPを参照ください。


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注文は、冷やしかき揚げそばと彩り6鉢。
冷やしかき揚げはそば・うどんがあるが、そばが茶そばであることを確認のうえ、そばに。

彩り~ はドリンク付きで、紅茶(狭山茶紅茶)に。
あとミュージアムショップで買い物をしたらこちらのドリンク券が付いてきたので、紅茶は両方に付けられた。


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彩りの6鉢は、マグロの山かけ、お茶コロッケ、煮物、抹茶のポテトサラダ、春雨サラダ、茶わん蒸し。


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山かけのとろろ、コロッケ、ポテサラには抹茶が練り込んであり、茶わん蒸しにもトッピング… と、お茶ずくめのお膳である。


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そばのかき揚げが大きい。


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こういう食堂では意外ともいえる豪快感だが、下膳の際に「かき揚げ、大きくなかったですか?」と調理のおばさま。
本当はもっと細いらしいのだが、ボリューム感を出そうと盛っているうちに型からはみ出したらしい(笑)。


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「本当は皿にバランスよく盛り付けられる大きさなんですけど、皿と同じぐらいになってしまって(笑)」
いや、オトコマエというか、うれしいサービスです。


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6鉢の膳は上品なお重仕立てだが、それぞれの料理は素朴な家庭料理のようで、昔、人寄せのときにご近所総出でしつらえ宗和膳に並べられた料理が思い出される。
これはハレの日の食べ物である。


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[DATA]
茶処 一煎(いっせん)
埼玉県入間市二本木100 アリット敷地内
https://chadokoro-issen.com/





[Today's recommendation]


https://youtu.be/lhtVulW9DzA



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大正ロマンなB級グルメ 【好古壱番館】

2022.09.18

 前記事に散策の途中で雨に降られて市役所に避難したと書いているが、11時を回っていたので、はじめ昼ごはんにするつもりだった。
雨宿りしていた銀行の軒先から近い割烹に入ろうと思ったがまだ開店前で、仕方なく市役所に逃げ込んだ次第。

それで少し気持ちの余裕ができ、昼ごはんのお店を再検討。

「なんか名物的なものってないんだろうか?」
「えーと…」とググる相方。「じゃがいも入り焼きそばっていうのがあるよ」

やはり駐車場でもらってきた「蔵の街 うまいもんマップ」で調べると、ありました。
「好古壱番館」というお店の広告に“じゃがいも入り栃木焼きそば”と書いてある。


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「蔵の街 うまいもんマップ」より


「このお店、ほかにどんなもの出すんだろう?」
「えーと…、カレーとか」
「いいね。じゃがいも入りカレー?」
「ふつう入ってるがな ヾ(・ω・o)


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ということで、市街をぐるっと回って戻って出発点の駐車場に程近いそば処「好古壱番館」へ。


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上記のようないい加減な経緯で決まったお店なので当然何の情報もなかったわけだが、これが大正ロマンか昭和モダンか… というたいへん趣ある外観。


20220918 kohkoichibankan-14門の奥が「あだち好古館」


位置的には前記事で触れた「とちぎ蔵の街観光館」のすぐ隣で、通りに面した見世蔵と土蔵群からなる同様のつくりとなっている。
見世蔵をリノベしたのが「好古壱番館」で、背後には蔵を改造した博物館「あだち好古館」がある。


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やはりレトロチックに趣ある店内。


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あとで調べると、このお店、なんとWikipediaにも項目が立っている。

――栃木県栃木市万町にある建築物、および同建築物内で営業する蕎麦屋。蔵の街と呼ばれる栃木市に建築された、初期の本格的な西洋建築の1つである。大正時代の建築であり、好古壱番館(旧安達呉服店店舗)(こうこいちばんかん きゅうあだちごふくてんてんぽ)の名称で、日本国の登録有形文化財に登録されている。


20220918 kohkoichibankan-31栃木市歴史的風致形成建造物「旧安達呉服店(好古壱番館)」(左)と国登録有形文化財(建造物)「好古壱番館(旧安達呉服店店舗)」(右)の盾


注文は決めてきたとおり、じゃがいも入り栃木焼きそばと壱番館カレーセットと、おそば屋さんだけに気が引けるが、非そば2品。
やっぱり気が引けるので、蕎麦ぜんざいを追加。


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じゃがいも入り栃木焼きそばは、想像どおりというかそのまんまというか…。
なんというか、糖質・グルテンフルなビジュアルというか… (・Θ・;)


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あっさりめのソース味で、鈍重なじゃがいもゴロゴロでもくどくならないバランスよい味付けだと思う。
このB級グルメ、かなりアリだと思うが、欠点は…
「ビ、ビール… ヽ(´д`)ノ ハァハァ…

クルマの人は要注意でしょう。


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カレーはタマネギ、ズッキーニ、ブナシメジ… と夏野菜たっぷり系。
ただし、じゃがいもは入ってませんでした(笑)。


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いわゆるそば屋のカレーとは一線を画すスパイシーな仕上がり。


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サラダもそうだが、おそらく地元の野菜を使ったものという力強さを感じる。
地産地消とは、都市部に住む人間からしたらうらやましいかぎり。


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食後のぜんざいは、もったりとしたそばがき風。
素朴な粒あんとよく合う。


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まったく調べもせずに思い付きで訪れた栃木市だが、思いのほか実力のありそうな観光地であった。
歴史に裏打ちされた街並みが重層的に残されており、今回はその表面をなぞっただけで、まだまだ見どころはたくさんありそう。


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古くから続く祭りだけでなく、オクトーバーフェストなどいろいろなイベントもあるらしい。
泊りがけで出掛けても十分楽しめるんじゃないだろうか。


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[DATA]
好古壱番館
栃木県栃木市万町4-2
http://tochigi-edo.jp/shop09
https://www.tochigi-kankou.or.jp/spot/kokoichibankan





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/lJHwc5co6iI


https://youtu.be/2RS0Ke58628



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帰路は一般道を通り、バケツをひっくり返すようなのを3度4度くらったが、雨雲を抜けると…


昔ながらの玉売り製麺所のイートイン 【はらだ製麺】

2019.06.14

 青梅街道大曲りの西に昔からあるうどん屋さん「はらだ製麺」。


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どれくらい昔からあるかは知らないが、20年くらい前に自転車でこのあたりを通りかかったとき、隣の“くだもの・かんずめ盛籠”のお店とワンセットで低周波な存在感を放っており、ずいぶん田舎に来ちゃったな… と心細くなったのを覚えている。
“大曲り”は空間のみならず時間軸のひずみをも意味するかのようであった。


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その後僕はこのさらに西、武蔵村山市役所向かいにあった曜日限定のそばが抜群においしい製麺所をよく使っていたが、そこがなくなったあと「はらだ製麺」で数回ゆでうどんを買っている。
店内で食事をするのはこれが初めて。


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「お食事ですか?」とお店のおばさま。
天ぷらのショーケースの下に“玉売り10:00~夕方、食事11:00~1:30”の張り紙。
ただいま13時24分。危なかった…。
左手が食堂で、テーブル席2×3、4×1、カウンター4席。


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注文は、村山うどん 並(3玉)、せっかくだから肉汁に(720円)。
「天ぷら、お付けしますか?」と聞かれ、にんじん・ごぼうと申告(各60円)。


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さて、期せずして肉汁・にんじん天・ごぼう天という自分にとっての武蔵野うどん(=村山うどん、小平うどん etc.)セットにおけるゴールデントリオがそろったが、こう簡潔に整うことは意外に少ない。


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昭和の街道筋な外観と内観とのギャップが甚だしく、店内装飾は、なんというか、夢の国であった。
BGMもそちら方面の映画音楽集。


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それほどコシは強くなく、優しい歯ごたえのうどん。小麦の香りが豊か。
3玉でこの量は、基本単位がかなり多いほうだと思う。


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かつおだしの効いたつゆはやや甘め。具は豚肉のみだが、これまたたっぷりの量。
糧に青菜、大根、いんげん、および薬味ネギと、脇役も申し分ない。


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突出した部分はないが全体に高いレベルでバランスがとれている感じ。
…と思うと、いきなりBibbidi-Bobbidi-Booと来て、一人ギクシャクギクシャクしてしまう摩訶不思議な空間。


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[DATA]
はらだ製麺
東京都武蔵村山市中央3-52-2





[Today's recommendation]

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◆ 猫写真はこちら その1 その2 その3




https://youtu.be/TSNPzm_wYLY


本格手打ちそば & 気さくな店主キャラ 【松和】

2019.05.26

 「アースデイフェア in 西東京」のあと西東京中央図書館に用事があり、いこいの森公園から田無駅南口へ。用が済んでもまだ10時45分で、昼ごはんには早いし開いているお店も少ない。
あまりの暑さに体力も消耗してきたことだし、帰途優先で途中にあるお店を探りつつ、開いていれば入るということにした。

途中、そばが食べたくなったワタクシ。
「そばなら手打ちっぽいのと普通の街そば、どっちがいい?」
「手打ち」と即答する相方さん。
ルートを滝山中央通りへ。


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滝山東交差点近くにひっそりという感じで営業しているそば屋がある。
「マクドナルド」を過ぎると、手打ちそばののぼりが見えてきた。
手打ちそば「松和」、11:08で開いてました v(。・・。) オッケ♪


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暖簾と銘木一枚板の看板がなければそば屋には見えない店構えで、引き戸か開き戸か判然としない入り口に戸惑うが、矢印が描いてあるのでそのとおりスライドさせる。


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店内もそば屋にはまったく見えず、スナックか何かの居抜き物件のようで、L字カウンターのみ10席程度。


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入り口の引き戸をクローザー付きと勘違いした相方がそのまま席に着こうとすると、「ちょ、そこ閉めてくれる?」とカウンターの中のご主人。「お金ないから自動ドアにできないのよ、うち(笑)」
それが終始そんな感じ。70前後かな、非常に気さくなおとうさんである。
そば職人=気難しい、という僕の偏見は見事に覆された。


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厨房の奥に麺用粉のクラフト大袋が置いてあり、暖簾が掛かって見えないがその向こうのスペースが麺打ち場の雰囲気を漂わせている。


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「お勧めはあげ茄子そば。いちばん出るんじゃないかな」とご主人。「あ、それにしろっていうんじゃなくて、何でも食べたいもの頼んでもらっていいからさ(笑)」
僕は天もり・天ざる系が食べたかったので一つはそれで、もうひと品をそのあげ茄子そばにするかどうか検討。
料理写真では茄子の付け汁うどんというもののほうがおいしそうに見え値段も安い。せっかくだからうどんも食べてみようということで、そちらに。


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ゆで時間はうどん7分、そば1分。うどんを上げたところでそばを鍋に投入。うどんを水で締めたり盛り付けたりしている間にそばがゆで上がるという寸法だ。
そば好きの脱サラ系にも見えるご主人だが、非常に手際がよく包丁さばきも堂に入っており、あるいは名店リタイア系なのかも。


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天もりそば1300円


切りのそろった上品な細切りそばで、パツンとしたコシのある食感。よく香るとてもおいしいそばである。つゆはだしが効いてかえしは甘すぎず、細切りそばによく合う。
天ぷらは、えび、きす、茄子、さつまいも、しいたけ、はじかみ、こごみ。


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つゆが共用だが、そば屋で食べる天ぷらはそれでいいと思う。
そばつゆと天つゆの両方出されることがあるが、ならばカレーライスとトンカツが別皿でカツはソースでお召し上がりくださいって、そんなカツカレーあるかーい! \( ̄  ̄*) みたいな話になっちゃって、そっち系はどうしてもしっくりこないのだ。


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うどんはコシの強いさぬきうどんのようなタイプで、あげ茄子との相性も悪くない。
ナスのほかにシシトウ、ミョウガ、ショウガと、特に夏野菜のおいしくなるこれからの季節にはおすすめの一品。


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茄子の付け汁うどん850円


ちなみに先客の常連さんの食べていた大盛りそばの量がなかなかのもので、このおいしいそばをあれだけ食べてみたいと願わずにはいられない。その同行者の注文がまさにあげ茄子そばで、これもおいしそう。
次はそのどっちかだ。


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[DATA]
松和
東京都東久留米市前沢4-9



[Today's recommendation]

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◆ 猫写真はこちら その1 その2 その3




https://youtu.be/NTJhHn-TuDY


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