五感を研ぎ澄ます
2020.04.14
オニババからダメ夫への壮絶なDVを描いたナンセンスギャグからある日突然ナイスミドルによるウンチク漫画に大転換を遂げた『ダメおやじ』(←古いな)を彷彿させる変節ぶりで食材など真面目に語りだしている当ブログであるが、えー… 小学館漫画賞狙ってます d( ̄  ̄)
ということで、本日のウンチクはサンショウ(山椒)。
サンショウはサンショウでも、うちにあるのはアサクラサンショウ(朝倉山椒)というスグレモノだ。

まず基礎知識として、サンショウは雌雄異株であり、雌株でないと実はならない。雌株であっても近くに雄株がないと、実はならないらしい。
それがアサクラサンショウは雌雄同株の突然変異で、1本で結実する。
また、サンショウ栽培でやっかいなのがトゲであるが、アサクラサンショウにはトゲがない。
さらに、実は大粒で香りが強く、辛みはまろやかで後まで残らないと、いいことずくめの品種なのである。
名前は発祥の地・兵庫県養父市八鹿町朝倉にちなむ。

木の芽といえばタケノコ。
山椒あえと土佐煮にしてみた。

土佐煮のかつお節は、日本橋にんべんの本枯節削りたて。
飼い猫がそばにいないことを確認しながら削り器を出すが、いつも必ず見つかってしまう。
人間にはもう失われてしまった嗅覚と聴覚が、かすかな木のぶつかる音とカビ付けされ発酵し熟成した香りを捉える。

酒は豊島屋酒造の純米吟醸直汲み生原酒「STAYHOME」。直売所「醸しの場」限定酒だ。
タケノコ、木の芽、生原酒で、毒素排出!
人も自然の一部だとしたら、自然の移ろいに合わせた食べものを摂ることで、体を整えたい。
〈参考〉実はちりめん山椒に(2018年5月中旬撮影)
タケノコのいまこの季節にしか味わえない食感とほのかな苦味を、木の芽の香りが引き立てる。ぴりりと爽やかな刺激は春ならではのもの。体が喜べば、免疫も上がる。
猫じゃないけど、人間ももう少し五感を研ぎ澄ませていきたいよね。

[Today's recommendation]


◆ 猫写真はこちら その1 その2 その3 ◆


https://youtu.be/aiSSz0snWzA



インスタ始めました (。-_-)ノ ヨロシク♪
オニババからダメ夫への壮絶なDVを描いたナンセンスギャグからある日突然ナイスミドルによるウンチク漫画に大転換を遂げた『ダメおやじ』(←古いな)を彷彿させる変節ぶりで食材など真面目に語りだしている当ブログであるが、えー… 小学館漫画賞狙ってます d( ̄  ̄)
ということで、本日のウンチクはサンショウ(山椒)。
サンショウはサンショウでも、うちにあるのはアサクラサンショウ(朝倉山椒)というスグレモノだ。

まず基礎知識として、サンショウは雌雄異株であり、雌株でないと実はならない。雌株であっても近くに雄株がないと、実はならないらしい。
それがアサクラサンショウは雌雄同株の突然変異で、1本で結実する。
また、サンショウ栽培でやっかいなのがトゲであるが、アサクラサンショウにはトゲがない。
さらに、実は大粒で香りが強く、辛みはまろやかで後まで残らないと、いいことずくめの品種なのである。
名前は発祥の地・兵庫県養父市八鹿町朝倉にちなむ。

木の芽といえばタケノコ。
山椒あえと土佐煮にしてみた。

土佐煮のかつお節は、日本橋にんべんの本枯節削りたて。
飼い猫がそばにいないことを確認しながら削り器を出すが、いつも必ず見つかってしまう。
人間にはもう失われてしまった嗅覚と聴覚が、かすかな木のぶつかる音とカビ付けされ発酵し熟成した香りを捉える。

酒は豊島屋酒造の純米吟醸直汲み生原酒「STAYHOME」。直売所「醸しの場」限定酒だ。
タケノコ、木の芽、生原酒で、毒素排出!
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人も自然の一部だとしたら、自然の移ろいに合わせた食べものを摂ることで、体を整えたい。
〈参考〉実はちりめん山椒に(2018年5月中旬撮影)
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タケノコのいまこの季節にしか味わえない食感とほのかな苦味を、木の芽の香りが引き立てる。ぴりりと爽やかな刺激は春ならではのもの。体が喜べば、免疫も上がる。
猫じゃないけど、人間ももう少し五感を研ぎ澄ませていきたいよね。

[Today's recommendation]


◆ 猫写真はこちら その1 その2 その3 ◆



https://youtu.be/aiSSz0snWzA





元すし屋の知られざる優良ランチ 【居酒屋 奴】
2019.01.14
西武池袋線秋津駅周辺は、南口はJR新秋津駅との乗り換え通路になっていてごった返しているが、北口は一転、閑散としていて、駅前には商業施設もほとんどない。
数少ない飲食店「居酒屋 奴」は駅から200mほどしか離れていないが、周囲はほぼ住宅街の様相である。
「奴」は気になる存在であるが、(たまたま?)いつも閉まっているので夜の居酒屋営業のみと思っていた。最近、東村山限定グルメブログ「東村山グルメ日記2」にランチ情報が載っており、「これは行ってみなければ!」となった次第。

なぜ気になる存在かというと、元すし屋だから。食べログ等ではいまだに「奴寿司」と掲載されている。
そのへんの経緯も含め、この店の情報源はたぶん上記マサさんのブログしかないので参照していただきたい。

久しぶりに秋津方面への散歩。
ということで、秋津でいまいちばん気になっているのが「奴」であるので、真っすぐお店に向かう。
祝日でどうかとは思ったが、暖簾が掛かっていた。
店頭の掲示には“定休日:日曜日”とあり、祝日の今日やって来て運がよかったわけである。

店内は、左手がカウンター8席、右手はテーブル席。
テーブル席スペースは2ないし3席設定できるようなっていて、ロールスクリーンによるパーティション機能も備える。奥には座敷席もあるもよう。
居酒屋としての使い勝手は非常によいとみた。


テーブル席に通され、ランチの天ぷら定食800円と地鶏のとり重800円(ともに税別)を注文。
注文に関しては、元すし屋であるから刺し身定食や海鮮丼といきたいところだが、3連休の最終日であるので、子ども時代身近に魚市場があった身としては自然と魚を回避している。

定食には小鉢が3つも付く。
本日は、ひじき、マカロニサラダ、肉じゃが。

天ぷらは、ナス、カボチャ、シイタケ、シシトウ、エビ、キス、カニカマ。

とり重は、臭みのない締まった鶏のもも肉をこんがり焼いたもの。

それで、元すし屋スキルの副菜、汁物が魚のあらのすまし汁というセットで、800円。

食後のコーヒーまで付く。
コスパ、すごくないですか?

次は平日で刺し身定食に決まり!

[DATA]
居酒屋 奴
東京都東村山市秋津町5-2-16
[Today's recommendation]


◆ 猫写真はこちら その1 その2 ◆

https://www.youtube.com/watch?v=W9fMNtL3jsw
西武池袋線秋津駅周辺は、南口はJR新秋津駅との乗り換え通路になっていてごった返しているが、北口は一転、閑散としていて、駅前には商業施設もほとんどない。
数少ない飲食店「居酒屋 奴」は駅から200mほどしか離れていないが、周囲はほぼ住宅街の様相である。
「奴」は気になる存在であるが、(たまたま?)いつも閉まっているので夜の居酒屋営業のみと思っていた。最近、東村山限定グルメブログ「東村山グルメ日記2」にランチ情報が載っており、「これは行ってみなければ!」となった次第。

なぜ気になる存在かというと、元すし屋だから。食べログ等ではいまだに「奴寿司」と掲載されている。
そのへんの経緯も含め、この店の情報源はたぶん上記マサさんのブログしかないので参照していただきたい。

久しぶりに秋津方面への散歩。
ということで、秋津でいまいちばん気になっているのが「奴」であるので、真っすぐお店に向かう。
祝日でどうかとは思ったが、暖簾が掛かっていた。
店頭の掲示には“定休日:日曜日”とあり、祝日の今日やって来て運がよかったわけである。

店内は、左手がカウンター8席、右手はテーブル席。
テーブル席スペースは2ないし3席設定できるようなっていて、ロールスクリーンによるパーティション機能も備える。奥には座敷席もあるもよう。
居酒屋としての使い勝手は非常によいとみた。


テーブル席に通され、ランチの天ぷら定食800円と地鶏のとり重800円(ともに税別)を注文。
注文に関しては、元すし屋であるから刺し身定食や海鮮丼といきたいところだが、3連休の最終日であるので、子ども時代身近に魚市場があった身としては自然と魚を回避している。

定食には小鉢が3つも付く。
本日は、ひじき、マカロニサラダ、肉じゃが。

天ぷらは、ナス、カボチャ、シイタケ、シシトウ、エビ、キス、カニカマ。

とり重は、臭みのない締まった鶏のもも肉をこんがり焼いたもの。

それで、元すし屋スキルの副菜、汁物が魚のあらのすまし汁というセットで、800円。


食後のコーヒーまで付く。
コスパ、すごくないですか?

次は平日で刺し身定食に決まり!


[DATA]
居酒屋 奴
東京都東村山市秋津町5-2-16
[Today's recommendation]


◆ 猫写真はこちら その1 その2 ◆

https://www.youtube.com/watch?v=W9fMNtL3jsw
Turning Point? 【餃子市 東村山店】
2018.07.28
東村山久米川町のショッピングモール「ラーレ東村山」の開業は2009年7月。ラーレ内の中華料理店「餃子市 東村山店」がオープンしたのが2016年5月。その間、どうなっていたかというと、いろいろあったとしか言いようがない。
いわゆる鬼門物件。ここで2年3カ月というのは、ずいぶんがんばってる、という印象だ。

東村山市民スポーツセンターでの用事からの流れで通りかかったのが12時半すぎ。空腹のピークで、あてもなく歩き回る気力が失われるタイミングであった。
「ここにする?」と相方。
まだもうちょっとおもしろいお店を思い出しそうな気がして、決めかねる自分。

日替わりランチの立て看板に「牛スジ刀削麺」を発見。
マイブーム的な二字? 熟語“牛スジ”と“刀削”が直列に並んでる。
その訴求効果は絶大で、もう駅まで歩くのもムリ… というくらい空腹感に支配されてしまった。
ちなみに現時点で最強の四字熟語は“牛筋咖喱”かなー ┐(´ `)┌
ここの物件はテナントが変わるたびに分割されていって、切り離したスペースにデンタルクリニックやヘアカラー専門店が入居していった。
「餃子市」に入店してまず感じたのは、「まだまだリストラがぬるい!」
空間が余ってる。

金赤玉房的デコ能力にたけた中華民族をもってしても、店内を装飾品でコテコテに埋め尽くすに至っていない。控えめでセンスいい、とさえ感じちゃう(笑)。
先客は10人ほどで、それでスカスカというつくりにも同様の違和感を覚える。このあたりの街の中華屋なら10人入ればギューギューだ。

「東村山店」となっているのは「新所沢店」もあるから。
新所沢店のTwitterプロフィールには「中国茶房8の系列店」とある。「中国茶房8」は都心部を中心に7店舗を展開する北京ダック専門店で、その新業態として2005年に「餃子市 新所沢店」をオープン、その後都心に数店舗出店したもよう。現在そのあたりの関係は不明。
注文は、日替わりランチ C牛スジ刀削麺+半ライス720円と、Eジャンボ餃子定食650円(各税別)。


牛スジ刀削麺のセットは、半ライス、サラダ、冷ややっこ、漬物、杏仁豆腐、コーヒー付き。ジャンボ餃子のセットはそれに卵スープが付く(コーヒーはなし)。
ともに非常にコスパ良好といえる。

刀削麺の具は牛スジの煮込みとチンゲン菜、薬味ネギのみだが、牛スジもチンゲン菜も量がたっぷり。
ラーメンスープも煮込みもシンプルなしょうゆ味で、牛肉の風味が前面に強く感じられる。トロトロとまではいかないが軟らかく煮込まれた牛スジがしみじみおいしい。
麺は、自分のイメージするサイドの一方がビラビラというのでなく両サイド均一で、刀削感には欠けるが、モチモチの歯応えと小麦の香りの感じられるおいしい麺だと思う。

ジャンボ餃子は餡がみっしり詰まって食べ応え十分。
ひき肉の配合が多く、和式中華の野菜の甘味主体の餃子と違って点心っぽいニュアンス。味もボリュームも満足度の高い餃子である。

ここさくら通りは、2019年3月までに市民スポーツセンター~ファミリーマート東村山久留米川町店間が開通する予定。車の流れが大きく変わることが予想される。
一方、近くの東村山高校改築工事が始まっており(~2022.01.31)、周囲の飲食店は現場作業員による昼食特需が期待できるとわれわれはみている。
鬼門物件にも運気が向いてきたかもしれない。

[DATA]
餃子市 東村山店
東京都東村山市久米川町3-1-4
[Today's recommendation]

https://www.youtube.com/watch?v=GUFipWmAf4Q


◆ 猫写真はこちら その1 その2 ◆
東村山久米川町のショッピングモール「ラーレ東村山」の開業は2009年7月。ラーレ内の中華料理店「餃子市 東村山店」がオープンしたのが2016年5月。その間、どうなっていたかというと、いろいろあったとしか言いようがない。
いわゆる鬼門物件。ここで2年3カ月というのは、ずいぶんがんばってる、という印象だ。

東村山市民スポーツセンターでの用事からの流れで通りかかったのが12時半すぎ。空腹のピークで、あてもなく歩き回る気力が失われるタイミングであった。
「ここにする?」と相方。
まだもうちょっとおもしろいお店を思い出しそうな気がして、決めかねる自分。

日替わりランチの立て看板に「牛スジ刀削麺」を発見。
マイブーム的な二字? 熟語“牛スジ”と“刀削”が直列に並んでる。
その訴求効果は絶大で、もう駅まで歩くのもムリ… というくらい空腹感に支配されてしまった。
ちなみに現時点で最強の四字熟語は“牛筋咖喱”かなー ┐(´ `)┌
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ここの物件はテナントが変わるたびに分割されていって、切り離したスペースにデンタルクリニックやヘアカラー専門店が入居していった。
「餃子市」に入店してまず感じたのは、「まだまだリストラがぬるい!」
空間が余ってる。

金赤玉房的デコ能力にたけた中華民族をもってしても、店内を装飾品でコテコテに埋め尽くすに至っていない。控えめでセンスいい、とさえ感じちゃう(笑)。
先客は10人ほどで、それでスカスカというつくりにも同様の違和感を覚える。このあたりの街の中華屋なら10人入ればギューギューだ。

「東村山店」となっているのは「新所沢店」もあるから。
新所沢店のTwitterプロフィールには「中国茶房8の系列店」とある。「中国茶房8」は都心部を中心に7店舗を展開する北京ダック専門店で、その新業態として2005年に「餃子市 新所沢店」をオープン、その後都心に数店舗出店したもよう。現在そのあたりの関係は不明。
注文は、日替わりランチ C牛スジ刀削麺+半ライス720円と、Eジャンボ餃子定食650円(各税別)。


牛スジ刀削麺のセットは、半ライス、サラダ、冷ややっこ、漬物、杏仁豆腐、コーヒー付き。ジャンボ餃子のセットはそれに卵スープが付く(コーヒーはなし)。
ともに非常にコスパ良好といえる。

刀削麺の具は牛スジの煮込みとチンゲン菜、薬味ネギのみだが、牛スジもチンゲン菜も量がたっぷり。
ラーメンスープも煮込みもシンプルなしょうゆ味で、牛肉の風味が前面に強く感じられる。トロトロとまではいかないが軟らかく煮込まれた牛スジがしみじみおいしい。
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麺は、自分のイメージするサイドの一方がビラビラというのでなく両サイド均一で、刀削感には欠けるが、モチモチの歯応えと小麦の香りの感じられるおいしい麺だと思う。

ジャンボ餃子は餡がみっしり詰まって食べ応え十分。
ひき肉の配合が多く、和式中華の野菜の甘味主体の餃子と違って点心っぽいニュアンス。味もボリュームも満足度の高い餃子である。

ここさくら通りは、2019年3月までに市民スポーツセンター~ファミリーマート東村山久留米川町店間が開通する予定。車の流れが大きく変わることが予想される。
一方、近くの東村山高校改築工事が始まっており(~2022.01.31)、周囲の飲食店は現場作業員による昼食特需が期待できるとわれわれはみている。
鬼門物件にも運気が向いてきたかもしれない。

[DATA]
餃子市 東村山店
東京都東村山市久米川町3-1-4
[Today's recommendation]

https://www.youtube.com/watch?v=GUFipWmAf4Q


◆ 猫写真はこちら その1 その2 ◆
ハイレベルな格安天丼 【椿】
2017.04.05
イオン所沢店(旧ダイエー)の北側一帯はタワーマンションラッシュの影響でいまどきの飲食店も増えたが、イオン前の信号を入ったこの通りはまだ昔ながらの店が頑張っている。
焼肉「食道園」、ラーメン「早池峰亭」、そして天ぷら「椿」が旧勢力の代表格だ。
やや敷居が高そうな店構えのわりにリーズナブルな価格設定の「椿」のランチが気になっていた。
特に天丼650円は、チェーン店を除けばほとんどボトムラインじゃないだろうか。

はじめから天丼しか考えていなかったのだが、行ってみれば店先に「ミニ天丼とミニうどん・そば・そうめん750円」という耳寄り情報が。いや、考えてみたら天ぷら定食850円も引かれるものがある、と迷いに入ってしまった。
こんなとき650円という字ヅラは強い。1000円より500円のほうに近い。500円の友だち、みたいな印象が刷り込まれる。
ということで初志貫徹。

天丼(650円+税)のネタは、エビ、イカ、キス、ナスの4種類。つゆはやや辛口。
特にキスは大きめで身が厚くホロホロ、くさみもなくたいへん美味。
ただ、エビ、イカはやや小さめで全4品だから、“疎ら感”は否めない。この感じ、なんか似てるとこ知ってる、どこだっけ…? とモヤモヤ。そこで思い出したのが「いもや」なのだった。

神保町界隈に展開していた天丼「いもや」。小ぶりなエビなどで原材料費を抑え、低価格で提供する。仕事が丁寧だから値段のわりに満足度が高い。
小ぶりだが大切に扱われている感じが、天ぷらと天ぷらのスキマから伝わってくるような、そんなたたずまいのいもやの天丼。椿の天丼には何かそれに通じるものがある。

もっとも、天丼専門店と日本料理店の違いとでもいうのか、差は大きいようで、完成度はこちらが上。
ネタのよさもそうだが、そのワンランクの違いは、これもまたスキマ、仕事(ワザ)の行間から伝わってくるのではないだろうか。

[DATA]
椿
埼玉県所沢市東町7-2

https://youtu.be/_zJW-aN1HII
イオン所沢店(旧ダイエー)の北側一帯はタワーマンションラッシュの影響でいまどきの飲食店も増えたが、イオン前の信号を入ったこの通りはまだ昔ながらの店が頑張っている。
焼肉「食道園」、ラーメン「早池峰亭」、そして天ぷら「椿」が旧勢力の代表格だ。
やや敷居が高そうな店構えのわりにリーズナブルな価格設定の「椿」のランチが気になっていた。
特に天丼650円は、チェーン店を除けばほとんどボトムラインじゃないだろうか。

はじめから天丼しか考えていなかったのだが、行ってみれば店先に「ミニ天丼とミニうどん・そば・そうめん750円」という耳寄り情報が。いや、考えてみたら天ぷら定食850円も引かれるものがある、と迷いに入ってしまった。
こんなとき650円という字ヅラは強い。1000円より500円のほうに近い。500円の友だち、みたいな印象が刷り込まれる。
ということで初志貫徹。

天丼(650円+税)のネタは、エビ、イカ、キス、ナスの4種類。つゆはやや辛口。
特にキスは大きめで身が厚くホロホロ、くさみもなくたいへん美味。
ただ、エビ、イカはやや小さめで全4品だから、“疎ら感”は否めない。この感じ、なんか似てるとこ知ってる、どこだっけ…? とモヤモヤ。そこで思い出したのが「いもや」なのだった。

神保町界隈に展開していた天丼「いもや」。小ぶりなエビなどで原材料費を抑え、低価格で提供する。仕事が丁寧だから値段のわりに満足度が高い。
小ぶりだが大切に扱われている感じが、天ぷらと天ぷらのスキマから伝わってくるような、そんなたたずまいのいもやの天丼。椿の天丼には何かそれに通じるものがある。

もっとも、天丼専門店と日本料理店の違いとでもいうのか、差は大きいようで、完成度はこちらが上。
ネタのよさもそうだが、そのワンランクの違いは、これもまたスキマ、仕事(ワザ)の行間から伝わってくるのではないだろうか。

[DATA]
椿
埼玉県所沢市東町7-2

https://youtu.be/_zJW-aN1HII