ちゃちゃっとクラシックコンサート!(後編) 【NHKホール】
2023.05.20
前記事からの流れで、2日前に気まぐれにチケットを買い、自転車でフラッと出かけたクラシックコンサート。
何が言いたいかというと、こういうものに肩肘張らず普段着感覚で触れられる、いい時代になったなぁ… と。
僕はどこに行くにもジーンズだが、クラシックはちょっと前まで、ドレスコードとまではいかなくともジーンズでは確実に浮いていたはず。自転車で行く人なんていなかったんじゃないかな…(笑)。
まあ、文化的環境というか、東京圏だからこその地の利あっての行動スタイルではあるんだが。





指揮者も奏者も超一流。
価格(E席1600円)との不釣り合い甚だしい。
パスカル・ロジェは現代フランスを代表するピアニストで、“フレンチ・ピアニズム”の系譜を引き継ぐ名手。
私的な思い出話で恐縮だが、某情報誌編集部に勤めていた30数年前、同じフロアにパーティションなしで映画雑誌の編集部があり、そっちの雑誌にクラシックCD紹介の小さい記事を書いていた。毎月1枚好きなCDを買ってきて原稿を作って領収書と一緒に提出するとCD代が返ってきて、原稿料代わりにそのCDをいただく… といったような取り決めだったと思うが、第1回目に取り上げたのがパスカル・ロジェ『プーランク・ピアノ曲集』。映画雑誌は正確にはフランスの映画雑誌の日本語版で、そんなところにフランス音楽の記事とか、いま思えば冷や汗ものなんだが…。
こうして実演に接するのは、なんだか不思議な感覚。

開演前のホールの様子。※以下の動画はイメージであり、当コンサートとは関係ありません
[開演前の室内楽]N響奏者によるギィ・ロパルツの室内楽曲が素晴らしかった https://youtu.be/1Xi4-3pymqk
パスカル・ロジェによるサン=サーンス5番。N響定期前日(19日)のアンコールはこの動画と同じジムノペディ第1番だったそうだが、20日は同じエリック・サティでもグノシエンヌ第2番だった https://youtu.be/4PS-XWZVJgI
メインプログラムのセザール・フランク 交響曲ニ短調 https://youtu.be/st_D6J1B02Q
その30数年前のCDはいまも手元にあり、引っ張り出してみて驚いたのが価格で、なんと3500円!
今回のコンサート(E席)の約2.2倍もしている。
価格と内容の不釣り合いを感じるゆえんでもある。

ギャラのパスカル・ロジェPf『プーランク/ピアノ曲集』(3500円)と、その3年前に買ったバーンスタイン指揮『フランク/交響曲』(同じく3500円)、合わせて7000円と、今回のコンサート4回聴いてお釣りがくる。今プログラムの5番を含むサン=サーンス/ピアノ協奏曲全集の手持ちCDもパスカル・ロジェだ
そのあたりの感覚も、いい時代といえばいい時代。
3記事前の博物館無料公開もそういうことだと思う。
万人向けということではなく、人それぞれに値ごろ感が得られるというか。

※N響定期公演はカーテンコールの撮影OK
それには情報の取捨選択がますます重要となるが、一方でGoogleの検索がほとんど機能しなくなって久しい。
情報やAIとの距離感しだいで、生きやすくも生きづらくもなる世の中。

[DATA]
NHKホール
東京都渋谷区神南2-2-1
https://www.nhk-fdn.or.jp/nhk_hall/
[Today's recommendation]

https://youtu.be/TqTcG5rIK0s


前記事からの流れで、2日前に気まぐれにチケットを買い、自転車でフラッと出かけたクラシックコンサート。
何が言いたいかというと、こういうものに肩肘張らず普段着感覚で触れられる、いい時代になったなぁ… と。
僕はどこに行くにもジーンズだが、クラシックはちょっと前まで、ドレスコードとまではいかなくともジーンズでは確実に浮いていたはず。自転車で行く人なんていなかったんじゃないかな…(笑)。
まあ、文化的環境というか、東京圏だからこその地の利あっての行動スタイルではあるんだが。





指揮者も奏者も超一流。
価格(E席1600円)との不釣り合い甚だしい。
パスカル・ロジェは現代フランスを代表するピアニストで、“フレンチ・ピアニズム”の系譜を引き継ぐ名手。
私的な思い出話で恐縮だが、某情報誌編集部に勤めていた30数年前、同じフロアにパーティションなしで映画雑誌の編集部があり、そっちの雑誌にクラシックCD紹介の小さい記事を書いていた。毎月1枚好きなCDを買ってきて原稿を作って領収書と一緒に提出するとCD代が返ってきて、原稿料代わりにそのCDをいただく… といったような取り決めだったと思うが、第1回目に取り上げたのがパスカル・ロジェ『プーランク・ピアノ曲集』。映画雑誌は正確にはフランスの映画雑誌の日本語版で、そんなところにフランス音楽の記事とか、いま思えば冷や汗ものなんだが…。
こうして実演に接するのは、なんだか不思議な感覚。

開演前のホールの様子。※以下の動画はイメージであり、当コンサートとは関係ありません
[開演前の室内楽]N響奏者によるギィ・ロパルツの室内楽曲が素晴らしかった https://youtu.be/1Xi4-3pymqk
パスカル・ロジェによるサン=サーンス5番。N響定期前日(19日)のアンコールはこの動画と同じジムノペディ第1番だったそうだが、20日は同じエリック・サティでもグノシエンヌ第2番だった https://youtu.be/4PS-XWZVJgI
メインプログラムのセザール・フランク 交響曲ニ短調 https://youtu.be/st_D6J1B02Q
その30数年前のCDはいまも手元にあり、引っ張り出してみて驚いたのが価格で、なんと3500円!
今回のコンサート(E席)の約2.2倍もしている。
価格と内容の不釣り合いを感じるゆえんでもある。

ギャラのパスカル・ロジェPf『プーランク/ピアノ曲集』(3500円)と、その3年前に買ったバーンスタイン指揮『フランク/交響曲』(同じく3500円)、合わせて7000円と、今回のコンサート4回聴いてお釣りがくる。今プログラムの5番を含むサン=サーンス/ピアノ協奏曲全集の手持ちCDもパスカル・ロジェだ
そのあたりの感覚も、いい時代といえばいい時代。
3記事前の博物館無料公開もそういうことだと思う。
万人向けということではなく、人それぞれに値ごろ感が得られるというか。

※N響定期公演はカーテンコールの撮影OK
それには情報の取捨選択がますます重要となるが、一方でGoogleの検索がほとんど機能しなくなって久しい。
情報やAIとの距離感しだいで、生きやすくも生きづらくもなる世の中。

[DATA]
NHKホール
東京都渋谷区神南2-2-1

[Today's recommendation]

https://youtu.be/TqTcG5rIK0s


門前といえば✌ その2 【川崎大師 松山】
2023.02.23
川崎大師仲見世通り食べ歩き編その2。
前記事「吉田屋」から3~4軒先。
門前といえば、やっぱ甘酒でしょ✌
30数年前にお参りしたとき、「とんとこ、とんとこ」という飴切りの音と甘酒をいただいたことだけ覚えている。

看板を見ると、こちら奈良漬け屋さんのもよう。
ということは、甘酒は甘酒でも、米こうじではなく酒かす甘酒だろうか?
いやいや、“糀(こうじ)甘酒”としっかり書いてある。“お砂糖・アルコールは入っておりません!”
近そうで遠そうな、遠そうで近そうな… 奈良漬けと甘酒のビミョーな距離感。
あとで調べると、こちらは1917(大正6)年創業の老舗奈良漬け屋「町田屋」に併設された「川崎大師 松山」という和カフェ。
2013年オープンの新しいお店だ。

“甘酒”のつり下げ旗をくぐればカフェの飲食スペース。

店先のメニュー看板を見ると、食事の品ぞろえもけっこう充実している。
たべもの屋さんの極端に少ないこのかいわいで貴重な存在なのであった。
(つづく)

[DATA]
川崎大師 松山
神奈川県川崎市川崎区大師町4-44
https://www.facebook.com/profile.php?id=100054546636356
[Today's recommendation]

https://youtu.be/TL0xzp4zzBE




次号予告
川崎大師仲見世通り食べ歩き編その2。
前記事「吉田屋」から3~4軒先。
門前といえば、やっぱ甘酒でしょ✌
30数年前にお参りしたとき、「とんとこ、とんとこ」という飴切りの音と甘酒をいただいたことだけ覚えている。

看板を見ると、こちら奈良漬け屋さんのもよう。
ということは、甘酒は甘酒でも、米こうじではなく酒かす甘酒だろうか?
いやいや、“糀(こうじ)甘酒”としっかり書いてある。“お砂糖・アルコールは入っておりません!”
近そうで遠そうな、遠そうで近そうな… 奈良漬けと甘酒のビミョーな距離感。
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あとで調べると、こちらは1917(大正6)年創業の老舗奈良漬け屋「町田屋」に併設された「川崎大師 松山」という和カフェ。
2013年オープンの新しいお店だ。

“甘酒”のつり下げ旗をくぐればカフェの飲食スペース。

店先のメニュー看板を見ると、食事の品ぞろえもけっこう充実している。
たべもの屋さんの極端に少ないこのかいわいで貴重な存在なのであった。
(つづく)

[DATA]
川崎大師 松山
神奈川県川崎市川崎区大師町4-44

[Today's recommendation]

https://youtu.be/TL0xzp4zzBE




次号予告
ループものな午后1時 【チャイニーズレストラン 一番】
2021.04.15
電車でどこそこまで行って歩いて帰ってくるというのに凝っている。
新所沢、花小金井、田無、東伏見の記事がそうで、今回は国分寺。
国分寺は直線距離(西武国分寺線)で7.8kmなので、歩くルートは10kmくらいかな。ちょっと長めの散歩コースという感覚で、以前から何度か歩いている。
このパターンでは昼ごはんが関門となっている。そのうちどこかで… とダラダラ歩き続け、気がつけばランチタイムが過ぎ… みたいな。
同じ過ちを繰り返していては大人としてアレなので、今回はお昼候補を前もって決めている。2店も。
問題は、2店とも定休日だったということで ΣΣ( ̄□ ̄;) ハウッ!
それくらい調べておけよ! って話だけど、そうやっておんなじおんなじなのは、原因が一つではないってことだな。

五日市街道国分寺高校北交差点から高校東通りに入り、鷹の台駅へ向かう。
この時点で強烈な既視感に襲われている。

鷹の台駅前商店街の角を回り込んだとき、「ここに入らないと、もう食べるとこないんじゃないの?」と相方。
やっぱりー (ノ ̄□ ̄)ノ !!

3年半前にまさに同じ状況で同じコースをたどって入ったのが、駅前商店街出口にある創業50年余りの老舗中華店「チャイニーズレストラン 一番」。
詳細は過去記事をご覧いただければと。
こちらはメニューが豊富で各種サービスも充実している。
前回はラーメン半額の日で、“今月のラーメン半額250円は○日~○日”というポスターが最近まで張ってあったように思うが、いまはやっていないのかな?
現在の目玉サービスは“こだいらグルメパスポートご持参で飯類・麺類100円引き”。

今週のサービス品というのもあって、そのカタヤキソバ740円(通常840円)を注文。
もう1品はランチメニューからレバニラ丼とハーフラーメン760円。

キーワードはボリュームUp!
メニュー表の端々から、いかに量を食べさせるかという一貫した方向性が伝わってくる。
学生街だけに。

ループものの記号論
1階2階をスチールのらせん階段で結ぶシャレたつくりで、前回同様清潔感が漂っており、メンテナンスが行き届いている印象。
知らなかったが3階座敷席もあるらしい。

吹き抜けを生かした採光システムで、大きい窓から優しい自然光が差し込む。

セットメニューは予想どおりボリューム満点。
ハーフラーメンが普通サイズに見える。
したがってレバニラ丼は1.5倍と言っても過言でなかろう。

材料がほぼレバーとニラのみという文字どおりのレバニラ。
こういうシンプルな構成が、実はいちばん好きかも。いくらでも食べられる気がする。

ラーメンもすっきりしただしの昔ながらの味わいで、しょっぱめのスープが甘味の強いレバニラと好相性。
飽きの来ない安定の組み合わせだと思う。

カタヤキソバは塩味で、見た目が白い。
白い焼きそばも僕は好き。

塩気が強めだが調味がシンプルで、口の中にくどさが残ることがない。
昔の人はこういう焼きそばにソースをかけたりしたが、やっぱり酢でしょう。さらにすっきりした味わいに。

店のつくりは小ぎれいだが、料理とサービス精神は古きよき街中華。
いつまでもあり続けてほしいお店です。

[DATA]
チャイニーズレストラン 一番
東京都小平市たかの台34-3
[Today's recommendation]



https://youtu.be/oOTpQpoHHaw


国分寺市北町3丁目
電車でどこそこまで行って歩いて帰ってくるというのに凝っている。
新所沢、花小金井、田無、東伏見の記事がそうで、今回は国分寺。
国分寺は直線距離(西武国分寺線)で7.8kmなので、歩くルートは10kmくらいかな。ちょっと長めの散歩コースという感覚で、以前から何度か歩いている。
このパターンでは昼ごはんが関門となっている。そのうちどこかで… とダラダラ歩き続け、気がつけばランチタイムが過ぎ… みたいな。
同じ過ちを繰り返していては大人としてアレなので、今回はお昼候補を前もって決めている。2店も。
問題は、2店とも定休日だったということで ΣΣ( ̄□ ̄;) ハウッ!
それくらい調べておけよ! って話だけど、そうやっておんなじおんなじなのは、原因が一つではないってことだな。

五日市街道国分寺高校北交差点から高校東通りに入り、鷹の台駅へ向かう。
この時点で強烈な既視感に襲われている。

鷹の台駅前商店街の角を回り込んだとき、「ここに入らないと、もう食べるとこないんじゃないの?」と相方。
やっぱりー (ノ ̄□ ̄)ノ !!

3年半前にまさに同じ状況で同じコースをたどって入ったのが、駅前商店街出口にある創業50年余りの老舗中華店「チャイニーズレストラン 一番」。
詳細は過去記事をご覧いただければと。
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こちらはメニューが豊富で各種サービスも充実している。
前回はラーメン半額の日で、“今月のラーメン半額250円は○日~○日”というポスターが最近まで張ってあったように思うが、いまはやっていないのかな?
現在の目玉サービスは“こだいらグルメパスポートご持参で飯類・麺類100円引き”。

今週のサービス品というのもあって、そのカタヤキソバ740円(通常840円)を注文。
もう1品はランチメニューからレバニラ丼とハーフラーメン760円。

キーワードはボリュームUp!
メニュー表の端々から、いかに量を食べさせるかという一貫した方向性が伝わってくる。
学生街だけに。

ループものの記号論
1階2階をスチールのらせん階段で結ぶシャレたつくりで、前回同様清潔感が漂っており、メンテナンスが行き届いている印象。
知らなかったが3階座敷席もあるらしい。

吹き抜けを生かした採光システムで、大きい窓から優しい自然光が差し込む。

セットメニューは予想どおりボリューム満点。
ハーフラーメンが普通サイズに見える。
したがってレバニラ丼は1.5倍と言っても過言でなかろう。

材料がほぼレバーとニラのみという文字どおりのレバニラ。
こういうシンプルな構成が、実はいちばん好きかも。いくらでも食べられる気がする。

ラーメンもすっきりしただしの昔ながらの味わいで、しょっぱめのスープが甘味の強いレバニラと好相性。
飽きの来ない安定の組み合わせだと思う。

カタヤキソバは塩味で、見た目が白い。
白い焼きそばも僕は好き。

塩気が強めだが調味がシンプルで、口の中にくどさが残ることがない。
昔の人はこういう焼きそばにソースをかけたりしたが、やっぱり酢でしょう。さらにすっきりした味わいに。

店のつくりは小ぎれいだが、料理とサービス精神は古きよき街中華。
いつまでもあり続けてほしいお店です。

[DATA]
チャイニーズレストラン 一番
東京都小平市たかの台34-3
[Today's recommendation]



https://youtu.be/oOTpQpoHHaw


国分寺市北町3丁目
門前〇〇そば 【峰英軒】
2021.01.25
門前の茶屋シリーズ。
武蔵村山市三ツ木の十二所神社門前に位置するラーメン店「峰英軒」は“神社ラーメン”の愛称で親しまれ、その通り名でネット検索しても簡単にヒットする。

門前というか、門ナカにも見えるが…
門前といえば“そば”。
それに“中華”がくっついただけで、門前そばには違いない。
門前の茶屋シリーズ(笑)。

十二所神社は1300年前に創立された古社。
境内に立っていた三本の木が、いまも残る三ツ木という地名の由来という。

ええ、目的はお参りですけど、なにか?
ちょうど正午を回った刻限でおなかもすいてきました。
やあ、こんなところにおそば屋さんが。。。

断じてラーメン目的ではないのである ( ー̀ωー́ )
そのわりに注文はギョーザ入りラーメンと、やる気満々なのである (〃 ̄ω ̄〃ゞソノォ…

前回、ワンタンメンを食べて満足度が高かったが、あとでギョーザ入りラーメンの張り紙を見つけモヤモヤとなった。

ワンタンメンは、まあどこでも食べられるが、ギョーザラーメンは珍しい。
このワンタンメンのクオリティからして… と気になってしょうがない。

それから10カ月。
なぜか焼きギョーザと思い込んでいたが、ギョーザ入りラーメンの真相はゆでギョーザであった。
たしかにそれならワンタンメンと同じ工程で作れるし… とナットク。
ツルンとした皮にシャクシャク野菜の歯応えの対比が心地よい。ニンニクのパンチも効いている。

ときに、このツルンとした食感、何かに似てる。
よくラーメンにのっていて、ツルンとしていて、ビロビロで……
そうだ、ワンタンだ… d ( ̄ω ̄;)

えーと… ギョーザ入りラーメンは、いわば中身パンパンなワンタンメン。
ただし具材が野菜主体なだけに、ヘルシー感いっぱい!
それにしても、ギョーザ以外のトッピングの多さ。
財布に10円玉が入っていなくてエイヤと投じたお賽銭50円の御利益かな…。

[DATA]
峰英軒
東京都武蔵村山市三ツ木5-13-1
[Today's recommendation]



https://youtu.be/-jq7ddMRvu0


雲取方面も雪を頂いている
門前の茶屋シリーズ。
武蔵村山市三ツ木の十二所神社門前に位置するラーメン店「峰英軒」は“神社ラーメン”の愛称で親しまれ、その通り名でネット検索しても簡単にヒットする。

門前というか、門ナカにも見えるが…
門前といえば“そば”。
それに“中華”がくっついただけで、門前そばには違いない。
門前の茶屋シリーズ(笑)。

十二所神社は1300年前に創立された古社。
境内に立っていた三本の木が、いまも残る三ツ木という地名の由来という。

ええ、目的はお参りですけど、なにか?
ちょうど正午を回った刻限でおなかもすいてきました。
やあ、こんなところにおそば屋さんが。。。

断じてラーメン目的ではないのである ( ー̀ωー́ )
そのわりに注文はギョーザ入りラーメンと、やる気満々なのである (〃 ̄ω ̄〃ゞソノォ…

前回、ワンタンメンを食べて満足度が高かったが、あとでギョーザ入りラーメンの張り紙を見つけモヤモヤとなった。

ワンタンメンは、まあどこでも食べられるが、ギョーザラーメンは珍しい。
このワンタンメンのクオリティからして… と気になってしょうがない。

それから10カ月。
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なぜか焼きギョーザと思い込んでいたが、ギョーザ入りラーメンの真相はゆでギョーザであった。
たしかにそれならワンタンメンと同じ工程で作れるし… とナットク。
ツルンとした皮にシャクシャク野菜の歯応えの対比が心地よい。ニンニクのパンチも効いている。

ときに、このツルンとした食感、何かに似てる。
よくラーメンにのっていて、ツルンとしていて、ビロビロで……
そうだ、ワンタンだ… d ( ̄ω ̄;)

えーと… ギョーザ入りラーメンは、いわば中身パンパンなワンタンメン。
ただし具材が野菜主体なだけに、ヘルシー感いっぱい!
![]() | ![]() |
それにしても、ギョーザ以外のトッピングの多さ。
財布に10円玉が入っていなくてエイヤと投じたお賽銭50円の御利益かな…。

[DATA]
峰英軒
東京都武蔵村山市三ツ木5-13-1
[Today's recommendation]



https://youtu.be/-jq7ddMRvu0


雲取方面も雪を頂いている
時をかける絶品カレー 【どっぽ】
2018.06.09
20世紀半ば以降、隆盛を極めた喫茶店は、1982~83年ころには店舗数約16万を数えた。まさにわれわれの学生時代がピークだったわけで、その後減少に転じ、世紀末にかけてじわじわ衰退していく。1999年の店舗数は約9万4000と、10万店を切っている。(数字は(一社)全日本コーヒー協会 統計資料 等を参照)

1980年代、喫茶店はどこにでも存在し、僕らは当たり前のように喫茶店を使った。コーヒーだけじゃなく食事にも利用した。
当時の喫茶店メシといえば、ピラフ、スパゲティ、ピザトーストといった、調理にさほど技術を要さない簡易なものが中心。
なかには自家製のカレーを出す店もあって、そういうところはワンランク上というか、知性や思想性のバックグラウンドのようなものをちらつかせていたようにも思われたが、カレー=インド=ヒッピーみたいな連想から、ひと回り上の世代の文化への憧れの念からそう感じるところがあったのかもしれない。

いまでも古い喫茶店の店先に“カレー”の文字を見かけるとグッとくるものがある。
実際に食べてみると、家庭のカレーのようなありきたりなたべもので拍子抜けしたりする。ヒッピーコミュニティの残り香を感じさせ… というわけには、なかなかいくものじゃない。

青梅街道を移動中、“喫茶 ランチ”の置き看板を発見した。
「こんなとこにそんなもの、あったか?」と、矢印のとおり脇道に入る。20mほど先に“コーヒー カレー”の電飾スタンド看板。
こういう“カレー”の文字にグッとくるのである。
行ってみると、民家の裏口のような細い通路になっている。これはいわゆる自宅開放型カフェだな、と判断した。
通路を進んだら、もうお店に入らざるを得ない状況になりそうで、その先の探索を断念。ひと月ほど前の話だ。
左は青梅街道からのアングル、右は反対側から。スタンド看板の位置に“裏口”がある
本日、東大和市駅付近を散歩中にそのお店のことを思い出した。
行くだけ行ってみようと、ハミングホールの北側の住宅街に入る。青梅街道とは逆側からのアプローチで、あてずっぽうに入ったのだが、しばらく進むと住宅地の真ん中に前に見たのと同じような看板がある。
矢印に従って左に折れ、少し歩く。
風格のあるレストラン風のお店が出現した。忽然と。

この前は一本隣の道から店の裏側を見ていたわけだ。
自宅開放型どころか店先に3台分の駐車スペースを備えた立派な独立店舗である。
しかも新しくはなさそう。

入り口右脇の通路が裏の道路に通じている
なぜこのお店の存在にこれまで気づかなかったのか不思議でしょうがない。
まるで時空を超えていままさに出現したばかりであるかのようだ。
店内はゆったりと広く、駐車場側の窓際に2人掛けテーブル6脚、右奥に8人掛けテーブル、カウンター5席。先客は年配女性の単独客2人で両端に陣取っているので、必然的に窓際の中ほどに座る。

お店の人はご夫婦かな、60代くらいの男女。注文をとりに来たおばさまがテーブル2つをくっつけて広くしてくれた。
本日のランチBどっぽのカレーライス ①サラダ付き(×2)を注文。

BGMはジャズピアノ。
壁は天然木やコルク材、天井の中央部は吹き抜けのように一段高い天窓になっている。
自家製ジャムや焼き菓子が売られていたり、室内楽の案内(なんと、店内で演奏!)があったりと、文化の香り漂う空間。
隠れ家感たっぷりで、懐かしさに浸ってまったりとなる。

運ばれてきたカレーを見て、「吉祥寺カレーだね」と相方。

黒っぽい色合いといい、ざらッとしたボディ感といい、「まめ蔵」「くぐつ草」「武蔵野文庫」に代表される吉祥寺カフェカレーにそっくりなのである。

オリジナル配合のスパイスが香り、ココアのような苦味が少々。タマネギの甘味が強いが、それ以上に特徴的なのがビーフかな? 肉系のコク味が強いこと。味のバランスがよくとてもおいしいカレーだ。

付け合わせのラッキョウ、ニンジンの甘酢、切り干し大根のハリハリ漬け風も、自家製の優しい味。
デザートの梅ゼリーも、もちろん自家製。

明るく健全そのものの運営スタイルはヒッピー的要素とは結び付かないが、80年代喫茶店文化のDNAは間違いなく受け継がれていると感じる。
「どれぐらいやられてるんですか?」と支払いのときに聞いてみた。
「38年になります」とご主人。
まさしく、われら80's世代。
それにしても僕がまったく気づかなかったのはいよいよ腑に落ちない。
やはりこの店には時空魔法がかかっているに違いない。

[DATA]
どっぽ
東京都東大和市南街1-19-5
[Today's recommendation]

https://youtu.be/hqXpaTu8UrM


20世紀半ば以降、隆盛を極めた喫茶店は、1982~83年ころには店舗数約16万を数えた。まさにわれわれの学生時代がピークだったわけで、その後減少に転じ、世紀末にかけてじわじわ衰退していく。1999年の店舗数は約9万4000と、10万店を切っている。(数字は(一社)全日本コーヒー協会 統計資料 等を参照)

1980年代、喫茶店はどこにでも存在し、僕らは当たり前のように喫茶店を使った。コーヒーだけじゃなく食事にも利用した。
当時の喫茶店メシといえば、ピラフ、スパゲティ、ピザトーストといった、調理にさほど技術を要さない簡易なものが中心。
なかには自家製のカレーを出す店もあって、そういうところはワンランク上というか、知性や思想性のバックグラウンドのようなものをちらつかせていたようにも思われたが、カレー=インド=ヒッピーみたいな連想から、ひと回り上の世代の文化への憧れの念からそう感じるところがあったのかもしれない。

いまでも古い喫茶店の店先に“カレー”の文字を見かけるとグッとくるものがある。
実際に食べてみると、家庭のカレーのようなありきたりなたべもので拍子抜けしたりする。ヒッピーコミュニティの残り香を感じさせ… というわけには、なかなかいくものじゃない。

青梅街道を移動中、“喫茶 ランチ”の置き看板を発見した。
「こんなとこにそんなもの、あったか?」と、矢印のとおり脇道に入る。20mほど先に“コーヒー カレー”の電飾スタンド看板。
こういう“カレー”の文字にグッとくるのである。
![]() | ![]() | ![]() |
行ってみると、民家の裏口のような細い通路になっている。これはいわゆる自宅開放型カフェだな、と判断した。
通路を進んだら、もうお店に入らざるを得ない状況になりそうで、その先の探索を断念。ひと月ほど前の話だ。
![]() | ![]() |
本日、東大和市駅付近を散歩中にそのお店のことを思い出した。
行くだけ行ってみようと、ハミングホールの北側の住宅街に入る。青梅街道とは逆側からのアプローチで、あてずっぽうに入ったのだが、しばらく進むと住宅地の真ん中に前に見たのと同じような看板がある。
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矢印に従って左に折れ、少し歩く。
風格のあるレストラン風のお店が出現した。忽然と。

この前は一本隣の道から店の裏側を見ていたわけだ。
自宅開放型どころか店先に3台分の駐車スペースを備えた立派な独立店舗である。
しかも新しくはなさそう。

入り口右脇の通路が裏の道路に通じている
なぜこのお店の存在にこれまで気づかなかったのか不思議でしょうがない。
まるで時空を超えていままさに出現したばかりであるかのようだ。
![]() | ![]() |
店内はゆったりと広く、駐車場側の窓際に2人掛けテーブル6脚、右奥に8人掛けテーブル、カウンター5席。先客は年配女性の単独客2人で両端に陣取っているので、必然的に窓際の中ほどに座る。

お店の人はご夫婦かな、60代くらいの男女。注文をとりに来たおばさまがテーブル2つをくっつけて広くしてくれた。
本日のランチBどっぽのカレーライス ①サラダ付き(×2)を注文。

BGMはジャズピアノ。
壁は天然木やコルク材、天井の中央部は吹き抜けのように一段高い天窓になっている。
自家製ジャムや焼き菓子が売られていたり、室内楽の案内(なんと、店内で演奏!)があったりと、文化の香り漂う空間。
隠れ家感たっぷりで、懐かしさに浸ってまったりとなる。

運ばれてきたカレーを見て、「吉祥寺カレーだね」と相方。

黒っぽい色合いといい、ざらッとしたボディ感といい、「まめ蔵」「くぐつ草」「武蔵野文庫」に代表される吉祥寺カフェカレーにそっくりなのである。

オリジナル配合のスパイスが香り、ココアのような苦味が少々。タマネギの甘味が強いが、それ以上に特徴的なのがビーフかな? 肉系のコク味が強いこと。味のバランスがよくとてもおいしいカレーだ。

付け合わせのラッキョウ、ニンジンの甘酢、切り干し大根のハリハリ漬け風も、自家製の優しい味。
デザートの梅ゼリーも、もちろん自家製。

明るく健全そのものの運営スタイルはヒッピー的要素とは結び付かないが、80年代喫茶店文化のDNAは間違いなく受け継がれていると感じる。
「どれぐらいやられてるんですか?」と支払いのときに聞いてみた。
「38年になります」とご主人。
まさしく、われら80's世代。
![]() | ![]() |
それにしても僕がまったく気づかなかったのはいよいよ腑に落ちない。
やはりこの店には時空魔法がかかっているに違いない。

[DATA]
どっぽ
東京都東大和市南街1-19-5
[Today's recommendation]

https://youtu.be/hqXpaTu8UrM


珈琲の香りの向こうに… 【カフェ・フーガ】
2018.03.04
以前はほとんどコーヒーを飲まなかった相方が、最近目覚めたみたいなのだ。
街を歩いていて見かけたり、ネットや雑誌の記事なども気になるらしく、しばしば情報をもたらす。
つい先日の話。
「久米川のモザーク通りで自家焙煎のコーヒー豆屋さん見つけた」
という。
「『長澤』じゃなくて?」
「もっと手前で、左側」
「じゃ『フーガ』?」
「それ、どのへん?」
「えーと… ほら、『不二家』の向かいあたりに雑貨屋さんあったじゃない。あのへん」
「何だっけ、それ…? でももっと向こうだと思うけどな」
「あれ? そういえばあの雑貨屋、どうなった?」
と、おかしな方向に話が飛んだ。

鷹の台で食事したあと、コーヒーに目覚めた相方はそのお店に寄る、と。
連れてこられたのは、やっぱり「カフェ・フーガ」でした(笑)。
「あれー? こんなにこっちだったかなー?」と。
方角や距離感に不自由な相方は、だいたいこんな感じである。

テーブル3卓、カウンター4席の小さなお店。
店内は全面禁煙。
店主は60手前くらい? の男性。
ブラジルNカルモデオーロ550円とフーガブレンド(中深煎り)500円をオーダー。
壁にはアンリ・ルソーを思わせるエキゾチックな絵画が掛かり、テーブルの天板ガラスにはパリの街角の写真が差し込まれ、エリック・サティ『Je te veux』のギターアレンジヴァージョンが流れ、香り高いコーヒー…。
と、一部フランス度が高いが、といってすごくおしゃれかというと、そうでもない。
ガチガチにつくり込まれておらず自然体で、くつろげる空間になっている。

隅の焙煎機の上に“コーヒー焙煎室”というプレートが掛かっていたり、カウンター左端の席には“ハンドドリップ見学席”と書いてあったりと、遊び心もちらほら。
駅前なのに、時間の流れるのがゆっくりな感じ。

お支払いのとき、「このへんに雑貨屋さんありませんでした?」と聞いてみる。
一拍置いて、「それ、うちです」と店主。
なんでも、以前は雑貨屋とコーヒーショップを別々の場所でやっていて、10年ほど前にそれを一つにして、雑貨屋の場所で喫茶店を始めたそうだ。

「前の喫茶店って、どのへんでやられてたんですか?」
「正丸峠、知ってます?」
「秩父に行く途中の?」
「あの2つ先の峠でやってました(笑)」
ずいぶん変わった場所で商売してたんだ。

昔、雑貨屋さんで買った“ヘンなもの”一例
そうか、カフェ・フーガはあの雑貨屋さんだったのか。
不思議な巡り合わせというか、いろいろ思い出す。
あのころいろいろ弱っていて、その店で変なもの買ったりしてたんだよなぁ…(笑)。

[DATA]
カフェ・フーガ
東京都東村山市栄町2-8-21
[Today's recommendation]

https://youtu.be/JQ1YQFFj0Xw


以前はほとんどコーヒーを飲まなかった相方が、最近目覚めたみたいなのだ。
街を歩いていて見かけたり、ネットや雑誌の記事なども気になるらしく、しばしば情報をもたらす。
つい先日の話。
「久米川のモザーク通りで自家焙煎のコーヒー豆屋さん見つけた」
という。
「『長澤』じゃなくて?」
「もっと手前で、左側」
「じゃ『フーガ』?」
「それ、どのへん?」
「えーと… ほら、『不二家』の向かいあたりに雑貨屋さんあったじゃない。あのへん」
「何だっけ、それ…? でももっと向こうだと思うけどな」
「あれ? そういえばあの雑貨屋、どうなった?」
と、おかしな方向に話が飛んだ。

鷹の台で食事したあと、コーヒーに目覚めた相方はそのお店に寄る、と。
連れてこられたのは、やっぱり「カフェ・フーガ」でした(笑)。
「あれー? こんなにこっちだったかなー?」と。
方角や距離感に不自由な相方は、だいたいこんな感じである。

テーブル3卓、カウンター4席の小さなお店。
店内は全面禁煙。
店主は60手前くらい? の男性。
ブラジルNカルモデオーロ550円とフーガブレンド(中深煎り)500円をオーダー。
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壁にはアンリ・ルソーを思わせるエキゾチックな絵画が掛かり、テーブルの天板ガラスにはパリの街角の写真が差し込まれ、エリック・サティ『Je te veux』のギターアレンジヴァージョンが流れ、香り高いコーヒー…。
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と、一部フランス度が高いが、といってすごくおしゃれかというと、そうでもない。
ガチガチにつくり込まれておらず自然体で、くつろげる空間になっている。

隅の焙煎機の上に“コーヒー焙煎室”というプレートが掛かっていたり、カウンター左端の席には“ハンドドリップ見学席”と書いてあったりと、遊び心もちらほら。
駅前なのに、時間の流れるのがゆっくりな感じ。

お支払いのとき、「このへんに雑貨屋さんありませんでした?」と聞いてみる。
一拍置いて、「それ、うちです」と店主。
なんでも、以前は雑貨屋とコーヒーショップを別々の場所でやっていて、10年ほど前にそれを一つにして、雑貨屋の場所で喫茶店を始めたそうだ。

「前の喫茶店って、どのへんでやられてたんですか?」
「正丸峠、知ってます?」
「秩父に行く途中の?」
「あの2つ先の峠でやってました(笑)」
ずいぶん変わった場所で商売してたんだ。

昔、雑貨屋さんで買った“ヘンなもの”一例
そうか、カフェ・フーガはあの雑貨屋さんだったのか。
不思議な巡り合わせというか、いろいろ思い出す。
あのころいろいろ弱っていて、その店で変なもの買ったりしてたんだよなぁ…(笑)。

[DATA]
カフェ・フーガ
東京都東村山市栄町2-8-21
[Today's recommendation]

https://youtu.be/JQ1YQFFj0Xw


これもまた、喫茶店カレー 【ゆーもあ】
2017.09.08
われわれの若いころは喫茶店全盛の時代で、よく学生がたむろしていた。
お茶よりもダベるのが目的だから、コーヒーの味なんかどうでもよかったんじゃないかと思う。授業をさぼって行きつけの店でだらだらとか。何やってたんだろう、あのころの学生は(苦笑)。
食事のできる店も少なくなく、使い慣れたスタイルである喫茶店は入りやすいから昼食なんかにもよく利用した。
といってもせいぜいカレー、ピラフ、スパゲティといったところだが、本職のレストランじゃないんだからと多くは望まなかったし、実際それぐらいのメニュー構成で学生には事足りた。
味に関しても過度な期待はしていない。だから、たまにおいしい店があると口コミで評判が広まっていった。そのころから“カレーのおいしい喫茶店”はいくつもあったのだ。
食事のおいしい喫茶店というものには、いまだにいわく言い難い魅力を感じるのである。

東村山駅前の喫茶店「ゆーもあ」の食事メニューが充実しているとの情報が寄せられた。
生姜焼きがおいしいという。

この店は以前、1回だけ入ったことがある、たぶん。なにしろ大昔のことだから、そういえばこのあたりの喫茶店に入ったな、たぶんこの店だと思うんだよな… ぐらいの認識しかない。
どのぐらい昔かというと、小惑星探査機「はやぶさ」がまだMUSES-Cだったころ。なぜかそれだけは覚えている。だから少なくとも2003年5月より以前のことだ。
この路地はよく通るが、店の看板なんか見ていなかったな。
“今日のランチ 鮭のフライ”とある。ほかにショーケースにもメニュー表が飾ってあって、“モーニング ~11:30”“ランチ11:30~14:00”“14:00からのメニュー”の3段階に分かれている。生姜焼き定食は14:00からのメニューに載っている。

店内は、記憶というかイメージしていたよりも奥行きがあって席数が多い。1時すぎで半分ぐらい埋まっている。そして、ものすごく煙い…。
実はそういう情報も同時に寄せられていた。まあ、情報源は長女なんだが。隣の2階の「グリム館」もそうだが、換気装置に問題があるんじゃないだろうか? と思うくらい。
煙をかき分けるようにずんずん進んで左手いちばん奥の2人掛けテーブル席へ。
チキンカレー780円をオーダー。

店員は、ホールに僕と同年代ぐらいの女性、厨房にそれより年かさの女性。
見ていると定食、サンドイッチと運ばれていって、やはり食事の客が多いようだ。僕のオーダーはカレーのわりに時間がかかっている。ちょっと手が空いたと思ったら、中のおばちゃんが洗い物を始めた。僕のカレーはどうなってる? と心配になったが、奥のほうにチラッとおじさんの姿。もう1人いたのね。

チキンカレーはぱっと見、具の少ない家庭のカレー。肉が2切れ、ニンジン2片。肉はいま火を通した感じで、作り置きのカレーソースにそのつど豚肉や鶏肉を入れる方式のようだ。
けっこうスパイスが効いている。スパイスといってもクミンやコリアンダーとかじゃなく、カレー粉の香り。S&B的な。
量的には、普通の男子が普通のペースで食べて3分、といったところかな。
はたしてコストパフォーマンス的にどうなんだろう? こういうことはあまり言いたくないが、あえて苦言を呈したい。
えーと、福神漬けが少ない(笑)。

喫茶店カレーもいろいろだ。専門店顔負けのところもあれば、家庭の延長といったところも。それぞれ長く続けるうちに独自の進化を遂げ、店の個性とみなされるようになる。個性が感じられないのか年季が足りないのかというのは、どっちがどっちということでもないんだろうな。

[DATA]
ゆーもあ
東京都東村山市本町2-3-73
[Today's recommendation]

https://youtu.be/vUkEg85Eiqw


われわれの若いころは喫茶店全盛の時代で、よく学生がたむろしていた。
お茶よりもダベるのが目的だから、コーヒーの味なんかどうでもよかったんじゃないかと思う。授業をさぼって行きつけの店でだらだらとか。何やってたんだろう、あのころの学生は(苦笑)。
食事のできる店も少なくなく、使い慣れたスタイルである喫茶店は入りやすいから昼食なんかにもよく利用した。
といってもせいぜいカレー、ピラフ、スパゲティといったところだが、本職のレストランじゃないんだからと多くは望まなかったし、実際それぐらいのメニュー構成で学生には事足りた。
味に関しても過度な期待はしていない。だから、たまにおいしい店があると口コミで評判が広まっていった。そのころから“カレーのおいしい喫茶店”はいくつもあったのだ。
食事のおいしい喫茶店というものには、いまだにいわく言い難い魅力を感じるのである。

東村山駅前の喫茶店「ゆーもあ」の食事メニューが充実しているとの情報が寄せられた。
生姜焼きがおいしいという。

この店は以前、1回だけ入ったことがある、たぶん。なにしろ大昔のことだから、そういえばこのあたりの喫茶店に入ったな、たぶんこの店だと思うんだよな… ぐらいの認識しかない。
どのぐらい昔かというと、小惑星探査機「はやぶさ」がまだMUSES-Cだったころ。なぜかそれだけは覚えている。だから少なくとも2003年5月より以前のことだ。
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この路地はよく通るが、店の看板なんか見ていなかったな。
“今日のランチ 鮭のフライ”とある。ほかにショーケースにもメニュー表が飾ってあって、“モーニング ~11:30”“ランチ11:30~14:00”“14:00からのメニュー”の3段階に分かれている。生姜焼き定食は14:00からのメニューに載っている。

店内は、記憶というかイメージしていたよりも奥行きがあって席数が多い。1時すぎで半分ぐらい埋まっている。そして、ものすごく煙い…。
実はそういう情報も同時に寄せられていた。まあ、情報源は長女なんだが。隣の2階の「グリム館」もそうだが、換気装置に問題があるんじゃないだろうか? と思うくらい。
煙をかき分けるようにずんずん進んで左手いちばん奥の2人掛けテーブル席へ。
チキンカレー780円をオーダー。

店員は、ホールに僕と同年代ぐらいの女性、厨房にそれより年かさの女性。
見ていると定食、サンドイッチと運ばれていって、やはり食事の客が多いようだ。僕のオーダーはカレーのわりに時間がかかっている。ちょっと手が空いたと思ったら、中のおばちゃんが洗い物を始めた。僕のカレーはどうなってる? と心配になったが、奥のほうにチラッとおじさんの姿。もう1人いたのね。

チキンカレーはぱっと見、具の少ない家庭のカレー。肉が2切れ、ニンジン2片。肉はいま火を通した感じで、作り置きのカレーソースにそのつど豚肉や鶏肉を入れる方式のようだ。
けっこうスパイスが効いている。スパイスといってもクミンやコリアンダーとかじゃなく、カレー粉の香り。S&B的な。
量的には、普通の男子が普通のペースで食べて3分、といったところかな。
はたしてコストパフォーマンス的にどうなんだろう? こういうことはあまり言いたくないが、あえて苦言を呈したい。
えーと、福神漬けが少ない(笑)。

喫茶店カレーもいろいろだ。専門店顔負けのところもあれば、家庭の延長といったところも。それぞれ長く続けるうちに独自の進化を遂げ、店の個性とみなされるようになる。個性が感じられないのか年季が足りないのかというのは、どっちがどっちということでもないんだろうな。

[DATA]
ゆーもあ
東京都東村山市本町2-3-73
[Today's recommendation]

https://youtu.be/vUkEg85Eiqw


“街そば”のそばを考える 【八山庵】
2017.06.29
僕はカツ丼という食べ物をほとんど食べないのだが、だからよけいになのか、妻はときどき無性に「カツ丼食べたい!」となるらしい。だが東京の外れにトンカツ専門店はそう多くはなく、そんなときに浮上するのが街のそば屋である。
カツ丼を求めて入ったそば屋は、記憶によれば恩多町の「あさひ」、諏訪町の「文大陣」、そしてここ「八山庵」。
妻がカツ丼を頼み、僕はおかめそばとかにする。普通逆だと思うんだが…。

ここは何の変哲もない普通の街のそば屋である。こういうのを僕は“街そば”と呼んでいる。
それなら十割とか二八の手打ちそばを出す本格そば屋を何と呼べばいいかというと、妻によれば“ジャズそば”となる。ジャズをかけるそば屋が多いことに引っかかるものがあるらしい。
カツ丼を出す出さないは両者の境界線ともなる。

店の横に自転車を止めている間に立て続けに2組が出てきて、1時近いのにちゃんと客が入っていることにちょっと驚く。
中に入ると、カウンターと左のテーブル席に1人ずつ。右側は意外に奥行きがあって、入り口のところからはブラインドになって様子は見えないが、そちらに進んでいくと、小上がり2卓に2組4人。
こんなに客の入りがいいとは、まったくの予想外だった。

これはやはり東村山税務署の真ん前という立地によるところが大きいと思う。客層も、このあたりの街そばのグダグダな感じとは違って、ほとんどがサラリーマン風。
いちばん奥のテーブル席に座り、ざるそば600円を注文。
僕のあとにも単独客が3人入った。

お店の人は、60代くらいのご夫婦だろうか、それとその親世代とみられるかなり高齢の方。テーブルを拭いて、注文をとって、そのあと水を持ってきてくれたこの方、何度見ても確信が持てないのだが、つまり、古いネタでなんなんだが ♪ジ〇イか〇バアかわからない♪
ここでは便宜上、大女将ということにしておく。

その大女将がざるそばを運んでくる。まあ、普通のざるそばである。
考えてみたら僕はざるそばというものをあまり頼まないので、ぱっと見、これをどう評価していいかわからないが、これで600円かぁ… とは思う。

ある理由から、この店に入ることがあったらラーメンにしようと決めていたのだが、ある理由から本日は食欲がなく、それで急きょざるそばという選択になった。思わせぶりな表現で恐縮だが。
で、ざるそばを食べながら、ある理由からもりそばにすればよかったと考えているのだが、ならばこの量で海苔なしで500円はどうかというと、うーむ…。

この店がどうのというんじゃなく、街そばとの付き合いは難しいということ。
正面からそばに取りかかるより、脇を固める丼物や中華系、カレーなどからその店の得意料理を見つけていくほうが正しい気がするし、そのほうが絶対楽しい。それこそカツ丼とか。そういえば後ろのおじさんはチャーハン食べてる。
そういう意味で、この店ではまずラーメンだったはずなのだ。
これは近いうちに仕切り直さなきゃいけないな。

[DATA]
八山庵
東京都東村山市本町3-5-1
[Today's recommendation]


ニホンヤモリ

https://youtu.be/ExTjcXXPawI
僕はカツ丼という食べ物をほとんど食べないのだが、だからよけいになのか、妻はときどき無性に「カツ丼食べたい!」となるらしい。だが東京の外れにトンカツ専門店はそう多くはなく、そんなときに浮上するのが街のそば屋である。
カツ丼を求めて入ったそば屋は、記憶によれば恩多町の「あさひ」、諏訪町の「文大陣」、そしてここ「八山庵」。
妻がカツ丼を頼み、僕はおかめそばとかにする。普通逆だと思うんだが…。

ここは何の変哲もない普通の街のそば屋である。こういうのを僕は“街そば”と呼んでいる。
それなら十割とか二八の手打ちそばを出す本格そば屋を何と呼べばいいかというと、妻によれば“ジャズそば”となる。ジャズをかけるそば屋が多いことに引っかかるものがあるらしい。
カツ丼を出す出さないは両者の境界線ともなる。

店の横に自転車を止めている間に立て続けに2組が出てきて、1時近いのにちゃんと客が入っていることにちょっと驚く。
中に入ると、カウンターと左のテーブル席に1人ずつ。右側は意外に奥行きがあって、入り口のところからはブラインドになって様子は見えないが、そちらに進んでいくと、小上がり2卓に2組4人。
こんなに客の入りがいいとは、まったくの予想外だった。

これはやはり東村山税務署の真ん前という立地によるところが大きいと思う。客層も、このあたりの街そばのグダグダな感じとは違って、ほとんどがサラリーマン風。
いちばん奥のテーブル席に座り、ざるそば600円を注文。
僕のあとにも単独客が3人入った。

お店の人は、60代くらいのご夫婦だろうか、それとその親世代とみられるかなり高齢の方。テーブルを拭いて、注文をとって、そのあと水を持ってきてくれたこの方、何度見ても確信が持てないのだが、つまり、古いネタでなんなんだが ♪ジ〇イか〇バアかわからない♪
ここでは便宜上、大女将ということにしておく。

その大女将がざるそばを運んでくる。まあ、普通のざるそばである。
考えてみたら僕はざるそばというものをあまり頼まないので、ぱっと見、これをどう評価していいかわからないが、これで600円かぁ… とは思う。

ある理由から、この店に入ることがあったらラーメンにしようと決めていたのだが、ある理由から本日は食欲がなく、それで急きょざるそばという選択になった。思わせぶりな表現で恐縮だが。
で、ざるそばを食べながら、ある理由からもりそばにすればよかったと考えているのだが、ならばこの量で海苔なしで500円はどうかというと、うーむ…。

この店がどうのというんじゃなく、街そばとの付き合いは難しいということ。
正面からそばに取りかかるより、脇を固める丼物や中華系、カレーなどからその店の得意料理を見つけていくほうが正しい気がするし、そのほうが絶対楽しい。それこそカツ丼とか。そういえば後ろのおじさんはチャーハン食べてる。
そういう意味で、この店ではまずラーメンだったはずなのだ。
これは近いうちに仕切り直さなきゃいけないな。

[DATA]
八山庵
東京都東村山市本町3-5-1
[Today's recommendation]


ニホンヤモリ

https://youtu.be/ExTjcXXPawI
たそがれの天ぷらそば 【扇家】
2017.03.29
引き戸を開けるといきなり小林幸子であった。
客はなし。店の人もなし。
出迎えは小林幸子のみ。

しばし入り口のところに突っ立っていたが何の動きもない。

しょうがないから奥の調理場をのぞくと、おかあさんがにこやかに
「いらっしゃましー」(←大屋政子調)

隅の席に座り、天ぷらそばを注文。


演歌のBGMといい提灯型ランプシェードや格子入り衝立といった舞台装置も、演出イメージは(正午前にして)たそがれ時の設定だ。
この店は早い夕刻に来るのがいい。昼飲みにも使える。
ただし、痛飲には気をつけたい。居心地が良すぎるから。

天ぷらそば750円の具は、海老天、かまぼこ、エノキ、ほうれんそう、ねぎ。ちょっと寂しい。
海老天は、小ぶりが1個。海老天というより広大なコロモの湿原をかき分けて小エビ1匹救出する感じ。エビにはすでに衣をまとう意志はないので、裸エビ単独での取り扱いとなる。
そばがやや不ぞろいなので、意外にも自家製かもしれない。独特の食感で、最後までコシを残す。このそばはもりで食べてみたい。

BGMは演歌というよりムード歌謡方面にシフトしていった。森雄二とサザンクロス『意気地なし』、黒沢明とロス・プリモス『ラブユー東京』…。
いよいよ夕闇が迫ってきた。もう帰路に就かないと足元が見えなくなる。

[DATA]
扇家
東京都東村山市富士見町5-5-3
[Today's recommendation]

https://youtu.be/NtFmhaILEkY
引き戸を開けるといきなり小林幸子であった。
客はなし。店の人もなし。
出迎えは小林幸子のみ。

しばし入り口のところに突っ立っていたが何の動きもない。

しょうがないから奥の調理場をのぞくと、おかあさんがにこやかに
「いらっしゃましー」(←大屋政子調)

隅の席に座り、天ぷらそばを注文。


演歌のBGMといい提灯型ランプシェードや格子入り衝立といった舞台装置も、演出イメージは(正午前にして)たそがれ時の設定だ。
この店は早い夕刻に来るのがいい。昼飲みにも使える。
ただし、痛飲には気をつけたい。居心地が良すぎるから。

天ぷらそば750円の具は、海老天、かまぼこ、エノキ、ほうれんそう、ねぎ。ちょっと寂しい。
海老天は、小ぶりが1個。海老天というより広大なコロモの湿原をかき分けて小エビ1匹救出する感じ。エビにはすでに衣をまとう意志はないので、裸エビ単独での取り扱いとなる。
そばがやや不ぞろいなので、意外にも自家製かもしれない。独特の食感で、最後までコシを残す。このそばはもりで食べてみたい。

BGMは演歌というよりムード歌謡方面にシフトしていった。森雄二とサザンクロス『意気地なし』、黒沢明とロス・プリモス『ラブユー東京』…。
いよいよ夕闇が迫ってきた。もう帰路に就かないと足元が見えなくなる。

[DATA]
扇家
東京都東村山市富士見町5-5-3
[Today's recommendation]

https://youtu.be/NtFmhaILEkY
マニュアル対応 【くるまやラーメン 東村山店】
2017.03.08
約1年前、正確には2016年3月24日に思うところあって脱チェーン店宣言をしたのだが、そのしょっぱなから(但くるまやラーメンを除く)というただし書き付きだった(笑)。
ほかのチェーン系とは違い、時代の変化に取り残されたような古くささ、ほの暗さ、うらぶれ感のようなものを漂わせる。昭和的といってもいい。
味噌ラーメン(630円)とサービスの半ライス、餃子(タイムサービス170円)と、いつも同じオーダー。
ほかの店ではラーメンにサービスで付くライスを頼むことは少ないが、ここではなぜか餃子が食べたくなり、そうするとどうしてもご飯が欲しくなる、という高カロリー化スパイラルの罠にはまる。おっさん的にはそろそろ付き合い方を考え直したほうがいいかもしれない。

カウンターで横に2人組男子小学生が座ったことがあった。
彼らの前に味噌ラーメンとサービスの半ライスが提供された。
少しラーメンを食べて、左の少年の箸が止まる。思いつめた様子で、意を決したようにバイトのあんちゃんに声をかけた。
「あの… このごはん、ただですか?」
「はい?」
「ごはん… ただですか?」
「サービスライスになっております」と、バイト君。
「ただですか?」と、少年(泣き声で)。
「サービスライスでございます」……
聞かれたことに答えてあげなって(笑)。
察するに、きっぱり630円握りしめてラーメンを食べに来たが、お盆には注文した覚えのないご飯が載っていて、このものに追加課金ありとすれば皿洗いの刑必至につき手を付けずに返却に及ぶほか生きて帰るすべはなし、と一大決心したであろう少年の身にもなってやれよ、バイト君は。

マニュアル対応はかようにいたずらに事態をややこしくするきらいがある。
久米川のカレーチェーンではじいさんとバイトのねーちゃんの延々とかみ合わないやりとりを聞かされた。ご飯の量とか辛さとか、そんなのは申告がなければ全部“普通”で通せばいいと思うし。
一橋学園の天丼屋で支払いのとき“時そば”の挙に出たじいさんに「2時20分ですー」と即答かましたねーちゃん。人がみそ汁含んでるときに危険なまねすんじゃねーよ、じいさんも。
脱線したが、マニュアル対応こそ人間くささをもろに映すことがある。
それはコントの形をとり、期せずして完成度が高い。笑える。
そうはいっても、やっぱりチェーン店は行かないなぁ…。くるまや以外は。

[DATA]
くるまやラーメン 東村山店
東京都東村山市青葉町3-2-4
[Today's recommendation]

https://www.youtube.com/watch?v=dMug1G6ipDo
約1年前、正確には2016年3月24日に思うところあって脱チェーン店宣言をしたのだが、そのしょっぱなから(但くるまやラーメンを除く)というただし書き付きだった(笑)。
ほかのチェーン系とは違い、時代の変化に取り残されたような古くささ、ほの暗さ、うらぶれ感のようなものを漂わせる。昭和的といってもいい。
味噌ラーメン(630円)とサービスの半ライス、餃子(タイムサービス170円)と、いつも同じオーダー。
ほかの店ではラーメンにサービスで付くライスを頼むことは少ないが、ここではなぜか餃子が食べたくなり、そうするとどうしてもご飯が欲しくなる、という高カロリー化スパイラルの罠にはまる。おっさん的にはそろそろ付き合い方を考え直したほうがいいかもしれない。

カウンターで横に2人組男子小学生が座ったことがあった。
彼らの前に味噌ラーメンとサービスの半ライスが提供された。
少しラーメンを食べて、左の少年の箸が止まる。思いつめた様子で、意を決したようにバイトのあんちゃんに声をかけた。
「あの… このごはん、ただですか?」
「はい?」
「ごはん… ただですか?」
「サービスライスになっております」と、バイト君。
「ただですか?」と、少年(泣き声で)。
「サービスライスでございます」……
聞かれたことに答えてあげなって(笑)。
察するに、きっぱり630円握りしめてラーメンを食べに来たが、お盆には注文した覚えのないご飯が載っていて、このものに追加課金ありとすれば皿洗いの刑必至につき手を付けずに返却に及ぶほか生きて帰るすべはなし、と一大決心したであろう少年の身にもなってやれよ、バイト君は。

マニュアル対応はかようにいたずらに事態をややこしくするきらいがある。
久米川のカレーチェーンではじいさんとバイトのねーちゃんの延々とかみ合わないやりとりを聞かされた。ご飯の量とか辛さとか、そんなのは申告がなければ全部“普通”で通せばいいと思うし。
一橋学園の天丼屋で支払いのとき“時そば”の挙に出たじいさんに「2時20分ですー」と即答かましたねーちゃん。人がみそ汁含んでるときに危険なまねすんじゃねーよ、じいさんも。
脱線したが、マニュアル対応こそ人間くささをもろに映すことがある。
それはコントの形をとり、期せずして完成度が高い。笑える。
そうはいっても、やっぱりチェーン店は行かないなぁ…。くるまや以外は。

[DATA]
くるまやラーメン 東村山店
東京都東村山市青葉町3-2-4
[Today's recommendation]

https://www.youtube.com/watch?v=dMug1G6ipDo