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高田馬場を代表するロシア料理の名店 【チャイカ】

2019.12.11

 高田馬場で食事する店を考えていて、芳林堂書店のビルにロシア料理店があったことを思い出し、先月、馬場に出かけたときに行ってみたらまだやっている。機会があれば入ってみたいと思っていた。


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30年ほど前、薄給のサラリーマンはささやかな楽しみとして食べ歩きみたいなことをやっていて、ちょうどエスニックブームのはしりの時代で、いろんな国名を掲げる料理店に入った。渋谷のベトナム、代官山のカンボジア、メキシコ、青山のイタリア、六本木のインド、インドネシア、ドイツ、新宿のタイ…。
そのころ入った渋谷の西口歩道橋の向こうの桜丘町にあった「ロゴスキー」が、覚えている限りでは唯一入ったことのあるロシア料理店。

いまこういうことをやっているのは30年前の続きのような感覚が少しあって、老舗っぽい各国料理店というのは当時の空気感みたいなものが思い出されるようでグッとくるものがあるのだ。


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「チャイカ」(Чайка)は“カモメ”の意味で、文学青年だった方ならご存知かもしれないがチェーホフの著名な戯曲の原題に使われている。
また、世界初の女性宇宙飛行士ワレンチナ・テレシコワのコールサインであり、「Я Чайка(私はカモメ)」は女性宇宙飛行士の宇宙で発した最初の言葉として世界中に知れ渡った。


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ということで、空飛ぶカモメがあしらわれたロゴマークが素敵な「チャイカ」。
Since 1972と、まもなく半世紀という歴史を持つ。


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ランチセットメニューから、ビーフストロガノフ・セット(ボルシチ・ビーフストロガノフ・サフランライス)¥1200、トロイカ・セット(ボルシチ・ピロシキ・つぼ焼き)¥1200をオーダー。
ロシア料理といえば、ボルシチ・ビーフストロガノフ・ピロシキ・つぼ焼き… 以上! という個人的知識の限りを押さえる注文法。


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驚くほどハイソ的女性率の高い店内。中央に小さい2人掛けテーブルが密に配置されているエリアの真ん中らへんに通されていて両隣が近い。おっさんはガッチガチに緊張してます (-"- ; A
「BGMはムソルグスキーなんだねー、ロシアだけに」とか言いながら平常心を保とうと努める。


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ボルシチがわりと早い提供。
「ワタシの作る野菜スープと同じ」とのたまう、平常心そのものの相方。
うちでビーツが入ってることはないやろ ヾ(- -;) …


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トロイカセットはパン生地系の2品が主食を兼ねるという組み立てだ。
ピロシキはもっちりした生地の中にタマネギとひき肉がぽろぽろ。また、短い春雨が入っているが、調べてみるとそれは上記「ロゴスキー」考案による日本流のスタイルのもよう。


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つぼ焼きの生地はピロシキと同じものかもしれない。スプーンで破る楽しさがある。
中には濃厚なクリームシチュー。


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ビーフストロガノフは、こま切れではなくステーキサイズの肉の塊が一つドーンと入っていて、ナイフとフォークでいただく。さっぱりしたサフランライスが濃厚なソースを引き立てる。


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北国だけに、体を温める効果のあるサフランは理にかなっている。
全体にタマネギが多用されているのも同様の理由によると思われる。


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山手線の駅としては変化の少ない高田馬場を象徴するお店。
マトリョーシカの向こうを新型のE235系電車が走る。


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[DATA]
チャイカ
東京都新宿区高田馬場1-26-5 FIビル2F
http://www.chaika.co.jp/
https://www.facebook.com/Chaika.Restaurant





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/rx6Eo6liyCg


駅前中華のお子さまランチ 【中華料理 しまむら】

2017.05.28

 この店に初めて入ったのは10年ほど前だろうか。はっきり覚えていないが震災前だったことは確かだ。
そのときは日曜の昼で、テレビでは『NHKのど自慢』が流れていた。家族が見るからなんとなく眺めていた子どものころ以来、おそらく30年ぶりくらいののど自慢。


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年のいってるおじさんが三橋美智也の『古城』を歌っていた。この人はこの曲とは生涯の付き合いなんだろうなと思った。
歌詞の深みが違う、こういう場所で聴くと。

NHKのど自慢は強力なタイムトリップツールであるが、家で見ても何も起こらない。しかるべきハコ(シアター)で視聴してこそ、昭和に飛ばされたりもする。


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本日は妻と長女と3人で来店。
正午でほぼ満席。客層は雑多で、若い人もちらほら。
家族経営だと思われるが、ホール係のおねえさんが意外に若い。きびきびと、しかしマニュアル的でない気持ちのいい接客。


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長女がみそラーメン500円、僕がチャーハン450円、妻がランチ(トンカツ、エビフライ、目玉焼、ライス、スープ)600円に。


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われわれの位置から庇テントの文字が裏返しに透けて読め、「2階ご宴会、ご会合にご利用下さい」と書いてある。大きな柱時計の後ろが階段になっているようなのだが、アコーディオンカーテンに閉ざされ暗く閉塞感が漂っている。本当にご利用できるんだろうか?


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まず妻のもとにナイフとフォークが用意される。
いきなり洋食スタイルと意表をついてきた。


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配膳はみそラーメン、チャーハン、ランチの順で、やはり目を引くのはワンプレートのランチだ。
張り紙の内容よりハムとマカロニサラダが多い。
スープがチャーハンと同じ、つまり洋食なのにラーメンスープというところが面白い。


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型抜きライスといい、トンカツの上のケチャップにグリーンピース添えといい、これは昭和のデパートのお子さまランチそのものだ。絵づくりに旗を持参すればよかった(笑)。
「揚げ物もマカロニサラダも手作り感マックスで好ましい」と妻の感想。


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みそラーメンは懐かし系で、モヤシ、タマネギ、ニンジンなど炒め野菜がのったもの。
チャーハンの具はチャーシュー、ハム、ナルト、卵、ネギで、グリーンピース添え。ちょっとしょうゆっぽい味付け。オーソドックスなタイプでとてもおいしいが、量は少なめ。しかし450円でこの内容はかなり良心的といえる。


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本日もテレビではのど自慢。
若い男性が知らない曲を上手に歌っている最中、柱時計が12時半を告げる。
「ボーン」
鐘一つかよ(笑)。


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[DATA]
中華料理 しまむら
東京都小平市花小金井1-12-1





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/sSomGvA7CKE


郷愁の昭和式ランチプレート 【日の出とんかつ】

2017.05.20

 2013年に伏見通りが開通して富士街道が分断され、特に富士町交差点・伏見通り間は街道としての機能が完全に失われているから人通りもない。
無用の長物という意味では赤瀬川原平、南伸坊ら路上観察学会のトマソンの概念に通じる物件である。でかすぎて観察できないが。


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その富士街道のどんづまりの一本東の細道、これも新青梅街道で分断されているわけだが、そのように道路行政に翻弄されたであろうこの一角の、やっていたりやっていなかったりする古い飲食店群の一つ「日の出とんかつ」。
西武柳沢駅からの流れをシャットアウトされた影響が大きいのではないかというと、そうでもない。
この店は出前利用が多い。道が不便になって足が向かなくなっても、もってきてくれる分にはそっちの不便にまで人は配慮しない。さらに、出前繁盛店の陰に団地ありの法則(?)どおり、背後にプロムナード東伏見を抱えている。


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こちらはおとうさんは出前担当でおかあさんが調理する。
今日も入ったときにはおとうさんの姿はなく、途中、使い終わった皿やステンレスのプレートをたくさん抱えて出前先から帰ってきた。

おかあさんはたいへん忙しそうだ。カウンター6席に小上がり1卓の小さい店だが、目の前の客の倍、あるいはそれ以上の数をいつもこしらえている。
独特のリズムで上体を小刻みに揺らしながらロース肉にパン粉をまぶす。ボクシングのダック&ウィーブというやつだ。軽く前後にステップを踏みながらポテトサラダを盛り付ける。アウトボクサータイプのようだ。


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目の前にキャベツとポテサラがのったプレートが2枚用意されていて、一方にはメロン形のライス型でご飯が盛り付けられている。そのワンプレートスタイルが自分のカツライスだと思っていたら、前の客のハンバーグランチだった。僕のはご飯は皿に別盛り。
前に食べたカツランチ(チキンカツ)がワンプレートだったからそう思い込んでいたのだが、「~ランチ」と「~ライス」で区別しているようだ。それにしてもその別盛りのご飯の量がすごい。


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カツライス800円はロースかつ。肉が分厚く質もいいのだが、ここのカツのおいしさの秘密は衣にもありそうだ。かすかな甘味が付いていて、しょっぱめなソースと合わさって肉のうま味を引き立てる。
ニンジンときゅうり入りのポテトサラダも素朴で味わい深い。
ちなみにここのチキンカツは、僕がこれまで食べたチキンカツでも最上級だと思う。


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お隣のハンバーグがおいしそうだが、この店はグリルチキンやオムライスといった懐かしの洋食メニューが魅力的だ。トルコライスまである。
昭和の街の洋食屋の記憶がよみがえる貴重な存在である。


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[DATA]
日の出とんかつ
東京都西東京市富士町5-1





[Today's recommendation]


https://youtu.be/nDCuOsCfnxY


学生街の洋食屋さん 【ジュノン】

2017.03.30

 鷹の台は津田塾、白梅、ムサビなどを擁する学生街で、昭和の洋食屋や喫茶店がポツリポツリと残っている。
駅前商店街にある「ジュノン」。女子大と美大に囲まれていてさぞオシャレかというと、そうでもない。“そうでもない”とはずいぶんぼかした言い回しなのだが、とにかくこの店はいわく言い難いオーラを放っている。まあ、言い難いもなにも“雑”のひと言なんだが(笑)。
何でもかんでもガムテープで済ませる。店先のメニュー掲示も、建て付けの調整も、丸いすの合皮の補修も、全部ガムテープ。したがって店内の美観ゼロ(笑)。
まあ、料理で勝負ということなのだが。


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ちょうど1年前に妻と食べに来ており、そのときと同じチキンカツカレー690円をオーダー。僕は1人のときは同じものを頼むことが多い。内容を知っているという安心感からだ。

ところが出てきた料理は記憶とだいぶ様子が違う。
まず、こんなに量多かったか? それから楕円と記憶していた皿が丸皿である。さらに、ほぼ具なしカレーだったはずが、今回は具だくさん。単なる記憶違いか、それとも前回はサンデースペシャル(100円引き)だったから別物ということなのか。


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ともかく、この量は覚悟してかからないとけっこうやばいかも。
写真ではチキンカツが小ぶりに見えるが、それは目の錯覚。縮尺があべこべなのであって、カツが普通サイズで皿がデカい。

量もさることながら、僕をもっと苦しめたのは味付けなのだった。まずいと言っているのではない。濃いのだ。ひと口目で脳天にガツンときた。これはおじさん向けの味付けではなく、ガテン系、体育会系の食べ物だ。


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そこであらためて店内を眺めてみるのだが、女子大生風2人組と妙齢のおばさま、あとから入ってきた学生カップルの男のほうも細っちい。多め、濃いめ、硬め? な人物は一人も見当たらない。これはどういうことか?
答えは、たまたまです(笑)。前回は近くのグラウンドで午前練習を終えたらしい大学野球部の半貸し切り状態だった。


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その独特のゆるさ、雑な感じが多様な人々を引き付けるのだと思う。手作り感満載の料理の数々と、何だかんだいってなごんでしまう店内の雰囲気。量を求める人も、味を求める人も、それ以外の人も、ちゃんと楽しめるようになっている。
長く続けてこられたのには理由があるのだ。


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[DATA]
ジュノン
東京都小平市たかの台38-3







https://www.youtube.com/watch?v=G56ZSrmHAVo


 
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玉川上水の土手に咲く早春の花々。シュンラン、アマナ、ウグイスカグラ、クサボケ


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