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明治期の伝統的民家建築 【旧内田家住宅】

2023.10.01

 「石神井公園の中のふるさと文化館っていうんだけど」
「ん? どこだろう」とスマホをのぞき込む。「あー、はいはい。よく通るわ」

本日のお出かけ候補。
石神井公園を南北に貫通する通り(下石神井大泉線)沿いの公園南の小高いところにある小ぎれいな施設。
いかにもハコモノというたたずまいでこれまで関心が向かなかったが、ハコモノだとてそうばかにしたものじゃない… ということに最近気づき始めている。

自転車でGo!


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「石神井公園ふるさと文化館」の建物前で駐輪場を探していると、施設内にうどん屋の看板。
なんと、ハコモノはハコモノでも、飲食店付きというワンランク上のハコモノなのだった。

駐輪場は通りから奥まった位置にあった。
自転車を止め文化館裏口に向かおうとすると、左手に立派な茅葺き屋根が見える。


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「え…? すごくない? これ」
「だからこれが見たかったんだってば」

てっきり文化館の企画展か何かが目的と思っていた。
それにしてもいろいろ侮れじ! 石神井公園ふるさと文化館✨


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こちら「旧内田家住宅」、元は練馬区中村にあった建築物で、ふるさと文化館の屋外施設として2010年、隣接する「区立池淵史跡公園」に移築・復元されたもの。


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池淵史跡公園。下左:馬頭観音(1803)・庚申塔(1720)、下右:庚申塔(1727)・庚申塔(1818)・庚申塔(1765)


池淵史跡公園は、石神井川と三宝寺池に挟まれて東西に長く延びる台地上にある旧石器~縄文・弥生~中世の遺跡「池淵遺跡」を埋め戻し整備された公園で、2010年開園。
縄文中期の竪穴住居跡のほか、区内各所にあった庚申塔や馬頭観音など江戸時代の石造物も配置されている。


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「旧内田家住宅」は池淵史跡公園のメイン施設で、桁行8.5間(15.3m)、梁間5.5間(10.9m)の整形四間取りの主体部と、その北西部に張り出す角屋(桁行4.4m。梁間6.4m)からなる茅葺きの寄棟造。


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小屋裏で見つかった文書や伝聞などから、明治20年代初頭の建築と推定され、一部に江戸時代の古材も使われている。
部分的な改造はあるが、建築当初の主要な部材や構造、形式を良好にとどめた、練馬区内に現存する数少ない伝統的民家建築である。


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玄関から前座敷、下座敷

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前座敷(左)、下座敷(右)

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下座敷から奥座敷

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床の間では季節ごとに床飾りが行われる

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奥座敷から下座敷、庭を望む

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ボランティアのガイドの方にいろいろお話を伺った。
驚くことに、移築の際の解体直前の2007年ころまで、所有者はいつでも使えるように手入れを続けていたという。
板の間は使い勝手よく壁で小部屋に仕切られていたそうだ。

23区内の古民家暮らしとはなんとぜいたくな…! というのは部外者のお気楽な考え。
「天井がないのでエアコンが使えないし、蚊がものすごく湧くし…」というのは、記録的猛暑の間ここに詰めていた方の本音だろう。


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西の廊下

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板の間

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板の間には囲炉裏

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土間

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勝手口の井戸

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裏から


それでもやっぱり、23区内とは思えない、このぜいたくな景色。

(つづく)


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[DATA]
旧内田家住宅
東京都練馬区石神井町5-13 区立池淵史跡公園内
https://www.neribun.or.jp/archive/detail.cgi?id=10308





[Today's recommendation]


https://youtu.be/OnqWXOV7K-I?si=suEmx4FfPjNmDSzU



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次号予告


天然酵母のパン屋さん 【アオティア】

2023.09.03

 天然酵母パン「アオティア」は古民家カフェ「いろり」の真ん前に位置する。


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前々記事に書いたように、予約してあった「いろり」の開店前に着いたので、まずこちらのパン屋さんに寄った。
時系列的には本記事→前記事→前々記事の順番になる。


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左が「古民家カフェいろり」


お店ホームページによると、国内産小麦、有機栽培などの安心な材料を使用して作り上げる天然酵母パンのお店。
使用酵母はホシノ天然酵母、自家製酵母。


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売り場はこぢんまりしているが、レジ背後の焼成室の広さに驚かされる。
HPには工場と書かれており、このお店以外に出荷先があるのかもしれない。


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菓子パンや惣菜パンが豊富でいろいろ買いたくなる。


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レジ前にお楽しみパンというコーナーがあって、聞くと前日のパンをリーズナブルに提供しているもの。
本日はクリームパンとチョコパン。


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ハード系もおいしそう。


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買ったのはバゲット、スコーン、クリームチーズタルト、クリームパン。


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カスタードクリームは自家製。
甘さ控えめで卵のコクが感じられおいしい。

昨日のクリームパンに天然酵母パンの真価を見る思いがする。


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[DATA]
アオティア
東京都青梅市小曽木1-136-3
http://gruss-gott.com/menu.html





[Today's recommendation]


https://youtu.be/SRw-I3vMPJY?si=WvgYkcYr4V1zhIEJ



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創業天保年間 【高尾山 髙橋家】

2023.03.21

 前記事に書いているように、高尾山の下山は必ず1号路になる。
山頂から下って薬王院にお参りし、山門を出て流れのままに歩けば、いつの間にか1号路を下っている。
つまり1号路は薬王院の表参道。


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全行程コンクリート舗装で車も通れる初級コースの1号路だが、ひたすら急傾斜の上り坂で体力的にはきつそう。
僕らは下ったことしかないが、硬いコンクリート路面の下りは足腰への負荷が大きい。慢性的坐骨神経痛の右足がしびれてきて、帰りの運転が不安になる。


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下りきったところはケーブルカーの麓の駅(清滝駅)。


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最初の記事にも写真を載せている薬王院の石柱やおそうじ小僧の立つ分かれ道☝を、左に行けば6号路で右に行けば1号路という地理を、この時点で理解。


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その石柱の道の向かいに趣ある建物のおそば屋さん。


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やれ混んでるの、やれ値段が高いのと難癖をつけ回避することの多い観光地の老舗然とした飲食店。
わりと抵抗なくそこに決まったのは、山頂の茶屋・売店と値段が違わない、いやむしろ安い… という相対的価値判断が大きかったように思う。


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「髙橋家」は、天保年間(1830~43)創業の老舗。


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4~5組の順番待ちという状況だが、お店が広く客さばきがシステマティックで回転が速い。
ホールスタッフは皆さん若く、システム構築・運用にもそういった若い感性が感じられ、見ていて清々しい。


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――そば粉六割ととろろと上質粉で練った当店自慢のおそばや、店内にある樹齢150年余の柿の木に因んだお献立や、お土産を取り揃えております。お店HP

たまたま通された席が、その柿の木の横だった。
店内から屋根を突き破って伸びている。


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注文は鴨ねぎせいろと天麩羅せいろ。


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高尾山といえばとろろそばらしいが、とろろそば1000円はちょっと…。
鴨ねぎせいろ1250円なら気持ちに折り合いがつけられる(笑)。


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六割というそば、見た目ホシが入り香りもよい。
細すぎず適度なコシ。
全体に上品に構えていないところがよいと思う。


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天ぷらはエビとマイタケと、ん… なんだろう?


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コロモの下の赤っぽい色合いとひと口目の甘味から、はじめカボチャかと思ったが、ネッチョリした食感はカボチャとは違い、甘味もより強い。
もしかしたら…。


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お会計で…
「天ぷらの赤いのって…?」と聞いてみる。
「はい。干し柿でございます」

品書きの記述から、柿かもしれないが柿の季節じゃないし… と思っていたが、干し柿であったか。
素朴な甘味が香り高いそばとよく合う。


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このアングルでいちばん手前の赤っぽい天ぷらが干し柿


おそばの量もしっかりあり、1食できっちり満足させてもらえるお店。

(つづく)


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屋根を突き破って伸びる柿の大木


[DATA]
高尾山 髙橋家
東京都八王子市高尾町2209
http://www.takahasiya.com/index.html





[Today's recommendation]


https://youtu.be/hxYEVlhHtC0



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次号予告


大山名物 創業明治5年! 【大津屋きゃらぶき本舗】

2022.10.23

 大山編4本目。
ここまで書いてきたように、これは過去の大山参りを忠実になぞる旅である。
というか、結果的にそうなってしまってる。
でも観光ってそういうものですよね。


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午前


箱根に行けば大涌谷で黒たまご食べるし、日光に行けば東照宮鳴き龍の間で手たたくし、浅草に行けば人力車に乗るし。……乗りますよね?
と、毎回おんなじおんなじ。でも楽しい。


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こま参道 雑景


ケーブルカーでこま参道に下り、もう一つなぞらなければならないことがある。
土産物のきゃらぶきである。


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午後


前に来たとき、雑誌かガイドブックかの情報があったんだと思うが、「大津屋」できゃらぶきを買った。
おそろしくおいしかった。
ずっと覚えていた。


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「大津屋」のきゃらぶきは、“きゃらぶき”と“甘口きゃらぶき”の2種類。


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後者は“五代目の味”というキャッチもいまどき風でちょっとアレだが、なにしろ“甘くないつくだ煮”というものを初めて食べて衝撃を受けたのが、こちらのきゃらぶき。
甘口という選択はありえない。


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きゃらぶきと葉唐辛子を買う。


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そのころ山で採ってきたフキで作ったきゃらぶきはなかなかいい線いっていたと思う。
それからもときどき作るが、最近どうもしっくりこない。
久々に食べて、自分の作るものと理想形との隔たりの大きさを思い知らされる。


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さて、お土産も買ったことだし、ようやくちゃんと昼ごはん。

(つづく)


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[DATA]
大津屋きゃらぶき本舗
神奈川県伊勢原市大山618
https://www.kyarabuki.com/index.html





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/Ibd1-ooK5as
明治5(1872)年作曲



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次号予告


ロードサイドの昭和食堂 【みのり食堂】

2022.09.04

 県道8号川越入間線に面した「みのり食堂」はいろんな意味で昭和感いっぱいなお店で、近隣ではよく知られた存在だと思う。
車でも自転車でも近くを通ることが多いという立地で、入ってみたいリストの上位にランクされ続けているが、これまでなぜか縁がなかった。

暖簾が掛かっているにもかかわらず、「すみません、終わっちゃいました」と言われること2回。
そんなピンポイントにバッドタイミングが続くというのもなかなかないことだと思うが、ちゃんと写真も残っている。👇


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2021年6月(外観はほとんど変わっていないが、シュロの木がなくなっていた)

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2020年10月


ただ断られただけでなく、ご主人と少しお話しさせてもらってもいる。

「“みのり”というのは、どなたかのお名前ですか?」
「あたしです(笑)」
「みのりさんとおっしゃる?」
「“る”… です」
「あ、なるほど」

そのあと名前をめぐっていろいろやりとりが交わされることとなるが、それはまた別の話。


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そんな「みのり食堂」、三度目? の正直で初入店。


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これまでチラッと眺めた範囲で把握していたのと違っているのは、たたきだけだと思っていた店内の右奥が座敷になっていること。
座敷席はテーブル席の同じくらいのキャパがありそうだ。

もう一つ、接客係のおかあさんがいること。
そりゃそうか ゞ( ̄∇ ̄;)


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メニューが多くて迷う。
それでも以前に比べて壁の短冊がすっきりしていて、もしかしたらラーメン類がなくなったかもしれない。

焼肉定食と一口カツセットを注文。


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先客は1名ですでに料理は提供されているので、いま厨房のおとうさんが取りかかっているのは僕らの分だと思われるが、なかなかできてこない。ときどきおかあさんが水をつぎにやってきたりして、「すみませんね…」と。
結局、最初の焼肉定食がやって来るまで15分近くかかった。


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結論から言うと、ものすごくちゃんと作られている。

品数が多いのである程度作り置きとか、そんな感じで回しているんじゃないかと思っていたが、とんでもない。
あるいは付け合わせのキャベツや納豆のネギまで都度都度きざんでるんじゃないかというくらい。
ちなみに野菜は自家栽培とのこと。

焼肉にはタマネギ、ニンジン、青菜などが入り、しょうゆベースのたれに野菜の甘味が生かされ、ごはんが進むススム♪


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一口カツセットの提供までにはさらに5分。

セット内容は、たぬきうどん、ライス、御新香付き。
配膳台にドンと載せられたどんぶり飯を見て、うどんが付くのに「あの(普通サイズより盛りのよさげな)ライスがオレのってことないよね…?」とか言っていたが、いいえ、オレのでした!!
しかもうどんもしっかり普通サイズ (o ̄∇ ̄)o!! ガーン


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一口カツは思っていたより個数が多く、個々のサイズが大きく、さらにはバリエーションもある。
豚3個とナスで、豚はヒレカツ? メンチカツ? ミルフィーユカツ? …みたいに、それぞれ違う感じ。
切れ目が入れてあって丁寧な仕事、および絶妙な揚げ具合で、これがものすごくおいしい。


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うどんもごく普通の麺だが、ゆで加減とかつゆとか?
いわゆる路麺とはひと味違うのであった。


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こういうお店が家の近くにあったなら…
と、2年半前に閉店した市内の名店などに思いを巡らせた。


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[DATA]
みのり食堂
埼玉県入間市宮寺3064-4





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/Ug4AzA8Ew9w


親として… 【福よし・お多福・かめ福 埼玉大井店】

2022.02.20

 車の定期点検で午前中クルマ屋さんへ。
そのまま車で足を延ばして昼ごはん… というパターンだが、少し問題がある。2日前から長女が来ていて、今日の午後に帰るという。1人で昼ごはん食べて見送りなしに帰るというのも、親として想像するに忍びないものがある。
「一緒に行く?」ということになった。

最近、植物に凝っているという娘に合わせ、大きめのホームセンターを検討。
都内まで送っていくことを考え、R254エリアから「スーパービバホーム 埼玉大井店」に。


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車の点検が意外に長引いて少し遅くなってしまい、昼ごはんはフードコートで済ますことに。
3人めいめい食べたいブースに並び、必然的にワリカン。
親として忍びない (ーー )Ξ


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僕はラーメン「福よし」でチャーハン特別定食。


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チャーハン+半ラーメンで、かなりボリューミー。


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チャーハンもラーメンも普通においしい。
きわめてチャーハンらしく、ラーメンらしく、中庸でオーソドックスな味わいは、いまどき貴重かもしれない。


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娘は「お多福」の肉汁うどん。
ふすまの入った、はた目にもおいしそうなうどんである。


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相方は「ブーランジェベーグ」 のパン(半分は持ち帰り用)。


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あとで調べるとこれら3店はすべて同系列で、㈱アクアのブランド。
店名もHPでは「福よし・お多福・かめ福 埼玉大井店」となっている。

ワンパッケージで競争を避けクオリティを追求する試みかと思うが、少なくとも味的にはかなり成功しているんじゃないだろうか。
フードコートの新しい方向性として注目される。


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食事のあと園芸コーナーへ。
娘はアジアンタムのようなものを買っていた。
そのままR254を都心方面へ…。


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[DATA]
福よし・お多福・かめ福 埼玉大井店
埼玉県ふじみ野市西鶴ケ岡1-3-15 ビバモール埼玉大井店
http://www.food-aqua.com/





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/gjNKxoFlfS8


創業安政二年! 【御菓子処 俵屋】

2022.02.03

 前記事の続きで、「サムタイム」を出たあと――

「『俵屋』って知ってる?」
「うん。よく知ってる」

10年以上前だったと思うが、和菓子に凝っていた時期があって、主に中央線沿線のお店に自転車で買いに行っていた。
西荻窪の「喜田屋」、荻窪の「高橋の酒まんじゅう」、阿佐谷の「うさぎや」などがそのころ開拓したお店である。


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有名和菓子屋というものが東京の西側には多くないこともあって、ブームはわりと早く収束。調べがついていながら行かずじまいのお店もあった。
吉祥寺の「御菓子処 俵屋」が、まさにそれ。


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「甘納豆が有名なんだって」
「え、そうなの? なら入っとけばよかった…」(←甘納豆好き)


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“創業安政二年”は、いつも前を通っているので(そのわりに入ったことなかったが…)承知している。
お店HPによれば創業の地は京都の福知山で、30数年前に移転してきたと。


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安政年間は人文科学的には大獄事件が有名だが、自然科学的には地震が多かったことで知られる。いま懸念されている南海トラフ地震の2サイクル前の安政東海/南海地震が起きたのが安政元年(1854)。
その翌年の創業… うーん、歴史を感じる ヾ(^o^;)


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甘納豆以外にも人気商品が多いもよう。
すぐ近くの井の頭自然文化園の動物園にちなんだ”どうぶつ最中”、昭和天皇行幸時に御用命という“御召列車”、俵形の“俵最中”など。


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甘納豆の五色詰め丸型、どうぶつ最中から選んだ“りす”と、御召列車を買う。


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五色とは、そら豆、栗、うぐいす豆、花豆、小豆。
きれいな発色でありながら、合成着色料や酸化防止剤などの添加物は使用していないという。


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おまんじゅうと最中は1個ずつなのに和菓子屋さんらしい丁寧な詰め方にうれしくなる。


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上野のパンダ焼じゃないが、どうぶつ最中を見ていまはコロナで休園中の井の頭の動物園にも行きたくなった。


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[DATA]
御菓子処 俵屋
東京都武蔵野市御殿山1-7-7
https://tawaraya-kichijoji.shop/
https://twitter.com/wagashitawaraya
https://www.instagram.com/tawaraya_kichijoji/





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/9qwbY1pV2M8
1855(安政2)年作曲



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河津桜 / 東村山中央公園


都内唯一の 【清水屋】

2021.11.03

 東村山市野口町にある臨済宗建長寺派の禅宗寺院・正福寺。
その地蔵堂は室町期の1407(応永14)年建立で、同時代の鎌倉・円覚寺舎利殿と並ぶ禅宗様仏殿の代表作とされる。
1952年、国宝に指定。

「東京唯一」の国宝建造物として市民の誇りであったが、2009年に旧東宮御所(迎賓館赤坂離宮)が国宝に指定され、唯一ではなくなった。
ところが当局は都内唯一を返上するつもりはさらさらないらしい。市のHPで「都内唯一の国宝“木造”建造物」となっていて笑った (^○^)

ちなみにテレビ東京『出没! アド街ック天国~東村山』では2006年、2021年とも第1位は正福寺地蔵堂である。


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正福寺地蔵堂は年3回一般公開が行われるが、そのうち11月3日は“地蔵まつり”として各種イベントが催される。


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市民にとって文化の日は御開帳の日(※ほかの一般公開日は8/8、9/24)


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コロナ禍のなか、今年の地蔵まつりは去年に続いて縮小開催。
厄除小地蔵の有料頒布・お納めのみの実施となった。


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東村山に住んで四半世紀になるが、地蔵堂御開帳を見たことがないもぐり市民である。
以前、地蔵まつりを見に行ったことはあるが、あまりの人の多さに参道途中で引き返した。


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正福寺地蔵堂本尊 地蔵菩薩立像

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千体小地蔵尊像

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地蔵菩薩像真上の鏡天井


縮小開催ということで人出も少ないことを期待して行ってみると、本当に少なかった。
年にたった3回の国宝の御開帳がこんなことでいいのか…? と思わなくもないが、写真も余裕で撮れたし、係のおっちゃんに話を聞くこともできた。
素直に、ラッキー! (>▽<)b


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帰り、参道を出たところにある和菓子店「清水屋」に。


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“門前の茶屋”的存在で、厄除小地蔵事前申し込み受け付け取扱店である。


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江戸時代、願掛けに堂内の小地蔵を一体借りて家に持ち帰り、願いが成就すればもう一体添えて奉納する風習があり、その小地蔵尊像が少しずつ集まり千体地蔵が形成されたとされる。


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それにちなんで行われるのが厄除小地蔵の奉納。
正福寺地蔵堂は、地元では“千体地蔵堂”と呼ばれ親しまれている。


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名物の千体地蔵最中3個パックを買う。
映画『あん』のレシピを再現したという“東村山塩どら”と並ぶ看板商品。


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千体地蔵最中は真四角のフォルムに求肥入り。
東村山市の食の地域ブランド「里に八国」認定商品。


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大粒の小豆と求肥の取り合わせが楽しいもなか。


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「雨が降ったことは一度もないんですよ」と、お店のおばさま。
たしかに地蔵堂の反りの強い特徴的な屋根は、秋空によく映えると思ったのだ。


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[DATA]
清水屋
東京都東村山市野口町2-4-1





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/iMq3_GpIHew



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狭山公園


100%地粉! 手打ちうどん 【さかえ】

2021.10.02

 うどんどころだけに意外な場所に意外な形で突如うどん屋さんが出現する東村山。
空堀川沿いの野菜無人販売所でうどん弁当を売り始めた… みたいな情報をInstagramで目にしたのがGWのころ。
武蔵野うどんは糧うどんとも呼ばれ、“糧(かて)=野菜”とは切っても切れない関係にある。興味深い展開だと思った。

よく通る場所だったので物件はすぐに特定できたが、営業していることが少ないのと入りづらそうなのとで、そこからの進展はないままに時が過ぎる。


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“入りづらそう”と書いたように、弁当だけでなく食堂機能も備えているらしい。
野菜販売所ではなく、ときどき玄関先で野菜を売っている民家。
いわゆる自宅系うどん屋さんなのであった。


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空堀川右岸、上堀橋と天王森橋の間。
久米川駅南口から約360m。


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用事で富士見町に行った帰り、ダメモトで寄ってみたら幟が出ている。
角地に位置し、川沿いの道路に面した側に野菜スタンド、その後ろにテイクアウト用窓口。そこが調理場のようで、仕込みに忙しそうな若い女性の姿。
小窓の下に“店内でも食べられます”の張り紙。


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奥まった側に家の玄関があり、食堂の入り口にもなっている。
そのしるしに暖簾が掛かっているが、これが位置的にも色的にもぜんぜん目立たないのであった (;^_^A

ドアを開けて物腰の柔らかい女性が出迎えてくれる。調理場の女性とは母娘だろうか。
たたきで靴を脱ぎ、「おじゃましまーす」みたいな(笑)。


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すぐ左手が飲食用の部屋で、ちゃんと造り付けのカウンター席もある。
カウンター4席、それと背中合わせに壁にくっつけたテーブルに2席。および、付属しているサンルーム風の小部屋にテーブル席が設置してある。


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当初は土日月のみだったらしいが、現在は水~日の営業。
メニュー表には平日限定ランチというものも。
あ、平日じゃないわ。残念…。


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普通盛り天ぷらつき×2。
「汁は肉汁にできますが?」とおかあさん。
1つ肉汁にしてもらう。


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“100%地粉”とあるように、うどんは無漂白の灰色がかった色合い。
天ぷらは、さつまいも、四角豆、ちくわ。
糧は小松菜、薬味に長ねぎ。七味の小袋が付いてくる。


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うどんは手打ちらしく太さはやや不ぞろいだが、よじれていない平打ちの端正なフォルム。
コシは強いが平打ちで食べやすく、かむほどに小麦の甘い香りを感じることができる。


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「野菜はなるべくたくさん使っていきたいと思ってまして」と娘さん。
天ぷらの四角豆は本日スタンドでも売られていたもの。いんげんの一種らしいが、莢が四角く肥大している分、普通のいんげんよりみずみずしく、甘みが強くおいしい。


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野菜販売は以前からやられていて、畑作地域でもないのにと不思議に思っていた。
聞いてみると、実家筋が野口町と多摩湖町で農園をやられていて、そちらの野菜という。
「ここに並べているものは農薬を使っていないんです」とおかあさん。「見た目が悪くて申し訳ないんですけど」
いえ、大事なことだと思います。


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お支払いで、肉汁にチェンジは無料ということが判明。それで「1つだけ肉汁」と言ったとき不思議そうな表情だったのね。
肉の分、○○円コストアップというのはパッと見、僕にもわかる。そのあたり、おおらかで好ましくはあるが…。
と恐縮しつつ、素直にうれしいサービス (≧∇≦)b

使いよい場所にいいお店を見つけた!


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[DATA]
さかえ
東京都東村山市栄町2-14-5





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/9ew5Ux7g_UQ



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台風一過的な?


懐かしのドライブイン的な 【お食事処 日本亭】

2021.08.14

 うちは上がってすぐ階段があり、玄関と階段で吹き抜け構造になっていて、そこを利用してキャットウォークみたいなものをつくれないかという構想を温めている。
秋は工作の季節。
イメージを具体化するためにDIY方面を見ておきたいので、「ジョイフル本田 瑞穂店」へ。

そのついでに昼ごはん。
6本前の記事と似た状況ということで、そういえば瑞穂ネタが多い。


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前回の「たかはしや」のある箱根ケ崎交差点から1kmちょっと。国道16号岩蔵街道交差点の「お食事処 日本亭」へ。
ずっと気になっていたお店だが、瑞穂国の日本亭と、いま気づいたがなかなかすごい名前なのであった。


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駐車場がかなり埋まっていて、店内も混み合っている。
小上がり席が片付くのを待たせてもらったが、この間、店員さんの対応はこなれていて安心感がある。


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広い店内の中央にコの字カウンター、周囲にテーブル席と小上がりというつくり。


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メニューは定食、丼、中華麺、そば・うどん… と、幅広いラインナップ。


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16号という幹線道路にあって、なんでもござれな品ぞろえ。
客席や窓枠など随所に配置してあるルーレット式おみくじ器。
まさにファミレス以前の昭和のドライブインそのもの…! と興奮を隠しきれないワタシ。

興奮のあまり、まんぷくセットというありえない注文をしてしまったという。


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まんぷくセット来る。


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おぉっ! と歓声が湧く。
えぇっ… !? とざわめきに変わる。


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ご飯の量がものすごい。
しかも唐揚げまで付いてくるって、知らなかった…(←知らんがな ヾ(ーー )


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こういう場合、ゆっくりしてたら負ける。
満腹中枢に追い付かれる前に食べきる“逃げ戦法”しかない。

が、ラーメンも肉野菜炒めも懐かしすぎて、ついつい立ち止まって味わってしまっている。
シンプルだけれども家では出せない“お店の味”。


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これは要するに、いわゆるラーメンライスだが、それだと寂しいのでおかずも付けて… ということで、おかずが付けばおのずとご飯の量も増え、ならばおかずをもう1品付け… というスパイラルを描いている。
いまだバージョンアップ途上かもしれない。


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もう1品は肉そば。
細めのそばで、のど越しがいい。
脂身の少ない豚肉がたくさん入って、長ネギと合わさってよい風味。


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で、この無茶な注文内容でも意外に苦労せず食べられた。
いろいろ懐かし要素に若いころの活力が呼び覚まされたからかもしれない。


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駐車位置の関係で外観写真が撮りづらい条件で、車内から撮った2枚を合成してある


[DATA]
お食事処 日本亭
東京都瑞穂町大字箱根ヶ崎1128-3
https://mizuho.shop-info.com/nihontei/





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/rQXSSh_LF1Y



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「ジョイフル本田」駐車場から望む雨の狭山丘陵


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