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元気が出るテイクアウト丼 【花暖(KADAN)】

2020.05.10

 「#東村山エール飯」のSNS投稿を見ていると地元飲食店事情に通じた人がたくさんいるものだなぁと感心させられるが、そりゃあもともとの地元の人にすれば昔から出前をとってる中華屋だったり、同級生んちのすし屋だったり、友だちが始めた洋食屋だったりといったケースは珍しくないだろうから、よそ者のわれわれとはお店との距離感が違うだろうし、それだけに思い入れも大きいと思うのだ。
いざというとき助けになるのは人のつながりである、と。


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このたびお昼ごはんにテイクアウトしたのは「花暖」の焼き肉弁当。
ランチで食べた焼き肉がおいしくて夜も来たいと思っていたが、予約がいっぱいで入れなかったりと、結局再訪できないまま3年近くが過ぎてしまっている。


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テイクアウトはどのお店もそうだと思うが予約したほうがいい。
用意するほうにとっては仕入れの都合があるし、買いに行く側としては待たずに手にできる。
わかってはいるがなかなか予定を立てるのが下手なもので、12時を過ぎていきなり店を訪れた。牛焼肉丼980円と豚丼680円を注文。


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20分くらいでできるとのことだったので、近くの空堀川をぶらぶら。
暑くもなく寒くもなく、風は心地よいし、新緑は目にまぶしい。1年でいちばんいい季節を自粛で過ごさなければいけないなんて…。


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家に帰ってふたを開けると、香ばしい肉の香りと一緒に炭の香りが立ち上る。ガスコンロでは絶対できない香り。鼻腔をくすぐられ、食欲増大。


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牛焼肉丼はカルビ、ハラミ、ロースの3種、豚丼は肩ロースとバラ肉。
どちらのどんぶりにも共通するのが、とにかく肉がたっぷり。普段のランチサービスなどよりもさらにオトク感がある。


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以前、焼き肉ランチをいただいたときはきっぱり甘めのタレが印象に残っているが、このどんぶりは甘さ控えめ。
炭火で香ばしく焼き上げられていて、冷めてもおいしくいただける。


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肉を焼くには長い20分という待ち時間は、ご飯を炊く時間じゃないかと思った。
だって、炊きたてのおいしさなのである。
そういうきめ細かいオペレーションもうれしいよね♪


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[DATA]
花暖(KADAN)
東京都東村山市栄町2-14-26
http://yakiniku-kadan.jp/index.html





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「ホームベーカリー マドンナ」




インスタやってます (。-_-)ノ ヨロシク♪


四十余年、おつかれさまでした 【狩勝】

2018.12.06

 3週間前に伺ったとき、12月いっぱいで閉店すると聞かされた久米川のサッポロラーメン「狩勝」だが、その後お店の外面に変わったところはなく、淡々と毎日が過ぎていった。
表に閉店のお知らせの張り紙がされるでもなく。


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「お客さんみたいな人、ときどきいるんだけど、今度来たとき『あれ? いつの間にか閉まってる…』ってなるかな…」とお店のおかあさんが言っていた。
僕みたいな、とは常連にはいないタイプという意味だと思うが、そういうところには口づてに伝わることもなく、つまり表立って告知しないままひっそり閉めようという腹づもりかも… と感じた。


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なので躊躇するところもあったのだが、でも自分ならそれはイヤだな、「あれ? いつの間にか…」となりたくないなと思ったので、少しでもお店のファンの方に伝わればと、前回あえて記事にした次第である。


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「もう1回、来れたら来ます」と言ってあった。
できれば家族そろって行きたいが、年末ぎりぎりでないと都合が合わない。12月いっぱいといってもいつまでやるのか? 「銀行は28日までだしねぇ…」とおかあさんは言っていた。
結局、大っぴらな告知は出ていない。
最終日の可能性のある28日に相方だけでも一緒に、ということになった。


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のれんが掛かっていて、ひと安心。
お店に入ると、テレビ台に張り紙がしてあった。

“12月末日をもって閉店することになりました。四十余年の御来店、有がとうございました”

「年末、最後までやることにしたんですか?」と聞いてみる。
「やらないわよ。明日まで」とおかあさん。
やっぱりぎりぎり危なかったわけだ。


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注文は決まっている。
「狩勝」ではかわりばんこに食べてきた、みそラーメンとしおラーメン。それに餃子1皿。
体力的に作るのが大変になったという話はだいぶ前に聞いていたので、同時に作れると思っていた、みそとしおを頼んだわけである。


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しかし、まずしおラーメンが来て、みそがやって来るまでにそれから4分かかった。

その間に餃子。
家族で入って餃子2皿頼むと、半分は決まって失敗して(ひっついて皮が破れちゃって)値引きしてもらっていた。小さいが餡がみっちり詰まっておいしい餃子なのだ。
今日の焼き面カラッとした焼き上がりは、過去最高傑作かも。


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明日閉める店なのにサービスメニューは普通に継続中で、レギュラー価格550円のみそラーメンは500円。
いちばんたくさん食べたのは、やっぱりみそラーメン。
しんみりする…


「40何年、ずっと変わらないまま来たのよ、私たちは」とおかあさん。「でもこのあたりはすっかり変わっちゃった」


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こういうことはこの先も避けられないだろうが、「狩勝」のおかあさんの最後まで明るく朗らかなキャラは救い。
お店は閉じてもこのあたりで暮らしていることに変わりはない。
これからも、街でひょっこり出会うことがあると思うよ。


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[DATA]
狩勝(かりかち)
東京都東村山市栄町2-7-1





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GW初日は近場であれこれ 【得得市場】

2018.04.28

 夜は久々に家族がそろうので、鮮魚を買いに得得市場(東久留米卸売市場)へ。
相方はなぜか業者モードのスイッチが入って、8時ごろには出掛ける気満々。
市場のあともいろいろやることがあるので、やっぱり早めに出て、8時半すぎには現地に。


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この時間でも出入りの車や人出は多い。
業者だけでなく、われわれのような一般客も少なくない。


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大きい鮮魚店・卸2社を中心とする奥の棟は、すでにピークを過ぎているような気配も漂う。
実際、卸のマグロ刺し身パックのケース前では「この時間にして、早くも残りわずか!」と若手社員。
とりあえず「東京北魚」と「柴源」の鮮魚を見比べて、購入前にひと通り場内をぶらぶら。


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アンデス食品

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柴源

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ササキミート、三基フーズ

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東京北魚

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Cafe漕人

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丸八水産、近江フーズサービス

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のりの太丸、魚沼の庄

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柏木、かぼ久よこがわ

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宮田商店、大東青果

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海鮮市場食堂、丸平海産、市場のおばちゃん食堂


「柴源」で生メバチマグロ(千葉産)、天然ブリ(高知産)を購入。
「あのカツオ、あとで柵になったりします?」と聞いてみる。
「あれは小さいから…。半身までかなぁ」と、親切な店員さん。

「東京北魚」ではおいしそうなヤリイカを買うことに。さっき回ったときより数が減っていて、残り2枚。
「2枚買わないとダメかな…?」ということで、相方が近くの社員さんに聞きに行く。
「1枚でいいすよ」と社員さん。
ひと言ふた言交わした相方が仰天してる。支払い所から戻ってきた相方のひと言に、僕も仰天。
「700円もした」
「えー!?」
「ヤリイカじゃなくてシロイカなんだって。まあ、せっかくだからさ」
マグロとブリで500円ちょっとだから、ものすごいイカの買い物であった。

そのあと駐車場の花屋でバーベナを購入して市場をあとにする。


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八坂のぞうさん公園へ移動。
先日、「翁寿司」で抽選券をいただいた八坂商店会の抽選会が行われている。
ちょっと使いそうにない景品ばかりだったのでどうかと思ったが、せっかくいただいた券を無駄にするわけにはいかないのだ。


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しかし、僕らが並んでから列が進まない。
見ると、福引のガラガラ(正式名称:新井式廻轉抽籤器)が不具合を起こしたらしく、商店会のおっちゃん連中が分解して復旧を試みている。
「こんなの初めてだな」「寿命ってあるのかな…?」というつぶやきが聞こえてくる。
ポンコツ、ロートル… などの用語が頭をよぎり、いろいろ考えさせられるなぁ(笑)。

オーバーホール? でよみがえったポンコツで4回ガラガラ。
全部「C」。
景品は「A」がナショナル(←注:パナソニック)強力マルチライト、「B」が洗剤2種、それ以外は全部「C」。
それにしても、洗剤がBで、なんで傘がCやねーん!

先日「いらない…(笑)」と言ってた相方、さっそく日傘の恩恵にあずかる。


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清瀬にワープ。
明日の朝食のパンを買いに、相方お気に入りの無添加パン工房「あいらんど」へ。


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この日はお買い得品が多く、食パン1斤、玄米パン1斤、くるみパンハーフ×2と買って、合計545円。


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清瀬駅方面へ向かう途中、救世軍清瀬病院のバザーに遭遇。
せっかくだからのぞいてみる。
相方が見つけたトルコ製のカラフェは、なかなかのめっけものだった(100円)。


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この時点でちょうど12時。朝早くから動いているので空腹もピークに。
バザー会場では食べ物もいろいろ売られていて、ふらふらと引き寄せられそうになる。
しかし、さっきから気分は〇〇焼きそば。屋台のソース焼きそばじゃない。

救世軍をあとに、清瀬駅方面に向かう。 (つづく?)


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[この日の購入品 & 戦利品]

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[DATA]
得得市場(東久留米卸売市場)
東京都東久留米市下里5-12-12
http://www.tokutoku-ichiba.or.jp/



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https://www.youtube.com/watch?v=FlZGJBFvd2g



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おしることニラ焼きと、常滑焼と 【うたたね】

2018.03.24

 出かける前に郵便受けをのぞくと1通の手紙が届いている。
差出人は「うたたね」とある。
あ、お願いしていた案内かな、と思った。

出先の昼食の席で開けてみた。
卯月(第9回)落語の会「喫茶庵・うたたね ―ねぼけ会―」のチラシ。
演目は安田康子さんの『天狗裁き』。
B5判の三つ折りが長形4号白無地の二重和封筒に入っているあたり、古風な折り目正しさを感じる。


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メッセージを記したはがき2枚が同封してあった。
1枚は落語会とお食事会のご案内とお誘い。もう1枚には次のように書いてある。
「店のお客様より、うたたねの紹介文をみせて頂きました。本当に有難うございました」
どなたかこのブログの以前の記事をご覧になった方が、うたたねの店主さんに教えてくださったということのようなのだ。


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このブログを始めてまもなく1年になるが、このような反応をいただいたのは初めて。
店主さんはインターネットをやらない方だから、僕の発信がアナログ変換されて返ってきたわけである。
その不確かなようでいて必然的にも思えるプロセスには情報伝達の抱える課題と対策がいろいろ含まれるようでもあるし、それだけにかけがえのないメッセージにも感じられる。


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そもそも、こちらからごあいさつに伺うのが筋なのではないかという気もする。
冬の間に一度おしるこをいただこうと思っていて、1カ月ほど前の日曜日に一度伺ったが、休みだった。日曜はレコード鑑賞会を行うので喫茶は休みと聞いていたことを思い出した。
あれこれ勘案すれば、土曜日の今日、伺うしかないようだ。


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店主さんがにこやかに迎えてくれる。
「載せていただいてありがとうございます」
「いえ… 勝手なことしてすみませんでした」
みたいなやりとり。
おしるこを2つお願いする。


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たくさんの焼き物や絵に囲まれ、ほっと落ち着く空間。


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ちょうど冬枯れの藤棚を通して柔らかな西日が差し込み、うらうらとする。
石油ストーブの上で鉄瓶がことこと。


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店先の植え込みに大株のクリスマスローズがシングルピンクの花を咲かせ、何輪か大テーブルの花生けにアオモジ、クロモジと一緒に挿してある。


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粒あんのおしるこは、しっかり甘く懐かしい味。
箸休めに、厚むきの大根の千切りを使った浅漬けキムチ。


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お茶の追加は小さな急須で。


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「これでも2人分は入るんですよ」と店主さん。「もう亡くなりましたけど、常滑の陶芸家さんの作品で…」
形はかわいらしいが、窯変藻掛け? の荒々しい模様が印象的だ。
ほかにも同じ作家さんの急須をいくつか見せていただいた。どれも模様のタイプが異なる。


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驚いたのが、高さ30cmはありそうな大急須。お店の何周年だかのお祝いにいただいたとのこと。
「急須としても使えますけど、お花を生けるほうがいいですよね」


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おしるこが終わるころ、ニラ焼きを出してくれる。
「この間教えてもらったんですけど、簡単なんですよ。小麦粉と卵、あとみそを入れます」
「子どものころ、こういうの作ってもらってました。懐かしい。うちの場合、ニラ入ってませんでしたけど(笑)」
いつも何かサービスを付けてくれる。


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外で高齢のご婦人がじっとガラス戸の張り紙をにらんでいる。
「チラシ読んでるんじゃない?」と店主さん。
僕が少し引き戸を開けると、笑いながら「こんにちわ」と入ってきた。
ちょうどお暇をする頃合い。


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せっかくお誘いいただいた落語の会だが、月曜なのでちょっと厳しい。
次の機会にまたご案内くださるようお願いをして、お店をあとにした。


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[DATA]
陶器・喫茶 うたたね
東京都東村山市富士見町5-5-47





[Today's recommendation]


https://www.youtube.com/watch?v=NjH6z89W6Qs



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路地裏に歴史と文化の薫り 【でんえん】

2017.07.22

 1957年創業、60年続く国分寺の名曲喫茶「でんえん」。元は1924年に建てられた米蔵だという。
以前より気になる店だったが、先週放送されたテレビ東京『出没! アド街ック天国』に登場し、店主が90歳の女性であることを知り、これはぜひ行っておかなければと思った。


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見ようによっては趣があり、見ようによっては朽ち果てている。――名曲喫茶というものはすでに40年ぐらい前からそういう存在だった。


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昔入った名曲喫茶は、お茶の水の「ウィーン」、高田馬場「らんぶる」、中野「クラシック」、吉祥寺「こんつぇると」「バロック」など。これらの中でも「らんぶる」と「クラシック」の廃墟感はすごかった。
それらは「バロック」を除きすべて閉店し、ほかに新宿「らんぶる」など、現存するが名曲喫茶とは名ばかりというところも多い。
そんななか、われわれが若かったころすでに古びていたと想像され、そのまま現在に至っている貴重な存在が「でんえん」である。


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扉を開けるとマダムのお出迎え。きちんとした服装にベレー帽の上品でかわいらしい女性である。
店のつくりは突き当りを左折するL字形で、意外に奥行きがある。いちばん奥の席に着く。
名曲喫茶に共通のにおいがする。かび臭いような、ヤニ臭いような。しかし壁紙などはメンテナンスされており、店内はきれいで落ち着く。
コーヒーは480円。角砂糖が懐かしい。


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看板に〝クラシックと絵“とあるように、壁にはセザンヌ、マリー・ローランサン、ジョルジュ・ルソー… の絵。
フルート協奏曲的なバロックの音楽が流れており、先客1人がスピーカーに向かって座っているので、昔を思い出して会話がはばかられる。
その後2組お客さんが入り、(マナーの範囲内で)普通に会話が交わされ、僕らもやっとリラックスする。


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曲はシューベルト『野ばら』に変わる。チェロ編曲の小品集のようで、続いて同じくシューベルト『セレナード』、シューマン『トロイメライ』、サン-サーンス『白鳥』、ボッケリーニ『メヌエット』…

店を出ると3時前にして日が陰っている。工事中の駅前ツインタワーの影響のようだ。
明るい日の光にさらされるよりも、路地裏の暗がりが、むしろ古き情緒を際立たせる。
大きな環境の変化にも、60年も街の文化を支え続けたその存在感は揺るがない。


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[DATA]
でんえん
東京都国分寺市本町2-8-7





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https://youtu.be/7_t9m2YZa0s


衰退商店街の時空のひずみ 【さぬきや】

2017.01.21

 「西堀銀座」というほぼ壊滅している商店街。さびれた路地裏好きにはたまらないこの調査地をくまなく巡見してみる。
だいぶ前にここにはめぼしい物件は残されていないことを確認しているが、じっくり見て回れば何か見つかるかもしれない。
南北に3本通っているうちのいちばん西の路地、「高砂」というたぶんもうやっていないソバ屋の角を入る。


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路地の中ほどに、いい感じのうどん店を発見。
「さぬきや」という店名からして武蔵野うどんではなさそうだが、おでん種とかも含めけっこう品数は多そうで、こんな街にしては意外なほど活性化されてる感が漂っている。

これはちょっとした収穫だ。今度利用させてもらおう。
とはいえこの時点で、こっちは頭から玉売り専門と思い込んでいる。


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お店を横目に通り過ぎる際、チラッと視界に入った文字に何ともいえない違和感が。

肉汁うどんって…?
肉汁、ビニール袋に入れてお持ち帰り?
しかも¥700いくらとか書いてなかったか? テイクアウトでそれは高すぎるだろう…。

10m先で自転車をUターンさせました。


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戻ってみると、なんと、店の右隅に上り階段があるじゃないか。
「お食事は二階です」の張り紙も!
ゾクゾクしましたね。

その隠し通路のような階段が、私の目には異界への秘密の入り口のように映ったのでした。
(ちなみに発見当日、プレートは「準備中」だった)


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で、その週末に妻と潜入調査を敢行。
本当に食事処をやっているのか半信半疑だったが、着いてみると「営業中」と出てる。
よかった、というより、ちょっと緊張… 。

先客はなく、お店のおとうさんが階段の電気をつけながら先導してくれる。
洞窟探検みたいだ。

2階のフロアの電気をつけ、テレビもつけてくれた。
なんか日常っぽくなった。


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4人掛けテーブル5脚と、意外に広い店内。掃除が行き届きこざっぱりしている。
現役バリバリ、まあ普通といえば普通で、ちょっと拍子抜けしないでもないが、逆に謎は深まったように思えた。
きれいにしているということは一定のニーズがあるということ。
誰がどんな目的で? つまり利用シーンがまったくイメージできないのだ。


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店主は注文をとって階下に下り、10分以上もわしらの貸し切り状態に。
そりゃそうだ、1人で切り盛りしているらしいお父さんは、小売りの客もさばかなきゃならないし、調理場も1階にあるようだし。

撮り忘れたが4ページのちゃんとプリントしてある写真入りメニュー表があり、実に品数が豊富なのだ。
ナンチャラ御膳的な豪華セットも載っていて、そんな注文が入ったらどう対応するのか、部外者ながら心配になってしまった。


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手打ちごまだれつけめん(写真手前)と手打ち肉汁うどん(奥)。
「麺、温めましたから」と提供される。
コシは強くないが、温めたからか小麦の香りが立つ。ごまだれはかなり甘めでちょっと酸味がある。全体に素朴で優しい感じが好ましい。
麺は並2玉。注文してすぐ大3玉にすればよかったと後悔したが、出されてみれば選択が正しかったことを知る。他店では大盛りレベルである。「きくや」感覚で注文したらとんでもないことになるところだった。


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さぬきといってもいまどきの咀嚼をも拒むコシ過剰の麺ではない。うどんといえば讃岐だ、くらいの発想のネーミングと思われ、そういうセンスの時代から続いているお店なのだろう。
何でもかんでも〇〇系とくくらなくても特に問題は生じなかった時代。
そのころの大らかな社会通念というかユルい空気感というか、そんな精神と交感するかのような不思議な体験であった。


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[DATA]
さぬきや
埼玉県新座市西堀2-5-18







https://www.youtube.com/watch?v=nsRcgN9ey70


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