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製法も造形もおおらかな… 【生そば 大むら】

2020.03.01

 さすがに繁華街の人混みに立ち入る気にはならず、郊外を散歩する日々。
東大和市役所から東大和市駅へ南下するルートで、途中通った南街2丁目~5丁目にはまったく人けがない。それでも住宅街ではまだ違和感は少ないが、駅に近づいてもひっそり静まり返ったまま。ちょうどホームセンターに用事があって駅前の「ヤサカ」に行ってみたら、いつの間にか閉店していて、がらんどう…。

“ある日目覚めたら街から人が消えていた”という1970年代のNHK少年ドラマシリーズが思い出されるようなSFな設定に、背筋が寒くなる。

というのはもちろん大げさに表現してみました的な前フリで、不気味なほど人けがないのは事実だが、よく見れば洋菓子店はおばちゃん客で賑わっているし、昼営業の居酒屋はきっちり昼飲みおやじで埋まっている。
選べる程度には飲食店は営業している。当たり前だけど。


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青梅街道が左折分岐する股のところにある古びた店構えのそば屋「大むら」へ。
“古びた”と書いたが3階建てのビル自体が古いわけではなく、いまふうのレンガ調の外壁に、古い木の柵やら瓦の庇やら銘木看板やらが組み付けてある。


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この南街四丁目交差点は2009年にハミングロードが開通する際に新設されたもので、青梅街道が分岐する形に経路変更された。
つまり道路整備事業に伴う立ち退きでビル化したおそば屋が昔の店舗の面影を残そうとしたのでは…? と思わせるような外観である。昔のお店への愛情にあふれている… ように見える。
あくまでも推測だが。


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店内も同様に年季を感じさせる。
カウンターは天然木無垢一枚板、僕らが座った小上がりの席も炉端テーブルのような古く重厚な調度品だ。


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注文は、おかめそば730円と天おろしそば1150円。

おかめそばというものを、たまーに食べたくなる。
どれくらいたまーにかというと、15年に一度… と以前書いておきながらそれから3年たっておらず言行不一致も甚だしいが、それは年齢による嗜好の変化で、いつまでも高校生みたいにラーメン大盛りじゃないよ… という成長の証しと捉えたい。


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おかめとは、お多福である。
こちらのおかめ、ぱっと見、造形精度が粗い。“おもしろい顔つくった者勝ち”ルールの福笑いのごとき雑な盛り付け。


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各パーツは目から順に、麩、紅白かまぼこ、薄焼き卵、鶏肉、干し椎茸、小松菜、竹の子。
写真には写っていないが鳴門巻きが沈んでおり、これは“ほお高”を表現する重要なパーツだけに残念である。


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天おろしそばとは、ぶっかけタイプの冷たい天ぷらそば。
突然笑いだす相方。
「この天ぷら…(笑)」
赤っぽいのでタコぶつかと思って食べたら、梅干しだったと。梅干しの天ぷらとは初耳。
種も入ったままで、知らずにかぶりついたら歯が欠けかねないという(笑)。


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ほかにも、輪切りのにんじんの3枚重ね揚げだったり、同じくさつまいもの2枚重ねだったりと、大ざっぱというかおおらかな天ぷらである。
それだけにボリューム満点、ネタもほかに椎茸、ししとう、ねぎのかき揚げ、えびと豊富。
えび天はかなり大きかったらしく、外見でそうは見えないので、コロモによるかさ増しなしの質実剛健タイプのようだ。


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たまーにしか食べないが、おかめそばを思うとホッコリした気持ちになる。
こんなお店で食べるのがぴったり。


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[DATA]
生そば 大むら
東京都東大和市南街4-16-10





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新店、まもなくオープン(東村山市野口町4-27-1)




江戸前&京風、二枚看板のおすし屋さん 【ささき寿司】

2019.12.29

 国分寺から武蔵小金井経由で花小金井まで歩く予定だったが、僕は買ったばかりのスニーカーでアキレス腱が痛くなり、相方は仕事で痛めた腰痛が悪化して、途中棄権。
昼ごはんを食べて武蔵小金井から電車で引き返すことにした。
とにかく休みたいので、迷わずズバッとお店を決めたいところ。


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前原坂上の交差点から質屋坂通りに入ったところに興味深いすし屋がある。
「ささき寿司」は、江戸前 & 京風を掲げる二枚看板のおすし屋さんだ。


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基本、持ち帰りずしのお店だと思うが、店内飲食コーナーのようなテーブルが表からも確認でき、いつか入ってみたいと思っていた。


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優しそうな年配のご夫婦のお店である。
「お店で食べられますか?」と一応確認。入って正面がショーケースになっていて、そこで注文してから席に着くシステムのもよう。


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ショーケースには握り寿司、押し寿司、助六、大阪寿司、京寿司、細巻き各種… とズラッと並んでいて、「まるでおすしのオールスターゲームやぁ!」


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ここはやはり江戸前と京風の両方をいただきたい。
江戸前のほうはにぎり(並)1000円にすんなり決まったが、京風のほうは大いに迷う。とにかく押し寿司や棒寿司が大好きで、バッテラ、穴子、えび、えび玉… 全部食べたい。


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すると“お好み”という文字が…。
サンプルでは押し寿司2個ずつ3種類で630円。


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「えーと、このお好みというのは…?」
「どの組み合わせでも大丈夫ですよ」とご主人。
これはうれしいセットだ。王道的にバッテラ、穴子、えびでお願いする。


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先入観で押し寿司は作り置きかと思っていたが、このお店は注文を受けてから作る。にぎりももちろんその場でにぎるので、当然時間がかかる。
その間、おかみさんはお茶を入れたり、器の用意をしたり、ワケギを刻んだり。
入れたての緑茶がおいしい。


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すしは約10分で一緒に出される。
にぎりはとにかくネタが大きい。マグロもイカも分厚いカットで、エビもでかい。アジなんか、トビウオか…? と本気で思ったほど。
シャリが甘くないのが江戸前的である。


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と思ったら、押し寿司のシャリも甘さ控えめだ。
というか、バッテラのサバも穴子のツメもぎりぎり絶妙の甘さで、押し方もふわっと優しく、実に上品な押し寿司である。これならいくらでも食べられそう。


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お茶のサービスとお椀も付いて持ち帰りと同じ値段と、このイートインはお得である。
でも、持ち帰りという気軽なスタイルでレベルの高い押し寿司をいただくことができるというのは貴重だ。
これはいいお店を見つけた。


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[DATA]
ささき寿司
東京都小金井市前原町3-40-22





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咲き乱れる桜と、どら焼きと… 【お食事処 なごみ】

2019.03.31

「どら焼き、やきにいく」と相方。

多磨全生園で、どら焼き体験のイベントが行われるという。
全生園でどら焼き――そう聞いただけでピンとくる人も多いと思うが、河瀨直美監督作品『あん』にちなんだイベントである。

――映画『あん』に登場する千太郎のどら焼きを自分でつくってみませんか? ホットプレートで皮を焼いてあんこをはさんだら“どら春”のどら焼きが完成します。徳江さんのレシピを再現した極上つぶあんをご用意してお待ちしています。(どら焼きミニminiフェスティバル パンフレットより)


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ほぼ映画を見ない自分にはうまく説明できないと思うので、そこいらへんの設定関係は映画『あん』公式HPを参照していただきたい。


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「どら焼きミニminiフェスティバル」は、全生園内の食堂「なごみ」主催のイベント。
「なごみ」は気になる存在なので、この際、昼ごはんとセットで利用してみようと。


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会場は「なごみ」隣のスペース。なんかホットプレートの電源が落ちたとかで(笑)、どら焼き体験の待ち時間は見通しが立たないというので、料金(1人300円×2)を払って整理券をもらったうえで園内を散策。


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国立ハンセン病資料館裏手は公園風に整備され、意外なことにその先の一角には大勢の花見客。20年ほど前、何も知らずに桜の季節に全生園を訪れ、見事な桜とは対照的に静まり返った独特の空気感がいまだに忘れられない。人にそのことを話すと、ハンセン病ってらい病じゃないの、と驚かれた。仕事柄、病名はいろいろ見聞きするが、そのことを知らなかった。というか、らいが差別の対象であったことをそのとき初めて知った。


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和菓子「清水屋」の販売コーナーも。銘菓“東村山塩どら”は、映画『あん』のレシピを再現したものとか


会場に戻り、いよいよどら焼き体験スタート。


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材料は、生地、あん、桜の花の塩漬け。
ざっと説明があり、あとは放任主義 (; ^ ー^) …


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このへんまでは一見順調。
しかーし…


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見事に破綻 Σ( ̄ロ ̄lll) ガビーン


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まあ、形はどうあれ味は変わらないって係のおねえさんも言ってたし(笑)。
おいしいどら焼きができました。


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さて、気を取り直してというか、隣の「なごみ」で昼ごはん。


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「なごみ」は『あん』の撮影舞台に使われたお店。


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店内は意外に広く、座敷を含め60人ほど収容可能。
本日のおすすめプルコギ丼700円とかつカレー700円を注文。


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カウンターで注文すると前払いと言われたが、見ているとテーブルで注文している人もいれば食べ終わって帰りしなに払っている人もいればと、ばらばら。
売り上げが合っているとはとても思えない。


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店内には、去年亡くなった樹木希林さんが着た衣裳やサイン入り写真が飾られた『あん』特設コーナーもある。


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かつカレーは学食のカレーが思い出される味。
そこからプルコギ丼提供まで20分空く。桜の季節で混雑していてお店サイドの対応が追いつかなかった感じ。
プルコギ丼はボリュームがあって野菜たっぷりとバランスがよい。
それにしても、気になるのは“森の釜めし”…。


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全生園の桜は20年前もいまも変わらずきれいだ。
たぶんもっとずっと前から。


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[DATA]
お食事処 なごみ
東京都東村山市青葉町4-1-1



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貴重な現存カレースタンド 【モンスナック】

2019.03.04

 新宿紀伊國屋書店といえばいまだに庄司薫の『ぼくの大好きな青髭』が思い出される。地方の高校生だった自分はこういう小説を読んでは東京での学生生活へのあこがれを募らせ、それが大学受験の大きなモチベーションとなった。困ったことに僕の読むこのテの小説は、たいてい主人公が東大生(作者が東大卒)であり、東京大学に籍を置いてこそそれらの体験が特別なものに映るのではないかと懐疑的に思うところなきにしもあらずだったが、おかげで高い目標意識につながったことは確かである。まるで自分が東大をめざしたかのような書き方だが(笑)。


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先日、久々に紀伊國屋を外から眺めて驚いた。
両脇のビルが取り壊され、紀伊國屋だけぽつんと取り残された感が漂っているのだ。

紀伊國屋ビルディングは2017年、東京都選定歴史的建造物に選定されている。これは東京都景観条例に基づき知事が選定するもので、規制ではないが“ゆるやかな保存”を基本とする。
一方、このほど発表された“旧耐震基準”に準拠して建設された建造物の耐震性調査結果によると、震度6強~7程度の揺れで倒壊する危険性が高いものは都内で156棟に上り、紀伊國屋ビルもそれに該当する。
景観上の重要性と建物の安全性をはかりにかければ、後者が優先されるべきは明らか。左右が空虚であると、ひとりぽつんと立つ姿はいかにも心もとない。


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紀伊國屋ビルは、書店はもとよりレコード・CDショップ、小劇場演劇のメッカ「紀伊國屋ホール」などを有し、若者の学問・文化・芸術活動を支えた。
そして忘れてならないのが地下飲食店街。

紀伊國屋は地下といわずビル全体、周囲の路地にまでカレーの匂いが漂っている。
地下飲食店街には昔から、(自分の知る限り)カレーショップが2店あり、匂いのもとと目されていた。そのうち「ニューながい」は2011年秋に閉店、あとには「クローブ」というやはりカレーショップが入ったが、昔ながらのカレーを提供するのは「モンスナック」1店のみとなった。


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そのへんの事情に関し、興味深い書き込みを見つけた。
込み入ったことにコメントする立場にないが、一連のツイートによれば、紀伊國屋ビルでいまも残る個人経営の飲食店は「モンスナック」のみ。
お店ホームページによれば「モンスナック」の創業は昭和39年と、紀伊國屋ビル竣工と同年である。


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店内はU字カウンターのみ(13席)。いまやめったに見られないカレースタンドの往年のスタイルを残す。
13時30分で半分ほどの客入り。


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注文は“本日のサービスメニュー”カツカレー900円→800円。
中国系? のおねえさんが「カツー」と、投げやり感たっぷりに奥の厨房に伝達。そしてそのカツカレーが3分ほどで出てくるところがすごい。


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こちらのカレーは“変わらぬ製法にこだわった元祖サラサラカレー”(HP)。
サラサラまたはシャバシャバと表現されるスープのようなカレーだが、いっときはやったスープカレーとは、なんか違う。シャバシャバしてるけどボディ感があるというか。


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甘味に加えて酸味が強いのが特徴。あの時代、カレーといえばポークカレーであり、トロトロの脂身はシャバカレー以上に懐かしい。
カツは厚みがあってスプーンではカットしづらいほど。サクサクの衣がシャバシャバの海を漂ううちにしっとりカレーを吸い取って、いい感じ。


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昭和の食堂めぐりは、年齢を重ねるごとにどこかに置き去りにしてきた大切なものを拾い集める旅のようなもの、かも…。


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――1969年7月20日の午前10時少し過ぎ、開店直後の新宿紀伊国屋のエスカレーター昇り口のわきのところで、ぼくは一体自分が第三者の目にはどんな若者にうつっているのかを初めはちょっと相当に気にしながら、激しい夏の陽ざしの中に突っ立っていた。というのもぼくは、洗いざらしの淡いブルーのダンガリーの上下に薄茶の細縁のサングラスをかけ(これは問題ないわけだ)、この春植木屋が縁の下に置き忘れていった古い麦わら帽子をかぶって素足に木のサンダルをつっかけ、薄鼠色になった古い昆虫網を小脇にかかえて、さらに(ここが重要なのだが)鼻の下にかなり立派な八の字型の髭をつけてあたりを睥睨(へいげい)していたのだ。(庄司薫『ぼくの大好きな青髭』より)


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[DATA]
モンスナック
東京都新宿区新宿3-17-7 紀伊國屋ビルB1F
http://www.monsnack.com/





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地域密着 “和食の殿堂” 【堀天】

2019.03.03

 午後3時ころの降りだしという予報だったが、9時ころには降り始めた。
なりゆきで参加した東久留米の「つるしびな巡り」スタンプラリー参照1参照2の抽選会は今日が最終日で、せっかく巡っておいて尻切れとんぼじゃなんだから、車で行くことにした。


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東久留米市役所向かいのイトーヨーカドーの駐車場に止めて晩ごはんの買い物をして、会場の市民プラザ屋内ひろばへ。
2人で3回ずつ引いて、僕が緑の玉を出した。その瞬間、パッと場が盛り上がり、雨模様で出足が鈍く所在なげにしている商工会女性部の皆さんのなぐさみにはなったかも。“商店賞”でクリスマスローズの鉢をいただいた。


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昼ごはんには、こんな機会でもなければ入らないだろうというお店を選んだ。
自転車ではやや遠く、それでも自分1人ならなんてことない距離ではあるが、1人では入らんやろ… という系統。


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新座の産業道路沿いの“和食の殿堂”“和食の王様”「寿司割烹 堀天」。
地元では有名なお店で、法事や祝事、宴会・接待などの需要を一手に担ってきたようだ。


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通りに面したホールだけでもかなり広く、長い通路の左がテーブル席、右の窓際が小上がりで、6~8人席が5列ほど。
中ほどから垂直に奥に向かうもう一本の通路があり、果てしなく奥行きがある… ように見える。その両サイドが大小の座敷席になっていると思われる。パンフレットには80名まで対応可と書いてある。


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ホール正面は長い寿司カウンターで、職人が4人も。
なんかヒマそう、というか楽しそうにおしゃべりしていたが、僕らのあとに入った8人組のオーダーが通った途端、きりきりと働きだす。
飾りじゃなかったのね… とひと安心(←飾ってどうする ヾ(- -;)…


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注文を決めるのに大いに迷ってしまった。メニュー表のたぐいがやたら多いのと、もう一つ難点が…。
もしかしたら平日ランチ的な情報をどこかで見ていたのかもしれない。想定していたよりどれもみな高いのだ。


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熟考の末、熟成とんかつ御膳950円と、天ぷら付ごぼううどん1250円に。
値段を(下から)熟考… という見方も σ( ̄、 ̄=) ンー…

ちなみに“ごぼううどん”は、同じくこの店のメニューにある“にんじんうどん”とともに、“新座ブランド認定事業”の第1回認定品


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そのごぼううどん、まるでそばのような第一印象で、しかしながらゴボウと言われればたちまち得心のいく容姿をしている。そして香りがゴボウそのもの。


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武蔵野系のうどんにはゴボウの天ぷらが最高に合うと考えているが、これはうどんのみでそのコンビネーションを実現… というのはちょっと違う気もするが(笑)、ともあれこの新座ブランドはおいしい。


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天ぷらは、にんじん、なす、さつまいも、ふきのとう。


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とんかつ御膳は小鉢、お新香、フルーツ付きという内容を見ればむしろ安いといってもよく、この品だけ価格設定基準が合っていないのは謎。


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分厚いがやわらかく、おいしいとんかつである。


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今回はその表面をなぞっただけであり、通路の先の奥座敷をのぞいてみたいという好奇心に駆られるのである。


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[DATA]
堀天
埼玉県新座市堀ノ内1-1-11



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