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ハケの地学と民俗学と、おだんごと 【ハケの茶屋】

2022.05.22

 前記事の続きで、本文最後の写真に写っている「島田薬舗」(旧島田家住宅)に背中合わせの格好で配置されている一軒の農家。
パンフレットには「旧河内家住宅(ハケ上の農家)」とある。
“ハケ”とは何か。


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武蔵野台地南側は多摩川による浸食地形で、低いほうからざっくり多摩川沖積低地・立川段丘・武蔵野段丘の段々になっており、各段丘の縁端の段差数メートルの崖を武蔵野の方言で“ハケ”や“ママ”と呼ぶ。すなわち立川崖線や国分寺崖線がこれにあたる。


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旧河内家住宅は府中市内の浅間山近くにあった農家を移築復元したもので、“ハケ上”とは府中崖線(立川崖線)の上という意味である。


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ところが“ハケ上”の理由はそれだけではなかった。


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ハケ上からハケ下の農家を見下ろす


旧河内家住宅前からもう一軒の農家が見える。
茅葺屋根を見下ろすような形で、すなわちここに数メートルの高低差がある。
なんと、ここにハケを造ってしまったというのだ。


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ハケ下の湧水も再現


――敷地内の復元建物のうち、旧河内家住宅が養蚕の盛んだった明治~大正頃のハケ上の畑作農家を再現したのに対し、旧越智家住宅は創建時を想定した復元がなされました。また、現存していた最古の茅葺民家であるということよりも、水田稲作を営んでいたハケ下の農家を象徴する存在であることが重視されたようです。そのため郷土の森敷地内に段丘を人工的につくり、多摩川の旧堤防を利用しながら、高低差のあるハケ上とハケ下を再現し、旧越智家住宅はハケ下に復元されました。(府中市郷土の森博物館だより al museo、No.139、p2、2022.3)


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“ハケ下の農家”旧越智家住宅


多摩地域における適地適作とそれに伴う生活様式の地域差を“展示”するため、崖線を造成してその下に湧水を流し、上下それぞれの特徴を備えた農家を移築再現――その“学芸員魂”には敬服するしかない。


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ハケ下には水車小屋

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ハケ上にはまいまいず井戸も再現されている


旧河内家住宅の隣のお休み処、その名も「ハケの茶屋」でひと休み。


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ハケの上下を結ぶ階段のそばという好ロケーションで、木漏れ日とハケ下の水音が気持ちいい。
ちなみに上の栞に記述のある小説『武蔵野夫人』の舞台とされる「はけの森美術館」(小金井市中町)にもカフェがあり、いつか入ってみたいと思っている。


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フードメニュー、ホットドリンク、ソフトアイスのほか、オリジナルのお土産品も。


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「こちらの梅園でとれた梅で作ったものです」と売店のおねえさん。
博物館には広大な梅園があり、梅干し、梅あめ、梅ジャム、梅ドリンク… と梅製品が並ぶ。


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お盆も梅の花を模したものというさりげない凝り方。


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ハケ上だんご1本と、梅こぶ茶、おしるこ。


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なんのことはない、粉末をポットのお湯で溶いたものが、このシチュエーションでいただくと体に染みる。
だんごの香ばしさとやわらかさも特筆しておきたい。

このあと広い施設内をぐるっと回って、お昼ごはんに。

(さらにつづく


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[DATA]
ハケの茶屋
東京都府中市南町6-32 府中市郷土の森博物館内
http://www.fuchu-cpf.or.jp/museum/about/1000090/1000576.html





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/H-nHFOGR0LM


https://youtu.be/FP_5-ARMtjE



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こういう都市公園っぽい場所もある


自転車圏の観光地 【江戸東京たてもの園】

2022.04.09

 コロナ禍で見聞きするようになった言葉にマイクロツーリズムというのがある。

――マイクロツーリズムとは、自宅から1時間から2時間圏内の地元または近隣への宿泊観光や日帰り観光を指す。(Wikipedia)

都県をまたぐ移動自粛うんぬんといったざっくりした対策とは異なる、自然な人流に従ったよりきめ細かい商圏を考慮した、感染拡大防止と地域経済を両立させる観光を推進――といった提言である。

「あったりまえのこと決めるのに、もたもたしてるな~」
という感じで、そんな言葉が使われる前から近隣の里山や茶畑や寺社仏閣などを自転車や徒歩で巡り歩き、ワクチン接種後はさらに車で1~2時間圏に足を延ばしもっと観光っぽいこともやってきた。


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この2年間で近場の名所をだいぶ回ったつもりでいたが、先日ハタと気づいた。
いちばん近くにある観光地を見逃してる!
それが「江戸東京たてもの園」。


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「江戸東京たてもの園」は“現地保存が不可能な文化的価値の高い歴史的建造物を移築し、復元・保存・展示するとともに、貴重な文化遺産として次代に継承する”HPより)ことを目的に1993年、東京都により開設された野外博物館。
約7haの敷地内に、江戸時代から昭和初期までの約30棟の建造物が展示されている。


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小金井公園内の有料エリアである。
公園自体にはよく行くが、そういうものにお金を払うのはちょっと… と。古民家や古い商業施設などには興味はあるが、復元展示はありのままの姿とはいえない。

それが最近、考えが変わった。考えというか、欲求?
ベタな観光がしたくてしょうがない。

見逃していた… と上に書いているが、実は入りたくても入れなかった。
コロナ禍でずっと休園で、先の重点措置解除後、ようやく入れるようになった。


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自転車で小金井公園へ。
正面のビジターセンター(旧光華殿)で受け付けを済ませ入園。
園内は西・センター・東の3つのゾーンに分かれる。
センター~東ゾーンから見て回ることに。


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まず現れる重厚な日本家屋は高橋是清邸。


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高橋是清は二・二六事件で暗殺された政治家(第20代内閣総理大臣、事件当時は大蔵大臣)。

――軍事予算を抑制しようとしたことが軍部の恨みを買い、二・二六事件において、赤坂の自宅二階で反乱軍の青年将校らに胸を6発銃撃され、暗殺された。(Wikipedia)


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↑高橋是清はこの2階寝室で殺害された


この建物は港区赤坂7丁目にあった邸宅を移築・復元したもので、まさに二・二六事件の現場である。
厳粛な気持ちにさせられるが、2階から見下ろす日本庭園はあまりに美しい。


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東ゾーンへ。

一転して猥雑な雰囲気。
ここは“下町中通り”という商店街風に展示されている。


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土曜の昼すぎということもあって、だいぶ人出も増えてきた。
観光気分、一気に高まる c( ̄▽ ̄)


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以下、商店街の様子をランダムに貼付。


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商店街正面にどーんと構えるのは「子宝湯」という銭湯だ。


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――東京の銭湯を代表する建物です。神社仏閣を思わせる大型の唐破風(からはふ)や、玄関上の七福神の彫刻、脱衣所の折上格天井など贅(ぜい)をつくした造りとなっています。HPより)


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銭湯はバエるらしく大人気。
おねえちゃんたちが湯船につかったり大鏡の前でお化粧したりの“ポーズ”で写真撮ってる。
こっちは男湯だっつーの ゞ( ̄∇ ̄;)ヲイヲイ


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さて、ひとっ風呂あびたことだし…(笑)。
腹が、減った……

(つづく)


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[DATA]
江戸東京たてもの園
東京都小金井市桜町3-7-1
https://www.tatemonoen.jp/





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/9Umd7w5cECE


https://youtu.be/N3MHeNt6Yjs


https://youtu.be/SjoWYfG0U_c




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小金井公園 たてもの園前広場


トトロの原風景を歩けば ――トトロの森1号地

2021.12.19

 所沢の山口地区は狭山湖の下流の谷であり、所沢武蔵村山立川線・岩崎交差点の東からじゅうにん坂に抜ける箇所以外、脱出ルートはすべて上り坂になっている。
当然、上流に行くほど坂もきつくなるので、自転車で踏み込むことはほとんどなかった。

先日、気まぐれというか冒険心というか、自分的地図の空白域の多い上山口を調査してみると、思わぬ発見があった。機を見てじっくり歩いてみようと思ったのである。

朝ごはんのとき話してみると、「じゃ早く出よう」と。
8:45出発。

主要目的地は“トトロの森”群。
自転車で狭山公園まで行き、歩いていってレオライナーで帰ってくるという計画だ。


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まず多摩湖ダムに上る。
冷え込みの厳しい朝だけに空気が澄み切って景色が素晴らしくよい。
朝早く行動することの効能であろう。


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多摩湖と富士山


「掬水亭」横の「ファミリーマート」の向こうを左へ。
ずっと気になっている「水石音季」前の急坂を下った谷底の住宅地にスリランカ料理店ができていて驚いた。


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「四季料理 水石音季(せせらぎ)」


同じくらい急な反対斜面を上り、住宅地を外れたあたりがトトロの森6、25、23・35・36号地。
開発が先か保護が先かというまだら模様のエリア。


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この先、街なかを通るが、Googleマップに古民家付き農園というのがあって見ておこうと。
行ってみれば「corot」というその施設は、ときどき自転車で前を通って気になっている物件であった。


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「corot(コロット)」


道端でこの先の通り道をスマホで確認していると、「corotに御用の方?」と、どこからともなく現れたおばさま。
「いや、そういうわけでは…」

でもせっかくだから施設の概要などを伺う。

トトロの森に行きたいと言うと、トトロの森といってもたくさんあるんですよ、と「狭山丘陵はっけんノート」というガイド本をいただいた。
RPGでアイテムをゲットした気分♪


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谷の南斜面を下り、街なかを歩いて北斜面に取り付くあたりから、トトロの森15、3、45・1号地。


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――トトロの森は、公益財団法人トトロのふるさと基金によるナショナルトラスト事業で購入・保全されている狭山丘陵の土地の愛称 ~~ 1991年に取得された「トトロの森1号地」を皮切りに、2019年5月までに51ヶ所の「トトロの森」が確保され、その多くが一般市民向けの散策地として公開されている。(Wikipedia)


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ヤブランの実とサイハイランの葉


1号地を抜けたところにある堀口天満天神社にお参り。


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そこから所沢市西部浄水場へ上っていく途中の風景に見覚えがある。
冒頭に記した“思わぬ発見”とは…。


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川崎市中原区に住んでいた30年前、都会の暮らしに疲れ(笑)、映画『となりのトトロ』の世界観に憧れて、あてもない架空の引っ越し先の下見と称して車で所沢方面にやって来たことがあった。
当てずっぽうに車を止めて散策し、シートを広げて弁当を食べたのが、たぶんこの場所↓↓

こんな道端でお弁当など、いまでは考えられないが、そのころはもっと本当に山道だったのか、僕らがヘンに都会人だったのか。


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ちょうどトトロの森ナショナルトラスト事業が始まったころのこと。
その道をいま、交通機関を使わず歩いている。

人生、望んでいる形に無意識に近づいていて、いつしか急接近していたことに突如気づかされることが、ときどきある。


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相方にこの場所を見せたい… というのが今回の旅の目的だったんだが、覚えていないと。
それもまた人生… σ( ̄、 ̄=)

えー、気を取り直して。
腹が、減った……

(つづく)


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狭山湖と富士山


[DATA]
トトロの森 1号地
埼玉県所沢市上山口雑魚入351
https://www.totoro.or.jp/intro/





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/RUnvkHZwDg4


さんぽ 【サントアン】

2021.09.11

 猛暑からの長雨で体力の衰え著しい9月半ば。なにしろ運動(自転車&散歩)ができていない。自転車でちょっと長い坂を上ったりしたら、息が上がってもう大変。
もしかしてサボリ癖もついてるかも。冷房の部屋は快適だし、車の移動はラクちんだし。
困ったことに、体力が落ちるほど、目方が増す。

運動不足の原因には仕事もあって、小の月で祝日が2日ある9月は毎年鬼門なのだ。
その仕事もほぼほぼ終わり、この週末から体力面の立て直しを図っていきたいと。
今日は空堀川沿いを歩いて秋津方面へ。


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それでも自分は体を動かすほうだと思っている。
何十年もクルマ主体の生活で僕くらいの年齢になった人の健康面って、どうだろう。
“重症化しやすい”とは毎日のように聞かされる文言だが、隠れハイリスク層も多いのでは…?


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真の健康とは?
ポストコロナ時代のキーワードに違いない。


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曙橋のたもとで左折して秋津駅方面へ。
途中、野菜の直売所をめぐるようにジグザグに歩いて秋津駅→新秋津駅。


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市内随一の稠密地帯。


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歩き始めからここまでの距離4.3km。


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「シベリアでも買っていこうか」と相方。


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新秋津駅前のパン屋さん「サントアン」は懐かしの菓子パン“シベリア”を扱っている貴重な存在。


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ただ売ってるってだけじゃなく、こちら、シベリアリバイバル人気のきっかけとなった映画『風立ちぬ』の宮崎駿監督御用達のパン屋さんとして知られる。トトロパンも人気だ(詳しくはこちらをご覧ください)


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写真を撮らせていただいている間に、もうお会計してる相方。
なんと、シベリアもトトロパンもトレーに載っていない。
「な、なんで?」
「あんドーナツが食べたくなったの」


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あと、あんパンとクリームパン。
「クリームは自家製なのでいろんなパンに同じものが入ってて…」とお店のおばさま。
いえいえ、尊いことです。


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グローブの形をした正統派クリームパン。香料を使っていない正直なカスタードがいい。
手間を惜しまない職人気質に頭が下がる。


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3個買って350円。ケーキ1個も買えない値段でこれだけの満足!
しみじみとうれしさがこみ上げてくる。


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街にこういうお店が普通にある。
そういうのをホントの豊かさって言うんじゃないだろうか。

(つづく)


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淵の森


[DATA]
サントアン
東京都東村山市秋津町5-25-25





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/ouZDn_5KAaM



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空模様は不安定なまま


聖地巡礼シリーズ? 【サントアン】

2021.05.12

 新秋津駅前のホームベーカリー「サントアン」でシベリアとトトロパンを買う。
シベリアとトトロでビビッとくる人も多いと思うが、ジブリつながり。


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お店の前の道を下っていくと、淵の森。
宮崎駿監督が『となりのトトロ』の構想を練った場所とされる。
「サントアン」は宮崎監督御用達のパン屋さんとして知られている。


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以前、淵の森の入り口のあたりで宮崎監督に遭遇した。
そのときの不思議な感覚をうまく言い表せないが、たぶん興奮していた。
アニメに詳しくないが、大の宮崎駿ファンではあるのだ。


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高校2年のとき、NHKで放送された『未来少年コナン』の第1話をたまたま見て、こんな面白いアニメがあるのか! と衝撃を受け、一発でとりこになった。少ない情報を求めて本屋で『アニメージュ』という雑誌を見つけ、わずか数ページのコナンの記事を何度もむさぼるように読んだ。
10年後、某音楽業界誌編集部にいた僕は、(詳しくないと言いながら)アニメ特集を担当し、アニメージュ編集部に取材を申し込んだ。そのとき対応してくださったのがかの鈴木敏夫さんで、たしか副編集長という肩書だった。長い中断から連載再開していた『風の谷のナウシカ』について、仕事そっちのけで個人的興味からいろいろ質問したのである。
(思い出話終了)


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シベリアとトトロパン、それと食事用にタマゴパンを買う。


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ちなみにシベリアは宮崎駿作品『風立ちぬ』の劇中に登場し、ブームのきっかけをつくっている。
去年、本町の「木村屋」が閉店し、市内でシベリアを扱っているはもしかしたらここだけかも…。


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実はカレーパン目的だったんだが見当たらず、カレーソース味と書いてあるタマゴパンを買ったと。


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カレーソース・ゆで卵・マヨネーズの層状構造。
オイリーかつ生地がしっかりしていることもあって1個で満足感が得られる。


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シベリアのカステラ生地が素朴でいい。挟んだ羊羹もあっさりしていて、全体にかなり軽い仕上がり。
こっちは1個ぺろりといける。


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トトロのおなかの表面はメロンパンのクッキー生地になっていて、中にはチョコレートクリーム。
パン生地にコシがあって食べ応え十分。


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「サントアン」はまとめ記事で取り上げているがお店単独では初めて。
宮崎駿ファン的には不思議としか言いようがないが、一種の聖域扱いだったのかな。


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[DATA]
サントアン
東京都東村山市秋津町5-25-25





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/2aqfdUhpxiU


さあ でかけよう 【ル・フレザリア パティスリー】

2021.01.10

 今年はとにかく歩くということを掲げているので、緊急事態宣言下でもそれは変わらないと思う。
このブログでは前の宣言時もそれ以降もブレずに言い続けているつもりだが、人のいないところを歩けばいいのであって、こうなっては後手後手対応の政府筋や具体的な密回避法を実践できずにいる人たちにとやかく言われる筋合いはないと考える。


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今日は八国山・鳩峯・荒幡富士・多摩湖堰堤と山越え4カ所というややハードなコース設定をした。
まずは東村山駅西口の「ル・フレザリア パティスリー」で昼ごはん用にパンを調達。


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店名からおわかりかと思うが、こちらは基本的にケーキ屋さんで、パンも焼いている。パンにも定評があり、ハード系では市内1、2じゃないかと思っている。
エピとミニ・パン・ド・ミを購入。


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そもそもなぜパンであるかというと…
1月2日の神社めぐりの途中、なぜか『レ・ミゼラブル』とパンの話になった。
「教会からパンを盗んで捕まったんだけど、『それは私があげたパンです』と司教にかばってもらい、ついでに銀の燭台ももらって改心したって話だっけ?」
「違うよ。なんか長い距離を歩かなきゃいけないんだけど、出発前にパンの包みを渡されて『このパンは最後の最後まで食べずに我慢しなさい』と言われ…」

どっちもスカスカである (〃 ̄ω ̄〃ゞ

前者はともかく後者は『レ・ミゼラブル』とはまったく関係のない『一切れのパン』(F. ムンテヤーヌ作)という作品であるとあとで調べて判明しているが、要するに、腹が減って途中打ち切りとなった前日の反省を踏まえ出発前にパンを一切れ僕に持たせたと。いま空腹に耐えて歩き続けられるのはそのパンのおかげである、ということを相方は言いたかったのであった。

今日、“N'emportant qu'un bout de pain”作戦、ふたたび。


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上記神社めぐりコースから外れるので追加で掲載した「八国山の社」横から八国山へ

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鳩峯から見る松が丘の住宅地。向こうが八国山

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光蔵寺

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西武園ゴルフ場

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荒幡富士(荒幡浅間神社)

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多摩湖から見える山々

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富士山

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多摩湖堰堤



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© OpenStreetMap contributors


…と歩いて、多摩湖堰堤下の狭山公園。
前回と違い、このコースではお食事処にありつけないので、実際にパンの出番である。


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コース的には10km。
いやー、木片でなくてよかった。。。


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[DATA]
ル・フレザリア パティスリー
東京都東村山市野口町1-20-14
https://www.lefraisalia.jp/
https://www.facebook.com/LeFraisalia/





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/qEq66U_PszA



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公園の自販機で


狭山茶の茶園カフェにお立ち寄り 【和田園製茶所】

2020.07.05

 所沢周辺ポタリングマップシリーズ第3弾の仕込みとして西所沢駅を出発したのが9時40分。しかし天気の崩れが予報より早そうなので、10時30分、三ヶ島の慈眼庵で引き返すことにした。

今回、予定より短いが10kmとキリのいい距離となり、気持ちのよいコースでもあるので、いちおう全体マップと写真(抜粋)を記事末尾に掲載した。
このコースはあらためてちゃんと回りたいと考えている(シリーズ第1弾第2弾はリンクよりご参照ください)


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コースの途中、気になる存在だった老舗茶舗のカフェに立ち寄る。
といっても長居ははばかられるので、テイクアウト商品を確認しての入店。

所沢市三ヶ島の茶園「和田園」は1951(昭和26)年に機械製茶を創業。
工場棟の一角の店舗に併設する形でカフェを開いている。


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場所はおそろしくわかりにくいので末尾のGoogleマップを参照してもらうしかないが、僕は昔からこの道をよく通っていた。
製茶所の先の宝玉院の墓地の間を下って川筋を2本越え慈眼庵に至るルートが、昭和そのものの得がたい趣を秘めている。


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この区間はGoogleマップでは途切れている

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不老川支流 林川?

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慈眼庵と別れ道


まさに映画『となりのトトロ』の世界そのもの。
…というのがこの記事の要点だったりする。


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「和田園」の向かいに「クロスケの家」という施設がある。
クロスケとは『となりのトトロ』に出てくる真っ黒くてふわふわしたあれ (^o^) で、施設を運営するのは「(公財)トトロのふるさと基金」。


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「クロスケの家」は団体の活動拠点の古民家施設。元は和田家の地所であり、施設内の製茶工場や蔵も和田園から移管されたとのこと。
施設は現在休館中だが、コロナ収束後にぜひ訪れたい場所の一つである。


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カフェ入り口の看板は「茶房 和田」。


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各種ドリンクや5種類ある大福もテイクアウトできるもよう。


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聞くと、大福はいまあるのは黒ゴマ、抹茶、あずきの3種類とのことで、1個ずつ買う。
冷凍なので自宅に着くころに解凍というタイミングがよさそうだが、夏の盛りなら凍ったまま食べてもおいしいかも。


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店内にはご近所の方とみられる老齢のご婦人がおられて、茶筅を品定めしている。


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おばあさんの指示で撮ったアングル。りっぱなアンスリウムは写すべきだと


思わず、お茶をなさるんですかと聞くと、「私は持っているんだけど… お友達がね、買うっていうからちょっと待ってもらっているの。ここのがいいから」とおっしゃる。
さすが茶どころだけある。日常に茶の湯が浸透しているらしい。


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小さな大福を3個買っただけなのに店主がお茶を入れてくれた。
これがなんとも優しい甘さで、うっとうしい梅雨空が吹き飛ぶおいしさだった。


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〈三ヶ島方面ショートコース〉
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© OpenStreetMap contributors


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[DATA]
和田園製茶所
埼玉県所沢市三ヶ島3-1157-3





[Today's recommendation]

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https://youtu.be/QshlbGEdSXs


武蔵野の原風景をめぐるユルポタコース

2020.06.19

 コロナ禍にあって変わったものの一つが自転車で向かう方角。
以前は都会方面へ、すなわち都心の北西に位置する居所から見たら南や東に向かうことが多かったが、いまはそっち方面へ行くことはほとんどない。
繁華街の人混みに踏み込む気になれないというより、店内飲食を控えるとなると、そもそも街に用事がなくなるのだ。

自転車は気分転換である。仕事で疲れたアタマを休める目的で乗る。
いまは人も車もいないところでボーっとしたい。
この間、そういうルートをいくつか開拓した。


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© OpenStreetMap contributors


人とも車とも出会わないって、いまの時代、東京近郊で、いくらなんでもそれは大げさだろうと思われるかもしれないが、本当です。
近くにお住まいで自転車に乗ることもあるという方は、まず今回のルートをお試しいただきたい。


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東新井町交差点は車でいっぱい(地図の⓪)


国道463号(浦和所沢バイパス、通称:うらとこ)とさいたまふじみの所沢線の交わる東新井町交差点の一つ東の信号がスタート・ゴール。総距離12kmほどの気軽なコースである。



〈牛沼〉
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© OpenStreetMap contributors


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①所沢市大字牛沼、②木村・徳田両中尉墜落地案内標識

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③坂道

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④神明神社

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⑤茶畑地帯


幹線道路の交差点から20mほど入っただけで古びた町並みが現れる(写真①)。さらに750m進むと、東川河岸段丘の広大な茶畑地帯(写真⑤)。
この古い町並みと茶畑などの耕作地帯が今回通ったエリアの多くを占める。



〈松郷〉
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© OpenStreetMap contributors


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⑥松郷交差点

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⑦所沢市東部クリーンセンター(左)


「おまえ どこから来たの? まつごうっ!?」の松郷交差点(写真⑥)。
ここで古い道が分断されている。
この先がこのルートの中心部だ。



〈日比田~亀ケ谷・南永井〉
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© OpenStreetMap contributors


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⑧⑨日比田水路の谷筋の道


写真⑦は東川支流・日比田水路の谷で、SFチックな構造物は所沢市東部クリーンセンターと所沢市リサイクルふれあい館の連絡橋。
巨大ごみ処理施設の下流に開けた日比田地区は、まるで腐海に囲まれた風の谷のようだ。


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⑩レトロな雑貨屋

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⑪坂道

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⑫坂の上は亀ケ谷・南永井の広大な畑作地帯へ続く

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⑬この先を左折(わかりにくいので要注意)


うらとこバイパス・日比田交差点へ向かう道(柳瀬資料館通りの延長)は寺社や商業施設もあり、ルート中で随一の主要道の様相を呈している。交通量も少なくないが、車にまったく出くわさないこともある。
写真⑪の坂を上ると、また違った雄大な景色が広がる。



〈折り返し(関越道)〉
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© OpenStreetMap contributors


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⑭南永井の畑作地帯

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⑮ラーメン「珍来」


この季節、このあたりではヒバリが盛んにさえずっており、すぐ北に見える南永井通りの車列がうそのように静か。
オリンピック道路にある「珍来」という滝山の名物店と同じ名前のラーメン屋がずっと気になっている。


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⑯関越自動車道と⑰その側道

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⑱南永井八幡神社


今回は関越道を折り返しに設定しているが、さらに進めば同じような田舎道を東武東上線・みずほ台駅あたりまで行ける。



〈南永井の屋敷林〉
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© OpenStreetMap contributors


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⑲屋敷前を通る道

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⑳立派な屋敷林


屋敷林・耕地・平地林という武蔵野を特徴づける短冊型の地割りがいまも残る。
⑲の屋敷前を横断する道は、⑭の畑を横切る道と平行して走る。両者を直角に結ぶ道はほぼ私道である。



〈再び日比田地区〉
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© OpenStreetMap contributors


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㉑亀ケ谷の耕作地。前方に東部クリーンセンターの塔が見える

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㉒下り坂

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㉓「三上さんちの焼きだんご」


見晴らしのよい耕作地。⑫の道(薄紫)の一本西を戻っている。
坂を下ると⑩の雑貨店にぶつかり、少し上ると焼きだんごのお店。
沢筋のこの道は片側の暗渠が歩道になっている。


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㉔所沢欅聖地霊園方面に入る

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㉕クリーンセンター施設を⑦とは反対側から見下ろす

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㉖日比田の高台



〈所沢堀兼狭山線~カルチャーパーク通り〉
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© OpenStreetMap contributors


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㉗ランドマーク

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㉘山田食品産業の牙城の様相

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㉙「9秒カレー 所沢店」


⑥の松郷交差点はうらとこバイパスと県道126号所沢堀兼狭山線の交差点であり、その1km北で再び126号を越える。


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㉚所沢市指定文化財「木村・徳田両中尉墜落地」(写真②③に案内標識)

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㉛若松町から霊園方面を望む


若松町は古い団地エリアだが、外れには農村風景が残る。
東の緑は霊園やカルチャーパークの森、西は航空公園である。



〈こぶし台団地~うらとこ(ゴール)〉
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© OpenStreetMap contributors


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㉜こぶし台団地

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㉝中華料理「泰雅」


団地内には商業エリアが残っていて、いい感じの街中華が出現したりする。
(個人的)自粛明けのあかつきにはぜひ訪れたい。


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㉞塚口地蔵尊

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㉟スタート・ゴールの交差点


浦和所沢バイパスは有数の幹線道路であるが、自転車で走りやすいとは言い難い。
一方、北に接する「三富地区」は工場・倉庫・産廃地帯で、どの道も大型トラックが行き交い、自転車でのんびり走れる場所は存在しない。今回のコースも、一つ曲がり角を間違えれば、知らぬ間にそういう道に合流してしまうという紙一重のきわどさがある。実は針の穴を通すような精緻なコース設定なのである。

あえて“便利”を遠ざけることで得られるものがある。
素晴らしい武蔵野の原風景に触れることができるのだ。



〈おまけ〉
~ いちおう食べ物ブログなので…

「三上さんちの焼きだんご」/埼玉県所沢市大字日比田536
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(2020年5月30日)

「9秒カレー 所沢店」/埼玉県所沢市大字下新井1405-23
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(2019年12月19日)



[Today's recommendation]

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https://www.youtube.com/watch?v=B51bLBdUt3w


みちのく行き当たりバッタリ (_ _;) ――その⑤ 【白龍 本店】

2019.04.29

 前記事の続き。

平泉前沢ICで東北自動車道に乗り、一路盛岡へ。
ついに盛岡じゃじゃ麺との対面の瞬間が近づいてきた。

…と思ったら盛岡南ICを下りてまもなく、ナビさんが押し黙ってしまった。
まさかのiPhone電池切れ Σ( ̄ロ ̄lll) ガビーン


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“南部片富士”岩手山


ナビの操作は助手席の相方に任せていて、本人のスマホのマップのナビ機能を使っているわけだが、同じ機種にもかかわらず僕のスマホではナビの設定方法がわからないという。
盛岡には一度来たことがあるが、30年以上も前の話で、しかも人に連れてきてもらったので、はっきりいって右も左もわからない。
じゃじゃ麺への道は平坦ではなかった。


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ナビなしのマップでなんとか盛岡城跡公園近くにたどり着き、パーキングに入れて、いよいよ目的のお店へ。


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そこで目にしたのはいまだかつて遭遇したことのない困難な局面であった。
お店の前に、大大行列 (_△_;ガチョーーーン!!

途方に暮れました。


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いつもなら「ハイ、無理」と即決できる状況だが、いつの間にかこの店が旅の目的みたいになっていて、代替案は考えていなかったし、ほかの店は知らないし、パーキングに車入れちゃってるのも悔しいし…。
グルグル思い巡らせても、やっぱり並ぶしかないのだ。

数えてみました。
僕らの前に45名。


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そしてさらなる悲しいお知らせ。
やっぱり宿がとれそうにない、と相方さん ∑(_□_;)iiゴゴーン
現地でビジネスホテルぐらい入れるだろうと宿を予約せずにやって来て、平泉を出てから相方がずっとスマホで宿を探していて(それでバッテリーが上がったわけだが)、もう20~30件あたったが、ダメ。
知らない町の路地裏で、とっぷり日が暮れ、寝るところもなく…。
心細いのなんの(笑)。


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行列すること72分。
ようやく「白龍(パイロン)本店」に入店。
注文は、じゃじゃ麺 小盛550円、中盛600円。


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実はこのお店に入るのは2度目。30数年前に盛岡を訪れたのは、仕事というかなんというか高校の同級だったSK君と同行していて、岩手大学を出ているSK君にいろいろ案内してもらった。それで盛岡じゃじゃ麺というものを初めて食べ、感動のあまり自己流に再現を試み、それがいまでもわが家の定番メニューとなっている。
30数年ぶりに食べる本物のじゃじゃ麺は、当然のことながら家で作るのとはだいぶ違う。


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じゃじゃ麺 小盛


麺は平打ちというか断面が長方形のモチモチした、まあうどんである。ゆで上げのうどんの上に、ネギ、キュウリ、みそがのるというシンプルな構成の麺料理だ。


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「ひき肉、胡麻、椎茸、その他十数種類の材料を混ぜ込んで炒め寝かせた秘伝の味噌」とHPにあるが、秘伝はそこだけであとはネギ・キュウリ・うどんを用意すればいいので、まねしたくもなる。しかしその“秘伝”がやはり、たやすくはない。


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食べ終わったらテーブル常備の生卵を器に割り落とし、よくとき混ぜて店員さんに渡す。すると、熱々のスープが注がれて戻ってくる(みそ、ネギも適宜追加される)。この“ちいたんたん”という卵スープが「白龍」の名物(+50円)。
SK君に「麺1~2本と具を少々残してちいたんたんにするのが通」と教わっていたので、通ぶってみたが、HPを見るとそれが正式な作法のようだ(笑)。


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食べ終わってお店を出たのが9時すぎ。僕はせっかちなのであれこれ動いてしまうが、行列の間に頭が冷やされ、腹が決まった。
今夜は車中泊。
来るとき、確か出口のすぐ手前にサービスエリアがあった。と、盛岡南ICに向かう。

(つづく)


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[DATA]
白龍(パイロン)本店
岩手県盛岡市内丸5-15
http://www.pairon.iwate.jp/





[Today's recommendation]


https://youtu.be/jBUyjoc_RmA

会っちゃった! ○○に会っちゃったー!! な一日 【浜富】

2017.12.17

 駅の階段がきつくて、しばらくまともに歩いていないことに気づき、今日も引き続き散歩。どちらかというと散歩メインで、その途中でお昼ごはんというスケジュール設定に。って、気持ちの持ちようだけど。

家を出たのが10時ごろ。
秋津の街の西側の商店街から新秋津駅前ロータリーに出て、パン屋「サントアン」の前の道に入る。秋津神社を右に折れて割烹「浜富」のほうに抜けるコースだが、ふと気が向いて神社裏の斜面をまたぐ陸橋を下った。
この先には「淵の森」が広がる。


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淵の森――
東村山市と所沢市の堺にある約4800平方mの緑地。アニメーション・映画監督の宮崎駿氏が散策に訪れ、『となりのトトロ』のアイデアを練ったという。
1996 年、「安松橋付近の貴重な緑地を保全する連絡協議会」(現「淵の森の会」、会長:宮崎駿)結成、宮崎監督の寄付金などで森が公有地化され開発から守られる。
例年、会長参加のもと淵の森の会による下草刈りが行われ、その様子が報道されるのでご存知の方も多いと思う。


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西武池袋線の橋梁横の歩行者橋から上流側に、柳瀬川と左岸の保護林を望むことができる。
橋脚に張ってあるアユの放流事業の記事に目を通す。
「ここには監督の名前はないな…」
と振り返ると、出合い頭に当の本人と目が合った。

「え…!?」
あまりに不意の出来事に、固まったまま散歩途中のその人を凝視してしまった。
こっちの表情がおもしろかったのか、相手は軽く会釈してくれた。


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世界的映画監督(左)と草壁サツキさん・メイさん(右)


大トトロのごとく悠然と橋の階段を上る後ろ姿をボーゼンと見送っていると、
「マンガの人だよ」と居合わせた老人。
「で… ですよね?」
「そりゃそうだ。だって家、すぐそこだもん」
てっきり三鷹とか小金井とか、あっちのほうに住んでるものと思ってた。

最近いろんなことに出くわすが、とびきりのサプライズ。
犬も歩けばイイコトあるなぁ。


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そのまま上安松の、駅から直線距離でそれほど離れていないにもかかわらずオソロシク昭和な(トトロな)風景が広がる細道を抜けて、上安松地蔵尊の交差点から上って秋津の街に戻った。


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昼食は「浜富」に。
この通りには似たような割烹が2軒あるが、浜富は人通りの少ない立地のほう。
店頭に惣菜のパックとランチの看板。


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店内はかなり広く、きれいである。通路の右に5席ほどのカウンター、左がぐるりとL字形に座敷になっている。2階も客席のもよう。
先客はなく、「奥にどうぞ」と仲居さんに正面の座敷席に案内される。


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注文は、かす漬定食900円と刺身定食(マグロ・鯛)900円。


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座敷の向こう側には10人程度の宴席の準備が整っている。それ以外にわれわれの席ともう1卓、いずれも天然銘木の分厚い一枚板テーブルだ。
BGMはご当地演歌的な夕時の気配を漂わせる有線チャンネル。


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定食は予想外に盛りだくさんな一汁四菜。

まず一汁がたいへん気に入ったのだが、つみれ汁かと思ったらすいとんである。白菜をメインに人参、椎茸などの入ったしょうゆ味の素朴な味わいで、魚主菜に合わせる汁物としてバランスがよいと思う。


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副菜、副々菜はマグロの角煮とワカメ・ユズの酢の物で、これも量をケチってない。
香の物は大根のつぼ漬け。


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刺し身はマグロ3切れ・鯛4~5切れと少なめだが、モノがよい。
ゴロッとした角切りのマグロは赤身2と中トロ1で、赤身の濃厚さからは本マグロかインドマグロを思わせる。


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かす漬けはアコウダイの半身。ほどよい漬け加減でプリっと身が締まり、いい塩梅。

ご飯の茶わんはツレのと僕のとでサイズが違う。
「おかわりしてください」と言われたが、十分な量だ。汁はすいとんだし。


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このランチはたいへんお値打ちだと思う。それで客が入っていないのはまったくナゾ。
秋津-新秋津乗り換えルートからちょっと外れるだけなんだが?

もっとも、このお店は宴席や会食の団体客主体なのか、店員さんは皆さん、余裕の表情である。


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[DATA]
浜富
東京都東村山市秋津町5-13-1





[Today's recommendation]


https://youtu.be/ZTe503ezYLI



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◆ 猫写真はこちら




 UFO!?

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帰りにケーヨーデイツー跡地に入ったコープ秋津町店でお米を購入。
駐車場に日清UFO無料試食会のキッチンカーが止まっていて、寒風吹きすさぶなかバイトちゃんの声掛けもむなしく誰も立ち止まろうとしないので、かわいそうで1食いただいた。僕らと親子連れが呼び水となって、そのあと一気に盛況に。
2~3口分のUFOを食べ、欲求不満の客でコープではカップ焼きそばが売れたはずだが、銘柄がすべてUFOであるかは保証の限りではない。


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